(54)【考案の名称】建物耐震用の免震装置

(73)【実用新案権者】ビーエスドアー 株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、基礎(側)と建物(側)の間に介在設置し、建物を、懸架枠金と主軸とばねの弾力によって懸架して備えた、建物耐震用の免震装置に関するものであり、主として地震の際に、建物の震動を免震して建物を損壊から保護するようにしたことを特徴とする、建物耐震用の免震装置に係るものである。

【従来の技術】

【0002】
近時、大規模地震が頻繁に起きることに起因して、その防災対策として、種々の建物について地震の震動に耐久する性能を保有させることが極めて緊急かつ深刻な課題とされており、よって、建物自体の構造の耐震性を向上する技術と共に、建物の基礎(側)と建物(側)の間に耐震用若しくは免震用の構造を備えることによって、建物全体の震動を制動、吸収若しくは緩和する建物耐震用の免震技術が種々提供されつつある。
ところが、従来の免震技術は、その大多数が大形ビルや高層ビル等を対象とした大規模なものであって、その構成も設置費用も多大なものとなっていた。
一方、一般住宅等の比較的小規模な建物については、前記のように建物自体の構造の耐震性を向上する技術は多数提供されているが、建物全体の耐震用の免震技術は殆ど開発提供されていないのが現状であり、その点において大きな課題があった。
また、前記のように、当然建物自体の耐震性を向上することは望まれるが、近時のように震度が大な地震に耐久できる構造にするには、一般住宅等の小規模な場合でも建築費における極めて大きな負担増となっていることも大きな課題とされてきた。
【0003】

【効果】

【0008】
本考案は、上記のような構成及び作用によって、地震等による激しく振幅の大きな横揺れ・縦揺れ・それらが複合した揺れ等の震動から、建物を極めて有効に免震保護することができる優れた効果がある。
【0009】
本考案は、建物の規模に応じて、免震装置の寸法、形状、耐圧荷重等を対応せしめた複数種のものを複数個用意することにより、例えば、建物の構造、形状、重量、設定間隔、設定面積、その他種々の条件変化に対し、複数種、複数個を選択配置することによって自在に対応し得る優れた効果がある。
【0010】
平常時は、主軸の上下端のアジャスターナットの先端部をライナーを介して基礎(側)と建物(側)に螺進圧接して、建物の荷重を主として主軸で保持するようにしたので、耐圧コイルばね等の各ばねに常時負荷がかかることがなく、よって、長期間の間にばねが疲労してしまうことを防止して、強震動で主軸が傾動しライナーから外れた時に有効かつ確実にばねが作用して効果的に免震作用を発揮し得る優れた特徴がある。
【0011】
また、前記の外れたライナーは震動が収まった時点で、再びライナーを介し主軸のアジャスターナットを螺進退調節して、簡単に、圧接復元することができる利点がある。
【0012】
前記ライナーが外れる震動の強さは、危険を感じる位強い震動が発生した時に外れるように設定し、それによって、建物をばねの弾力だけで支持した場合に生じがちな、危険のない震動の場合でも、ばねが反応して建物が揺れることを防止することができる特徴がある。
【0013】
また、地震の他、竜巻、爆発のように建物が急激に上方へ引っ張り上げられるような負荷がかかった場合には、各ばね、特に中間耐圧コイルばねが負荷の吸収、緩和に有効に作用する特徴がある。
【0014】
実施例のように、懸架枠金として同じ構成のもの一対を使用すると共に、各ばね受平座金、各耐圧コイルばね、各半球面軸受メタル、各アジャスターナット、各ライナー等の部材を共通部材として設けることによって、部品点数を少なくしてコスト安に製造・提供し得ると共に、メンテナンスが容易となる優れた利点がある。
【0015】
なお、懸架枠金その他の部材は、必要に応じて、形状寸法その他自在に変更し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本考案建物耐震用の免震装置の実施例1の斜視図。
【図2】正面図。
【図3】図2のX−X線断面矢視図。
【図4】右側面図。
【図5】図4のY−Y線断面矢視図。
【図6】地震の横揺れで図3の基礎側・建物側が横方向へ移動し建物免震装置の主軸が傾動した状態を示す図。
【図7】図2のZ−Z線断面矢視図。

【0017】
建物側と基礎側の前記懸架枠金を枠形に形成し、該懸架枠金の底板若しくは天板を互い違いに交叉して底板若しくは天板の内側を相対した状態とし、主軸を懸架枠金の底板若しくは天板に開けた主軸挿通孔に挿通すると共に、該主軸における懸架枠金の底板若しくは天板内側の相対間の部分に半球面軸受、調整コイルばね、該調整コイルばねを緩挿するスリーブ、ばね受平座金、中間耐圧コイルばね、及び、半球面軸受の順に嵌挿し、また、主軸の上下の主軸挿通孔から建物側及び基礎側に突出した部分に半球面軸受、耐圧コイルばね、ばね受平座金の順に嵌挿し、ナットを締付けて耐圧コイルばねのばね圧を受け止めると共に、該主軸の上、下の先端にアジャスターナットを上下調節動自在に螺合して備え、前記半球面軸受を各主軸挿通孔の内周上、下縁部に形成した半球面軸受メタルに嵌合し、主軸と半球面軸受と半球面軸受メタルからなる自動求心軸受けを構成した状態に備えると共に、前記懸架枠金のベース板を建物の建物側と基礎側に固定し、主軸の前記アジャスターナットを螺進して各先端部をライナーを介して建物側と基礎側のベース板に強圧接して備え、もって、建物側の重量を上下の懸架枠金、主軸、及び、上、中、下の耐圧コイルばねを介して弾力的に懸架支持して備えて実現した。
【0018】
図1は本考案建物耐震用の免震装置の実施例1の斜視図、図2は正面図、図3は図2のX−X線断面矢視図である。
図4は右側面図、図5は図4のY−Y線断面矢視図である。
図6は地震の横揺れで図3の基礎側・建物側が横方向へ移動し建物免震装置の主軸が傾動した状態を示す図である。
図7は図2のZ−Z線断面矢視図である。
【0019】
符号、Aは本考案免震装置(実施例1)、Bは懸架枠金、Cは主軸、1は基礎(側)、2は建物(側)、3は底板若しくは天板(懸架枠金)、4は左、右側板(懸架枠金)、5はベース板、6は主軸挿通孔、7は半球面軸受、8は調整コイルばね、9はスリーブ、10はばね受平座金、11は中間耐圧コイルばね、12は半球面軸受、13は耐圧コイルばね(底板若しくは天板)、14はばね受平座金、15はナット、16はアジャスターナット、17は半球面軸受メタル(半球面軸受6用)、18は半球面軸受メタル(半球面軸受11用)、19はライナーである。
【0020】
本考案免震装置は、基礎と建物の間に介在設置し、建物を懸架枠金と主軸及び複数のばねの弾力で支持懸架して備えた建物耐震用の免震装置Aであり、
【0021】
建物側2と基礎側1の前記懸架枠金Bを台形(図示例)、方形、三角形、その他任意形状の枠状に形成し、懸架枠金B、Bの底板若しくは天板3、3を互い違いに交叉して底板若しくは天板3、3の内側を相対した状態とし、主軸Cを懸架枠金B、Bの底板若しくは天板3、3に開けた主軸挿通孔6、6に挿通すると共に、該主軸Cにおける懸架枠金B、Bの底板若しくは天板3、3内側の相対間の部分に半球面軸受7、設定長の調整コイルばね8、該調整コイルばね8を緩挿する設定長のスリーブ9、ばね受平座金10、中間耐圧コイルばね11、及び、半球面軸受7の順に嵌挿し、
【0022】
また、主軸Cの上下の主軸挿通孔6、6から建物側2及び基礎側1に突出した部分に上下の半球面軸受12、12、上下の耐圧コイルばね13、13、上下のばね受平座金14、14の順に嵌挿し、上下のナット15、15を締付けて上下の耐圧コイルばね13、13のばね圧を受け止めると共に、該主軸の上、下の先端にアジャスターナット16、16を上下調節動自在に螺合して備え、
【0023】
前記半球面軸受7、12を各主軸挿通孔6、6の内周上、下縁部に形成した半球面軸受メタル17(半球面軸受7、7用)、18(半球面軸受12、12用)に嵌合し、主軸Cと半球面軸受7、12と半球面軸受メタル17、18で自動求心軸受けを構成した状態に備えると共に、前記懸架枠金B、Bのベース板5、5を建物の建物側2と基礎側1に固定し、
【0024】
主軸Cの前記アジャスターナット16、16を螺進して各先端部をライナー19、19を介して建物側2と基礎側1のベース板5,5に強圧接して備え、もって、建物側1の重量を一対の懸架枠金B、B、主軸C、及び、上耐圧コイルばね13、中間耐圧コイルばね11、下耐圧コイルばね13を介して弾力的に懸架支持して備えたことを特徴とする、建物耐震用の免震装置Aである。
【0025】
平常時、建物1の重量は、主として、前記アジャスターナット16、16の各先端部をライナー19、19を介して建物側2と基礎側1のベース板5,5に強圧接して備えた主軸Cによって支持し、また、(ライナー19、19が外れた場合等)懸架枠金B、Bのベース板5,5−半球面軸受メタル18−半球面軸受12−下の耐圧コイルばね13を圧縮する負荷する方向に負荷され、該負荷が主軸Cを垂下する方向に作用し、上の耐圧コイルばね13を圧縮する方向に作用し、よって、上、下の耐圧コイルばね13、13によって建物1の重量は弾力的に懸架支持されている。
【0026】
上記の状態において、地震等で建物の建物側1及び基礎側2が横揺れ移動(例えば図6のように横方向移動)すると、上(建物側1)若しくは下(基礎側2)の懸架枠金Bが横方向へ移動し、その力が主軸Cをその方向へ傾動する方向へ作用し、主軸Cはその方向へ半球軸受7、12と半球面軸受メタル17、18の球面摺動でその方向へ傾動し、よって、圧接していたライナー19が外れる。
【0027】
また、建物側2若しくは基礎側1が縦揺れで上方向へ移動すると、上(建物側1)若しくは下(基礎側2)の懸架枠金Bが上方向へ移動し、下(建物側1)の懸架枠金Bが上方向へ移動し、その力が主軸Cを上動する方向へ作用し、下(基礎側1)の懸架枠金Bが上昇して、その天板3が半球面軸受メタル18と半球面軸受12を経て上の耐圧コイルばね13を圧縮する方向へ作用すると共に、上(建物側2)の懸架枠金Bも上昇して、その底板3が半球面軸受メタル17と半球面軸受7を経て中間耐圧コイルばね11を圧縮する方向へ作用し、該中間耐圧コイルばね11がスリーブ9と共に上昇し若しくは調整コイルばね8を圧縮して上昇し、該スリーブ7が半球軸受7に衝突すると、以降は中間耐圧コイルばね11を圧縮作用してその弾力で上昇力を吸収する。
【0028】
反対に、下方向へ移動すると、上(建物側1)若しくは下(基礎側2)の懸架枠金Bが下方向へ移動し、その力が主軸Cを下動する方向へ作用し、上(建物側1)の懸架枠金Bが下降するとその底板3が半球軸受12、と半球面軸受メタル18を経て下の耐圧コイルばね13を圧縮する方向へ作用し、
また主軸Cを下降して上の耐圧コイルばね13を圧縮する方向へ作用し、上、下の耐圧コイルばね13、13を圧縮しその弾力で下降力を吸収し、同時に、中間耐圧コイルばね11が圧縮から開放されてスリーブ9との間に空きが生じた場合は調整コイルばね8が伸長して該中間耐圧コイルばね11が踊るのを防止する。
【0029】
そして、横揺れが止まると、主軸と半球軸受と半球面軸受メタルからなる球面軸受け構成による自動求心復元作用によって、主軸Cが原位置に自動復元すると共に、上、下の懸架枠金B、B(建物側2、基礎側1)が原位置に自動復元し、また、縦揺れが止まると主軸Cが中間耐圧コイルばね11の復元で原位置に復元する。
よって、主軸Cの上、下先端部のアジャスターナット16、16をライナー19、19を介して建物側2と基礎側1のベース板5、5に強圧接して復元設置するものである。
【0030】
本考案建物免震装置は、上記のような作用の複合作用によって、地震等による激しく振幅の大きな横揺れ・縦揺れ・それらが複合した揺れ等のあらゆる震動から、建物を極めて有効に耐震保護するものである。
【0031】
なお、上記の懸架枠金は、図示例では一対の同構成のものを使用しているが、必要に応じて、形状寸法その他、自在に変更可能である。
【0032】
また、本考案建物免震装置は、建物の規模等に対応して、例えば、寸法、形状、耐圧荷重等、必要に応じて多数種のものを多数個用意し、例えば、建物の構造、形状、重量、設定間隔、設定面積、その他の条件変化に対し、複数種、複数個を選択配置することによって自在に対応するものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本考案免震装置は、一般住宅その他の比較的小規模な建物用に適合し、免震装置は極めて安価に提供できるので、その多数個を使用しても経済的負担を格段に少なく抑えることが可能であり、また、新築建物ばかりでなく中古建物の耐震強化、そして、特に、震災地の復興用に最適な耐震・免震資材として汎用することができる。
【0034】
A 本考案免震装置(実施例1)
B 懸架枠金
C 主軸
1 基礎(側)
2 建物(側)
3 底板若しくは天板(懸架枠金)
4 左、右側板(懸架枠金)
5 ベース板
6 主軸挿通孔
7 半球面軸受
8 調整コイルばね
9 スリーブ
10 ばね受平座金
11 中間耐圧コイルばね
12 半球面軸受
13 耐圧コイルばね(底板若しくは天板)
14 ばね受平座金
15 ナット
16 アジャスターナット
17 半球面軸受メタル(半球面軸受7用)
18 半球面軸受メタル(半球面軸受12用)
19 ライナー

(57)【要約】

【課題】建物全体を支持・懸架して地震による揺れを効果的に免震し、建物を震動による損壊から守ると共に、極めて安価な免震装置を提供する。【解決手段】主軸Cの各懸架枠金Bの先端部の相対間と主軸挿通孔6から建物側及び基礎側に突出した部分に、半球面軸受7と上、下耐圧コイルばね13と中間耐圧コイルばね11を嵌挿し、各半球面軸受を半球面軸受メタルに嵌合して、主軸と半球面軸受と半球面軸受メタル17,18で自動求心軸受けを構成し、主軸の上、下端部で上、下耐圧ばねを抜止めすると共に、主軸の上、下の先端にアジャスターナット16を上下調節動自在に螺合して備え、アジャスターナットの先端部をライナー19を介して建物側と基礎側のベース板に強圧接して、建物側の重量を上下の懸架枠金、主軸、及び、上、中、下の耐圧コイルばねを介して弾力的に懸架支持して備えた。


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