(54)【考案の名称】移動性と安全性を高めた車輪移動式太陽光発電装置

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、災害時の電源供給や屋外活動の電源としての利用を想定した小型移動式太陽光発電システムに関する考案である。

【従来の技術】

【0002】
停電時や、電源の無い屋外での使用を前提とした太陽光発電装置が普及してきた。太陽光パネルとバッテリー・制御装置を組み合わせることで、停電時に電源を使用することが可能となった。
【0003】
従来存在している太陽光発電装置は、特許文献1・特許文献2・特許文献3のような100V〜220Vの商用電源の供給を主目的とした、移動可能でも比較的大型の装置であるか、あるいはUSB出力端子による携帯電話等の充電が目的の超小型のものが多く、日常的に鉄道車両に持ち込んで移動できると思われるサイズで、近年普及したスマートホンやタブレット端末の充電、小型ノートパソコンや拡声器等の使用に適当な出力のものはほとんどない。
【0004】
特許文献1の考案の場合移動開始時にパネルを畳む必要があり、設置時にパネルを展開する必要があるため、災害に遭遇して緊急避難する場合など移動に急を要するとき、どうしても時間的な遅れが生じてしまう。またパネルを外して畳んでしまうため、移動中の発電は不可能である。
【0005】
また、特許文献1・特許文献2の考案の場合は、スイッチやコンセント状の端子が側面に露出しているため、移動中に破損・汚損する危険や、移動中に誤ってスイッチや端子に触れた場合感電や誤動作などの事故を引き起こす可能性がある。
【0006】
特許文献1・特許文献2・特許文献3とも、移動時には引っかかりの原因となり、使用時には必ず必要になる電線ケーブル類の移動時における内部への収納は、前提としていない。また、車輪移動式では車輪にブレーキを掛ける、車輪を浮かせる等の操作が必要であり、設置時でも車輪が重量の一部や全部を支えるものについては、たとえ全ての車輪にブレーキを掛けたとしても、風や地震等で不意に移動する危険がある。
【0007】

【効果】

【0017】
通常時は太陽光パネルで発電された電気を蓄電池に蓄え、電源が必要な時に必要な場所に速やかに移動して使用することを可能にする。蓄電池を装備しているため、日陰や屋内などの空間においても太陽光で発電された電力を使用することが可能で、夜間の使用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本考案実施例を、側面から見た外観図である。
【図2】図1をもとに、主要な部品の配置を示した透視図である。
【図3】本考案実施例を、上蓋を開き上方から内部を見た図である。
【図4】本考案実施例を、上蓋を開き中蓋を外し、上方から内部を見た図である。
【図5】本考案実施例の、全体の様子を描いた外観図である。
【図6】本考案実施例の、電線の結線および電気の流れを示した模式図である。

【0019】
考案を実施するための最も望ましい形態について、以下の実施例と図面で、詳細に述べる。
【0020】
図1は、本考案実施例を側面から見た図である。軸で開閉可能な上蓋3に太陽光パネル2を装備し、伸縮式ハンドル4を縮めた状態でのハンドルの高さは、太陽光パネル2の面の高さを下回っていることを示している。また筐体1の側面端に車輪5を装備し、水平面に設置した状態では筐体1底面が設置面と接触し、車輪5は設置面から浮いていることを示している。スイッチ10や端子9および外部機器接続用電線ケーブル類は、すべて筐体1内部にあるため、側面から見ることはできない。
【0021】
本実施例においては、側面に通風孔兼電線ケーブル引き通し孔6を空けているが、この通風孔兼電線ケーブル引き通し孔6を必要最小限のサイズとし、上方が塞がった形状の持ち上げ移動用ハンドル7の直下に開口することで、雨水や塵の侵入を抑制し、棒などを急な角度で挿入されることを防止している。
【0022】
図2は、筐体1内部に配置された、主要部品の位置関係を示した図である。蓄電池8・端子9・スイッチ10・充電制御装置11などの電気的部品は、中蓋13の高さよりも下にあることを示している。また、通風孔兼電線ケーブル引き通し孔6から十分に低い位置にあることで、指や直棒を挿入してこれらの部品に接触することが不可能であることを示している。
【0023】
図3は、上蓋3を開いた状態で、上方から見た内部の様子を表した図である。太陽光パネル接続用電線ケーブル15は、上蓋3を貫通し、筐体1内部の収納スペースを通り、中蓋13の脇を通って、端子9に接続されている。中蓋13は蓄電池8と充電制御装置11の上方を完全に覆っていることを示している。また、中蓋13の上に、端子9から外して巻いた状態の外部機器接続用電線ケーブルを置くことで、電線ケーブルが筐体1の内部に完全に収納されることを示している。車輪5および伸縮式ハンドル4は、筐体1と上蓋3に隠れる位置のため見えない。
【0024】
図4は、図3の状態から、外部機器接続用電線ケーブルと中蓋13を取り除き、蓄電池8と充電制御装置11が見える状態にした図である。一部の配線は省略しているので、内部の配線は後述の図で説明する。図4では、端子9・スイッチ10および充電制御装置11は、枠12に固定されている。蓄電池8は枠12と筐体1の壁面に囲まれた空間に収納され、中蓋13の下に完全に隠れることを示している。
【0025】
筐体1と上蓋3の素材は強化プラスチック、中蓋13と枠12の素材は木材を想定している。強化プラスチックも木材も、電気に対して十分な絶縁性を有している素材であるので、万が一衝撃等で筐体1や枠12が変形し、蓄電池8や通電されている部分に接触しても短絡等の事故が起こらず、金属製の筐体や枠を使用するよりも安全性は高い。スイッチ10・端子9・充電制御装置11の固定には金属製のねじを使用するが、木ねじを使用し筐体1や枠12を貫通しない構造とすることで絶縁性を確保することは可能である。
【0026】
強化プラスチックや木材は、鉄やアルミニウムなどの金属素材よりも比重が軽いので、強化プラスチックや木材を使用することは軽量化にもなり、本考案の目的でもある移動性の向上にも寄与している。
【0027】
蓄電池8は、リチウムイオン電池よりも発火や爆発のリスクが少なく、転倒しても液漏れを起こさない制御弁式鉛蓄電池を使用することで安全性を高める。前記の構造により、電池が木箱に梱包され、端子が外部に露出しない状態となるため、鉛蓄電池でも旅客列車内持ち込みは可能である。
【0028】
上記に示した構造で、軽量な筐体1の下部の低い位置であり、奥行き方向、幅方向の中心に近い位置に、全ての構成部品の中で最も重量の重い蓄電池8を配置することで、本実施例の重心位置は筐体1内の低い位置となり、前述の筐体1底面が設置面に広い面で接触することで、本実施例の設置時における安定性は非常に高く、水平面に設置した場合、通常考えられる列車の揺れや、震度5強程度の地震の揺れ、風速10メートル程度の風では、転倒することはない。
【0029】
図4で示されている枠12には、電線引き通しや通気のための孔や隙間が存在するが、本実施例では上部からは隠れて見えない位置で、なおかつ人間の指が入らないサイズである。このことで誤って手を触れる事故を未然に防いでいる。
【0030】
図5に、本実施例の全体の外観を示す。本実施例の想定では、太陽光パネル2のサイズは奥行き30cm、幅40cmで、定格10Wの発電能力を有する。筐体1内の奥行き20cm、幅30cmで、収納スペースの有効高さを10cmとした場合約6000cmの収納容積を持つ。また、総重量は約9.7kgで、うち蓄電池8の重量は約4.5kgである。
【0031】
充電制御装置11は、エネルギーの有効利用の観点から電力ロスの少ないものとすることが望ましいが、15%の電力ロスが発生していると想定しても、発熱量は1.5W程度となるので、本考案のような小さなサイズの通風孔兼電線ケーブル引き通し孔6であっても熱的な問題はない。むしろ直射日光で筐体1が加熱されることによる温度上昇のほうが大きいと想定される。
【0032】
図6に、主要な部品間の結線と、電力の流れる方向を示す。端子9は入力・出力および陰極・陽極のすべてを独立して接続・切り離し可能な形状を想定している。また、充電制御装置11は充電・放電制御と過電流・温度制御機能を有する。太陽光パネル2で発生した電力は端子9と充電制御装置11を介して蓄電池8に蓄電される。蓄電池9に蓄電された電力は、充電制御装置11とスイッチ10を介して、端子9の出力側に送電される構造である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本考案実施例のサイズ及び性能では、晴天時の屋外で10W程度の発電能力を有し、数Wから数十Wの消費電力を有する機器への電力供給が可能であることから、頻繁に移動する小型機器を中心に広範囲で利用されることが考えられる。現在急速に普及の進むスマートホン・タブレット端末・ノートパソコン等の電源として、また、移動性の高さと安全性の高さは選挙用メガホンの電源として最適であるため、街頭演説などの活動や防災分野での使用が考えられる。さらに、充電式電気ドリルの充電や、デジタル一眼レフカメラへの電源供給・バッテリー充電にも十分な性能であることから、これらの機器と共に携帯しての使用が考えられる。
【0034】
1 筐体
2 太陽光パネル
3 上蓋
4 伸縮式ハンドル
5 車輪
6 通風孔兼電線ケーブル引き通し孔
7 持ち上げ移動用ハンドル
8 蓄電池
9 端子
10 スイッチ
11 充電制御装置
12 枠
13 中蓋
14 外部機器接続用電線ケーブル
15 太陽光パネル接続用電線ケーブル

(57)【要約】

【課題】屋外で通信機器や照明器具等に電源を供給する手段として、移動中の発電および充電を可能とした移動式太陽光発電装置を提供する。移動や再設置を安全かつ容易にした移動式太陽光発電装置を提供する。【解決手段】上蓋3に太陽光パネル2を設置し、筐体1内部で常時電線を接続しておくことにより、再設置した時の接続や組み立て作業を不要とする。伸縮式のハンドル4と、筐体1の側面端に車輪5を装備することで、片手で引いての移動を可能にし、設置作業も簡略化する。また、電気を通さない素材で、なおかつ強固な構造の筐体1の内部に端子・スイッチを配置し、外部機器への接続に必要な電線類を移動中は筐体1内に収納可能にすることで移動中の損傷事故を防止し、鉄道営業規則への抵触を防ぎ、列車内の持ち込みによる移動を可能とする。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):