(54)【考案の名称】靴用滑り止め具

(51)【国際特許分類】

A43C 15/02 ・底に取付けられるもの

(73)【実用新案権者】サンエス技研株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、靴用滑り止め具に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
靴に脱着可能な靴用滑り止め具が存在する。特許文献1には、ゴム製の基盤(1)の最前列に爪先部(2)、列ねて前の接地部(3)、接地部の両脇から細くしたH型の土踏まず部(4)を伸ばして踵部(5)に繋ぎ、踵部の後方には支柱部(6)を設け、その先端に厚くした踵の把手(7)を設け、その把手と支柱部の間に踵を縛る0字型ストッパー(9)を掛けて保持するL字突起(8)を支柱部の上部に設け、前の接地部と踵部を厚くして接地面全面に溝(10)を施し、接地部中央付近の最接地部に複数個のスパイク鋲(11)を地面と直角に先端を接地面と同一かそこより内部に埋め込んで固定した靴に着脱する滑り止め具が記載されている。
【0003】

【効果】

【0007】
本考案の技術によれば、様々な状況に対応できる靴用滑り止めを提供することができる。上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の靴用滑り止め具の上面図の例である。
【図2】靴用滑り止め具の底面図の例である。
【図3】靴用滑り止め具の側面図の例である。
【図4】靴用滑り止め具を靴に装着した模式図の例である。
【図5】靴用滑り止め具を靴に装着した模式図の例である。
【図6】第1のスパイクの一例である。
【図7】第2のスパイクの一例である。
【図8】靴用滑り止め具の一部の断面図である。
【図9】靴用滑り止め具の一部の断面図である。
【図10】他の実施形態の靴用滑り止め具の上面図の例である。
【図11】他の実施形態の靴用滑り止め具の底面図の例である。

【0009】
以下、本考案の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同じものに対しては同じ符号を付与し説明を省略する。
【0010】
図1〜3は、本実施形態の靴用滑り止め具1の一例を説明する図である。靴用滑り止め具1は、一部を除き、例えば軟性樹脂等により成型される。図1は、靴用滑り止め具1の上面図、図2は靴用滑り止め具1の底面図、図3は靴用滑り止め具1の側面図の例である。なお、ここでは、説明の便宜上、図1を上面図、図2を底面図というが、詳細を後述するように、本実施形態の靴用滑り止め具1は、どちらが上面であるか底面であるかを問わないものである。
【0011】
図1〜3に一例を示すように、靴用滑り止め具1は、第1パッド10、第2パッド20、第1装架部30、第2装架部40、係止部50、帯状部60等を有する。靴用滑り止め具1は、例えば、靴サイズ23cm〜27cmの使用者が装着可能なものである。
【0012】
第1パッド10及び第2パッド20は滑り止め機能を提供するためのものである。図3に一例を示すように、第1パッド10及び第2パッド20は略対向する位置に設けられる。
【0013】
図1〜3に一例を示すように、第1パッド10及び第2パッド20は、第1パッド10及び第2パッド20の各々の前方(靴爪先方向)部に設けられた第2装架部40により装架される。また、第1パッド10及び第2パッド20は、第1パッド10及び第2パッド20の各々の側部に設けられた第1装架部30により装架される。このように形成されることにより、第1パッド10、第2パッド20及び第1装架部30は、筒状部を形成する。
【0014】
帯状部60は、係止部50により第1装架部30に係止される。帯状部60は帯状を成す。本実施形態では、帯状部60は、帯状部60の長手方向の中央近傍に舌状部61を有する。
【0015】
靴用滑り止め具1を靴に装着した模式図の例を図4、5に示す。図4は、側面図の例であり、図5は、底面図の例である。なお、図4、5では、説明の簡略化のために、靴用滑り止め具1の一部の構成を省略して示している。
【0016】
使用者は、第1パッド10、第2パッド20及び第1装架部30により形成される筒状部に靴Sを爪先から挿入することで、靴用滑り止め具1を装着する。第2装架部40は、靴Sの爪先近傍に位置し、第1装架部30は、靴Sの甲中心近傍の側面に位置するように装着される。
【0017】
帯状部60は、靴Sの爪先から挿入した靴用滑り止め具1を、靴Sの踵近傍で係止する。使用者は、帯状部60を靴Sの踵近傍に係止する際に、舌状部61を上方向(地面とは反対方向)に引っ張り上げることができる。これにより、帯状部60の踵近傍への係止を容易とすることができる。
【0018】
第1パッド10の両面のうち第2パッドと略対向する面と、第2パッド20の両面のうち第1パッドと略対向する面との各々は、いずれも、靴底に当接することが可能である。即ち、図4、5の符号で示すように、靴底には、第1パッド10が当接する場合と、第2パッド20が当接する場合とがある。使用者は、求める滑り止め機能の強弱により、第1パッド10と第2パッド20とのいずれかを靴底に当接させることができる。
【0019】
ここで、第1パッド10、第2パッド20について詳細に説明する。
【0020】
図1、3に一例を示すように、第1パッド10は、第1滑り止め部11を有する。また、図2、3に一例を示すように、第2パッド20は、第2滑り止め部21を有する。第1滑り止め部11と第2滑り止め部21との差異は、一方の滑り止め機能が、他方の滑り止め機能より高い点である。ここでは、第2滑り止め部21のほうが、第1滑り止め部11より滑り止め効果が高い場合の例を説明する。
【0021】
第1滑り止め部11は、複数の第1スパイク12を有する。ここでは、第1滑り止め部11には、第1スパイク12が3つ設けられるものとする。
【0022】
第1スパイク12の一例を図6に示す。第1スパイク12は、任意の硬質材料で形成され、ここでは、金属で形成されているものとする。また、図6に一例を示すように、第1スパイク12は、座121と、突出部122とを有する。
【0023】
第1スパイク12は、突出部122が、第2パッド20と略対向する面とは逆方向を向くように、換言すれば、靴用滑り止め具1の外側を向くように、第1パッド10の成型時等に埋め込まれる。
【0024】
また、第1滑り止め部11は、滑り止め機能を実現する構成として、上記第1スパイク12の他に、第1領域13等を有する。第1領域13は、任意の形状を成す凹部及び凸部の組み合わせから成り、第1パッド10の成型と同時に形成される。
【0025】
第2滑り止め部21は、複数の第2スパイク22を有する。ここでは、第2滑り止め部21には、第2スパイク22が3つ設けられるものとする。
【0026】
第2スパイク22の一例を図7に示す。第2スパイク22は、任意の硬質材料で形成され、ここでは、金属で形成されているものとする。第2スパイク22は、ネジ部221と、突出部222とを有する。
【0027】
第2スパイク22は、突出部222が、第1パッド10と略対向する面とは逆方向を向くように、換言すれば、靴用滑り止め具1の外側を向くように、ネジ部221が第2パッド20にねじ組み付けされる。
【0028】
突出部222は、スパイクの機能を持たせるための突出形状と共に、任意の工具等により第2スパイク22をネジ組み付け可能な形状を有する。ネジ組み付け可能な形状は特に限定しないが、ここでは、マイナスドライバーで組み付け可能な略矩形の凹形状を有する例を示している。
【0029】
また、第2滑り止め部21は、滑り止め機能を実現する構成として、上記第2スパイク22の他に、第2領域23等を有する。第2領域23は、任意の形状を成す凹部及び凸部から成り、第2パッド20の成型と同時に形成される。
【0030】
ここで、第1スパイク12及び第2スパイク22について説明する。
【0031】
上記のように、第1滑り止め部11には第1スパイク12が3つ設けられている。3つの第1スパイク12は、図1に一例を示すように、第1滑り止め部11に、3つの位置関係が、略三角形を形成するように設けられる。即ち、3つの第1スパイク12のうち、1つの第1スパイク12が爪先方向に対して頂点を成し、残りの2つの第1スパイク12が、踵方向に対する頂点を成す。
【0032】
この3つの第1スパイク12から形成される略三角形は、略二等辺三角形であることが好ましい。この場合、例えば、爪先方向に対して頂点を成す1つの第1スパイク12が略二等辺三角形の頂角であり、踵方向に対する頂点を成す残り2つの第1スパイク12が略二等辺三角形の底角であるとよい。また、この略二等辺三角形は、頂角から底辺への垂線が、靴Sに靴用滑り止め具1を装着して歩行する際の進行方向と略平行であると良い。
【0033】
この略二等辺三角形を成す3つの第1スパイク12の具体的な位置関係は特に限定するものではないが、例えば、図1に一例を示すように、底辺長さをa、高さをhとすると、a=32mm程度、h=32mm程度等が考えられる。
【0034】
また、上記のように、第2滑り止め部21には第2スパイク22が3つ設けられている。3つの第2スパイク22の位置関係は、上記第1スパイク12と同じである。即ち、爪先方向に対して頂角を成す1つの第2スパイク22と、踵方向に対する底角を成す残り2つの第2スパイク22との位置関係は、例えば、a=32mm程度、h=32mm程度等である。
【0035】
上記のように、第1スパイク12、第2スパイク22の各々は、1つが爪先方向に対して頂点を成し、残りの2つが踵方向に対する頂点を成す略三角形を形成されるように設けられる。このような位置関係とすることで、雪道やアイスバーン、泥道、濡れた植物の上等のような滑りやすい場所を歩行等する場合でも、効率よく地面等を捉えることができる。
【0036】
上記のような位置関係にある第1スパイク12、第2スパイク22の各々は、踵方向に対する頂点を成す2つの第1スパイク12、第2スパイク22の各々が、図4、5に一例を示すように、甲部分に相当する靴底の中央付近に位置するように設けられる。即ち、歩行の際に地面等の接地面に最も荷重がかかる場所近傍に、進行方向に対し略垂直に2つの第1スパイク12、第2スパイク22の各々を設ける。これにより、地面等の接地面を蹴り上げる際等に、突出部122、222の各々が地面等に食い込み、より滑り止め効果が向上させることができる。
【0037】
図8は、図1のAA断面の一例である。図8に一例を示すように、突出部122の第1滑り止め部11表面からの突出量h1は、突出部222の第2滑り止め部21表面からの突出量h2より小さい。即ち、「h1<h2」である。また、図8に一例を示すように、第1スパイク12の略中心は、第2スパイク22の略中心と、任意の間隔をあけて略一致する。
【0038】
使用者は、例えば、濡れた石床や雪道では第1パッド10を靴底に当接させて装着する。また、アイスバーン等のより滑りやすい場所では第2パッド20を靴底に当接させて装着する。なお、ここでは、突出量h1は、ゼロ近傍である例を示している。これにより、大理石やカーペット等を歩行等する場合でも、第1スパイク12による傷等を低減することが可能となる。
【0039】
なお、第1スパイク12は、第1パッド10に埋め込まれるものとしたが、滑り止め機能を実現するために第1パッド10に設けられれば良く、その手段は特に限定しない。例えば、第2スパイク22と同様に、ネジ組み付けされてもよい。
【0040】
同様に、第2スパイク22は、第2パッド20にネジ組み付けされるものとしたが、滑り止め機能を実現するために第2パッド20に設けられれば良く、その手段は特に限定しない。例えば、第1スパイク12と同様に、第2パッド20の成型時等に埋め込まれてもよい。
【0041】
また、第1領域13及び第2領域23は、同じ凹部形状及び凸部形状により滑り止め機能を実現してもよく、異なっていてもよい。即ち、滑り止め機能を実現する形状、構成等は任意である。
【0042】
図1〜図3を参照して係止部50及び帯状部60について説明する。
【0043】
上記のように、使用者は、帯状部60を靴Sの踵近傍に係止する際、舌状部61を上方向に引っ張り上げる。従って、靴用滑り止め具1の装着の際には、舌状部61の凸部は、上方向(地面の反対方向)であるほうが装着のし易さという観点から好ましい。そこで、帯状部60は、舌状部61の凸部方向が上下に反転可能なように、第1装架部30と脱着可能に構成される。
【0044】
上記のように、帯状部60は係止部50により第1装架部30と係止されるので、本実施形態では、係止部50は、第1装架部30及び帯状部60のうち少なくとも一方と脱着可能であるように構成される。
【0045】
図1〜3の例では、係止部50は、略C字形状であり、略C字形状の一方の曲部51が、第1装架部30に形成された孔31に係止され、他方の曲部52が、帯状部60の端部近傍に形成された孔62に係止される。
【0046】
孔31、孔62の断面図の一例を図9に示す。図9に一例を示すように、孔31、孔62の各々は、開口部周囲のみ厚さをt分厚くしている。これにより、孔31、孔62の各々の強度を高めることができる。
【0047】
なお、図1〜3の例では、係止部50は略C字形状であるものとしたが、形状・構成等はこれに限定するものではない。例えば、略S字形状でもよく、また、他の任意の構成でもよい。また、上記のように、係止部50は、第1装架部30及び帯状部60のうち少なくとも一方と脱着可能であれば良く、例えば、係止部50の一方の端部近傍のみ鉤状を形成し、他方の端部近傍は第1装架部30又は帯状部60に任意の手段で固定等されていてもよい。
【0048】
以上、本実施形態を説明したが、靴用滑り止め具1は上記に限るわけではなく、他の形態でもよい。
【0049】
具体的には、例えば、上記実施形態では、スパイクにより、滑り止め機能の程度を異なるものにしているが、滑り止め機能の強弱を実現する技術は上記に限らない。例えば、第1パッド10及び第2パッド20の両方に、かならずしもスパイクを用いる必要はない。軟性樹脂の構成、即ち第1領域13及び第2領域23のみで上記滑り止め機能の強弱を実現してもよく、また、第1領域13及び/又は第2領域23と、スパイクとを組み合わせることで、滑り止め機能の強弱を実現してもよい。
【0050】
また、図6、7では、第1スパイク12の有する突出部122は4つであり、スパイク13の有する突出部222は1つである例を示しているが、突出部122、突出部222の数は任意でよく、複数でも単数でもよい。
【0051】
また、第1滑り止め部11及び第2滑り止め部21の形状等は任意であり、上記に図示等するものに限るわけではない。また、第1領域13及び第2領域23の各々の凹部及び凸部の位置、形状、数等は、第1領域13と第2領域23とで異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0052】
第1滑り止め部11、第2滑り止め部21、第1領域13等の他の例を説明する。図10は靴用滑り止め具1´の上面図、図11は靴用滑り止め具1´の底面図の例である。図10において、第1領域13´は、略矩形及び略L字形状の凸部を有する場合の例である。また、図10に一例を示す第1滑り止め部11´、及び、図11に一例を示す第2滑り止め部21´の各々は、図1に一例を示す第1滑り止め部11、及び、図2に一例を示す第2滑り止め部21の各々より面積が広い。これは、より滑り止め機能を高めたい場合や、足の大きな人に対し特に有効である。
【0053】
また、帯状部60が係止される位置は、必ずしも第1装架部30である必要はない。帯状部60が係止される位置は、第1パッド10及び第2パッド20を靴に係止であればよく、例えば第1パッド10及び/又は第2パッド20や、その他任意の位置でもよい。
【0054】
また、舌状部61の凸部方向が、靴底方向又はその逆方向を向くように反転可能であればよく、そのための構成として、帯状部60は、第1装架部30と必ずしも脱着可能に構成されていなくてもよい。具体的には、例えば、帯状部60が柔軟性のある材料で形成されていれば、帯状部60をねじることで反転させてもよく、必ずしも、係止部50のような、反転可能とする構成を設けなくてもよい。また、係止部50は、帯状部60及び/又は第1装架部30と脱着可能である必要はなく、例えば、係止部50が上下方向(靴底方向又はその逆方向)と略垂直な軸を中心として回転可能な回転軸等を有し、その回転軸等により帯状部60が反転可能である構成でもよい。
【0055】
また、帯状部60は、必ずしも反転可能とする構成を設けなくてもよい。例えば、帯状部60は、2つの舌状部61を有し、そのうち1つの舌状部61の凸部は靴底方向を向いており、他方の舌状部61の凸部は靴底の逆方向を向いているように構成されていてもよい。
【0056】
以上、本考案を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本考案は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施例は本考案を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0057】
1:靴用滑り止め具、10:第1パッド、20:第2パッド、30:第1装架部、40:第2装架部、50:係止部、60:帯状部、11:第1滑り止め部、12:第1スパイク、13:第1領域、21:第2滑り止め部、22:第2スパイク、23:第2領域、31:孔、51:曲部、52:曲部、61:舌状部、62:孔

(57)【要約】

【課題】アイスバーンのような滑りやすい状況を含む様々な状況に対応できる靴用滑り止め具を提供する。【解決手段】第1パッド10と、第2パッド20と、第1パッドと第2パッドとを装架する装架部30,40と、第1パッド及び第2パッドを靴に係止する帯状部60と、を備え、第1パッドと第2パッドは、略対向する位置に設けられ、第1パッドの両面のうち、第2パッドと対向しない方の面に、第1の滑り止め部11が設けられ、第2パッドの両面のうち、第1パッドと対向しない方の面に、第1の滑り止め部より滑り止め効果の高い第2の滑り止め部21が設けられ、装架部は、略筒状であり、帯状部は、略筒状の装架部を靴の爪先方向から挿入した状態で、第1パッド又は第2パッドが靴底に位置するように、靴の踵近傍に係止される。


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【インターネット特許番号リンク】

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