(54)【考案の名称】クリップ式バランスウェート

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、タイヤホイールのリムにクリップ止めするクリップ式バランスウェートに関する。

【従来の技術】

【0002】
クリップ式バランスウェートは、特許文献1の記載のように、所定質量のウェート本体に取付用のクリップを結合して構成される。両者の結合部は、ウェート本体の中央部に形成した平坦部に突出部を起設し、クリップに形成した嵌合孔をウェート本体の突出部と対応させてその平坦部にクリップの基部を嵌合装着した上で、突出端部のカシメによってウェート本体とクリップとが一体化される。
【0003】
上記構成のクリップは、その嵌合孔の開放側を拡径することによりカシメ強度を確保することができ、また、ウェート本体は、その平坦部を溝状に掘下げることによりクリップの基部全体を嵌合保持して結合力を確保することができる上に、その溝状平坦部および突出部の鍛造一括加工が可能なことから、工程増加を招くことなく、結合部の強化を図ることができる。
【0004】

【効果】

【0010】
請求項1に係る考案により、上記ウェート本体は、入手が容易で高精度の径寸法に形成された丸棒材を所定長さに切断し、扁平部をプレス加工し、および突出部をエンボス加工することによって容易に成形することができ、特に、長手寸法の管理によって容易に質量精度を確保できるとともに、端材の発生が抑えられて実質的に100%の材料歩留りが可能となるとともに、扁平部および突出部は、特段の設備を要することなく一般的なプレス機によって容易に製造することができる。
また、扁平部は、プレス成形によって加工硬化し、この加工硬化に加えてエンボス成形による複数の突出部の加工硬化が更に進むことから、これら突出部にクリップを嵌合装着した上で、突出部のかしめ加工によって鍋鋲頭を形成することにより、リベット等の鍋鋲頭相当のクリップ結合強度を確保することができる。
したがって、本考案のバランスウェートは、型鍛造等の特段の設備を要することなく、一般的なプレス機により、質量精度を確保しつつ、車両走行の際の縁石接触等によってもウェート本体の脱落の恐れのない十分な強度を備えたバランスウェートを製造コストを最小限に抑えて製造することができる。
【0011】
請求項2に係る考案により、請求項1に係る考案の効果に加え、ウェート本体は、一連のプレス処理により、前記扁平部の両側の平面を維持して円弧状に形成することができるので、特段のコスト増加を招くことなく、ホイールリム側縁に沿った一体的な取付けに対応することができる。
【0012】
請求項3に係る考案により、請求項1また2に係る考案の効果に加え、突出部を偶数としてウェート本体をその長手方向の中央位置から左右対称に形成することにより、ウェート本体中央の扁平部を各種のバランスウェートに共通の刻印等による情報表示領域として一連のプレス処理に組込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】クリップ式バランスウェートの正面図(a)および下面図(b)
【図2】図1のA―A線の拡大断面図
【図3】クリップ式バランスウェートの製造工程図

【0014】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は、クリップ式バランスウェートの正面図(a)および下面図(b)である。本考案のクリップ式バランスウェート1は、所定質量の棒状部材であるウェート本体2と、このウェート本体2をタイヤホイールのリム側縁に保持するための屈曲板材によるクリップ3とを一体的に結合して構成される。
【0015】
詳細には、ウェート本体2は、図1(a)におけるA―A線断面による拡大断面図を図2に示すように、切断丸棒材Bを挟んで背中合せの2つの平面C,Cによる扁平部2aを備え、この扁平部2aに2つの凹部D,Dと2つの突出部E,Eをそれぞれ背中合せの位置に備え、また、クリップ3の基部3aに形成した嵌合孔をウェート本体2の突出部E,Eに嵌合してクリップ3をウェート本体2に装着した上で鍋鋲頭2b,2bにより一体に結合して構成する。
【0016】
上記構成のクリップ式バランスウェート1の製造方法は、図3の製造工程図に示すように、丸棒切断、扁平部プレス、突出部エンボス、クリップ装着、スピニングカシメの5工程を中心とし、不図示の素材供給、部品供給、後処理の各工程を伴って構成される。上記5工程中の丸棒切断から突出部エンボスまでは、ウェート本体2の順送プレス処理により、また、残余のクリップ装着、スピニングカシメは、クリップ3の供給部とハイスピン加工機に臨む回転テーブル処理による。
【0017】
第1工程の丸棒切断は、繰出される長尺線材を受けて所定長さで切断する加工工程である。寸法精度に優れる切断丸棒材Bについての簡易な切断長さ管理により、各種の質量区分についてウェート本体2の高精度の質量管理が可能となる。
【0018】
第2工程の扁平部プレスは、所定長さの切断丸棒材Bを両側から挟んでプレスすることにより、背中合せの2つの平面C,Cによる扁平部2aを形成する加工工程である。必要により、切断丸棒材Bの全長に及ぶ範囲、または、長手方向の中央部に限定した範囲に扁平部2aを形成する。
【0019】
第3工程の突出部エンボスは、扁平部2aの片側の平面Cに2つのパンチを作用するとともに、他側の平面Cを受けるダイによって2つの突出部E,Eを形成する加工工程である。このエンボス加工により、通常のプレス設備により、2つのパンチによる2つの凹部D,Dを伴って、それぞれの背中合せの位置に2つの突出部E,Eを形成することができる。
【0020】
第4工程のクリップ装着は、回転テーブル処理に移行したウェート本体2について、供給を受けたクリップ3の基部3aに形成されている2つの嵌合孔を2つの突出部E,Eに嵌合することにより、ウェート本体2にクリップ3を装着する工程である。
【0021】
第5工程のスピニングカシメは、クリップ3を嵌合装着した状態のウェート本体2の2つの突出部E,Eの先端をハイスピン加工機により回転カシメ加工する工程である。このハイスピン加工機によるカシメは、リベット等の鍋鋲頭2b,2bを形成してクリップ3の基部3aを押えることにより、ウェート本体2とクリップ3とを一体に結合することができる。
【0022】
上述の一連の工程において、ウェート本体2の加工については、入手が容易で高精度の径寸法の丸棒材の切断と、プレスおよびエンボスによる塑性加工とによるものであることから、容易な質量管理によって質量精度を確保しつつ、端材の発生が抑えられて実質的に100%の材料歩留りにより、製造コストを最小限に抑えることができ、また、上記塑性加工による扁平部2aおよび複数の突出部E…は、一般プレス機によって容易に加工することができる。
【0023】
また、プレス成形による扁平部2aの加工硬化に加え、エンボス成形による突出部E…の加工硬化が更に進むことから、その端部のかしめによってリベット等の鍋鋲頭相当の固定強度が確保され、クリップ3を強固に結合することができる。
【0024】
したがって、本考案のバランスウェート1は、型鍛造等の大型設備を要することなく、一般プレス機により材料歩留りとクリップ結合強度とを確保することができることから、車両走行の際の縁石接触等によってもウェート本体2の脱落の恐れのない十分な強度を備えたバランスウェート1を低コストで提供することを可能とするものである。
【0025】
また、線材を事前に円弧状に曲げ加工する場合を含め、扁平部2aの扁平面を維持しつつ切断丸棒材Bを所定半径の円弧状に形成することにより、一連のプレス工程により、取付けるべきホイールリムに沿う一体的な取付けに対応することができる。
【0026】
また、扁平部2aに形成する複数の突出部E…を偶数としてウェート本体2をその長手方向の中央位置から左右対称に形成することにより、ウェート本体2の長手方向の中央位置の扁平部2aを質量区分等による各種のバランスウェートに共通の刻印等による情報表示領域として一連のプレス処理に組込むことができる。
【0027】
1 クリップ式バランスウェート
2 ウェート本体
2a 扁平部
2b 鍋鋲頭
3 クリップ
3a 基部
B 切断丸棒材
C 平面
D 凹部
E 突出部

(57)【要約】

【課題】簡易な加工工程によってウェート本体とリム取付用クリップとの間に十分な結合力を確保できるクリップ式バランスウェートを提供する。【解決手段】クリップ式バランスウェートは、所定質量のウェート本体2と、このウェート本体2をタイヤホイールのリム側縁に保持するためのクリップ3とを一体に結合して構成され、上記ウェート本体2は、所定長さの切断丸棒材Bを両側から挟んで平板状につぶした扁平部2aと、この扁平部2aの片側面Cに開口する複数の凹部Dと、これら凹部Dと背中合せの位置に他側面Cから突出する複数の突出部Eとを備え、これら複数の突出部Eと対応する嵌合孔によって上記クリップ3の基部3aを嵌合装着するとともに、上記突出部Eの先端部に形成した鍋鋲頭2bにより一体に結合することにより、一般的な塑性加工によって材料歩留りと結合強度とを共に確保可能とするものである。


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