(54)【考案の名称】ロールスクリーン及びロールスクリーン装置

(73)【実用新案権者】三菱化学株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、太陽電池と、有機電界発光装置とを有するロールスクリーン及びロールスクリーン装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
太陽電池は、太陽光さえあれば発電が可能な、COなどの温室効果ガスを発生しないクリーンなエネルギー源である。例えば、特許文献1には、窓に太陽電池を設け、太陽光をエネルギー源に発充電し、この電力をディスプレイ用の有機EL素子の発光に利用することが提案されている。また、特許文献2には、窓等から屋内に日光が入り込まないようにするために窓際に配置されるロールスクリーン装置において、遮蔽する日光を有効活用するために、ロールスクリーン装置のスクリーン部分に太陽電池を取り付けることが提案されている。
【0003】

【効果】

【0006】
本考案によれば、意匠性が高く、太陽電池により得られた電力を有効活用できるロール
スクリーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本考案の実施の形態に係るロールスクリーンの断面模式図である。
【図2】本考案の実施の形態に係るロールスクリーン装置を室外側から観察した外観模式図である。
【図3】本考案の実施の形態に係るロールスクリーン装置を室内側から観察した外観模式図である。
【図4】本考案の実施の形態に係るアクティブマトリックス型の有機電界発光装置の等価回路図である。
【図5】本考案の実施の形態に係るロールスクリーン装置の断面模式図である。
【図6】本考案の実施の形態に係る太陽電池の断面模式図である。
【図7】本考案の実施の形態に係る有機電界発光装置の断面模式図である。

【0008】
以下、本考案を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。但し、本考案は以下の説明に限定されず、本考案の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。なお、以下に説明する本考案の構成において、同一部分、又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
図1は本考案の実施の形態に係るロールスクリーンの断面模式図である。図1に示されるように、本考案の実施の形態に係るロールスクリーンは、少なくとも、基材21の一方の面に太陽電池22を有し、他方の面に有機電界発光装置23を有するロールスクリーンである。そして、図5に示されるように、太陽電池22を有するロールスクリーン31の一方の面を室外向けに配置し、有機電界発光装置23を有するロールスクリーンの他方の面を室内向きに配置するロールスクリーン装置にすることで、ロールスクリーンの遮光機能のみならず、太陽電池により発電した電力を効果的に有機電界発光装置に用いることができる。
以下、ロールスクリーン装置の各構成について詳細に説明する。
【0010】
<1.ロールスクリーン装置35>
図2は、室外側から観察した本考案の実施の形態に係るロールスクリーン装置35の外観を示しており、図3は室内側から観察したロールスクリーン装置35の外観を示している。
【0011】
図2に示されるように、ロールスクリーン装置35が備える2つの出力端子34a及び34bは、後述するように、有機電界発光装置が配置されたロールスクリーンの面に配置された入力端子40a、40bに電気的に接続される端子であり、これらの端子を介して、太陽電池22で発電した電力は、有機電界発光装置23に供給される。各出力端子には、蓄電池33(及び充放電コントローラ32)の各出力端子が接続されている。
【0012】
なお、充放電コントローラ32は、ロールスクリーン装置35からの電力(ロールスクリーン内の太陽電池が22発生する電力)で蓄電池33を充電する回路である。ロールスクリーン装置35は、ロールスクリーン31、ロールスクリーン31の一端がその外周面に固定された巻取りパイプ30、保持部29等から構成され、可動方法は電動でも手動でもよい。手動の場合、一種のプルコード式(スプリング式)ロールスクリーン装置とすることができる。
【0013】
保持部29は、複数の部材が組み合わされた、巻取パイプ30を回転可能な形で保持す
るためのユニットである。ロールスクリーン装置35の窓への取り付け時には、この保持部29が、ロールスクリーン装置の太陽電池が配置される面が室外側に向き、有機電界発光装置が室内側を向く方向で、窓枠内/窓枠外に直接或いは他部材を介して固定される。
【0014】
巻取りパイプ30は、ロールスクリーン31を巻取るためのパイプ状部材である。この巻取りパイプ30の外径が小さいと、ロールスクリーン31をコンパクトに巻き取れるため、保持部29のサイズを小さくすることが出来る。ただし、巻取りパイプ30の外径が小さ過ぎると、巻き取ることにより生ずるロールスクリーン31内の歪が大きくなり、結果として、ロールスクリーン31の巻き取り時や、巻き解き時に太陽電池22、及び有機電界発光装置23が損傷しやすくなる。ただし、巻取りパイプ30の外径が大きすぎると、巻取りパイプの重量およびサイズが増す結果として、意匠性や施工性が悪くなる。そのため、巻取りパイプの外径は、通常500mm以下、好ましくは400mm以下、より好ましくは300mm以下、更に好ましくは200mm以下、最も好ましくは100mm以下のものであり、通常20mm以上、好ましくは22mm以上、より好ましくは30mm以上、中でも好ましくは40mm以上であり、更に好ましくは50mm以上、最も好ましくは70mm以上のものが採用される。なお、巻取りパイプ30の構成材料に特段の制限はないが、例えば、アルミニウム、SUSなどの金属、ポリエステル、アクリル、メタクリル、硬質塩化ビニルなどの樹脂が挙げられる。
【0015】
巻取りパイプ30内には、巻取りパイプ30にロールスクリーン31の巻取り方向の回転力を付勢するための付勢機構(図示略)が設けられている。巻取りパイプ30内には、ロールスクリーン31の巻き上げ速度が、常に、所定速度以下となるように(過度に高速にならないように)するためのブレーキ機構(図示略)も設けられている。さらに、巻取りパイプ30内には、付勢機構により回転力が付勢されている巻取りパイプ30を、ロールスクリーン31の一部のみを巻き取った状態(ロールスクリーン31の引き出し量が異なる複数の状態の中のいずれかの状態)で停止させるための停止位置制御機構(図示略)も設けられている。なお、これらの機構は、既存のロールスクリーン装置に適用することもできる。また、巻取りパイプ30内には、ロータリーコネクタ(本実施形態では、2極タイプのもの)も設けられている。そして、ロータリーコネクタの一方の側の2端子は、充放電コントローラ32に電力を供給するためのケーブルに接続されており、ロータリーコネクタの他方の側の2端子は、ロールスクリーン31の出力端子26a、26bと接続されている。ここで、ロールスクリーン31の出力端子26a、26bとは、それぞれ、太陽電池の正極端子、負極端子と結線されている端子のことである。
【0016】
一方で、図3に示されるように、ロールスクリーン装置を設置した際に、室内側の有機電界発光装置23が配置されているロールスクリーン31の面には、入力端子40a及び入力端子40bが設けられており、配線を介して有機電界発光装置23に接続される。なお、これらの入力端子は、上述の通り、図2に示される出力端子34a及び34bと接続されており、太陽電池22で発生した電力を有機電界発光装置23に使用することができる。なお、入力端子40a及び40bは必要に応じて、コンバーターや信号変換回路等を用いて、出力端子34a及び34bにそれぞれ接続されていてもよい。
【0017】
また、本考案に係るロールスクリーン装置は、太陽電池が設けられているロールスクリーンの面が外向きになるようにして、巻取りが行われても良いし、有機電界発光装置が設けられているロールスクリーンの面が外向きになるようにして、巻取りが行われてもよい。しかしながら、一般的に、素子面積の大きい太陽電池の場合は、太陽電池素子の破損が太陽電池全体の性能に影響してしまう。そのため、図5に示すように、太陽電池22が設けられているロールスクリーン31の面が外向きになるようにして、巻取りを行うことが好ましく、この構成であれば、太陽電池22に圧縮応力が掛らなくなり、太陽電池22を構成する太陽電池素子が破壊されにくくなる。
【0018】
上記したロールスクリーン装置35は、各種の変形を行えるものである。例えば、ロールスクリーン31が有する太陽電池22を、複数の太陽電池22をマトリックス状に配置し、各太陽電池22の正極端子と接続された出力端子26a、及び各太陽電池22の負極端子と接続された出力端子26bを備えたロールスクリーン装置に変形することが出来る。
【0019】
また、ロールスクリーン装置35を、充放電コントローラ32を備えないもの(各太陽電池22と蓄電池33とが直結されているもの)に変形することも出来る。なお、ロールスクリーン装置35を、そのようなものに変形する場合には、逆流防止ダイオード等を、太陽電池の正極端子と出力端子34aとの間等に設けておいてもよい。また、上述の通り、図2では、巻取りパイプ30の内部に、出力端子26a及び26bと放充電コントローラー32とを接続するロータリーコネクタを設けているが、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、ロータリーコネクタは任意の場所に配置すればよい。
【0020】
また、太陽電池22からの電力の取り出しを、ロータリーコネクタ以外のもの(スリップリング等)を用いて行っても良いことや、太陽電池22からの電力の取り出しを、ロータリーコネクタ等を用いることなく太陽電池22の下端側から行っても良いことなどは、当然のことである。例えば、プルコードを介して電力の取り出しを行っても構わない。
【0021】
<2.ロールスクリーン31>
以下、本考案に係るロールスクリーンの構成について説明する。図1に示すように、ロールスクリーン31は、基材21と、太陽電池22と、有機電界発光装置23とを有する。
【0022】
<2−1.基材21>
基材21は、ロールスクリーン31の母材であり、太陽電池22及び有機電界発光装置23を保持する役割があり、また、太陽電池22と有機電界発光装置23とを絶縁する役割がある。また、本考案においては、基材21を介して、太陽電池22と有機電界発光装置23とが対称に配置されているために、複数回の曲げ伸ばしに対して、いずれかの面に歪みが残りにくくなる。
【0023】
基材21に用いることのできる材料に特段の制限はないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
【0024】
基材21は単層であっても、積層であってもよい。また、基材21は遮光性の高いものでもよいし、低いもの(いわゆる透け感のあるもの)でも良い。
【0025】
基材21の引張強度が低すぎると巻取り時の外力が歪みとして有機電界発光装置23に伝わり、有機電界発光装置23を破壊しやすくなる。一方で、引張強度が大きすぎると、ロールスクリーン31を巻取りにくくなり、さらにロールスクリーン31を巻いた状態での残留応力が大きくなる。そのため、基材21の引張強度は50kg/cm以上であることが好ましく、100kg/cm以上で、あることがより好ましく、200kg/cm以上であることがさらに好ましく、300kg/cm以上であることが特に好ましく、また、2000kg/cm以下であることが好ましく、1500kg/cm以下であることがより好ましく、1300kg/cm以下であることがさらに好ましく、800kg/cm以下であることが特に好ましい。
【0026】
また、基材21の膜厚が小さすぎると、太陽電池22から発生した熱が有機電界発光装置23に移動し、破損しやすくなる。一方で、基材21の膜厚が大きすぎると、ロールスクリーン31を曲げた際に内側と外側の歪み差が著しく大きくなり、内側に圧縮応力、外側には引張応力がかかるため、太陽電池22及び有機電界発光装置23が破損しやすくなる。そのため、基材21の膜厚は、0.01nm以上であることが好ましく、0.02nm以上であることがより好ましく、0.05nm以上であることがさらに好ましく、0.1nm以上であることが特に好ましく、0.5nm以下であることが好ましく、0.4nm以下であることがより好ましく、0.35nm以下であることがさらに好ましく、0.3nm以下であることが特に好ましい。
【0027】
<2−2.太陽電池22>
以下、本考案に係る太陽電池22について図6を参照して説明する。なお、図6に示すように、太陽電池22は、少なくとも太陽電池素子6を含んで構成される。
【0028】
<2−2−1.太陽電池素子6>
太陽電池素子6は、或る程度の可撓性を有する(曲げ応力が繰り返しかかっても壊れにくい)太陽電池素子であれば良い。従って、太陽電池素子6として、アモルファスシリコン系太陽電池素子、有機太陽電池素子、化合物半導体系太陽電池素子などを用いることができる。
【0029】
また、ロールスクリーンとして機能させる場合、限られた端辺のみを固定して設置されるため、バタつきなどに対する衝撃に強い有機太陽電池素子が好ましい。有機太陽電池素子は、必要に応じて着色等も可能であり、意匠性の点からも好ましい。ここで、有機太陽電池素子とは、光吸収層(光電変換層)に有機半導体を用いた太陽電池素子である。構成は特に限定されないが、例えば、アノード、正孔取り出し層、光電変換層(有機活性層)、電子取り出し層、及びカソードが順次形成された層構造とを有する。
【0030】
アノード及びカソードは、いずれか一方が透光性であればよく、両方が透光性であっても構わない。透光性があるとは太陽光が40%以上透過する程度のものである。アノードの膜厚は特に制限は無いが、通常10nm以上、通常10μm以下である。アノードの材料としては例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)などの導電性金属酸化物、銀、金及びアルミニウムなどの金属、金属の薄膜を導電性金属酸化物などの透明酸化物薄膜にて挟持した3層構造の透明導電膜(IMI)、カーボンナノチューブやグラフェンなどの炭素材料、並びに、スルホン酸及び/又はハロゲンなどがドーピングされた導電性高分子などが使用される。カソードの膜厚は特に制限は無いが、通常10nm以上、通常10μm以下である。材料としては例えば、銀やアルミニウム等の金属など、アノードと同様のものを用いることができるが、それに加えて、カルシウムやバリウム、セシウム等の仕事関数の小さい金属も好適に使用される。アノード又はカソードは2層以上積層してもよく、表面処理により特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
【0031】
有機活性層は通常p型半導体化合物とn型半導体化合物を含む。有機活性層の層構成は、薄膜積層型、バルクヘテロ接合型、及びPIN型等が挙げられる。中でも、p型半導体化合物とn型半導体化合物が混合したバルクヘテロ接合型が好ましい。膜厚は特に限定されないが、通常10nm以上であり、通常10μm以下である。有機活性層の作成方法は特に制限されないが、スピンコート、ダイコート、グラビアコート、ディップコート、インクジェットなどの塗布法が好ましい。
【0032】
p型半導体化合物とは、その膜が正孔を輸送できるp型半導体として動作する材料であるが、π共役高分子化合物やπ共役低分子有機化合物などが好ましく用いられ、一種の化
合物でも複数種の化合物の混合物でもよい。共役高分子化合物は単一あるいは複数のπ共役モノマーを重合したものであり、そのモノマーとしては、置換基を有してもよいチオフェン、フルオレン、カルバゾール、ジフェニルチオフェン、ジチエノチオフェン、ジチエノシロール、ジチエノシクロヘキサン、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェン、イミドチオフェン、ベンゾジチオフェン等が挙げられ、分子量は1万以上が好ましい。これらのモノマーは直接結合してもよく、エチレニレン基(−CH=CH−)、アセチレニレン基(−C≡C−)、窒素原子及び/又は酸素原子等を介して結合していてもよい。π共役高分子材料は、曲げ応力に対する耐久性があるため、耐衝撃性やロールスクリーンの開閉に対する耐久性の点で好ましい。
【0033】
低分子有機半導体材料としてはペンタセンやナフタセン等の縮合芳香族炭化水素、チオフェン環が4個以上結合したオリゴチオフェン類、ポルフィリン化合物、テトラベンゾポルフィリン化合物等のポルフィリン化合物類及びその金属錯体、並びにフタロシアニン化合物及びその金属錯体等、が挙げられる。p型半導体のHOMOレベルは、通常−5,7eV以上であり、通常−4.6eV以下である。
【0034】
n型半導体化合物としては、特段の制限はないが、フラーレン化合物及びその誘導体、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類が挙げられる。フラーレンとしてはC60又はC70等があげられ、そのフラーレンの2個の炭素に置換基を付加したもの、4個の炭素に置換基を付加したもの、さらには6個の炭素に置換基を付加したものが挙げられる。フラーレン化合物は、塗布法に適用できるようにするためには、当該フラーレン化合物が何らかの溶媒に対して溶解性が高く溶液として塗布可能であることが好ましい。n型半導体のLUMOレベルは通常−4.5eV以上であり、通常−2.0eV以下である。
【0035】
正孔取り出し層の膜厚は特に限定されないが通常2nm以上500nm以下である。材料は、ポリチオフェン、ポリピロール、又はポリアニリンなどに、スルホン酸及び/又はハロゲンなどがドーピングされた導電性ポリマーや、酸化モリブデンや酸化ニッケルのような、仕事関数の大きな金属酸化物が用いられる。
【0036】
電子取り出し層の膜厚は特に限定されないが通常0.1nm以上500nm以下である。材料は、特に限定されないが、具体的には、無機化合物又は有機化合物が挙げられる。無機化合物としては、LiF等のアルカリ金属の塩や酸化チタン(TiOx)や酸化亜鉛(ZnO)のようなn型の酸化物半導体が挙げられる。有機化合物としては、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントレン(Bphen)のようなフェナントレン誘導体や、分子内にリン原子と酸素原子との二重結合またはリン原子と硫黄原子との二重結合を有するホスフィン化合物、及び、リン原子に芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を有するホスフィン化合物等が挙げられ、中でも、リン原子に芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を有するホスフィン化合物が好ましい。なお、太陽電池素子に用いられる各構成部材は、上記の材料に限定されるわけではなく、例えば、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報等に記載された材料を使用することができる。また、各構成部材は公知の形成方法により形成することができ、具体的には、上記公知文献に記載の方法が挙げられる。
【0037】
一方、アモルファスシリコン系太陽電池素子は、厚さ1μm程度の薄膜でも太陽光を十分に吸収できる長所を有する。また、アモルファスシリコンは、曲げに対する耐性が高い非結晶質の材料である。そのため、太陽電池ユニット11として、幾つかのアモルファスシリコン系太陽電池素子からなるものを採用しておけば、巻取パイプ30への巻き取りによる太陽電池素子の破壊/性能劣化等が生じにくい、薄くて軽量な太陽電池モジュール10を実現することができる。
【0038】
アモルファスシリコン系太陽電池素子とは、光電変換層にアモルファスシリコンを用いた太陽電池素子である。構成は特に限定されないが、例えば、電極間に光電変換層が形成された層構造と基板とを有する。基板は前記有機太陽電池素子と同様のものを用いることができる。電極は前記有機太陽電池のアノード及びカソードと同様のものを用いることができる。光電変換層はPIN構造を有するものが好ましい。
【0039】
また、太陽電池素子として化合物半導体系太陽電池素子を用いることもできる。化合物半導体系太陽電池素子とは、光電変換層に化合物半導体を用いた太陽電池素子である。構成は特に限定されないが、例えば、電極間に光電変換層が形成された層構造と基板とを有する。基板及び電極はアモルファスシリコン系太陽電池素子と同様のものを用いることができる。光電変換層としては、高い光電変換効率が得られるI−III−VI2族半導体(カル
コパイライト系)が好ましく、特にI族元素としてCuを用いたCu−III−VI2族半導体が好ましい。Cu−III−VI2族半導体とは、CuとIII族元素とVI族元素が1:1:2の
割合で含まれる化合物からなる半導体のことである。このCu−III−VI2族半導体としては、CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In1-xGax)Se2、CuInS2、CuGaS2、Cu(In1-xGax)S2、CuInTe2、CuGaTe2、Cu(In1-xGax)Te2を例示できる。また、これらの2種以上の混合物であってもよい。中でも特に、
CIS系半導体及びCIGS系半導体が好ましい。
【0040】
CIS系半導体とは、CuIn(Se1-yy2〔0≦y≦1〕のことである。すなわ
ち、CIS系半導体とは、CuInSe2、CuInS2、又はこれらが混合状態にあるもののことである。なお、Seに代えてSを用いると安全性が高まり好ましい。CIGS系半導体とは、Cu(In1-xGax)(Se1-yy2〔0<x<1、0≦y≦1〕のこと
である。なお、Cu(In1-xGax)Se2は、通常、CuInSe2とCuGaSe2
の混晶となっている。また、xの範囲は、通常は0より大きく、好ましくは0.05より大きく、より好ましくは0.1より大きく、また、通常0.8未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.4未満である。
【0041】
なお、本考案に係る太陽電池22は太陽電池素子6以外に、図6に示すように、耐候性保護フィルム1、封止材5,7、バックシート10、紫外線カットフィルム2、ガスバリアフィルム3,9、ゲッター材フィルム4,8等を有していてもよい。なお、これらの構成部材は任意で、適宜選択して用いることができる。これらの各種フィルムの材料、形状、性能及び積層方法等については、いずれも国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報等に記載の通りである。
次に、有機電界発光装置の各構成について説明する。
【0042】
<2−3.有機電界発光装置23>
図7に示されるように、本考案のロールスクリーンに使用できる有機電界発光装置23は少なくとも有機電界発光素子51を有する。なお、有機電界発光装置としては、限定されるわけではないが、有機電界発光素子を用いた照明装置や表示装置が挙げられる。
【0043】
<2−3−1.有機電界発光素子51>
有機電界発光素子51は少なくとも陽極と、発光層と、陰極とを有する。有機電界発光素子51は、陽極及び陰極によりそれぞれ発光層に注入される正孔及び電子により、正孔と電子が再結合することにより発生する励起子が励起状態から基底状態に低下する時に発光する。そしてこの発光原理を利用し、照明装置、又は表示装置として使用することができる。
【0044】
陽極は、効率よく正孔を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいものを用いることが好ましく、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金
等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
【0045】
陽極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行うことができる。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、塗布することにより陽極を形成することもできる。なお、陽極は単層構造でもよいし、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
【0046】
陰極の材料としては、前記の陽極に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。なお、陰極の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
【0047】
発光層は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有する。発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよい。
【0048】
以下、発光材料のうち蛍光発光材料(蛍光色素)の例を挙げるが、蛍光色素は以下の例示物に限定されるものではない。
【0049】
青色発光を与える蛍光色素(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、クリセン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。緑色発光を与える蛍光色素(緑色蛍光色素)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Al(C9H6NO)3などのアルミニウム錯体等が挙げられる。黄色発光を与える蛍光色素(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色発光を与える蛍光色素(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
【0050】
燐光発光材料としては、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等が挙げられる。
【0051】
また、発光層は湿式成膜法、真空蒸着法、又は公知の方法により製膜することができる。
なお、発光層は、上述した以外の公知の材料や公知の方法を用いて形成しても良い。また、有機電界発光素子51は、本考案の趣旨を損なわない限り、上述した構成以外に、任意で別の層を有していてもよい。例えば、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等を有していてもよい。なお、これらの層は、公知の材料や、公知の方法により形成することができ、具体的には、特開2012−190880号公報、特開2011−102960号公報等に記載の材料や方法を用いて形成することができる。
【0052】
<2−3−2.薄膜トランジスタ52>
また、図7に示すように、本考案に使用する有機電界発光装置23は、薄膜トランジスタ52を有していてもよい。有機電界発光装置は、アクティブマトリックス型又はパッシブマトリックス型に大別され、アクティブマトリックス型の有機電界発光装置の場合、通常、薄膜トランジスタ等のスイッチング素子が含まれる。一般的に、アクティブマトリックス型の有機電界発光装置はパッシブマトリックス型の有機電界発光装置と比較して、高い高解像度化が可能であり、低消費電力化が可能となる長所があり、パッシブマトリックス型の有機電界発光装置の場合、製造工程が簡易であるために、生産性が高いという利点を有する。本考案においては、パッシブマトリックス型の有機電界発光装置、及びアクティブマトリックス型の有機電界発光装置のどちらも使用することができるが、アクティブマトリックス型の有機電界発光装置の場合は、図7に示されるように、有機電界発光装置23が、薄膜トランジスタ52を有していることが好ましい。
【0053】
薄膜トランジスタ52は、複数の有機電界発光素子51が配列された有機電界発光装置において、どの有機電界発光素子を発光させるか選択するスイッチの役割を有する。なお、有機電界発光装置においては、通常、一つの有機電界発光素子に対して、2つ以上の薄膜トランジスタ52が電気的に接続されている。以下、有機電界発光素子51と薄膜トランジスタ52の接続関係について、図4を参照して説明する。図4はアクティブマトリックス型の有機電界発光装置の一部を等価回路で示したものである。第1の薄膜トランジスタ52a及び第2の薄膜トランジスタ52bはそれぞれ、ゲート電極、及びソース・ドレイン電極を有しており、第1の薄膜トランジスタ52aのゲート電極は走査線55と接続される。また、第1の薄膜トランジスタ52aのソース・ドレイン電極の一方は、信号線53と接続され、ソース・ドレイン電極の他方は、第2の薄膜トランジスタ52bのゲート電極と接続される。そして、第2の薄膜トランジスタ52bのソース・ドレイン電極の一方は、有機電界発光素子51の陽極又は陰極と接続されており、ソース・ドレイン電極の他方は電源線54と接続されている。
【0054】
第1の薄膜トランジスタ52aのゲート電極の電位によりソース・ドレイン電極間のスイッチ動作が行われる。具体的には、第1の薄膜トランジスタ52aは、駆動回路(図示略)に接続された走査線55から、第1の薄膜トランジスタ52aのゲート電極がオン又はオフの信号を受け取り、第1の薄膜トランジスタ52aがオンの状態になった際に、第1の薄膜トランジスタ52aのソース・ドレイン電極間が導通する。その結果、第2の薄膜トランジスタ52bのゲート電極もオン状態となり、電源線54から第2の薄膜トランジスタ52bを介して、有機電界発光素子51に電流が供給され、有機電界発光素子51が発光し、画像表示等を行うことができる。
【0055】
第1の薄膜トランジスタ52a及び第2のトランジスタ52bは任意の構成であればよいが、スタガー型トランジスタ、逆スタガー型トランジスタ、コプラナー型トランジスタ、逆コプラナー型トランジスタ等を使用することができる。
【0056】
また、第1の薄膜トランジスタ52a及び第2の薄膜トランジスタ52bは、通常、上述したゲート電極、ソース・ドレイン電極に加えて、半導体層や絶縁膜等の構成材料を有するが、これらの構成部材は、薄膜トランジスタを形成することができる材料であれば、特段の制限はない。例えば、ゲート電極、ソース・ドレイン電極には、それぞれ、上述した<2−2−1.太陽電池素子6>に記載したアノード及びカソードで挙げた電極材料や方法、さらには、<2−3−1.有機電界発光素子51>に記載した陽極、陰極を形成する材料や方法により形成することができる。
【0057】
半導体層としては、無機半導体材料や有機半導体材料を用いることができ、無機半導体
材料としては、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン等のシリコン半導体材料や、IGZO等の金属を含む酸化物半導体材料等が挙げられる。一方で、有機半導体材料としては、<2−2−1.太陽電池素子6>の光電変換層に使用できる材料や形成方法、さらには、上述の<2−3−1.有機電界発光素子51>の発光層に使用できる材料や方法を用いて形成することができる。
【0058】
また、絶縁膜としては、絶縁性を有する材料であれば特段の制限はなく、公知の材料を用いて形成することができる。具体的には、シリコン酸化物、シリコン窒化物等の無機材料やポリイミド等の有機材料を使用することができる。
【0059】
また、各層を形成する膜を製膜した後に、必要に応じて、公知の方法によりパターニングを行うことにより、薄膜トランジスタ52を作製することができる。具体的には、公知文献2013−25307に記載されている方法により薄膜トランジスタを作製することができる。
【0060】
<2−3−3.封止材61>
また、有機電界発光装置23に含まれる有機電界発光素子51は、図7に示すように、封止材61により封止されていてもよい。封止材61に使用できる材料としては、特段の制限はなく、公知の材料が用いられる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリル系樹脂、アクリル系樹脂共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アイオノマー樹脂、あるいはシリコーン樹脂などが挙げられる。
【0061】
また、有機電界発光装置23は基板62を有していてもよい。基板62上に上述の有機電界発光装置の各構成部材を、予め形成し、有機電界発光装置を作製しておけば、基板62ごとロールスクリーンの基材に張り付けてロールスクリーンを作製することができる。なお、基板62に用いる材料に特段の制限はないが、<2−1.基材21>に記載した材料を使用することができる。
【0062】
さらに、有機電界発光装置は任意で、上述した以外の構成部材を有していてもよい。例えば、偏光板、乾燥剤、ブラックマトリックス、カラーフィルター、反射板、メモリー、駆動回路、導光板、プリズムシート、拡散板等が挙げられる。
【0063】
<2−4.ロールスクリーンの製造方法>
本考案に係るロールスクリーンの製造方法に制限は無いが、例えば、図6に示されるような太陽電池用の積層体及び図7で示されるような有機電界発光装置用の積層体を作成した後に、ラミネート封止工程を行う方法が挙げられる。図6及び図7に示される積層体の作成は公知の技術を用いて行うことができる。ラミネート封止工程の方法は、本考案の効果を損なわなければ特に制限はないが、例えば、ウェットラミネート、ドライラミネート、ホットメルトラミネート、押出しラミネート、共押出成型ラミネート、押出コーティング、光硬化接着剤によるラミネート、サーマルラミネート等が挙げられる。なかでも有機ELデバイス封止で実績のある光硬化接着剤によるラミネート法、太陽電池で実績のあるホットメルトラミネート又はサーマルラミネートが好ましく、さらに、ホットメルトラミネート又はサーマルラミネートがシート状の封止材を使用できる点でより好ましい。ラミネート封止工程の加熱温度は通常130℃以上、好ましくは140℃以上であり、通常180℃以下、好ましくは170℃以下である。ラミネート封止工程の加熱時間は通常10分以上、好ましくは20分以上であり、通常100分以下、好ましくは90分以下である。ラミネート封止工程の圧力は通常0.001MPa以上、好ましくは0.01MPa以上であり、通常0.2MPa以下、好ましくは0.1MPa以下である。圧力をこの範囲
とすることで封止を確実に行い、かつ、端部からの封止材5,7及び封止材61のはみ出しや過加圧による膜厚低減を抑え、寸法安定性を確保しうる。なお、2個以上の太陽電池素子6を直列又は並列接続したものも上記と同様にして、製造することができる。
【0064】
なお、ラミネートの封止工程の際に、ロールスクリーンの基材に、太陽電池の積層体及び有機電界発光装置の積層体を同時に封止してもよいし、ロールスクリーンの基材に太陽電池の積層体を製造した後に、有機電界発光装置の積層体を封止してもよい。また、有機電界発光装置の積層体を封止した後に、太陽電池を封止してもよい。また、有機電界発光装置は直接ロールスクリーンの基材に製造してもよい。
【0065】
本考案により、意匠性が高く、太陽電池で得られた電力を表示装置や照明等に有効に活用できるロールスクリーン及びロールスクリーン装置を提供することができる。
【0066】
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子
10 バックシート
21 基材
22 太陽電池
23 有機電界発光装置
26a 出力端子
26b 出力端子
29 保持部
30 巻取りパイプ
31 ロールスクリーン
32 放充電コントローラ
33 蓄電池
34a 出力端子
34b 出力端子
35 ロールスクリーン装置
40a 入力端子
40b 入力端子
51 有機電界発光素子
52 薄膜トランジスタ
52a 第1の薄膜トランジスタ
52b 第2の薄膜トランジスタ
53 信号線
54 電源線
55 走査線
61 封止材
62 基板

(57)【要約】

【課題】意匠性が高く、太陽電池で得られた電力を有効に活用できるロールスクリーン及びロールスクリーン装置を提供する。【解決手段】少なくとも、基材21の一方の面に太陽電池22を有し、他方の面に有機電界発光装置23を有するロールスクリーンである。そして、太陽電池22を有するロールスクリーン31の一方の面を室外向けに配置し、有機電界発光装置23を有するロールスクリーンの他方の面を室内向きに配置するロールスクリーン装置にすることで、ロールスクリーンの遮光機能のみならず、太陽電池により発電した電力を効果的に有機電界発光装置に用いることができる。


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