(54)【考案の名称】卓上充電装置

(73)【実用新案権者】ペクセル・テクノロジーズ株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1A

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、薄型軽量のフィルム状色素増感型光電変換素子を用いた卓上充電装置に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
近年、携帯通信端末、携帯型電子書籍等の携帯用電子機器が急速に普及している。このような背景において、携帯用電子機器の電源には小型化かつ大容量化が求められているためリチウム二次電池のような二次電池が採用されている。しかしながら、二次電池を単独で電源として用い、携帯用電子機器を駆動させた場合、駆動時間に制限がある。このため、一般電源から二次電池への充電を頻繁に行う必要がある。また、駆動時間を長期化して充電回数を低減するため二次電池をさらに大容量化した場合には、携帯型電子機器の重量が増加してしまう。
【0003】
さらに、災害が発生して通電施設が損壊した場合に、通電施設が仮復旧するまでの間、テント等の避難施設で簡易的に電源を確保する必要がある。しかしながら、自家発電装置は駆動燃料の確保、装置の搬送手段、設備の備蓄費用の点で課題があり、簡易かつ備蓄可能な非常時電源の確保がもとめられている。
【0004】
一方、光電気化学のエネルギーのメカニズムを利用して発電する色素増感型太陽電池がある(特許文献1)。この光電池は、低日照量または室内照明光源の下で、高い変換効率を持つ。これは、色素増感型太陽電池が光源からの光を受け、色素分子から電子が放出され、半導体酸化物を経て導電性基板に転送され、電圧が発生して電流を供給できることによる。この色素増感型太陽電池はリチウム二次電池のように一般電源からの充電は必要としない。また、色素増感型太陽電池と電気二重層キャパシタを組み合わせることで、日照がない夜間でも放電を行うことができる。
【0005】
色素増感型太陽電池として、軽量かつ柔軟性あるフィルム状色素増感型太陽電池も提案されている(特許文献2)。ガラス板を導電性基板とする色素増感型太陽電池に比べ、軽量かつ薄く、破損の心配がなく持ち運びが容易で、災害用電源としての保管性も高い。 また、シート状の太陽電池の平坦性を損なうことがなく、かつ、充電時に発生するエネルギーロスを低減する太陽電池を用いた充電ユニットも提案されている(特許文献3)。
【0006】

【効果】

【0014】
本考案の卓上充電装置は、軽量かつ柔軟な色素増感型光電変換素子を磁力によって吸着して互いに当接される支持部に挟持することで容易に設置できる。このため、両面採光型の色素増感型光電変換素子を配置することができ屋内での充電効率を高くすることができる。また、支持部と発電部(色素増感型太陽電池)を分離できるため、色素増感型太陽電池を使用直前まで適切に保管できる。さらに、光電変換特性が経時的に低下した場合には、新たな色素増感型太陽電池と差し替えることもできるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本考案の卓上充電装置を示した説明図(平面図)
【図1B】本考案の卓上充電装置を示した説明図(側面図)
【図2A】本考案の太陽電池シートの一実施態様を示した説明図
【図2B】本考案の両面採光型の色素増感型太陽電池モジュールの一実施態様を示した説明図
【図2C】本考案の両面採光型の色素増感型太陽電池モジュールを保護するバリアー性のある包装体の一実施態様を示した説明図
【図3A】本考案の太陽電池シートを挟持する一対の支持部の半片(接点、配線、回路基板を載置した側)を示した説明図
【図3B】本考案の太陽電池シートを挟持する一対の支持部の他の半片を示した説明図
【図3C】本考案の太陽電池シートを挟持した支持部の半片(接点、配線、回路基板を載置した側)を示した説明図

【0016】
以下に、本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。図1Aおよび図1Bは本考案の一実施態様を示したものである。ただし、本考案はかかる図面に限定されるものではない。本考案の卓上充電装置10は、光を受光することにより発電する太陽電池部20と、太陽電池部20にて発電された電気エネルギーを被充電機器(図示せず)に供給するための端子(第3接点)34および配線回路をその内部に有し、磁力により吸着して互いに当接できる一対の半片からなる太陽電池シート支持部30から構成されている。
【0017】
図2Aは、本考案の太陽電池シート20の実施の一形態を示す図である。太陽電池シート20は、両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21と両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21を保護するバリアー性のある包装体22から構成されている。両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21は、第1接点(正極)26、第1接点(負極)27を除き、バリアー性のある包装体22に内包されている。
【0018】
図2Bは、本考案の両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21の一実施の形態を示したものである。両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21は、透明プラスチックフィルム基板上に形成された透明導電層に色素を担持した酸化物半導体微粒子からなる光電極、酸化還元対のキャリアを担う電解液層、透明プラスチックフィルム基板上に形成された透明導電層に白金触媒層を形成した対向電極をこの順に配し、光電極、電解液層、対向電極の周囲に封止層を形成した色素増感型太陽電池23を複数、直列または並列あるいは直列と並列を組み合わせたものである(特許文献2を参照)。透明プラスチックフィルム基板材料としては、無着色で透明性が高く、耐熱性が高く、耐薬品性ならびにガス遮断性に優れ、かつ低コストの材料が好ましく選ばれる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)などが用いられる。これらのなかでも化学的安定性とコストの点で特に好ましいものは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)であり、もっとも好ましいものはポリエチレンナフタレート(PEN)である。透明導電層としては、金属(例、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン)、炭素、導電性金属酸化物(例、酸化スズ、酸化亜鉛)または複合金属酸化物(例、インジウム‐スズ酸化物、インジウム−亜鉛酸化物)から形成できる。
【0019】
色素増感型太陽電池23の間には、金属(良導体)からなる集電線24を配設することにより、透明導電膜からなる透明透電極の表面抵抗率を下げている。集電線の材料は、導電性を有していれば特に制限はないが、抵抗率が比較的低い金属材料、例えば、銀、銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、クロムのうちから選ばれる少なくとも1つ以上の金属あるいはこれらの合金からなることが好ましい。集電線の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、メッキ法あるいはスクリーン印刷法などが用いられる。両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21は、一対の取出し電極25を備えている。一対の取出し電極25には、それぞれニッケル鋼板からなる第1接点(正極)26及び第1接点(負極)27を取り付ける。取出し電極の材料としては、導電性を有していれば特に制限はない。抵抗率が比較的低い金属材料、例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、チタン、クロムのうちから選ばれる少なくとも1つ以上の金属あるいはこれらの合金からなることが好ましい。取出し電極13の厚さは、50nm〜100μmであることが好ましい。断線により色素増感型光電変換素子の歩留まりが低下しない程度に薄すぎないことが必要であり、コスト面から過度に厚くする必要なないからである。また、取出し電極の形状には特に制限はない。例えば、金属箔、金属テープ、板状、紐状のいずれであってもよい。加工性の観点から金属テープが好ましい。
【0020】
図2Cは、本考案の両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21を保護するバリアー性のある包装体22を示したものである。バリアー性のある包装体22は、両面採光型の色素増感型太陽電池モジュール21が、過酷な環境条件、特に高温度で高湿度での環境条件により出力の劣化が見られる可能性があり、耐久性付与が重要であることから被覆材として用いる。バリアー性のある包装体22の好ましい水蒸気透過度は、40℃、相対湿度90%(90%RH)の環境下で0.1g/m2/日以下であり、より好ましくは0.01g/m2/日以下であり、更に好ましくは0.0005g/m2/日以下であり、特に好ましくは0.00001g/m2/日以下である。また、環境温度が60℃、90%RHでのより過酷な場合でも、バリアー性のある基板あるいは包装材料の水蒸気透過度は、より好ましくは0.01g/m2/日以下であり、更に好ましくは0.0005g/m2/日以下であり、特に好ましくは0.00001g/m2/日以下である。またバリアー性のある基板あるいは包装材料の酸素透過率は25℃、0%RHの環境下において、好ましくは約0.001g/m2/日以下であり、より好ましくは0.00001g/m2/日が好ましい。
また、バリアー性のある包装材料22に、水蒸気やガスに対するバリアー性付与は、特に限定されないが、太陽電池に必要な光量を妨げないことが必要であるために透過性のあるバリアー性のある包装材料であり、その透過率は好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上であり、更に好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。上記の特性を有するバリアー性のある基板あるいは包装材料は、その構成や材料において特に限定されることはなく、該特性を有するものであれば特に限定されない。本願考案のバリアー性のある包装材料は、プラスチック支持体上に水蒸気やガスの透過性が低いバリアー層を設置したフィルムであることが好ましい。ガスバリアフィルムの例としては、酸化ケイ素や酸化アルミニウムを蒸着したもの(特公昭53−12953、特開昭58−217344)、有機無機ハイブリッドコーティング層を有するもの(特開2000−323273、特開2004−25732)、無機層状化合物を有するもの(特開2001−205743)、無機材料を積層したもの(特開2003−206361、特開2006−263989)、有機層と無機層を交互に積層したもの(特開2007−30387、米国特許6413645、Affinitoら著Thin
Solid Films 1996年 290−291頁)、有機層と無機層を連続的に積層したもの(米国特許2004−46497)などが挙げられる。被覆に際しては、ヒートシール、超音波シールにより未封止部29の外周に封止部28を形成する。
【0021】
本考案の太陽電池シートを挟持する支持部30は、磁力によって吸着して互いに当接される吸着面が同一の一対の半片、半片30aおよび半片30bにより構成される。図3Aは、支持部30の一方の半片30aを示したものである。支持部材31aは、樹脂等の絶縁性材料からなる筐体であり、接合側面には、上述した第1接点(正極)26と第1接点(負極)27と第1接点に当接可能に配設された2つの第2接点32、回路基板33、第3接点34、半片30bと接合するための嵌合部(凸状)37が、それぞれ載置されている。また、第2接点32と第3接点34とを繋ぐ配線(負極)35および配線(正極)36および磁性体は、内包されている。
【0022】
図3Bは、本考案の支持部30の他の一方の半片30bを示したものである。支持部材31bは、樹脂等の絶縁性材料からなる筐体であり、接合側面には、太陽電池シート保持部38と半片30aと接合するための嵌合部(凹状)39が、それぞれ載置されている。太陽電池シート保持部38は、本考案の太陽電池シート20を定められた位置に載置するために設けたものであり、太陽電池シート20を支持部30に挟持できるように、太陽電池シート20の厚みより深い溝となっている。太陽電池シート保持部38に粘着剤を塗工して、保持性を上げることもできる。磁性体は、内包されている。
【0023】
図3Cは、本考案の太陽電池シート20と支持部の半片30a(接点、配線、回路基板を載置した側)との接続の状態を示したものである。太陽電池シートの第1接点(正極)26と第1接点(負極)27は、支持部の半片30aに設けられた2つの第2接点32と接続している。これにより太陽電池シートにて発電された電気エネルギーが配線(負極)35および配線(正極)36を介して回路基板33から第3接点34へと供給され、さらに第3接点34接続される被充電機器(図示せず)に供給される。
【産業上の利用可能性】
【0024】
軽量かつ柔軟な色素増感型太陽電池を使った充電装置として、屋内で携帯電話機への充電や、破損の心配がなく持ち運びが容易で、災害用電源として適用できる。
【0025】
10 卓上充電装置
20 太陽電池部(太陽電池シート)
30 太陽電池シート支持部
21 両面採光型色素増感型太陽電池モジュール
22 バリアー性のある包装体
23 両面採光型色素増感型太陽電池
24 集電線
25 取出し電極
26 第1接点(正極)
27 第1接点(負極)
28 透明性のある封止部
29 透明性のある未封止部
30 太陽電池シート支持部
30a 30b 太陽電池シートを挟持する支持部の半片
31a 31b 支持部材
32 第2接点
33 回路基板
34 第3接点
35 配線(負極)
36 配線(正極)
37 嵌合部(凸状)
38 太陽電池シート保持部
39 嵌合部(凹状)

(57)【要約】

【課題】軽量かつ柔軟性あるフィルム状色素増感型太陽電池を高効率かつ臨機応変に活用できる手段を提供する。【解決手段】光を受光することにより発電する両面採光型の色素増感型太陽電池からなる太陽電池シート20を具備する発電部と、前記太陽電池シート20を挟持する支持部30からなる卓上充電装置10である。前記太陽電池シート20は、前記太陽電池部にて発電したエネルギーを取り出すための第1接点を有し、前記支持部30は、前記第1接点に当接可能に構成された第2接点と、前記第1接点に当接した場合に前記第1接点から取り出されたエネルギーを被充電装置に充電するための第3接点を有する。前記太陽電池シート20を挟持する支持部30は、磁力によって吸着して互いに当接されることを特徴とする卓上充電装置10である。また、太陽電池シートは、バリアー性のある包装体により被覆されている。


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