(54)【考案の名称】点字ラベル

(73)【実用新案権者】株式会社友功社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】 図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は、視覚障害者用として用紙の基材に点字がエンボス加工される点字ラベルに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、視覚障害者用として用紙の基材に凸ピンが押圧(打刻を含む、以下同じ)されて点字がエンボス加工される種々の点字ラベルが知られており、例えば、特許文献1には、比較的小さな力でも確実に点字を打てると共に、携帯性と保存性に優れ、且つ、読み取りに際しても触覚に負担をかけない点字用紙を提供することを目的として、比較的硬質で塑性変形し易い合成樹脂製の外層の間に、比較的軟質で伸張性に富んだ合成樹脂製の中間層を介設したことを特徴とする点字用紙が開示されている(特許文献1の明細書の段落0005〜0007、図面の図2等参照)。
【0003】
しかし、特許文献1の点字用紙は、主に、用紙の基材に点字加工を施す際の基材等の延展性(変形容易性)を考慮したものであり(特許文献1の明細書の段落0006,0007等参照)、保存性についても一応考慮されているが、これは水や湿気に当たると、紙の繊維が伸びて点の突起が崩れてしまい、長期間には経時的変化が起こり易く保存性に欠けるという紙の問題点を、ラベル用紙の基材を紙から合成樹脂に変えることにより達成するものであり(特許文献1の明細書の段落0005等参照)、コストが増加するとともに、再生資源である紙を使わないため環境への負荷が大きいという問題があった。
【0004】
また、特許文献2には、点字プリンタによって、PETフィルム層の表面に適正な高さの点字を形成し得るようにした点字ラベル用紙を提供することを目的とし、PETフィル
ム層2の裏面に、紙、不織布、スチレン系樹脂等からなる変形補助層4が接合され、さらに該変形補助層4の裏面に形成された粘着層5に剥離紙6が被着されてなり、該剥離紙6側からのピン打圧により、PETフィルム層の表面に凸状の点字9が形成されることを特徴とする点字ラベル用紙が開示されている(特許文献2の明細書の段落0012〜0017、図面の図2等参照)。
【0005】
しかし、特許文献2の点字ラベル用紙は、いくらスチレン系樹脂等からなる変形補助層4を接合されているからといっても、粘着層5や剥離紙6などを介してピンで打刻しているため、粘着層5の粘着力をかなり強力なものにしないかぎり打刻の際に変形補助層4と剥離紙6がズレてしまい綺麗に点字9を形成できないという問題があった。
【0006】
更に、特許文献3には、点字表示のための点字凸部を表示ラベルの表面に一体成形することで美観を向上させ、さらに使用者の摩擦や押圧に対する点字凸部の耐久性を高くした点字表示付ラベルを提供することを目的として、裏面印刷による健常者用表示を有する透明または半透明プラスチックシートからなる表示ラベルにおいて、シート材押出しによる点字凸部からなる点字表示をシート表面に有し、該点字凸部に対応するシート材凹部をシート裏面に有し、該シート材凹部は裏面全面を面一に充填物で充填していることを特徴とする点字表示付ラベルが開示されている(特許文献3の明細書の段落0015,0016、0020〜0022、図面の図2〜図5)。
【0007】
しかし、特許文献3の点字表示付ラベルは、インクや凝固材などの充填物によってシート材の凹部を充たし、点字凸部を裏側から補強しているが、点字加工は、硬質プラスチック材料からなる単層のプラスチックシート1に点字製版機でピンを打刻成形するものであり、熱可塑性のプラスチックシート1を使用しない場合は、打刻の際にプラスチックシート1に亀裂等が生じるおそれがある。
【0008】

【効果】

【0013】
この考案は、前記のようであって、請求項1及び3に記載の考案は、紙からなるラベル基材に視覚障害者用の点字加工が施された点字ラベルにおいて、前記ラベル基材の点字加工用の凸ピンを押圧する側に合成樹脂からなる補強用の樹脂フィルムが貼り合わされているので、樹脂フィルムで補強されているため点字加工の際にラベル基材が破損しにくく、且つ、耐久性に優れ経時においても凹みにくい。
【0014】
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の点字ラベルにおいて前記点字加工が施された凹所に熱可塑性樹脂又は紫外線硬化型樹脂が充填されて固化しているので、更に、耐久性に優れ経時においても凹みにくい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1に係る点字ラベルの構成を厚みを誇張して模式的に示す鉛直断面図である。
【図2】実施例2に係る点字ラベルの構成を厚みを誇張して模式的に示す鉛直断面図である。

【0016】
この考案の一実施の形態を、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
先ず、図1を用いて、この考案の一実施の形態である実施例1に係る点字ラベルについて説明する。
図に示す符号1が、実施例1に係る点字ラベルであり、この点字ラベル1は、紙(ここで、紙とは、植物由来の繊維を絡ませながら薄く平に成形したもので合成紙も含むものとする、以下同じ)からなるラベル基材10と、このラベル基材10の裏面に貼着された薄いフィルム状の合成樹脂からなる樹脂フィルム11と、からなり、裏面側から点字プリンタなどの凸ピンPで打刻(又は型枠内での押圧、以下同じ)されて視覚障害者用の所定の点字がエンボス加工されている。また、ラベル基材10と樹脂フィルム11との貼り合わせは、接着剤層を介しても構わない。
【0018】
この樹脂フィルム11は、点字をエンボス加工する際のラベル基材10の補強の役割を担うものであり、そのため、加工の際に変形に容易に追随できて破れない所定の延展性(変形容易性)と、加工後の形状を経時においても保持できる形状保持の性質を有する所定の厚さのフィルムである。これらに適合する合成樹脂としては、例えば、PET樹脂などのポリエステル、ポリプロピレン(PP樹脂)、ポリエチレン(PE樹脂)、ポリスチレン(PS樹脂)、ポリオレフィン(PO樹脂)などが挙げられる。
【0019】
また、点字のエンボス加工は、凸ピンPを裏面側から打刻することで行われるが、従来のエンボス加工と相違して、実施例1に係る点字ラベル1には、ラベル基材10の裏面に補強用の樹脂フィルム11が貼り合わされているとともに、その裏面側から凸ピンPを打刻するので、紙からなるラベル基材10と比べて延展性の良好な樹脂フィルム11で打刻の際の衝撃を吸収することができる。
【0020】
以上のように、実施例1に係る点字ラベル1によれば、加工の際にラベル基材10が破損しにくいうえ、紙からなるラベル基材10と比べて吸水性の少ない樹脂フィルム11で形状を保持できるため、湿度等の周囲の環境や保存状況によらず耐久性に優れ経時においても凹みにくい。
【0021】
次に、図2を用いて、この考案の一実施の形態である実施例2に係る点字ラベルについて説明する。
図に示す符号2が、実施例2に係る点字ラベルであり、この点字ラベル2は、紙からなるラベル基材20と、このラベル基材20の裏面に貼着された薄いフィルム状の合成樹脂からなる樹脂フィルム21と、樹脂フィルム21の凹所に充填された合成樹脂からなる充填樹脂22と、からなる。
【0022】
この点字ラベル2の製造方法は、前述の実施例1に係る点字ラベル1と同様に、ラベル基材20の裏面に樹脂フィルム21が貼着されたシートの裏面側から点字プリンタなどの凸ピンP(図1も参照)で打刻(押圧)して点字をエンボス加工する。そして、打刻により凹んだ凹所に合成樹脂からなる充填樹脂22を充填して固化させることで点字ラベル2が作成される。
【0023】
この充填樹脂22としては、前述のポリエステル、ポリプロピレン(PP樹脂)、ポリエチレン(PE樹脂)、ポリスチレン(PS樹脂)を初めとする熱可塑性樹脂(ホットメルト接着剤を含む)が好適に用いられ、このような熱可塑性樹脂を充填樹脂22に用いた場合は、前述のように基材20に樹脂フィルム21の貼り合わせたものをエンボス加工したうえ、その裏面を上にした状態で、加熱して溶融又は軟化した液状又は流動体状(以下、液状を含んで流動体状という)の熱可塑性樹脂をエンボス加工でできた凹所に流し込み、自然冷却により充填樹脂22を固化させることで点字ラベル2が作成される。
【0024】
また、充填樹脂22には、紫外線硬化型樹脂(紫外線硬化型インキも含む)も用いることができ、この場合は、流動体状の紫外線硬化型樹脂を前記凹所に流し込み、紫外線照射により充填樹脂22を紫外線の光エネルギーにラジカル反応させて硬化(固化)させることで点字ラベル2が作成される。
【0025】
以上のように、実施例2に係る点字ラベル2によれば、エンボス加工により窪んだ凹所に充填樹脂22を充填して固化させるので、実施例1に係る点字ラベル1と比べても、さらに耐久性が向上し、湿度などのラベルの周辺環境や保存状態によらず、点字加工の形状を経時においても維持することができる。
【0026】
1,2 点字ラベル
10,20 ラベル基材
11,21 樹脂フィルム
22 充填樹脂
P 凸ピン

(57)【要約】

【課題】 点字加工の際にラベル基材が破損しにくく、耐久性の優れた点字ラベルを提供する。【解決手段】 紙からなるラベル基材10に視覚障害者用の点字加工が施された点字ラベル1において、ラベル基材10の点字加工用の凸ピンPを押圧する側に合成樹脂からなる補強用の樹脂フィルム11を貼り合わせる。また、これらの構成に加え、点字加工が施された凹所に熱可塑性樹脂又は紫外線硬化型樹脂を充填して固化する。さらに、前記樹脂フィルムを、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、のいずれかとする。


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