(54)【考案の名称】座金付ナット

(73)【実用新案権者】株式会社サカムラハイテックス

(73)【実用新案権者】日本ファスナー工業株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、主としてビルの鉄骨や橋梁に使用される高力ボルト用の座金付ナットに関する。

【従来の技術】

【0002】
一般に、ナットのボルトへの螺着作業の合理化を図るため、図6に示す構造の座付きナットが提案され、使用されている。この座付ナットの場合、座金2´の孔部2a´に段部2b´を形成すると共に、ナット1´の座面のねじ孔1a´周りに円筒状の突片1b´を突設し´、このナット1´の円筒状突片1b´を座金2´の孔部2a´に差し込み、その先端部を孔部2a´の段部2b´下方にて半径方向外方にかしめることにより、座金2´をナット1´に回転自在に係着している。
【考案が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したナット1´のボルトへの螺着作業を行う場合、ナット1´の座面はボルトの軸心に対し正確に垂直状態が保たれるといったことはなく、ナット1´の座面が多少傾斜しながらねじ込まれる。そのため、図6に示す構造の座付きナットのように底面全体が扁平座面1c´となった構造であると、ナット1´の座金2´への当接時、ナット1´の扁平座面1c´全体が座金2´の上面に均一に面接触するとは限らず、その時々で多様に傾斜しながら偏よった位置で点接触して螺着され、さまざまな位置で偏荷重が作用することになる。このようにナット1´と座金2´との点接触位置が、ナット1´の扁平座面1c´の外周部分と内周部分の範囲内においてその都度変化すると、トルク係数にバラツキが生じることになり、その結果、安定した軸力が得られにくくなる問題があった。
【0004】
そこで、本考案は上記した問題に鑑み考案したもので、ナットと座金との当接位置を常に所定位置で接触するようにして、トルク係数のバラツキを抑え、バラツキのない安定した軸力が得られる座金付ナットの提供を課題とする。

【効果】

【0006】
本考案の座金付ナットによれば、上記したように座金付のナットにおける底面に、底面から視てリング状でそのリングの外径と内径の中間径部分が頂部となるように下方に向かって断面半円状に膨出するリング状座面を形成したから、ナットのボルトへの螺着時、ナットと座金との当接位置を常にナットの底面に形成したリング状座面の中間径部分の膨出頂部に定めることができ、これにより、トルク係数のバラツキを抑えることができ、その結果、バラツキのない安定した軸力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本考案に係る座金付ナットの縦断面図である。
【図2】同ナットの一部切欠縦断面図である。
【図3】同ナットの底面図である。
【図4】同座金の縦断面図である。
【図5】同座金の平面図である。
【図6】従来の説明図である。

【0008】
以下本考案に係る座金付ナットの実施の形態を図に基づいて説明する。
【0009】
図は高力ボルト用の座金付ナットを示し、図において、1はナットで、このナット1の底面側のねじ孔1a周りに薄肉の円筒状突片1bが形成されている。そして、ナット1の底面には、底面から視てリング状でそのリングの外径と内径の中間径部分が頂部Aとなるように下方に向かって断面半円状に膨出するリング状座面1cが形成されている。
【0010】
また、2は環状の座金で、この座金2の孔部2aにかしめ用の段部2bが形成されている。
【0011】
そして、上記のように形成されたナット1に座金2を組み付けるには、ナット1の円筒状突片1bを座金2の段付孔部2aに差し込み、その差込状態のもとでプレス等により円筒状突片1bの先端部を半径方向、つまり段部2bの下面にかしめることにより、座金2をナット1に回転自在に係着する。
【0012】
次に、以上のように構成した座金付ナットの作用について説明する。
【0013】
本考案の座金付ナットによれば、上記したようにナット1における底面に、底面から視てリング状でそのリングの外径と内径の中間径部分が頂部Aとなるように下方に向かって断面半円状に膨出するリング状座面1cを形成したから、ナット1のボルト(図示せず)への螺着時、ナット1と座金2との当接位置を常にナット1の底面に形成したリング状座面1cの中間径部分の膨出頂部Aに定めることができる。これにより、従来の座金付ナットに比べてトルク係数のバラツキを抑えることができ、その結果、バラツキのない安定した軸力を得ることができる。
【0014】
その上、ナット1と座金2が一体化されているので、ナット1と座金2とが個別のものに比べて表裏の見極めが不要で、ボルトに挿入する方向が一目で分かるし、暗がりであっても手の感触で一瞬にして確認できるため、煩わしさやロスが発生しない。また、ナット1と座金2とが一体化されているので、片手で操作が容易になり作業性が良くなる。さらに、一体化された座金2がガイドとなるため、ねじとねじの噛み合わせの不都合が解消され、落下させるといったこともなくなる。
【0015】
以上の実施の形態では、高力ボルト用の座金付ナットに適用した場合について説明したけれども、高力ボルト用の座金付ナットに何ら限定されるものでなく、一般的な座金付ナットについても広く適用できること勿論である。
【0016】
1 ナット
1a ねじ孔
1b 円筒状突片
1c リング状座面
2 座金
2a 孔部
2b 段部
A 頂部

(57)【要約】

【課題】ナットと座金との当接位置を常に所定位置で接触するようにして、トルク係数のバラツキを抑え、安定した軸力が得られる座金付ナットの提供。【解決手段】座金2の孔部2aに段部2bを形成すると共に、ナット1の座面のねじ孔1a周りに円筒状の突片1bを突設し、このナット1の円筒状突片1bを座金2の段付孔部2aに差し込み、その先端部を半径方向にかしめることにより、座金2をナット1に回転自在に係着した座金付ナットであって、ナット1の底面に、底面から視てリング状でそのリングの外径と内径の中間径部分が頂部Aとなるように下方に向かって断面半円状に膨出するリング状座面1cを形成した。


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