(54)【考案の名称】太陽電池モジュール取付架台

(73)【実用新案権者】鳥取県板金工業組合

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図13

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、太陽電池モジュール取付架台に関する。

【従来の技術】

【0002】
近年、環境に対する配慮や発電政策の転換等により、公共施設や一般家庭などで太陽光を利用した発電が広く行われるようになっている。そして、太陽光を利用した発電を行うための太陽電池モジュールは屋根に設置されることが多い。太陽電池モジュールを屋根に設置する場合には、屋根から太陽電池モジュールが落下しないように太陽電池モジュール支持金具及び太陽電池モジュール取付架台を用いて太陽電池モジュールを屋根に固定する必要がある。
【0003】
具体的な太陽電池モジュールの屋根への取付方法としては、まず最初に屋根に太陽電池モジュール支持金具(以下、「太陽電池モジュール支持金具」を「支持金具」ともいう。)を固定する。次に、屋根に固定した支持金具の上に太陽電池モジュール取付架台(以下、「太陽電池モジュール取付架台」を「取付架台」ともいう。)を固定する。そして取付架台の上に太陽電池モジュールを取り付けることで、太陽電池モジュールの屋根に対する取付が完了する。すなわち、太陽電池モジュールは支持金具及び取付架台を介して屋根に対して固定される。
【0004】
取付架台は一般的に太陽電池モジュール用桟(以下、「太陽電池モジュール用桟」を「桟」ともいう。)を用いて形成される。取付架台は縦桟方式又は横桟方式によって組立られる。縦桟方式とは、支持金具の上部に屋根の傾斜方向(屋根の水上側から水下側方向)に延びる縦桟を所定間隔で固定した上で、それら縦桟の上部に屋根の傾斜方向に対して直角方向に延びる横桟を太陽電池モジュールの大きさに合わせた間隔で固定して井桁状の取付架台を形成する方式である。一方横桟方式とは、支持金具の上部に横桟を所定間隔で固定した上で、それら横桟の上部に縦桟を太陽電池モジュールの大きさに合わせた間隔で固定して井桁状の取付架台を形成する方式である(例えば特許文献1を参照。)。これによって複数の太陽電池モジュールを並設して太陽電池アレイを形成することができるため、屋根の利用可能スペースを有効に活用することができる。
【0005】
ところで屋根の形状には様々な形状があるがその一つに陸屋根がある。陸屋根とは勾配のない平面状の屋根である。近年では外観(デザイン)上の観点から一般住宅で陸屋根が採用されることが増加している。そして陸屋根に対しても勾配のある屋根と同様に太陽電池モジュールの取り付けを要望されることがある。
【0006】
太陽電池モジュールは一般的に効率的な発電のために傾斜して設置されることが多く、勾配のある屋根に設置される場合には、屋根の勾配を利用して太陽電池モジュールを設置することで太陽電池モジュールを傾斜させている。一方、太陽電池モジュールを陸屋根に設置する場合には屋根の勾配がないので、何らかの方法で太陽電池モジュールを傾斜させる必要があった。
【0007】
その方法としては例えば井桁状の取付架台の上部において、太陽電池モジュールの長手方向又は短手方向の両端部付近に高さの異なるフレーム材を設置し、このフレーム材に太陽電池モジュールを取り付けることで太陽電池モジュールを傾斜させていた(特許文献2参照)。
【0008】

【効果】

【0017】
本考案によると、取付架台が第1の取付架台と第2の取付架台とを備え、第1の取付架台と第2の取付架台は高さが異なる。従って第1の取付架台と第2の取付架台の上に太陽電池モジュールを設置することで太陽電池モジュールの傾斜角度を太陽光発電に効率のよい角度とすることができる。また、第1の支持部に対する第1の基台部の折曲方向と第1の設置部の折曲方向とは反対方向であり、第2の支持部に対する第2の基台部の折曲方向と第2の設置部の折曲方向とは反対方向である。従って、第1の基台部及び第2の基台部を屋根材又は支持金具に取り付ける際に第1の設置部及び第2の設置部が邪魔にならず、取り付け作業を効率よく行うことができる。つまり、当該構成によれば太陽電池モジュールを屋根材の勾配とは異なる角度に傾斜させる場合に取付架台を設置する以外の作業を要することなく太陽電池モジュールを所望の角度に傾斜させることができ、太陽電池モジュールの取付作業の効率性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】屋根材の一例である折半屋根を示す図
【図2】折半屋根の構成部材の一例を示す図
【図3】折半屋根に支持金具を取り付けた状態を示す図
【図4】第1実施形態の取付架台の第1の取付架台を示す斜視図
【図5】第1実施形態の取付架台の第1の取付架台を示す左側面図
【図6】第1実施形態の取付架台の第1の取付架台を示す上面図
【図7】第1実施形態の取付架台の第1の取付架台を示す正面図
【図8】第1実施形態の取付架台の第2の取付架台を示す斜視図
【図9】第1実施形態の取付架台の第2の取付架台を示す左側面図
【図10】第1実施形態の取付架台の第2の取付架台を示す上面図
【図11】第1実施形態の取付架台の第2の取付架台を示す背面図
【図12】取付架台に太陽電池モジュールを設置した状態を示す第1の図
【図13】取付架台に太陽電池モジュールを設置した状態を示す第2の図
【図14】取付架台に太陽電池モジュールを設置した状態を示す第3の図
【図15】取付架台に太陽電池モジュールを設置した状態を示す第4の図
【図16】取付架台に太陽電池モジュールを設置した状態を示す第5の図
【図17】接続コード固定具の一例を示す図

【0019】
<第1実施形態>
本実施形態の取付架台について説明する前に屋根材及び支持金具について説明する。本実施形態では屋根材として勾配のない陸屋根の一例である折半屋根を使用して説明する。折半屋根100は図1に示すように複数の谷部101と複数の山部102が交互に形成される屋根材である。折半屋根は強度性に優れた金属製の折半屋根本体110(図2参照)を複数個並設して形成され、低コストで強度に優れた屋根材となる。従って、中型建物や大型建物のみならず、一般家庭でも屋根材として採用されることがある。
【0020】
なお、後述するように本実施形態の折半屋根100は嵌合方式(折半屋根本体110同士を嵌合して固定する方式)の折半屋根であるが、他の方式(重ね式、ハゼ式等)で折半屋根110同士が固定された折半屋根であってもよい。
【0021】
折半屋根本体110は折半屋根100の谷部101を構成する底部111、折半屋根100の山部102を構成する第1の頂部112及び第2の頂部113と底部111の短手方向の両端から上方に向かうにつれて広がるように形成されて第1の頂部112及び第2の頂部113を夫々底部111に対して所定の高さで支持する第1の傾斜部114及び第2の傾斜部115とを備える。
【0022】
第1の頂部112及び第2の頂部113には夫々第1の嵌合部116及び第2の嵌合部117が形成される。第1の嵌合部116は第2の嵌合部117の外側から第2の嵌合部117に嵌め込まれて固定される。嵌合する際には並設された一方の折半屋根本体110の第1の頂部112の第1の嵌合部116と他方の折半屋根本体110の第2の頂部113の第2の嵌合部117が嵌合される(本明細書で第1の嵌合部116と第2の嵌合部117を嵌合するとした場合に各嵌合部は並設された2個の折半屋根本体110の一方の第1の嵌合部116と他方の第2の嵌合部117を嵌合するという意味である)。このような嵌合方式では折半屋根本体110同士を固定する場合に別途固定具(ボルトやナット等)が不要であるため折半屋根の強度や固定性を損なうことなく美観に優れた折半屋根となる。
【0023】
このような折半屋根100の上部に取付架台を配して太陽電池モジュールを設置するが、折半屋根100の上部には第1の嵌合部116及び第2の嵌合部117の嵌合部分(図3に示す嵌合部分118)が存在していることにより折半屋根100に対して直接安定的に取付架台を配することが困難である。そこで本実施形態では図3に示すように支持金具120を嵌合部分180に取り付け、その上に取付架台を取り付ける。但し、本実施形態のように嵌合部分180が存在していない等、屋根材の上に直接安定的に取付架台を配することが可能である屋根材では支持金具120を介さずに屋根材に取付架台を配することとしてもよい。
【0024】
支持金具120は嵌合部分180に取り付けられる基台部121、取付架台を載置する載置手段を構成するボルト体122とナット体123と座金124と載置部125とを備える。
【0025】
基台部121は締付ボルト121aと締付ナット121bと一対の挟持部121cを有する。締付ボルト121aは両挟持部121c間に架設される。そして締付ボルト121aが両挟持部121cに架設された状態で締付ボルト121aに螺合された締付ナット121bが締付されることで両挟持部121cの対向間隔が幅狭となる。両挟持部121c間が幅狭になるに従って挟持部121cは嵌合部181を左右両側(図3の紙面に対して左右方向)から強く挟み込むことになる。これによって基台部121が嵌合部分180に固定的に取り付けられる。
【0026】
一対の挟持部121cにおいて一方(図3で紙面に向かって左側の挟持部121c)は上面板1211を有するのに対して他方(図3で紙面に向かって左側の挟持部121c)は上面板を有さない。そして上面板1211の略中央部にはボルト体122を挿通可能な孔部(不図示)が形成されて上面板の下方から上方に向けてボルト体122が挿通される。
【0027】
座金124はボルト体122が挟持部121cの上面板1211の孔部に挿通されている状態で、ボルト体122の先端部から環装される。ナット体123は座金124がボルト体122に環装された状態でボルト体122の先端部から螺合され、ボルト体122の頭部(不図示)と共に挟持部121cの上面板1211を挟持する。これによってボルト体122の頭部が上面板1211の下面に接触した状態で上面板1211に取着されて上方への抜脱及び下方への脱落が防止される。
【0028】
載置部125は略中央部にボルト体122を挿通可能な孔部(不図示)がされており、載置部125の孔部はナット体123がボルト体122に螺合された状態でボルト体122を挿通させる。本実施形態の取付架台は載置部125の孔部をボルト体122に挿通させた状態で載置部125の上に設置される。
【0029】
以下、本実施形態の取付架台130について図4〜図11を参照して説明する。本実施形態の取付架台130は第1の取付架台140と第2の取付架台150とから構成される。図4は本実施形態の第1の取付架台の斜視図である。図5は本実施形態の第1の取付架台の左側面図である。図6は本実施形態の第1の取付架台の上面図である。図7は本実施形態の第1の取付架台の正面図である。図8は本実施形態の第2の取付架台の斜視図である。図9は本実施形態の第2の取付架台の左側面図である。図10は本実施形態の第2の取付架台の上面図である。図11は本実施形態の第2の取付架台の背面図である。
【0030】
第1の取付架台140は支持金具120の載置部125に取り付けられる第1の基台部141、太陽電池モジュールが設置される第1の設置部142及び第1の設置部142を第1の基台部141に対して第1の高さ(図5等で示す高さH1)で支持する第1の支持部143を備える。
【0031】
本明細書において第1の高さ及び後述する第2の高さとは基台部と支持部との境目に対する、支持部と設置部との境目の高さであり、本実施形態で第1の支持部143及び後述する第2の支持部153は第1の基台部141、第2の基台部151に対して垂直方向に直線状に延びることから第1の支持部143、第2の支持部153の高さ方向の長さに等しい。
【0032】
第1の基台部141、第1の設置部142及び第1の支持部143は板金部材により一体に成形される。板金部材としては特に制限されるものではないが、例えばザムが好適に使用される。板金部材の板厚は特に限られるものではなく、板厚を厚くすることで第1の取付架台140の強度が増す。例えば板金部材の板厚は1mm〜2mm程度のものが使用される。
【0033】
第1の基台部141は図6に示すように上面視略楕円弧状の孔部141a〜141cが形成される。孔部141a〜141cには載置部125の孔部を挿通したボルト体122が挿通可能に形成される。孔部141a〜141cを上面視略楕円弧状とすることでボルト体122の位置に多少の誤差が生じた場合であっても孔部141a〜141cに挿通することが可能である。孔部141a〜141cにボルト体122が挿通された状態でボルト体122の上端からナット体(図12に示すナット体160)を螺合することで第1の基台部141が載置部125に固定的に取り付けられる。
【0034】
なお、孔部141a〜141cの形成位置や大きさは適宜変更可能であり、また孔部の数は3個に限られるものではなく任意の個数とすればよい。第1の基台部141の横幅W1は太陽電池モジュールの大きさに合わせて適宜変更すればよく、本実施形態では第1の設置部142、第1の支持部143の横幅も第1の基台部141の横幅と同じ長さに設定される。横幅W1は例えば120cm〜125cm程度に設定される。
【0035】
第1の基台部141の奥行き幅D1は載置部125と第1の基台部141との接触面積を規定するものである。接触面積を大きくすることで載置部125に対する取付架台130の取り付けが安定する。本実施形態において載置部125は上面視で一辺5cm〜6cm程度の略正方形状であるため、第1の基台部141の奥行き幅D1も同様に5cm〜6cm程度に設定される。
【0036】
第1の基台部141を基準とすると、第1の支持部143は第1の基台部141の短手方向の一端を上方に略直角に折り曲げて形成される。上述したように第1の支持部143は第1の設置部142を第1の基台部141に対して第1の高さH1で支持する。第1の支持部143は後述する第2の支持部153と共に太陽電池モジュールの傾斜角度を規定するため、第1の支持部143の高さH1は太陽電池モジュールの傾斜角度、第2の支持部153の高さに応じて適宜設定することとすればよい。本実施形態で第1の支持部143の高さH1は18cm〜25cm程度に設定される。
【0037】
第1の支持部143の左部及び右部には夫々比較的小さな一対の孔部143a、143bが形成される。当該孔部143a、143bは結束バンドや紐等の固定部材を挿通可能である。例えば結束バンドであれば、結束バンドの先端を一方の孔部143aに挿通した後にそのまま他方の孔部143aを挿通させることで結束することができる。孔部143a、143bは太陽電池モジュールが備える接続コードが屋根材に向かって垂れ下がったり、屋根材に接触することを防ぐために設けられ、太陽電池モジュールの接続コードを第1の支持部143に押し付けた状態で結束バンドを孔部143a、143bに挿通させることで、太陽電池モジュールの接続コードが第1の支持部143に固定される。一対の孔部143a、143bの形成位置、大きさや個数は適宜変更可能である。
【0038】
なお、本実施形態では一対の孔部143a、143bを備えることとしているが、単一の孔部のみを有することとしてもよい。例えば図17に示すような接続コード固定具を挿通可能な単一の孔部を有することとすればよい。接続コード固定具300は接続コード保持部301、孔部に挿通される第1の挿通部302及び第2の挿通部303を備える。第1の挿通部302及び第2の挿通部303はその先端に外側に向かって突出した突出片302a、303aを備える。また、突出片302a及び303aは先端に向かうにつれて先細りするテーパ状に形成される。
【0039】
第1の挿通部302及び第2の挿通部303は弾力性のある部材からなり、孔部を挿通する際には突出片302a、303aが孔部の縁に接触することで、孔部の内側方向に向かって変形する。その後、突出片302a及び303aが孔部を挿通すると、第1の挿通部302及び第2の挿通部303を孔部の内側方向に変形する力がなくなり、元の形状に戻ることで突出片302a及び303aが孔部の縁に係合して挿脱困難に構成される。接続コード保持部301は例えば結束バンドのように構成され、接続コードを保持した後は取り外し困難に構成される。
【0040】
第1の支持部143を基準とすると、第1の設置部142は第1の支持部143の短手方向の一端を右方且つ鈍角に折り曲げて形成される。すなわち第1の設置部142は第1の基台部141に対して所定の角度に傾斜した状態で第1の支持部143に支持される。第1の設置部142の傾斜角度は太陽電池モジュールを傾斜させたい角度と略同角度に設定される。一般的に太陽電池モジュールは20°〜30°に傾斜させることが望ましいため、傾斜角度θ1が20°〜30°になるように折り曲げられる。つまり、第1の設置部142は第1の支持部143の短手方向の一端を右方に150°〜160°折り曲げて形成される。
【0041】
第1の設置部142の左部及び右部には太陽電池モジュール固定用の孔部142a、142bが形成される。第1の設置部142に太陽電池モジュールが設置された状態で太陽電池モジュールに形成された孔部と第1の設置部142の孔部142a又は142bにボルト体を挿通して、ボルト体の先端からナット体を螺合することで太陽電池モジュールが第1の設置部142に固定される。つまり孔部142a、142bは太陽電池モジュールに形成された孔部の位置、大きさ、個数に対応する位置、大きさ、個数に形成される。
【0042】
第1の設置部142の奥行き幅D2は太陽電池モジュールと第1の設置部142の接触面積規定するものである。接触面積を大きくすることで第1の設置部142に対する太陽電池モジュールの取り付けが安定する。但し、一般的に太陽電池モジュールに形成される孔部は太陽電池モジュールの枠体に形成される。この場合、第1の設置部142と接触するのは太陽電池モジュールの枠体であるが、枠体の幅は比較的短く設定されることが多い。従って第1の設置部142の奥行き幅D2は太陽電池モジュールの枠体の幅と同等かそれ以上の幅とすればよく、本実施形態では5cm〜6cmに設定される。
【0043】
第2の取付架台150は第1の取付架台140と同様に支持金具120の載置部125に取り付けられる第2の基台部151、太陽電池モジュールが設置される第2の設置部152及び第2の設置部152を第1の基台部151に対して第2の高さ(図8等で示す高さH2)で支持する第2の支持部153を備える。
【0044】
第2の基台部151、第2の設置部152及び第2の支持部153は板金部材により一体に成形される。板金部材としては特に制限されるものではないが、例えばザムが好適に使用される。板金部材の板厚は特に限られるものではなく、板厚を厚くすることで第2の取付架台150の強度が増す。例えば板金部材の板厚は1mm〜2mm程度のものが使用される。
【0045】
第2の基台部151は図8に示すように上面視略楕円弧状の孔部151a〜151cが形成される。孔部151a〜151cには載置部125の孔部を挿通したボルト体122が挿通可能に形成される。孔部151a〜151cを上面視略楕円弧状とすることでボルト体122の位置に多少の誤差が生じた場合であっても孔部151a〜151cに挿通することが可能である。孔部151a〜151cにボルト体122が挿通された状態でボルト体122の上端からナット体(図12に示すナット体160)を螺合することで第1の基台部151が載置部125に固定的に取り付けられる。
【0046】
なお、孔部151a〜151cの形成位置や大きさは適宜変更可能であり、また孔部の数は3個に限られるものではなく任意の個数とすればよい。第2の基台部151の横幅W2は太陽電池モジュールの大きさに合わせて適宜変更すればよく、本実施形態では第2の設置部152、第2の支持部153の横幅も第2の基台部151の横幅と同じ長さに設定される。横幅W2は上述した横幅W1と同様に120cm〜125cm程度に設定される。
【0047】
第2の基台部151の奥行き幅D3は載置部125と第2の基台部151との接触面積を規定するものである。接触面積を大きくすることで載置部125に対する取付架台130の取り付けが安定する。本実施形態において載置部125は上面視で一辺5cm〜6cm程度の略正方形状であるため、第2の基台部151の奥行き幅D2も同様に5cm〜6cm程度に設定される。
【0048】
第2の基台部151を基準とすると、第2の支持部153は第2の基台部151の短手方向の一端を上方に略直角に折り曲げて形成される。上述したように第2の支持部153は第2の設置部152を第2の基台部151に対して第2の高さH2で支持する。第2の支持部153は上述した第1の支持部143と共に太陽電池モジュールの傾斜角度を規定するため、第2の支持部153の高さH2は太陽電池モジュールの傾斜角度、第1の支持部143の高さに応じて適宜設定することとすればよい。本実施形態で第2の支持部153の高さH1は18cm〜25cm程度に設定される。
【0049】
第2の支持部153の左部及び右部には夫々比較的小さな一対の孔部153a、153bが形成される。当該孔部153a、153bは結束バンドや紐等の固定部材を挿通可能である。例えば結束バンドであれば、結束バンドの先端を一方の孔部153aに挿通した後にそのまま他方の孔部153aを挿通させることで結束することができる。孔部153a、153bは太陽電池モジュールが備える接続コードが屋根材に向かって垂れ下がったり、屋根材に接触することを防ぐために設けられ、太陽電池モジュールの接続コードを第2の支持部153に押し付けた状態で結束バンドを孔部153a、153bに挿通させることで、太陽電池モジュールの接続コードが第2の支持部153に固定される。一対の孔部153a、153bの形成位置、大きさや個数は適宜変更可能である。
【0050】
第2の支持部153を基準とすると、第2の設置部152は第2の支持部153の短手方向の一端を左方且つ鋭角に折り曲げて形成される。すなわち第2の設置部152は第2の基台部151に対して所定の角度に傾斜した状態で第2の支持部153に支持される。第2の設置部152の傾斜角度は太陽電池モジュールを傾斜させたい角度と略同角度に設定される。一般的に太陽電池モジュールは20°〜30°に傾斜させることが望ましいため、傾斜角度θ2が20°〜30°になるように折り曲げられる。つまり、第2の設置部152は第2の支持部153の短手方向の一端を左方に20°〜30°折り曲げて形成される。
【0051】
第2の設置部152の左部及び右部には太陽電池モジュール固定用の孔部152a、152bが形成される。第2の設置部152に太陽電池モジュールが設置された状態で太陽電池モジュールに形成された孔部と第2の設置部152の孔部152a又は152bにボルト体を挿通して、ボルト体の先端からナット体を螺合することで太陽電池モジュールが第2の設置部152に固定される。つまり孔部152a、152bは太陽電池モジュールに形成された孔部の位置、大きさ、個数に対応する位置、大きさ、個数に形成される。
【0052】
第2の設置部152の奥行き幅D4は太陽電池モジュールと第2の設置部152の接触面積規定するものである。接触面積を大きくすることで第1の設置部152に対する太陽電池モジュールの取り付けが安定する。但し、一般的に太陽電池モジュールに形成される孔部は太陽電池モジュールの枠体に形成される。この場合、第2の設置部152と接触するのは太陽電池モジュールの枠体であるが、枠体の幅は比較的短く設定されることが多い。従って第2の設置部152の奥行き幅D4は太陽電池モジュールの枠体の幅と同等かそれ以上の幅とすればよく、本実施形態では5cm〜6cmに設定される。
【0053】
次に図12を参照して実際の使用状態について説明する。図12は本実施形態の取付架台130に太陽電池モジュールMを設置した状態を示す模式図である。同一の太陽電池モジュールMを設置するために使用される第1の取付架台140と第2の取付架台150は所定の間隔をあけて並設される。上述した第1の高さH1と第2の高さH2の高低差及び第1の取付架台140と第2の取付架台150とを並設する間隔は、太陽電池モジュールMの長さと太陽電池モジュールの傾斜角度に基づいて算出することができる。
【0054】
なお、その際、側面視(図12に示す状態)において第1の設置部142又は第2の設置部152の開放端の略延長線上に第2の設置部152又は第1の設置部142が存在するように配される。当該構成とすることにより、第1の設置部142及び第2の設置部152に太陽電池モジュールMを取り付けた際の太陽電池モジュールの傾斜角度と両設置部の傾斜角度とを略同一とした上で太陽電池モジュールの傾斜角度を所望の角度にすることができる。
【0055】
第1の高さH1と第2の高さH2の高低差及び同一の太陽電池モジュールMを設置するために使用される第1の取付架台140と第2の取付架台150の並設間隔について図12を参照して太陽電池モジュールの長さをX1cm、太陽電池モジュールを第1の設置部142及び第2の設置部152に設置した際の余剰部の長さをX2、太陽電池モジュールMの傾斜角度を屋根材に対してθ3傾斜させる場合を例に説明する。本例によれば第1の高さH1と第2の高さH2の高低差Hd及び並設間隔Diについて以下の式が成立する。
Hd=(X1+2X2)×sinθ3(cm)・・・(1)
Di=(X1+2X2)×cosθ3(cm)・・・(2)
【0056】
なお、2以上の太陽電池モジュールが設置される場合において、1の太陽電池モジュールを設置するために使用される第1の取付架台140と他の太陽電池モジュールを設置するために使用される第2の取付架台150との並設間隔は発電を保証する太陽電池モジュールに対する太陽光の入射角度に応じて適宜設定すればよい。例えば第1の高さH1と第2の高さH2の高低差Hd、又は、第2の高さH2の1倍〜3倍程度の間隔をあけて並設される。
【0057】
第1の支持部143及び第2の支持部153を基準にすると、第1の設置部142は第1の支持部143の短手方向の一端を右方且つ鈍角に折り曲げて形成され、第2の設置部152は第2の支持部153の短手方向の一端を左方且つ鋭角に折り曲げて形成される。言い換えれば第1の設置部142と第2の設置部152とは夫々第1の支持部143と第2の支持部153との一端から内側(他方の設置部又は支持部の方向)に向かって折曲形成される。
【0058】
また、第1の支持部143及び第2の支持部153を基準にすると、第1の基台部141は第1の支持部143の短手方向の他端を左方且つ略直角に折り曲げて形成され、第2の基台部151は第2の支持部153の短手方向の他端を右方且つ略直角に折り曲げて形成される。言い換えれば第1の基台部141と第2の基台部151とは夫々第1の支持部143と第2の支持部153との他端から外側(他方の設置部又は支持部の方向とは逆方向)に向かって折曲形成される。
【0059】
つまり第1の支持部143を基準とすると第1の取付架台140において第1の基台部141と第1の設置部142とは反対方向に折り曲がり形成され、第2の支持部153を基準とすると第2の取付架台150において第2の基台部151と第2の設置部152は反対方向に折り曲がり形成される。当該構成によれば第1の取付架台140及び第2の取付架台150を載置部125に固定するためにボルト体122にナット体160を螺合する際に第1の設置部142及び第2の設置部152が邪魔にならないので作業性が向上する。
【0060】
本実施形態によれば陸屋根に太陽電池モジュールを設置する際に、太陽電池モジュールを容易に所望の角度に傾斜した状態で設置することができる。すなわち本実施形態の取付架台は第1の取付架台と第2の取付架台とを備え、第1の取付架台と第2の取付架台は高さが異なる。従って第1の取付架台と第2の取付架台の上に太陽電池モジュールを設置することで太陽電池モジュールの傾斜角度を太陽光発電に効率のよい角度とすることができる。その際、第1の支持部に対する第1の基台部の折曲方向と第1の設置部の折曲方向とは反対方向であり、第2の支持部に対する第2の基台部の折曲方向と第2の設置部の折曲方向とは反対方向である。従って第1の基台部及び第2の基台部を載置部に固定する際の取り付け作業を効率よく行うことができる。
【0061】
また、第1の取付架台及び第2の取付架台は太陽電池モジュールを設置する設置部が所定の角度に傾斜している。従って第1の取付架台と第2の取付架台の高低差に基づいて生じる角度差と設置部の傾斜角度とを略同一の角度とすることで取付架台に安定的に太陽電池モジュールを設置することができる。
【0062】
また、取付架台は太陽電池モジュールの接続コードを固定するための孔部を有するので、接続コードが屋根材に向かって垂れ下がったり、屋根材に接触したりすることを防ぐことができる。
【0063】
<第2実施形態>
第1実施形態では第1の設置部142は第1の支持部143の短手方向の一端を右方且つ鈍角に折り曲げて形成し、第2の設置部152は第2の支持部153の短手方向の一端を左方且つ鋭角に折り曲げて形成した。当該構成によれば陸屋根に対して太陽電池モジュールを所望の角度に容易に設置することができるが、太陽電池モジュールは一般的に屋外に設置されることが多い。
【0064】
従って太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールを屋根材に取り付けるための支持金具及び取付架台は風雨に晒されることになる。風雨は錆等の劣化の原因となるため特に載置部125に対して第1の取付架台140及び第2の取付架台150を固定する部材(ボルト体122及びナット体160)はできる限り風雨に直接晒さないようにすることが望ましい。
【0065】
そこで本実施形態では図13に示す構成とする。すなわち、第1の支持部143及び第2の支持部153を基準にすると、第1の設置部142は第1の支持部143の短手方向の一端を左方且つ鋭角に折り曲げて形成され、第2の設置部152は第2の支持部153の短手方向の一端を右方且つ鈍角に折り曲げて形成される。言い換えれば第1の設置部142と第2の設置部152とは夫々第1の支持部143と第2の支持部153との一端から外側に向かって折曲形成される。
【0066】
また、第1の支持部143及び第2の支持部153を基準にすると、第1の基台部141は第1の支持部143の短手方向の他端を右方且つ略直角に折り曲げて形成され、第2の基台部151は第2の支持部153の短手方向の他端を左方且つ略直角に折り曲げて形成される。言い換えれば第1の基台部141と第2の基台部151とは夫々第1の支持部143と第2の支持部153との他端から内側に向かって折曲形成される。
【0067】
本実施形態によれば第1実施形態と同様の効果を奏する。加えて、上面視でボルト体122及びナット体160が太陽電池モジュールの下部に位置するためボルト体122及びナット体160が風雨に直接晒されにくい。当該構成によりボルト体122及びナット体160の劣化が防がれる。
【0068】
<その他>
上記第1実施形態及び第2実施形態では第1の支持部143及び第2の支持部153を基準とした場合に、第1の設置部142と第2の設置部152とは夫々第1の支持部143と第2の支持部153との一端から共に外側又は内側に向かって折曲形成され、第1の基台部141と第2の基台部151は第1の支持部143と第2の支持部153との他端から共に内側又は外側に向かって折曲形成されることとした。
【0069】
しかしながら当該構成に限られるものではなく、第1の支持部143及び第2の支持部153を基準とした場合に、第1の設置部142と第2の設置部152の一方は第1の支持部143又は第2の支持部153の一端から内側に向かって折曲形成され、他方は第1の支持部143又は第2の支持部153の一端から外側に向かって折曲形成されてもよい。また、同様に
第1の基台部141と第2の基台部151の一方は第1の支持部143又は第2の支持部153の他端から内側に向かって折曲形成され、他方は第1の支持部143又は第2の支持部153の一端から外側に向かって折曲形成されてもよい(図14及び図15参照)。
【0070】
上記第1実施形態及び第2実施形態では本考案の取付架台に関して、陸屋根に太陽電池モジュールを傾斜して設置するための取付架台として説明したが、使用用途はこれに限られるものではない。例えば勾配が急峻(30°を超えるもの)な屋根において太陽電池モジュールを20°〜30°にするために使用することも可能である。すなわち、図16に示すように勾配の急な屋根材200において水下側に高さの高い第1の取付架台140を配し、水上側に高さの低い第2の取付架台150を配することで取付架台130に太陽電池モジュールを設置した場合の太陽電池モジュールの傾斜角度を屋根材の勾配よりも緩い角度とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本考案は太陽電池モジュール取付架台に利用することができる。
【0072】
100 折半屋根
101 谷部
102 山部
110 折半屋根本体
111 底部
112、113 頂部
114、115 傾斜部
116、117 嵌合部
120 支持金具
121 基台部
122 ボルト体
123 ナット体
124 座金
125 載置部
130 取付架台
140 第1の取付架台
141 第1の基台部
142 第1の設置部
143 第1の支持部
150 第2の取付架台
151 第2の基台部
152 第2の設置部
153 第2の支持部

(57)【要約】

【課題】屋根材の勾配とは異なる角度に太陽電池モジュールを傾斜させる際の作業効率性を向上させる太陽電池モジュール取付架台を提供する。【解決手段】第1の取付架台140は、屋根材又は支持金具に取り付けられる第1の基台部と、太陽電池モジュールMが設置される第1の設置部と、第1の設置部を第1の基台部に対して第1の高さで支持する第1の支持部と、を有する。第2の取付架台150は、屋根材又は支持金具に取り付けられる第2の基台部と、太陽電池モジュールが設置される第2の設置部と、第2の設置部を第2の基台部に対して第2の高さで支持する第2の支持部と、を有する。第2の高さは第1の高さよりも高く設定され、第1の取付架台と第2の取付架台とは夫々一体に形成され、第1の支持部に対する第1の基台部の折曲方向と第1の設置部の折曲方向とは反対方向であり、第2の支持部に対する第2の基台部の折曲方向と第2の設置部の折曲方向とは反対方向である。


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