(54)【考案の名称】人工葉および人工観葉植物

(73)【実用新案権者】山越株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、人工葉および人工観葉植物に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、室内装飾用に鑑賞用の花や植物を花瓶に挿したり鉢植えにしたりしている。これらの花や植物が本物の花や植物であれば、水をやったり日に当てたりする必要があり、手間がかかるので、最近では、人工の花や観葉植物を飾っている場合もある。
【0003】
また、人工の花や観葉植物であれば、消臭剤や防虫剤を予め混入させたり塗布したりすることにより、室内の消臭効果や防虫効果を発揮可能になる。例えば、造形し得る素材と香料や消臭剤を含有する素材などを積層した積層シートを用いて造花用花弁や葉を作製することが既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記の特許文献1に記載された例では、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂に、香料や消臭剤等の薬剤を練り込んだ樹脂を、射出成形等で成形して、花や葉を作製している。また、薬効を長持ちさせたり、必要な時に発揮させたりするために、薬剤を含有する基材の上に剥離可能な基材を仮着積層している。
【0005】

【効果】

【0015】
本考案によれば、葉の葉脈部分に付着する虫に対して高い防虫効果を発揮するので、少ない薬剤使用量で所定の防虫効果を効果的に発揮可能な人工葉および人工観葉植物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本考案に係る人工葉の一例を示す上面図である。
【図2】図1の人工葉の側面図である。
【図3】本考案に係る人工観葉植物の一例を示す概略正面図である。
【図4】茎部に人口葉を装着するために設ける差込孔の一例を示す概略正面図である。

【0017】
以下に本考案の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
【0018】
本考案に係る人工葉は、図1に示すように所定の植物の葉に似せた人工葉1であって、葉軸部2と葉身部3を有する。また、葉軸部2は比較的太い葉柄部2aとこの葉柄部2aから枝分かれした比較的細い葉脈部2bを有する。そして、この葉軸部2に葉身部3を貼り合せている。
【0019】
また、葉軸部2は樹脂成形品から成り、予め所定の防虫効果を発揮する薬剤を練り混んで作製している。葉身部3は、例えば、織布から成る。すなわち、本実施形態に係る人工葉1は、予め所定の防虫効果を発揮する薬剤を練り混んだ樹脂を用いて成形した葉脈部2と、所定の葉形状に裁断した織布からなる葉身部3とを貼り合せて作製している。
【0020】
上記の構成であれば、防虫効果を発揮する薬剤は、人工葉1の葉軸部2(葉柄部2aと葉脈部2bを含む)のみに配合し、大きな面積の葉身部3には使用していないので、必要な薬剤量は少なくてよい。また、葉に付着する虫は、特に葉脈部2bにしがみ付いたり隠れたりするので、この葉脈部2bに薬剤を練り込んだ構成であれば所定の防虫効果を発揮する。すなわち、少ない薬剤使用量で所定の防虫効果を効果的に発揮可能な人工葉1を得ることができる。
【0021】
また、図2に示すように、葉柄部2aと葉脈部2bを含む葉軸部2の上に(特に、葉脈部2bの上に)葉身部3を貼り合せている。この構成であれば、人工葉1の裏側に防虫剤を練り込んだ葉脈部2bがあるので、特に、葉の裏側に潜む虫に対して効果的な防虫効果を発揮する。
【0022】
特に、蚊やクモなどの虫は、活動する時間以外は、家具の隙間や観賞用植物の葉の裏側の葉脈部分に隠れていることが多いので、本考案は、このような虫に対して特に有効になり効果的である。
【0023】
また、比較的太い葉柄部2aにも薬剤を練り込んだ樹脂で一体に成形しているので、この葉柄部2aにしがみ付く比較的大きな虫に対しても、高い防虫効果を発揮する。
【0024】
葉柄部2aや葉脈部2bを含む葉軸部2を製造する樹脂は例えば、比較的安価なポリエチレン樹脂が好ましい。また、ポリエステル樹脂などのその他の樹脂であってもよい。また、この樹脂に練り込む防虫効果を発揮する薬剤としては、除虫菊の有効成分でありピレスロイド系の殺虫剤として一般に適用されるデルタメトレンとテトラメトレンをそれぞれ0.12〜0.15重量%配合している。
【0025】
また、その他の防虫剤や殺虫剤を配合してもよく、例えば、BHC剤やホルマリンやサリチル酸などを用いてもよい。しかし、合成ピレスロイド系の殺虫剤は昆虫などに対しては殺虫効果を発揮し、人体などには無害であり環境に与える影響も小さいので、室内の装飾品に適用する殺虫剤として好適である。
【0026】
また、本実施形態では、葉柄部2aや葉脈部2bを含む葉軸部2を樹脂成形品とし、これに織布製の葉身部3を貼り合せている。また、蚊などの虫は、葉の裏側の葉脈部にしがみ付いたり隠れたりしているので、葉軸部2の上に葉身部3を貼り付けて人工葉1を作製している。
【0027】
葉身部3は自然界の葉に似せるために、所定の緑色に着色すると共に、艶出し剤をコーティングしている。すなわち、葉身部3は所定の化繊(例えば、ポリエステルからなる繊維)を用いた仮撚加工糸を平織して、所定の葉形状および色にプリント加工して裁断し、さらに艶出し加工して作製される。
【0028】
それから、あらかじめ成形していた葉軸部2に接着剤を用いて接着して人工葉1を作製する。この人工葉1は1枚の葉であるので、実際に使用する場合には、別に作製した茎に複数装着して使用する。
【0029】
そのため、太くて丈夫な葉柄部2aに、予め装着部や差込部を形成しておくとよい。例えば、装着する相手側に相手側に差込孔を設けておき、葉柄部2aの形状および大きさを差込孔に差し込んで固定できるようにしておくとよい。また、装着する相手側が柔らかい場合には、単に先端を尖らせておき、相手側に突き刺すようにして装着する構成としてもよい。また、外周の一部に弾性を有する突起を設けておき、差し込んで装着した姿勢を保持するようにしてもよい。
【0030】
いずれにしても、予め差込部を形成しておく相手側に、所定形状の人工葉1を装着して、所定の観葉植物に似せた装飾品を形成できる。このようにして、室内の装飾品として用いる植物の葉に、本実施形態の人工葉1を用いる構成であれば、所定の防虫効果を発揮することは明らかである。
【0031】
次に、図3および図4を用いて人工葉1を用いた人工観葉植物10について説明する。
【0032】
図3に示す人工観葉植物10は、鉢6に茎状部4を埋め込んで、この茎状部4に複数の人工葉1を装着して構成される。また、所定の人工花5を装着した構成であってもよい。茎状部4は木や竹などの天然物でも、樹脂パイプや樹脂棒材などの人工物であってもよく、棒状でもパイプ状でも枝分かれした樹状であってもよい。また、樹脂を用いる場合には、葉軸部2を作製するのに用いた樹脂を同様に用いて、所定の色および所定形状に成形すると共に、茎状部4自体が防虫効果を発揮するようにしてもよい。
【0033】
人工観葉植物10は多数の人工葉1を装着可能にしていることが好ましい。この装着方法は、例えば、図4に示すように、茎状部4の茎部4aに複数の差込孔4bを設けて、この差込孔4bに人工葉1の葉柄部2aを差し込むことにより装着している。また、この際に、防虫剤を練り込んだ葉脈部2bを裏側にして装着すると、この人工観葉植物10に付着して隠れようとする虫は、この人工葉1の裏側の葉脈部2bに付着する。
【0034】
葉脈部2bに付着した虫は、葉脈部2bに練り込んでいる防虫成分の影響を徐々に受けて、所定時間経過後に駆除される。すなわち、室内に侵入した虫が隠れやすく付着しやすい部分に防虫成分を予め練り込んでおくことにより、ここに蚊などの虫が長時間留まることで、より効果的に殺虫効果や防虫効果を発揮可能になる。
【0035】
また、人工葉1は鉢6の上にあるので、駆除された虫が落下しても、虫の多くは、この鉢6に落ちることになり、部屋を汚さない効果も発揮する。
【0036】
人工葉1が茎状部4に設ける複数の差込孔4bに容易に着脱可能であれば、薬効の衰えた人工葉1を新しい人工葉1に替えることも、異なる薬効成分を有する新たな人工葉1に替えることも可能になる。そのために、本実施形態のように、茎部4aに設ける差込孔4bには、人工葉1の葉柄部2aを容易に差し込み可能で取り外し可能にしておくことが好ましい。
【0037】
また、茎状部4が複数の枝部を有する樹状であれば、より複雑な植物に似せた観葉植物を作製できる。この場合には、複数の枝部にそれぞれ設ける多数の差込孔4bに多数の人工葉1を装着可能になる。
【0038】
上記したように本実施形態によれば、室内インテリア用に用いることができると共に防虫効果を発揮する人工観葉植物10となる。そのために、鑑賞用に優れ、水差しなどの手間が不要で、且つ、虫除けのための工夫も不要な、利便性に優れた室内装飾品を形成できる。
【0039】
また、同一の人工花5を用いて、人工葉1の大きさや形状を変えることも容易になり、季節に応じて人工葉1を取り替えてもよい。この場合には、それぞれの季節に出てくる虫に応じた薬効成分を有する防虫剤を練り込んだ人工葉1を用いることで、さらに良好な防虫成果を発揮できる。
【0040】
すなわち、本実施形態に係る人工観葉植物10は、任意の人工葉1を装着可能であり、少ない薬剤使用量で防虫効果を効果的に発揮可能な人工観葉植物10となる。
【0041】
上記したように、本考案に係る人工葉1によれば、葉に付着する虫が隠れやすい、また、付着しやすい葉脈部分に薬剤を練り込んだ構成としているので、高い防虫効果を発揮する人工葉を得ることができる。
【0042】
また、本考案に係る人工観葉植物10によれば、鉢に埋め込む茎状部に人工葉1を着脱可能にしているので、鑑賞に優れる共に、高い防虫効果を発揮する人工観葉植物を得ることができる。
【0043】
また、葉の葉脈部分に薬剤を練り込むので、少ない薬剤使用量で防虫効果を効果的に発揮可能な人工葉および人工観葉植物を得ることができる。
【0044】
そのために、本考案に係る人工葉および人工観葉植物は、観葉植物を室内装飾用に設置したいけれども虫の嫌いな人、および、虫の多い地域や虫の多い季節に用いる観葉植物に好適に適用できる。
【0045】
1 人工葉
2 葉軸部
2a 葉柄部
2b 葉脈部
3 葉身部
4 茎状部
4a 茎部
4b 差込孔
5 人工花
6 鉢
10 人工観葉植物

(57)【要約】

【課題】少ない薬剤使用量で所定の防虫効果を効果的に発揮可能な人工葉および人工観葉植物を提供する。【解決手段】予め所定の防虫効果を発揮する薬剤を練り混んだ樹脂を用いて成形した葉柄部2aと葉脈部2bを含む葉軸部2と、所定の葉形状に裁断した織布からなる葉身部3とを貼り合せて作製した人工葉1とし、葉柄部2aを差し込み可能な差込孔を有する茎状部を備え、差込孔に人工葉1を着脱可能にした人工観葉植物とした。


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