(54)【考案の名称】造粒コーティング装置

(73)【実用新案権者】フロイント産業株式会社

(73)【実用新案権者】株式会社大川原製作所

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図4

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、流動層装置や遠心転動造粒コーティング装置等の各種ユニットを適宜交換使用可能な多機能型の造粒コーティング装置に関し、特に、容易にコンテインメント対応可能な実験用の小型多機能造粒コーティング装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来より、粉粒体の造粒やコーティング等の処理を行う造粒コーティング装置(粉粒体処理装置)においては、最適な処理方法や処理条件を求めるべく、小型の実験用装置が使用されている。このような実験用の小型造粒コーティング装置では、架台上に、流動層装置や遠心転動造粒コーティング装置、複合型流動層造粒コーティング装置、ワースター装置などの各種造粒・コーティングユニットが着脱可能となっている。使用者は、被処理物や製品等に応じてこれらのユニットを適宜使い分け、処理条件等を種々試行することにより、最適な処理方法・条件を開発、選定できるようになっている。
【0003】

【効果】

【0011】
本考案の造粒コーティング装置によれば、架台上に設置され用途に応じてその構成を変更可能な処理装置ユニットを有する造粒コーティング装置にて、処理装置ユニットの平面上の二方向を取り囲むように載置された壁状筐体ユニットを架台上に配し、架台上の壁状筐体ユニットに取り囲まれた部位に、処理装置ユニットが設置される処理装置配置部を形成し、この処理装置配置部に、処理装置ユニットを気密状態にて収容可能なアイソレータユニットを着脱可能に設けたので、コンテインメント仕様・非仕様を容易に変更することができ、従来のコンテインメント仕様の装置に比して装置の汎用性が高く、また、リジッドタイプの従来機よりも装置価格を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案の一実施形態である多機能型造粒コーティング装置の正面図である。
【図2】図1の造粒コーティング装置の平面図である。
【図3】当該造粒コーティング装置の吸排気系の構成を示す説明図である。
【図4】当該造粒コーティング装置をコンテインメント仕様とした場合の構成を示す説明図である。
【図5】処理装置のバリエーションの例を示す説明図である。
【図6】アイソレータユニットの変形例を示す説明図である。

【0013】
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本考案の一実施形態である多機能型造粒コーティング装置1の正面図(非コンテインメント仕様時)、図2は同平面図である。本考案の造粒コーティング装置1は、医薬品や食品等の製造に際し、最適な処理方法や処理条件を開発、選定するために使用される小型の実験用装置である。図1,2では、架台2の上に、処理装置ユニット3として、流動層装置ユニット30が設置された状態が示されている。処理装置ユニット3は、用途に応じてその構成を変更可能であり、流動層装置ユニット30以外にも、遠心転動造粒コーティング装置や複合型流動層造粒コーティング装置、ワースター装置などに適宜変更することが可能となっている。
【0014】
架台2上には、流動層装置ユニット30の関連機器が収容される壁状筐体ユニット4が載置されている。図2に示すように、壁状筐体ユニット4は、上方から見るとL字形となっており、処理装置ユニット3の平面上の二方向(図1において、背面側と右側面側)を取り囲む形で配置される。壁状筐体ユニット4において、L字の一辺側は側壁部5、他辺側は背壁部6となっている。架台2上の側壁部5と背壁部6によって二方を囲まれた部位は、処理装置配置部7となっている。側壁部5と背壁部6は、処理装置ユニット3の高さよりも高い寸法に形成されている。
【0015】
背壁部6内には、吸気用HEPAフィルタ(第1フィルタ部材)8や排気用HEPAフィルタ(第2フィルタ部材)9、送液ポンプ11が配されている。吸気用HEPAフィルタ8と排気用HEPAフィルタ9は、図1において手前側に引き出せるようになっており、処理装置配置部7側から交換可能となっている。側壁部5には、当該造粒コーティング装置1の制御関係機器12が収容されている。側壁部5の正面側には、制御用のコントロールパネル13が設けられている。
【0016】
架台2は、処理装置ユニット3と壁状筐体ユニット4を支持すると共に、その内部には、吸気プレフィルタ14やロータモータ(図示せず)、ブロア15、吸気ヒーター16などが収容されている。また、架台2と壁状筐体ユニット4の内部には、吸排気系を形成する吸気ダクト17や排気ダクト18も収容されている。ロータモータやブロア15、吸気ヒーター16は、図示しない外部電源と接続され、制御関係機器(コントローラ)12によって駆動制御される。
【0017】
図3は、造粒コーティング装置1の吸排気系の構成を示す説明図である。図3に示すように、吸気プレフィルタ14は、吸気ダクト17を介して吸気ヒーター16、吸気用HEPAフィルタ8と接続されている。吸気ヒーター16にて加温され、吸気用HEPAフィルタ8にて清浄化された処理気体は、架台2上に設けられた給気部19から、流動層装置ユニット30内に供給される。また、流動層装置ユニット30から排出された排気は、排気接続管21を介して排気ダクト18内に導入される。排気ダクト18は、排気用HEPAフィルタ9を介して、ブロア15と接続されている。このブロア15の吸引力により、流動層装置ユニット30内に処理気体が供給され、排出された処理気体は、排気ダクト18を通って図示しない排気口から装置外へと排気される。
【0018】
前述のように、図1の装置では、処理装置配置部7に、処理装置ユニット3として流動層装置ユニット30が取り付けられている。流動層装置ユニット30は、上から順に、排気室31、フィルタ室32、スプレー室33、原料容器コンテナ34及び吸気ユニット35とから構成されている。各ユニットは、支柱39に対してヒンジ36によって、水平方向にスイング移動可能に支持されている。
【0019】
フィルタ室32にはフィルタ37が配置されており、フィルタ室32を通った処理気体は、フィルタ37によって被処理物が除去された状態で排気室31に流入する。スプレー室33には、被処理物に対しコーティング液やバインダ液を噴霧するスプレーノズル38が配置されている。スプレーノズル38には、送液ポンプ11から、液チューブ22を介してコーティング液等が供給される。スプレーノズル38は、シリンダエアチューブ23やスプレーエアチューブ24にて供給される圧縮エアを用いて、被処理物に対しコーティング液等を適宜噴霧する。原料容器コンテナ34には、造粒コーティング処理が行われる被処理物が収容される。吸気ユニット35には、前述のように、吸気ダクト17を介して処理気体が供給される。
【0020】
一方、造粒コーティング装置1は、従来の小型実験機と異なり、通常の実験機の状態から装置を容易にコンテインメント仕様に変更することができる。図4は、造粒コーティング装置1をコンテインメント仕様とした場合の構成を示す説明図である。図4に示すように、コンテインメント仕様では、架台2上に、処理装置配置部7を覆う形でフレキシブルアイソレータユニット40(以下、アイソレータユニット40と略記する)が取り付けられる。当該造粒コーティング装置1では、壁状筐体ユニット4がL字形に形成されているため、アイソレータユニット40は、架台2上の壁状筐体ユニット4が存在しない部分(L字の空隙部)を塞ぐように配置される。
【0021】
アイソレータユニット40は、アングル材やパイプ材等にて形成された金属や硬質プラスチック製のフレーム(枠体)41に、合成樹脂製(例えば、ポリウレタン製)の透明シート42を気密状態で固定した構成となっている。アイソレータユニット40は、架台2に対し着脱可能となっており、図示しないパッキンを介して、架台2上に気密状態で固定される。アイソレータユニット40は、前面部41a、上面部41b及び側面部41cからなる三面構造であり、各面に透明シート42が気密状態で取り付けられている。これにより、架台2上のアイソレータユニット40内には、透明シート42にて囲まれたメインチャンバ(第1チャンバ)43が形成される。
【0022】
前面部41aには、開口孔44を備えたハンドリング部45が設けられている。開口孔44には、作業者の手が挿入可能なグローブ46が取り付けられている。アイソレータユニット40では、このハンドリング部45を介して、作業者がアイソレータユニット40内の装置等を適宜操作できるようになっている。
【0023】
また、アイソレータユニット40の側面部41cには、パスチャンバ(第2チャンバ)47が設けられている。パスチャンバ47の前面側にも、ハンドリング部48が設けられている。パスチャンバ47は、アイソレータユニット40内に原材料等を出し入れする際に使用される。例えば、アイソレータユニット40内に物を入れる場合、パスチャンバ47のアイソレータユニット側の内側開口部49を閉鎖し、外側開口部51からパスチャンバ47内に当該物を入れる。その後、外側開口部51を閉鎖して外部との縁を切った上で、内側開口部49を開放し、アイソレータユニット40内に当該物を運び入れる。これにより、アイソレータユニット40内外が連通することなく、物の出し入れが可能となり、コンテインメント性が確保される。さらに、パスチャンバ47に代えて、バッグイン・バッグアウトポートを設けて物の出し入れをしても良い。
【0024】
このように、本考案の造粒コーティング装置1では、架台2上にL字形の壁状筐体ユニット4を配し、壁状筐体ユニット4によって二方を取り囲まれた部位に、処理装置ユニット3が設置される処理装置配置部7を設ける。そして、処理装置配置部7の開放された三方(L字形ユニットのない二方と上方)を覆うように、アイソレータユニット40が装着される。これにより、アイソレータユニット40内のメインチャンバ43にて、外気と遮断された状態で各種実験を行うことができ、薬理活性の高い原料の曝露から作業者、研究者を保護することが可能となる。また、造粒コーティング装置1においては、アイソレータユニット40を装着後も、装置前面のみならず、装置側面からも適宜実験操作ができ、多彩な実験操作を容易に行うことが可能となる。
【0025】
さらに、アイソレータユニット40は容易に着脱可能であり、コンテインメント仕様・非仕様を容易に変更することができる。このため、従来のコンテインメント仕様の実験機に比して、容易にコンテインメント仕様を実現できると共に、コンテインメント仕様が不要の場合は、アイソレータユニット40を外して通常の実験機として使用することもでき、装置の汎用性も高められる。加えて、リジットタイプの従来機よりも、安価にコンテインメント仕様を実現でき、装置価格の低減も図られる。
【0026】
本考案は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施の形態では、処理装置ユニット3として、流動層装置ユニット30を設置したものを示したが、それ以外にも、例えば、遠心転動造粒コーティング装置や複合型流動層造粒コーティング装置、ワースター装置などの処理装置ユニットも取り付け可能である。図5は、これらのバリエーションの例を示す説明図であり、(a)は遠心転動造粒コーティング装置61、(b)はワースター装置62の場合を示している。例えば、(a)の遠心転動造粒コーティング装置61では、前述の吸気ユニット35を、ロータディスクを備えたロータディスクユニット63に変更することにより、被処理物の遠心転動処理可能な装置に変更できる。
【0027】
また、前述のアイソレータユニット40は、前面部41a、上面部41b、側面部41cの三面からなる構成となっているが、図6に示すように、直方体状のフレーム71を用いた構造のアイソレータユニット72を用いても良い。アイソレータユニット72は、壁状筐体ユニット4よりも高く形成されており、透明シート42からなる直方体状のアイソレータバッグ73を使用している。アイソレータバッグ73は、ボタン留めや、結束バンドなどによってフレーム71に固定されている。アイソレータバッグ73の前面部には、開閉自在に設けられた気密ファスナ74が取り付けられている。気密ファスナ74はウエットダウン後に開放し、そこから処理装置ユニット3を取り出すことができる。
【0028】
1 造粒コーティング装置
2 架台
3 処理装置ユニット
4 壁状筐体ユニット
5 側壁部
6 背壁部
7 処理装置配置部
8 吸気用HEPAフィルタ(第1フィルタ部材)
9 排気用HEPAフィルタ(第2フィルタ部材)
11 送液ポンプ
12 制御関係機器
13 コントロールパネル
14 吸気プレフィルタ
15 ブロア
16 吸気ヒーター
17 吸気ダクト
18 排気ダクト
19 給気部
21 排気接続管
22 液チューブ
23 シリンダエアチューブ
24 スプレーエアチューブ
30 流動層装置ユニット
31 排気室
32 フィルタ室
33 スプレー室
34 原料容器コンテナ
35 吸気ユニット
36 ヒンジ
37 フィルタ
38 スプレーノズル
39 支柱
40 フレキシブルアイソレータユニット
41 フレーム
41a 前面部
41b 上面部
41c 側面部
42 透明シート
43 メインチャンバ(第1チャンバ)
44 開口孔
45 ハンドリング部
46 グローブ
47 パスチャンバ(第2チャンバ)
48 ハンドリング部
49 内側開口部
51 外側開口部
61 遠心転動造粒コーティング装置
62 ワースター装置
63 ロータディスクユニット
71 フレーム
72 アイソレータユニット
73 アイソレータバッグ
74 気密ファスナ

(57)【要約】

【課題】装置のコンパクト性を犠牲にすることなく、コンテインメントの要不要に応じて、装置仕様を適宜変更し得る多機能型の造粒コーティング装置を提供する。【解決手段】多機能造粒コーティング装置1は、架台2と、架台2上に設置され用途に応じてその構成を変更可能な処理装置ユニット3とを有する。架台2上には、L字形に形成され、処理装置ユニット3の背面側と側面側を取り囲むように壁状筐体ユニット4が載置される。架台2上の壁状筐体ユニット4に取り囲まれた部位には、処理装置ユニット3が設置される処理装置配置部7が形成される。処理装置配置部7には、処理装置ユニット3を気密状態にて収容可能なアイソレータユニット40が着脱可能に設けられる。アイソレータユニット40は、処理装置配置部7にて壁状筐体ユニット4のない開放された三面を覆うように配置される。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):