(54)【考案の名称】稲掛け具

(51)【国際特許分類】

A01F 25/12 ・乾燥のための物掛け

(73)【実用新案権者】株式会社内山大鍛冶屋

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、稲、たばこ葉、昆布等の自然乾燥に使用するための稲掛け具に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来から使用され及び現行も使用されている稲掛け具として、それぞれの一端が一箇所(つまり頂部)にて回動自在に接続しながら末広がりに開脚可能な三本の脚部材からなる三脚式回転構造を備えた器具が知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。
【0003】
しかしながら、このような三脚式回転構造を備えた稲掛け具を利用するには、別途、稲を実際に垂れ掛ける竿部材と、この竿部材を両側から支持するために少なくとも一対(つまり、少なくとも二式)の稲掛け具を必要とする。さらに、その一式の稲掛け具だけに注目しても、3本の脚部材で構成し、これらを頂部で回転可能に接続する必要があるために、構造が複雑となるだけでなく重くもなってしまう。従って、このような従来の稲掛け具を田圃近くに設置したり、これらを片付けたりする事は、作業者にとって大変な重労働となっている。
【0004】
また、前述の稲掛け具を設置する際は、開脚した状態の各脚部材の下端部をそれぞれ地中に埋め込む必要がある。各脚部材は通常長尺でかつ頂部の一点で連結されているため、この埋め込み作業も簡便とは言えず、改善の余地がある。また、仮に少量の稲を掛ける場合であっても一対の稲掛け具が必要となるため、合計6本もの脚部材を開脚し、それぞれ地中に埋め込む必要がある。
【0005】

【効果】

【0009】
本考案によれば、基本的な構成要素として、一つの埋設部材と、一つの立設部材と、のみを別個独立に用意し、これらを段階的に組み付けるだけの構成であるため、非常に簡素かつ軽量な構造の稲掛け具が提供される。
【0010】
また、本考案によれば、稲掛け具を地中に埋め込む際には、埋設部材の一部(下端部)を地中に突き刺すことができる一方、この埋設部材の上端部は立設部材の下端部に嵌め込まれ、この埋設部材の外周方向に突出した外縁部に対し、立設部材の下端部の外周壁で打ち叩くことができる。つまり、埋設部材が嵌め込まれた状態で立設部材を少し上側に持ち上げ、この立設部材の自重と作業者の腕力も利用しながら、立設部材の外周壁を埋設部材の外縁部上に勢いよく落下させ、ひいては埋設部材を地中へ向けて打ち込むことができる。これにより、本考案の稲掛け具の地中への設置(埋め込み)が極めて容易となるだけでなく、設置のために余分な工具も不要である。
【0011】
また、本考案の稲掛け具は、僅かな数の部材で構成され、かつ、これらの構成部材が別個独立に分離可能であるため、稲掛け具の使用後の撤去作業も非常に容易となる。
【0012】
また、本考案の好ましい態様によれば、埋設部材の本体及び立設部材の本体は中空筒状であり、埋設部材の上端部及び下端部は本体の中空空間を密閉するように圧潰されているため、より軽量化を達成できる。さらに、埋設部材の下端部などが圧潰されているため、地中への突き刺しや埋め込みが容易となるだけでなく、本体内への水や泥の進入を防ぐことができる。特に、埋設部材が鋼製である場合には、錆の進行を抑制することができる。
【0013】
また、本考案の好ましい態様によれば、埋設部材の外縁部は、埋設部材の上端部側に向いた平坦な面を有する平板体と、埋設部材の下端部側から平板体を堅固に支持する剛性支持部材と、を備える。これにより、外縁部の剛性が高まるだけでなく、立設部材等によって打ち叩かれても平坦な面で衝撃力を分散させることが可能となるため、外縁部の破壊や変形が起きにくくなる。
【0014】
また、本考案の好ましい態様によれば、埋設部材や立設部材の主な部材に鋼製中空パイプ(例えば、市販の中空円筒状の鋼製パイプ)を使用することができ、さらに安価な稲掛け具を提供することが可能となる。
【0015】
また、本考案の好ましい態様によれば、上記構成の打叩部材をさらに備えるため、作業者は、立設部材より短くかつ軽量な、埋設部材打叩用の専用部材を使用することができる。さらに、作業者は、打叩部材の把持部を握りしめつつ作業者の腕力と体全体を使って、この打叩部材で埋設部材を地中へ向けて打ち込むことができる。これにより、作業者は、本考案の稲掛け具を埋め込もうとする場所が堅固な土地であったとしても、埋設部材の地中への埋め込み作業をより楽なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例の稲掛け具を示した分解斜視図である。
【図2】別の方向から観察した実施例の稲掛け具の分解斜視図である。
【図3】実施例の稲掛け具(組み付け後の使用状態)を示した斜視図である。
【図4】実施例の打叩部材の使用方法を説明した図である。

【0017】
以下、本考案を図面に示す実施例に基づき説明するが、本考案は、下記の具体的な実施例に何等限定されるものではない。なお、各図において同一又は対応する要素には同一符号を用いる。
【0018】
(稲掛け具の全体構造)
本考案の稲掛け具1は、図1及び図2に示すように、主として、埋設部材10と、立設部材20と、を備える。これらの構成要素10,20は別個独立に構成されており、稲掛け具1として設置される際に、後述のように使用され、最終的には組み付けられる。言い換えれば、基本的に構成要素として、一つの埋設部材10と、一つの立設部材20と、のみを別個独立に用意し、これらを段階的に組み付けるだけの構成であるため、非常に簡素かつ軽量な構造の稲掛け具1が提供される。さらに、実施例の稲掛け具1は、埋設部材10の打叩専用の打叩部材30を附属させることも可能である。
【0019】
以下に、各構成部材10,20,30について詳細に説明する。実施例では、各構成部材10,20,30は、製造上の作り易さ、使用時の耐久性や強度等の優位性から、金属製(例えば鋼製)であることを前提としているが、必ずしもこの実施例に限定されず、例えば、樹脂製や木製であってもよい。
【0020】
図1に示すように、埋設部材10には、上端部11と、地中に埋設可能な下端部12と、上端部11と下端部12との間に延びた本体13と、本体13の外周方向に突出した外縁部14と、がさらに設けられている。
【0021】
一方、立設部材20には、上端部21と、中空筒状の下端部22と、上端部21と下端部22との間に延びた長尺の本体23と、本体23の外周方向に突出した少なくとも1つのフック部24と、が設けられる。
【0022】
ここで、立設部材20の下端部22は、埋設部材10の上端部11を囲繞する開口部25と、開口部25を区画するとともに外縁部14に当接可能な外周壁部26を有する(図2参照)。以上のように構成されるため、この下端部22が、埋設部材10の上端部11に嵌め込まれると、立設部材20は埋設部材10の軸方向上側に立設した状態で固定可能となる。
【0023】
以上の構成の実施例によれば、稲掛け具1を地中に埋め込む際には、埋設部材10の一部(つまり下端部12)を地中に突き刺すことができる一方、この埋設部材10の上端部11は立設部材20の下端部22に嵌め込まれるので、この埋設部材10の外周方向に突出した外縁部14を、立設部材20の下端部22の外周壁26で打ち叩くことができる。
【0024】
つまり、埋設部材10が嵌め込まれた状態で立設部材20を少し上側に持ち上げ、この立設部材20の自重と作業者の腕力も利用しながら、立設部材20の外周壁26を埋設部材10の外縁部14上に勢いよく落下させ、ひいては埋設部材10を地中へ向けて打ち込むことができる。これにより、稲掛け具1の地中への設置(埋め込み)が極めて容易となるだけでなく、設置のための余分な工具も不要である。なお、図3に組み付け状態の本考案の稲掛け具1を示す。
【0025】
また、本考案の稲掛け具1は、僅かな数の構成部材10,20で構成され、かつ、これらの構成部材10,20が別個独立に分離可能であるため、稲掛け具1の使用後の撤去作業も非常に容易となる。
【0026】
さらに、埋設部材10の本体13及び立設部材20の本体23は中空筒状であり、埋設部材10の上端部11及び下端部12は本体13の中空空間を密閉するように圧潰されていることが好ましい。例えば、一本ものの鋼製中空円筒パイプを所定の長さに切断し、その両端部分を圧潰することで、埋設部材10の各部材11,12,13(図示では、中空円筒状)を製造することができる。さらに、立設部材20の本体23も埋設部材10と同様に中空筒状を成し、その上端部21もこの本体23の中空空間を密閉するように圧潰されていてもよい。
【0027】
以上の好ましい構成により、稲掛け具1の更なる軽量化を達成できる。さらに、埋設部材10の下端部12などが圧潰されているため、地中への突き刺しや埋め込みが容易となるだけでなく、本体13内への水や泥の進入を防ぐことができる。特に、埋設部材10が鋼製である場合には、錆の進行を抑制することができる。立設部材20の上端部21も同様に圧潰されていれば、立設部材20の本体23内への雨水の流入防止や防錆に貢献する。
【0028】
加えて、埋設部材10の外縁部14は、埋設部材10の上端部11側に向いた平坦な面15を有する平板体16と、埋設部材10の下端部12側から平板体16を堅固に支持する剛性支持部材17と、を備えることが好ましい。
【0029】
これにより、外縁部14の強度や剛性が高まるだけでなく、立設部材20や後述の打叩部材30等によって外縁部14が打叩されてもこの平坦な面15で衝撃力を分散することが可能となるため、外縁部14の破壊や変形が起きにくくなる。
【0030】
また、立設部材20の本体23に少なくとも1つ(図示の例では3つ)の貫通穴27が設けられ、かつ、この貫通穴27に棒状のフック部24が着脱自在に挿通されていることが好ましい。そして、フック部24には、このフック部24を貫通穴27に挿通した際に、所定の位置で挿通を制限する鍔部28が設けられることがさらに好ましい。
【0031】
なお、図示の例では、本体23の軸方向に沿って並ぶ貫通穴27が、互いにその軸を基点として90°回転する(言い換えれば、互い違いに配置される)ように本体23に穿孔されているが、必ずしもこれに限らず、各貫通穴27が、別の貫通穴27に対して任意の回転角度となるように穿孔してもよいし、もちろん、全ての貫通穴27が同一の方向(つまり、回転角度が0°)に向くように穿孔してもよい。
【0032】
このようなフック部24の構成により、立設部材20の本体23を、簡素かつ軽量な中空筒状のパイプから作ることができるだけでなく、この本体23にドリル加工等を施すことで簡単に貫通穴27を形成することもできる。そして、フック部24としては、例えば、コンクリートブロック塀用の鉄筋棒などの安価な金属製の棒状体を利用することができる。
【0033】
次に、図1,図2及び図4を参照しながら、埋設部材10を地中に埋め込むための専用の打叩部材30について説明する。
【0034】
この打叩部材30は中空筒状(図示では中空円筒状)を成し、より具体的には、上端部31と、下端部32と、上端部31と下端部32との間に延びた本体33と、本体33の外周方向に突出した把持部34と、が設けられる。ここで、打叩部材30の本体33は立設部材20の本体23より短尺であり、打叩部材30の下端部32は、埋設部材10の上端部11を囲繞する開口部35と、開口部35を区画するとともに外縁部14に当接して外縁部14を打叩可能な外周壁部36を有することを特徴とする。
【0035】
本考案の稲掛け具1は、上記構成の打叩部材30をさらに備えるため、立設部材20より短くかつ軽量な打叩専用の部材を使用することができる。作業者は、打叩部材30の把持部34を握りしめつつ作業者の腕力と体全体を使って、外周壁部36で埋設部材10の外縁部14を打ち叩くことができる。これにより、作業者は、本考案の稲掛け具1を埋め込もうとする場所が堅固な土地であったとしても、埋設部材10の地中への埋め込み作業をさらに楽なものにすることができる。
【0036】
さらに、打叩部材30の上端部31は扁平な板体37で覆われ、かつ、打叩部材30の本体33と上端部31と下端部32とが、鋼製中空パイプ(図示では鋼製中空円筒状パイプ)から作られていることが好ましい。
【0037】
これにより、打叩部材30の構造を簡素化することができるだけでなく、金属製であるため適度な重量を打叩部材30に付与することできる。また、上端部31が扁平な板体37で覆われているため、必要に応じて、埋設部材10が打叩部材30に嵌め込まれた状態で、板体37を図示しないハンマーや木槌で打ち叩くこともできるようになり、固い地面であっても埋設部材10の埋め込みを可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本考案の稲掛け具1によれば、簡素かつ軽量な構造を備えるだけでなく、設置作業や撤去の際の取扱いも極めて容易となる。
【0039】
このように、本考案の稲掛け具1は産業上の利用価値及び産業上の利用可能性が非常に高い。
【0040】
1 稲掛け具
10 埋設部材
11 上端部
12 下端部
13 本体
14 外縁部
16 平板体
17 剛性支持部材
20 立設部材
21 上端部
22 下端部
23 本体
24 フック部
25 開口部
26 外周壁部
27 貫通穴
30 打叩部材
31 上端部
32 下端部
33 本体
34 把持部
35 開口部
36 外周壁部
37 板体

(57)【要約】

【課題】簡素かつ軽量な構造を備え、作業時に取扱いも容易な稲掛け具を提供する。【解決手段】本考案の稲掛け具1は、少なくとも埋設部材10と立設部材20とを備える。埋設部材10は、上端部11と、地中に埋設可能な下端部12と、上端部11と下端部12との間に延びた本体13と、本体13の外周方向に突出した外縁部14と、を備える。立設部材20は、上端部21と、中空筒状の下端部22と、上端部21と下端部22との間に延びた長尺の本体23と、本体23の外周方向に突出した少なくとも1つのフック部24と、を備える。立設部材20の下端部22は、埋設部材10の上端部11を囲繞する開口部25と、開口部25を区画するとともに外縁部14に当接可能な外周壁部26を有する。立設部材20は、埋設部材10に嵌め込まれると、埋設部材10の軸方向上側に立設した状態で固定されることを特徴とする。


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