(54)【考案の名称】ゴムチップインターロッキングブロック

(73)【実用新案権者】大洋化学株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、材料削減と弾性向上とを飛躍的に向上させることができるゴムチップインターロッキングブロックに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
昨今では、道路やパブリックスペースなどの舗装に使われるブロックの一種であるインターロッキングブロックとして、例えば特許文献1〜4のようなものが提案されている。なお、特許文献1〜4のインターロッキングブロックは、いずれもコンクリートなどを主材料としたものである。
【0003】
特許文献1は、舗装面に通水性及び通気性を備えるべく、内部に少なくとも一本の縦方向通孔を有しかつ上面が平坦あるいは凹又は凸形の面からなる側面形状の無機質素材からなるブロック上にサイズが1.5〜15mmの乾燥無機質固状体と該固状体表面を被覆する量の硬化剤含有エポキシ樹脂とを10℃以上の温度にて混合、成形、固化した側面がブロックと同形状の成形体を装着した構造とされている。
【0004】
特許文献2は、ブロックの間接挙動特性耐力(せん断強度、ねばり)を向上させるべく、ブロックのあわせ面に、単一の凹曲面を作り、さらに応力集中緩和を考慮した曲面、立体曲面形状をブロックの側面に設けた構成とされている。
【0005】
特許文献3は、保水量が多く施工を容易とすべく、上面及び下面が平面充填形に形成され、複数を一平面に充填して組み合わせて敷設した場合に隣り合うものとの間に間隙が形成されるように、少なくとも一の側面に凹部が形成された構成としている。
【0006】
特許文献4は、簡便で低コストな施工方法で、凹凸(段差)や不陸を生じにくくすべく、側面の水平方向に一条又は二条の凹溝を有し、かつ多角柱状とする構成とされている。
【0007】
インターロッキングブロックは、上記のとおり、通水性及び通気性、間接挙動特性耐力、保水量を多くする及び(敷設)施工を容易とする、不陸を生じにくくする、といった主に道路に敷設する際の観点での改善が提案されている。
【0008】
一方、昨今では、例えば公園・学校などの遊具(滑り台・ジャングルジム・ブランコ)周りの舗装には、安全対策 にゴムチップを接着剤で固化した弾性のあるゴムチップ舗装がなされることが多い。
【0009】
この材料は、ゴムチップ(主にタイヤ廃材チップ)を接着剤:ポリイソシアネート変性樹脂で固化した舗装用の弾性ブロックであり、現状、市場に多数流通している。また、ゴルフ場・陸上競技場・公園などの歩経路に施工した例も多数ある。
【0010】
ゴムチップブロックは、高温の金型内にゴムチップと接着剤が混合された材料を充填し、圧縮プレス成型されることが多い。熱圧縮プレス成型される理由は、より短時間に接着剤が硬化し、製造サイクルをアップするためである。
【0011】
市場に流通しているゴムチップブロックの多くは、製品サイズが100×200mmのいわゆる煉瓦サイズであり、このサイズのブロックを製造する場合は、4 8個取りの金型を用いて熱圧縮プレス成型するようにしている。
【0012】
施工は、現場現地でゴムチップと接着剤を混練して成る現場施工型と工場生産のゴムマット・ブロックを施工するのが主流となっている。最近では、遊具から子供や幼児が落ちた場合に、より安全性の高いゴムチップ舗装材、すなわちゴムチップを接着剤と混練成形したインターロッキングブロック(以下、ゴムチップインターロッキングブロックと記す)が多数商品化されてきている。
【0013】
遊具が設置された公園などにおける安全性に関しては、国土交通省の「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」おいて、衝撃吸収性試験でHIC(Head Injury Criteria:頭部損傷係数)値と最衝撃加速度を測定し、HIC値が1000、最衝撃加速度が200Gを超えない落下高さを参考にすることを推奨している。
【0014】
つまり上記指針に照らし合わせると、公園などでゴムチップインターロッキングブロックを採用する場合、該ブロックはその厚みと安全とされる落下高さが比例することが判っているので、安全性の向上を目指すと、これに比例して使用する材料が増加し、製品価格(施工費用)がアップすることとなる。
【0015】
また、上記特許文献1〜4のインターロッキングブロックを例えばゴムチップを主材料とした場合、いずれも本体側面部位に凹部が存在し、水平方向に敷設したときに互いに隣接するインターロッキングブロックの凹部同士で並べたときの水平方向に貫通した孔状になる点で「単位面積あたり」の弾性が増し、落下高さに対するブロック厚みをやや薄くすることができる可能性がある。
【0016】
しかしながら、特許文献1〜4のインターロッキングブロックを例えばゴムチップを主材料とした場合でも、インターロッキングブロック「自体」に水平方向の孔が形成されているわけではないので、劇的な材料削減と弾性を向上させることはできなかった。
【0017】

【効果】

【0020】
本考案は、上記構成とすることで、まず、部分的に材料の存在しない箇所を形成している点で、材料費の削減が可能となり、また、ゴムチップインターロッキングブロック「自体」に緩衝孔が形成されていることで、該緩衝孔による衝撃吸収性も向上し、弾性が向上する。また、本考案のゴムチップインターロッキングブロックは、そもそもゴムチップを接着剤で固化したものであるために透水性に富むが、緩衝孔があることでさらに透水性が向上し、通水路を形成するという利点がある。
【0021】
また、本考案のゴムチップインターロッキングブロックを敷設した内部において、緩衝孔に電気配線を挿通することができるといった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本考案のゴムチップインターロッキングブロックを示し、(a)斜視図、(b)は並設した状態を示す図、である。
【図2】図2は本考案のゴムチップインターロッキングブロックを示す図である。
【図3】図3は本考案のゴムチップインターロッキングブロックを示す図である。
【図4】図4は本考案のゴムチップインターロッキングブロックを示す図である。
【図5】図5は本考案のゴムチップインターロッキングブロックを示す図である。

【0023】
本考案は、材料削減と弾性向上とを飛躍的に向上させるという課題を、ゴムチップを主原料とし、厚み(高さ)方向の途中位置に奥行方向と幅方向のいずれかもしくは両方向に水平に貫通する緩衝孔を単数又は複数形成することで解消した。また、本考案は、上記に加えて、厚み(高さ)方向の途中位置で奥行方向又は幅方向の両端部に、隣接配置した際に緩衝孔と略同形状を形成する緩衝凹部を形成していてもよい。
【0024】
本考案のゴムチップインターロッキングブロックは、緩衝孔は、その形状が、例えば円、楕円、三角、四角、波形などを採用することが可能であるが、全体的な弾性の均一性や強度と製造上の作り易さ(設計も含め)を考慮すると、円形とすることが最もバランスがよい。また、緩衝孔を円形とすることで、後述する製造時に、該緩衝孔(及び緩衝凹部)を形成する際に、既存の金属パイプやプラスチックパイプを使用することができるというメリットもある。
【0025】
また、製品の使用上、ハイヒールなど踵が突起状の履物で歩くことを想定し、例えば緩衝孔及び緩衝凹部は、上面から25mmより低い下方位置に設けている。一方、緩衝孔及び緩衝凹部は、高さ方向の下端(下面)に達すると、強度上、上面に受けた荷重で該緩衝孔から全体が割れてしまう可能性があるので、下面から10mmより高い上方位置に設けている。
【0026】
また、緩衝孔同士の間隔は、5〜10mmとする。この理由は、5mmより狭いと緩衝孔同士が隣接し過ぎて、上面に受けた荷重により全体が割れてしまう可能性があり、一方、10mmより広いと緩衝孔の無い部分で弾性の不均一が生じる可能性がある。なお、この間隔は、緩衝孔と緩衝凹部との間隔についても同様である。
【0027】
緩衝孔及び緩衝凹部の、これら形成面(断面積)における(開口)面積割合は、上記の位置的条件を満たすならば高さに比例してできるだけ大きくすることが望ましいが、ゴムチップインターロッキングブロックの強度を勘案すると、10〜30%とすることが望ましい。10%より面積が小さいと弾性向上が望めず、30%より面積が大きいと強度が不足する可能性がある。
【0028】
以下、本考案のゴムチップインターロッキングブロックの実施例について図面を参照して説明する。
【0029】
本考案のゴムチップインターロッキングブロック1(以下、ブロック1と記す)は、例えば高さ方向の中央から下方部位で、下端から少なくとも10mm以上の位置に、水平(幅)方向に例えば円形の緩衝孔1Aを紙面の手前から奥行に向けて貫通状に設けている。
【0030】
また、ブロック1は、幅方向両端に、緩衝孔1A(円形)の半分の面積となる緩衝凹部1Bをそれぞれ設けている。なお、各図面のブロック1の図示において、ドットハッチング部位は断面ではなく、カラーゴムチップを使用した部分であり、ドットハッチングの無い部位は通常の(黒の)ゴムチップを使用した部分である。
【0031】
以下、各図のブロック1の詳細について説明する。図2及び図3に示す各ブロック1は次のように構成され、いずれのブロック1も材料削減と弾性向上を図ることができた。なお、材料削減率とは同サイズの緩衝孔1A、緩衝凹部1Bを設けていないゴムチップインターロッキングブロックに対する材料削減割合を、弾性向上率とは同じく同サイズの緩衝孔1A、緩衝凹部1Bを設けていないゴムチップインターロッキングブロックに対する弾性向上割合を、各々示している。
【0032】
(図2:ブロック1)
幅:100mm 高さ:60mm 正面視(図示)面積:6000mm2
奥行:200mm
(緩衝孔1A・緩衝凹部1B)
外径:22mm、形成数:3本[緩衝孔2本、緩衝凹部(両端合わせて)1本]
形成面積:1139.8mm2 形成面積割合:19%
(緩衝孔1A・緩衝凹部1Bの位置)
上面からの位置:28mm 下面からの位置:10mm
間隔:11.3mm
(材料削減率・弾性向上率)
材料削減率:19% 弾性向上率:23.5%
【0033】
(図3:ブロック1)
幅:100mm 高さ:80mm 正面視(図示)面積:8000mm2
奥行:200mm
(緩衝孔1A・緩衝凹部1B)
外径:38mm、形成数:2本[緩衝孔1本、緩衝凹部(両端合わせて)1本]
形成面積:2267.1mm2 形成面積割合:28%
(緩衝孔1A・緩衝凹部1Bの位置)
上面からの位置:30mm 下面からの位置:12mm
間隔:12mm
(材料削減率・弾性向上率)
材料削減率:28% 弾性向上率:26.3%
【0034】
本考案のブロック1は、例えば次のようにして製造する。例えば図2に示す幅100mm、奥行200mm、高さ50mmのブロック1を製造する際には、ゴムチップと接着剤を混練した材料を同形状の型枠に充填する。
【0035】
なお、この型枠は、L字状の金物を2つ用いて四角状に組み合わせたものを用いており、該型枠の下部(ブロック1の下面位置)には合板を敷いておく。場合によっては、合板上にポリプロピレン製のフィルムシートを敷いておくと合板とゴムチップを固化する接着剤が接着せず、脱型が容易となる。
【0036】
金型に材料を所定高さまで充填した後、奥行方向に所定外径(この場合は14mm)のパイプを配置し、再度金型内に材料を充填する。なお、上面に相当する部位にはカラーゴムチップを充填する。
【0037】
続いて、表層を均一に敷き並べ、上面からローラや鏝で仕上げる。材料中の接着剤が十分に硬化した後、型枠を外し、挿入したパイプを抜く。挿入したパイプは、接着剤と接着しないように処理が必要であり、本実施例では例えばシリコーン系離型剤を用いた。材料中の接着剤を硬化させるには、室温で約1日要するが、より早く硬化させるためには、型枠内の製品を100℃以上の恒温槽内で放置するか、一般的に使用されるイソシアネート系接着剤は湿気で硬化するので、材料中に少量(1%未満)の水を添加すればよい。
【0038】
市場に流通しているゴムブロックのように金型を用いて、熱プレス成型することによっても製品は得られるが、金型とプレスを用いず、安価で軽量な型枠を用いることで大きな製品を作ることができる。このように製造することで、製造時間を短縮でき、かつ設計どおりに容易に製造することができる。
【0039】
なお、図1〜図3に示したブロック1に限らず、例えば図4に示すように、緩衝孔1Aを高さ(厚み)方向の途中箇所で上下2段に設けて、上段と下段の緩衝孔1Aは互いに幅方向(奥行方向に形成した場合は奥行方向)に上段と下段のそれぞれの緩衝孔1A間に軸が位置するように構成してもよい。このとき、緩衝凹部1Bは、上段と下段において緩衝孔1Aの数が少ない方の幅方向(又は奥行方向)両端部に形成する。
【0040】
さらに、例えば図5に示すように、図4の上段と下段の緩衝孔1Aにおいて、上段は幅方向の一方から他方へ、下段は手前から奥行方向へ、形成した内部で直交する上下2段に設けるようにしてもよい。このとき、緩衝凹部1Bは、上段は幅方向の両端に、下段は奥行方向の両端に、それぞれ形成する。
【0041】
図4及び図5のようにすることで、表面における弾性力の均一化が図1〜図3に示したブロック1より向上する。
【0042】
1 (ゴムチップインターロッキング)ブロック
1A 緩衝孔
1B 緩衝凹部

(57)【要約】

【課題】材料削減と弾性向上とを飛躍的に向上させるゴムチップインターロッキングブロックを提供する。【解決手段】ゴムチップを主原料とするインターロッキングブロック1は、厚み(高さ)方向の途中位置に奥行方向と幅方向のいずれかもしくは両方向に水平に貫通する緩衝孔1Aを単数又は複数形成する構成とした。


【パテントレビュー】

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