(54)【考案の名称】コンパクト容器

(73)【実用新案権者】株式会社コーセー

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、中皿に充填した化粧料を被覆する保護シートを備えたコンパクト容器に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、容器本体に化粧料充填用中皿を収納して使用するタイプのコンパクト容器において、容器内の鏡等に化粧料が付着して汚れないようにするために、また、異種の化粧料が複数の中皿に小分けに充填されている場合などに互いに化粧料が混じり合ったりしないように、中皿の化粧料露出面を被覆する保護シートを装着する場合がある。
【0003】
かかる保護シートで中皿の上に載置するタイプのものは、紛失のおそれや落として汚してしまうおそれがあった。そこで、特許文献1では折り曲げ可能な保護シートの挟持部を容器本体と化粧料受皿との間に挟持させることにより紛失等を防ぐことができるコンパクト容器が開示されている。また、特許文献2では、保護シートの基端を容器本体と回動可能に嵌着したコンパクト容器が開示されている。さらに、特許文献3では、プッシュピースを介して回動可能に設けられた保護シートを有するコンパクト容器が開示されている。
【0004】
これらのうち、特許文献1に開示されたものは、保護シートを手で持ち上げて開く作業が必要であり、中皿の上面に保護シートが密着した場合など開作業が煩雑なうえ、その開いた状態を維持するため指で保持し続ける必要があった。また、特許文献2に開示されたものは、保護シートを水平に回動して開く作業が必要であり、中皿の上面に保護シートが密着した場合など開作業が煩雑なうえ、保護シートは使用時には枢支軸嵌合孔のみで一点保持されるため、強度が十分ではないおそれがあった。さらに、特許文献3に開示されたものは、保護シートを手前に回動して開く作業が必要であり、さらにその構成も複雑であって製造コストが高くなるおそれがあった。
【0005】
以上のとおり、いずれのものについても開作業が必要で煩雑であるとともに、特許文献2および3のものについては、さらに使用後に保護シートの閉作業が必要となり、コンパクト容器の使用感を損なうものであった。また、粘性化粧料と粉体化粧料のような異種の化粧料を収納するコンパクト容器の場合、粘性化粧料が粉体化粧料に付着してしまうおそれもあった。
【0006】

【効果】

【0009】
本考案に係るコンパクト容器は、化粧料の露出面を被覆可能な保護シートが中皿の上方において所定の角度でその開姿勢が維持するよう付勢されているため、容器本体の蓋部を開いたときには付勢により自ずと保護シートが開状態となり、また、蓋部を閉じたときには蓋部に押し下げられて閉状態となるため、煩わしい開閉作業を行う必要がなく、中皿の上面に保護シートが密着することを防ぐことができる。
【0010】
また、本考案に係るコンパクト容器は、並置された少なくとも2つの中皿の境界の隙間から一方の中皿上方へと保護シートを延設することにより、互いに化粧料が付着することを効果的に防ぐことができる。
【0011】
さらに、本考案に係るコンパクト容器で保護シートの挟持部の一部ないし全部が衝撃吸収材で形成されたものは、容器の落下等による外部からの衝撃を吸収することができ、化粧料を効果的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案に係るコンパクト容器の斜視図。
【図2】(a)本考案に係るコンパクト容器の第一中皿の平面図、(b)同第一中皿のA−A断面図、(c)同容器の第一中皿のB−B断面図
【図3】(a)本考案に係るコンパクト容器の第二中皿の平面図、(b)同第二中皿の中央横断面図
【図4】本考案に係るコンパクト容器の保護シートの平面図
【図5】第一中皿に第二中皿を嵌合し、さらに保護シートを取付けた状態の中央縦断面図

【0013】
以下、本考案の陳列兼用包装箱を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、本考案はこれら実施態様に何ら制約されるものではない。
【0014】
図1に示すように、本考案のコンパクト容器は、開閉自在に設けられた蓋部13を有する容器本体1の収納部11に、粉体化粧料を充填するための第一中皿2と、粘性化粧料を充填するための第二中皿3が並置して収納されている。そして、第二中皿3に充填された化粧料の露出面を被覆可能に形成された保護シート4が第一中皿2と第二中皿3の境界部分の隙間より第二中皿3の収納部33上方へ延伸して、所定の角度でその開姿勢が維持されている。また、本実施態様では、容器本体1の収納部11には隔壁12が設けられており、かかる隔壁12の左側には第一中皿2と第二中皿3が収納されるのに対し、隔壁12の右側にはブラシ等の化粧料塗布具を収納可能に形成されている。以下、各部材について詳述する。
【0015】
図2に示すように、第一中皿2は底部21と底部21の周縁より立設する側壁22により化粧料を充填可能な収納部23を形成し、かかる側壁22の短手辺より枠部24が延設され、側壁22の長手辺側の一辺とともに開口25を形成している。側壁22の短手辺の外側には、容器本体1の収納部11内に形成された係止突起(図示せず)を係止するための凹部221が設けられている。また、枠部24の短手辺には第二中皿3を係止するための係止孔241が穿設されている。なお、第一中皿2の収納部23内への化粧料の充填は、底部21に設けられた充填用孔211から充填用ノズルによりスラリー状の化粧料を収納部23内へ注入することで行われるが、化粧料の充填方法はこれに限らず、その他公知の方法を選択してもよい。さらに、収納部23には数種類の化粧料を充填するときに化粧料の境界を仕切るための仕切壁が設けられていないが、かかる仕切壁を設けて数種の化粧料を充填可能としても良く、また、仕切壁を設けることなく数種類の化粧料を充填しても良い。
【0016】
図3に示すように、第二中皿3は底部31と底部31の周縁より立設する側壁32により化粧料を充填可能な収納部33を形成している。この第二中皿3は、第一中皿2の開口25内に嵌合可能な形状・外寸に形成されており、一の長手辺を除く側壁32の上端からはフランジ部321が水平方向に延設され、また、側壁32の短手辺の外側には第一中皿2の係止孔241に係止可能に形成された係止突起322が突設されている。なお、本実施態様では、第二中皿3の収納部33には仕切壁34が設けられているが、かかる仕切壁を設けることなく一種類ないし数種類の化粧料を充填しても良い。
【0017】
図4に示すように、保護シート4は、化粧料の露出面を被覆可能に形成されたカバー部41と、中皿と容器本体1の間に挟持される挟持部42と、カバー部41と挟持部42とを連接する接続部43とを備える。そして、カバー部41と接続部43とは折曲部411において、挟持部42と接続部43とは折曲部421においてともに折り曲げ可能に形成されている。
【0018】
保護シート4は1枚のシート状の素材より一体に形成されており、その材質については、ある程度の強度と折り曲げ柔軟性があれば特に限定はないが、経済性の面からはプラスチックが好ましく、透明であることが美観の面で特に好ましい。具体的には、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等、またこれらの再生樹脂を挙げることができるが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが特に好ましい。また、保護シート4のカバー部41には、化粧料の種類についての表記などを記載してもよい。さらに、これらの材質のシートはその表面に粉体付着防止処理を施したものであってもよい。
【0019】
また、挟持部42はその一部ないし全部が衝撃吸収材で形成されてもよく、使用される衝撃吸収材料については、コンパクト容器に与えられた衝撃を吸収できるものであれば特に限定はないが、天然あるいは合成のゴム類、エラストマー、ゲル素材に代表される弾性を有するプラスチック類、弾性あるいは非弾性にかかわらずプラスチックを発泡させた発泡体より選択された1種または2種以上の組み合わせから適宜選択することができる。弾性を有するプラスチック類として具体的には、ブタジエンスチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム等のゴム類、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー等のエラストマー、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム等のシリコーン系樹脂、αゲル(登録商標)等のゲル素材が挙げられる。また、発泡体とは、内部に微細な気泡をもったポリマーをいい、負荷を取り除いても直ちには元の形状に戻らないものも含まれる。具体的には、例えば種々の発泡度の発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡アクリル樹脂、発泡ポリウレタンなどが挙げられる。
【0020】
図5は第一中皿2の開口25に第二中皿3を嵌合し、且つ、保護シート4を取り付けた状態の中央縦断面図である。図に示すように、第一中皿2の開口25に第二中皿3が嵌合された状態において、隣り合う第一中皿2の周壁22と第二中皿3の周壁32の間には、保護シート4を挿入させることができるだけの空隙が設けられている。かかる空隙に保護シート4の接続部43が挿入され、下方の折曲部421において挟持部42が第二中皿3の底面側へと折り曲げてられ、上方の折曲部411ではカバー部41が第二中皿3の収納部33上方へと折り曲げられている。これにより、カバー部41は折曲部411を支点として、容器本体1の蓋部13と同方向へ開閉自在となっている。なお、本実施態様では、挟持部42は折り曲げ部421において第二中皿3の底部31側へと折り曲げられているが、これを反対側の第一中皿2の底部21側へと折り曲げて、底部21と容器本体1の収納部11との間で挟持させてもよい。
【0021】
保護シート4は中皿に取り付けられた状態でカバー部41が上方に付勢されており、図1に示すように、容器本体1の蓋部13が開いた状態では第二中皿3の収納部34の化粧料面を塞がないよう、所定の角度で開姿勢を維持している。かかる付勢は折り曲げ部411において予め所定の開状態を維持できる角度で折り目を付けておくことにより可能となる。このように、カバー部41を上方付勢しておくことにより、カバー部41の先端側を指で把持してカバー部41を開いたり、また、カバー部41と化粧料露出面の隙間から化粧料塗布具を挿入して使用することもできる。カバー部41は容器本体1の蓋部13を閉めることにより蓋部13によって下方に押し下げられて閉状態となって第二中皿3の収納部33を封止するが、蓋部13を開くことにより付勢によって元の開状態へと復帰する。このように付勢されたカバー部41の開姿勢における角度は15°〜75°の範囲が好ましい。また、挟持部42は、容器本体1と第二中皿3もしくは第一中皿2の間に物理的に挟持させることにより固定しても良いが、第二中皿3もしくは第一中皿2の底面に接着等の固定手段により固定しても良い。
【0022】
本考案のコンパクト容器の並置する2つの中皿にはそれぞれ同じ種類の化粧料を充填しても良いが、異なる種類の化粧料、とりわけ一方が粉末状化粧用、他方が粘性化粧料を充填する場合、それらの中皿の境界から延伸する保護シート4によって互いに付着することを防ぐことができるため、本考案の効果をより享受することができる。
【0023】
1……容器本体
2……第一中皿
3……第二中皿
4……保護シート
11……収納部
12……隔壁
13……蓋部
14……鏡
21……底部
22……側壁
23……収納部
24……枠部
25……開口
31……底部
32……側壁
33……収納部
34……仕切壁
41……カバー部
42……挟持部
43……接続部
211……充填用孔
221……凹部
241……係止孔
321……フランジ部
322……係止突起
411……折曲部
421……折曲部

(57)【要約】

【課題】煩わしい開閉作業が不要であり、化粧料が容器内に付着したり異種の化粧料が互いに混じり合ったりすることなく、強度も十分でその構成も簡易な化粧料の保護シートを備えたコンパクト容器を提供。【解決手段】開閉自在に設けられた蓋部13を有する容器本体1と、該容器本体1に並置して収納される少なくとも2つの中皿2,3と、該中皿2,3のいずれかに充填された化粧料の露出面を被覆可能に形成されたカバー部41を有する保護シート4を備えたコンパクト容器であって、前記カバー部41は並置する中皿の境界部分より一方の中皿の収納部の上方へ延伸し、且つ、所定の角度でその開姿勢が維持するよう上方付勢されていることを特徴とするコンパクト容器


【パテントレビュー】

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