(54)【考案の名称】紙器

(51)【国際特許分類】

B65D 5/38 ・引出し型の容器

(73)【実用新案権者】株式会社中央パッケージング

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、紙器本体と、上記紙器本体に対して出没可能に取り付けられた引出部と、を備えた紙器に係り、特に、上記引出部を引き出した時の立体的ないし動的な形状に特徴を有するものに関する。

【従来の技術】

【0002】
紙器本体内に収容される物品としては種々のものがあり、収容される物品の形状や大きさ等に対応して種々の形状や構造を有する紙器が考案されている。
例えば、下記の特許文献1に開示されている紙器は、アレンジメントされた花飾り等の収容に適した開閉式の扉板を後面に備えた包装用箱である。
【0003】
そして、上記扉板を紙器本体の後面に設けることによって上記花飾り等の紙器本体からの出し入れを容易にし、更に上記扉板の内面にメッセージカード等を保持する添付手段を備えることによって、当該花飾り等を受け取った人が当該紙器本体の扉板を開いた時に送り手のメッセージを同時に伝えることができるという趣向(面白み)を提供している。
【0004】

【効果】

【0008】
以上述べたように、本考案の紙器によると、引出部が紙器本体から引き出されることによって自動的に起立される起立部が具備されているから、従来の紙器には見られなかった立体的ないし動的な表現が紙器に付加されて、意外性と機能性、そして一層の面白みを兼ね備えた紙器の提供が可能になる。
又、上記引出部に物品保持部を設けた場合には、送り主の気持ちを物品に込めて受取人に伝えることが可能になり、上記意外性、面白みといった趣向に加えて受取人が予想していなかった当該物品を受け取るといったお得感を受取人に与えることが可能になる。
又、上記物品保持部を容器状に形成した場合には、平面的な物品だけでなく、立体的な物品も保持できるようになり、種々の形状、大きさの物品をより多く収容することが可能になる。したがって、当該紙器をプレゼントの包装箱として使用することが可能になる。
又、上記起立部に硬貨保持部を設け、上記物品保持部を貯金箱として機能するように構成した場合には、当該紙器を当初は包装箱として使用し、当該紙器を受け取った受取人が2次的な利用として貯金箱として使用する、或いは当初から貯金箱として当該紙器を使用することが可能になり、より一層趣向豊かな紙器を提供できるようになる。
更に、上記引出部の押し戻し動作によって硬貨保持部に保持された当該硬貨を上記物品保持部内に落下させるようにした場合には、更に動的ないし操作上の面白みが当該紙器に付与される。
又、上記物品保持部に物品としての植物種を保持させるようにした場合には、当該紙器を受け取った受取人が上記物品保持部で保持されていた植物種を蒔いて育てるといった別途の趣向を当該紙器に付与することが可能になる。
又、上記植物種を基材に保持させた状態で物品保持部に保持し、上記植物種を基材毎切り離してそのまま植えることができるように構成した場合には、当該植物種の種蒔作業が容易になり、上記基材がゴミにならず、基材の処理が容易になる。
又、上記起立部の引出側の面にメッセージ表示部を設けた場合には、送り主の気持ちをメッセージとして受取人に伝えることが可能になり、上記意外性、面白みといった趣向に加えてメッセージ伝達手段としての趣向が付加される。
又、上記紙器本体には本体係止部が備えられており、上記引出部には上記本体係止部に係合することにより上記起立部を起立させる起立係止部が設けられている場合には、簡単な構成で起立部の起立を実現することができる。
又、上記引出部に、さらに、上記本体係止部に係合することにより引出端を規定する引出端係止部を設けた場合には、簡単な構成で引出部の引出端を規定することができる。
又、上記起立部の起立姿勢を、起立部の起立開始位置と引出部の引出位置との間で調整し得るように構成した場合には、上記起立部が起立開始位置に到達後、上記引出部の引出位置に到達するまでの間は、上記引出部の引出量を可変することによって、上記起立部の起立角度を調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本考案の第1の実施の形態を示す図で、紙器本体内に引出部を格納した状態を示す斜視図である。
【図2】本考案の第1の実施の形態を示す図で、起立部が起立動作を開始した直後の形態を示す斜視図である。
【図3】本考案の第1の実施の形態を示す図で、紙器本体から引出部を引き出した状態を示す斜視図である。
【図4】本考案の第1の実施の形態を示す図で、紙器本体を構成する第1パーツを示す展開図である。
【図5】本考案の第1の実施の形態を示す図で、引出部と起立部を構成する第2パーツを示す展開図である。
【図6】本考案の第1の実施の形態を示す図で、第2パーツを第1パーツにセットする前の状態を示す平面図である。
【図7】本考案の第1の実施の形態を示す図で、起立部が起立動作を開始した直後の状態(a)と、起立部の起立動作が完了した引出端での状態(b)と、を示す側断面図である。
【図8】本考案の第2の実施の形態を示す図で、紙器本体内に引出部を格納した状態を示す斜視図である。
【図9】本考案の第2の実施の形態を示す図で、起立部が起立動作を開始した直後の状態を示す斜視図である。
【図10】本考案の第2の実施の形態を示す図で、紙器本体から引出部を引き出した状態を示す斜視図である。
【図11】本考案の第2の実施の形態を示す図で、紙器本体を構成する第1パーツを示す展開図である。
【図12】本考案の第2の実施の形態を示す図で、引出部を構成する第2パーツを示す展開図である。
【図13】本考案の第2の実施の形態を示す図で、起立部を構成する第3パーツを示す展開図である。
【図14】本考案の第2の実施の形態を示す図で、第3パーツを組み付けた第2パーツを第1パーツにセットする前の状態を示す平面図である。
【図15】本考案の第2の実施の形態を示す図で、起立部が起立動作を開始した直後の状態(a)と、起立部の起立動作が完了した引出端での状態(b)と、を示す側断面図である。
【図16】本考案の第3の実施の形態を示す図で、紙器本体内に引出部を格納した状態を示す斜視図である。
【図17】本考案の第3の実施の形態を示す図で、起立部が起立動作を開始した直後の状態を示す斜視図である。
【図18】本考案の第3の実施の形態を示す図で、紙器本体から引出部を引き出した状態を示す斜視図である。
【図19】本考案の第3の実施の形態を示す図で、紙器本体を構成する第1パーツを示す展開図である。
【図20】本考案の第3の実施の形態を示す図で、引出部を構成する第2パーツを示す展開図である。
【図21】本考案の第3の実施の形態を示す図で、引出部を構成する第3パーツを示す展開図である。
【図22】本考案の第3の実施の形態を示す図で、第3パーツを組み付けた第2パーツを第1パーツにセットする前の状態を示す平面図である。
【図23】本考案の第3の実施の形態を示す図で、起立部が起立動作を開始した直後の状態(a)と、起立部の起立動作が完了した引出端での状態(b)と、を示す側断面図である。
【図24】本考案の第3の実施の形態を示す図で、硬貨保持部に硬貨を保持させた状態(a)と、硬貨保持部に保持させた硬貨を落下させて物品保持部内に収容する時の状態(b)と、を示す側断面図である。

【0010】
以下、図1乃至図7に示す第1の実施の形態と、図8乃至図15に示す第2の実施の形態と、図16乃至図24に示す第3の実施の形態と、を例にとって本考案の紙器の構造と、組立時及び使用時の操作手順について具体的に説明する。
(1)第1の実施の形態(図1乃至図7参照)
本考案の紙器1は、紙器本体3と、上記紙器本体3に対して出没可能に取り付けられた引出部5と、上記引出部5に設けられ該引出部5が上記紙器本体3より引き出されることにより起立される起立部7と、を具備することによって構成されている。
【0011】
そして、本考案の第1の実施の形態では、図1に示すように上記引出部5を上記紙器本体3内に格納した状態で平坦になるメッセージカードタイプの紙器1Aを示している。
本考案の第1の実施の形態による紙器1Aは、図4及び図5の展開図に示すように、組み立てた状態で紙器本体3Aを構成する第1パーツP1と、組み立てた状態で引出部5Aと起立部7Aを構成する第2パーツP2の2つのパーツを備えることによって構成されている。
尚、上記第1パーツP1と第2パーツP2は、必要な剛性を有する厚紙や折り曲げ可能な薄手のプラスチック板等によって形成されている。
【0012】
このうち、第1パーツP1は、図4の展開図に示すように組み立てた状態で表面となる表板9と、該表板9の一例として左側の第1折り線L1を挟んで連接される第1裏板11と、上記表板9の一例として右側の第2折り線L2を挟んで連接される第2裏板13と、上記表板9の一例として下側の第3折り線L3を挟んで連接される本体係止部15と、を備えることによって構成されている。
そして、このような構成の第1パーツP1は、第1折り線L1で上記第1裏板11を裏側に折り曲げ、第2折り線L2で上記第2裏板13を同じく裏側に折り曲げて両者の端辺部11a、13aを糊付けして偏平な筒状に形成する。更に、第3折り線L3で上記本体係止部15を内側に180°折り曲げれば図6に示すように紙器本体3Aを構成する第1パーツP1の組み立てが完成する。
【0013】
一方、第2パーツP2は、図5の展開図に示すように組み立てた状態で表面となる引出表板17と、該引出表板17の左側の第4折り線L4を挟んで連接される起立前板19と、該起立前板19の左側の第5折り線L5を挟んで連接される起立上板21と、該起立上板21の左側の第6折り線L6を挟んで連接される起立後板23と、該起立後板23の左側の第7折り線L7を挟んで連接される起立支え板25と、該起立支え板25の左側の第8折り線L8を挟んで連接される一例として2枚に分かれた、起立係止部27、27と、上記引出表板17の右側の第9折り線L9を挟んで連接される引出裏板29と、該引出裏板29の右側の第10折り線L10を挟んで連接される一例として2枚に分かれた引出端係止部31、31と、を具備することによって構成されている。
【0014】
又、上記引出表板17の第9折り線L9寄りの上下には、引出部5Aを紙器本体3A内に挿し込む際にストッパとして機能する幅方向Wに張り出した2つの張出し部33、33が設けられており、更に上記引出表板17の上記張出し部33、33寄りの幅方向Wの中央部には、幅方向Wに延びる第11折り線L11と、該第11折り線L11の両端から図示のように門型に切られたスリット35が設けられており、該スリット35と第11折り線L11で囲まれた内部が物品Aを挟んで保持する物品保持部37になっている。
又、本実施の形態では、物品Aの一例として、図3に示すように、植物種A1を使用しており、該植物種A1は一例として短冊状の基材Bに保持された状態で上記物品保持部37に保持されていて、その基材B毎切り離してそのまま植えることができる一例としてマッチ棒様の形状をした物品Aが採用されている。
尚、図3に示す場合には、5個の短冊状の基材Bが切り離し可能に連接されていて、各基材Bに植物種A1が保持されている。そして、各短冊状の基材B単位で切り離して植えるものである。
【0015】
又、上記第5折り線L5と第6折り線L6を跨ぐように一例として円弧状に形成されたスリット39が設けられており、該スリット39を設けることによって図3に示すように起立部7Aを起立姿勢にした時、上記起立前板19の上辺の幅方向Wの中央にアーチ状をした飾り縁部41が形成されるように構成されている。
又、上記起立前板19の前面は、メッセージ表示部43になっており、該メッセージ表示部43に直接ペンでメッセージを書く、或いはメッセージが書かれた用紙やラベル等を貼付するのに使用される。
【0016】
そして、このようにして構成される第2パーツP2は、第9折り線L9で引出表板17を引出裏板29側に折り曲げ、上記引出表板17の端辺部17aを上記引出裏板29の対向する位置に糊付けする。
次に、第4折り線L4で起立前板19、第6折り線L6で起立後板23を互い違いに折り曲げ、更に第8折り線L8で起立係止部27、27、第10折り線L10で引出端係止部31、31をそれぞれ折り曲げれば、図6に示すように引出部5Aと起立部7Aを構成する第2パーツP2の組み立てが完成する。
そして、図6中の矢印で示すように組み立てが完成した第2パーツP2を組み立てが完成した上記第1パーツP1内に挿し込めば、図1に示すように紙器本体3A内に引出部5Aと起立部7Aが格納された状態の本実施の形態による紙器1Aの組み立てが完了する。
【0017】
次に、このようにして組み立てられた紙器1Aを受け取った人が、当該紙器1Aを使用する場合の操作手順について説明する。
紙器本体3Aの手前側の開口部から上記張出し部33を備えた引出部5Aの一部が図1に示すように突出しているから、該突出している引出部5Aの一部を指で摘んで手前に引出部5Aを引き出す。
ある程度、引出部5Aが引き出されて、紙器本体3A内の起立係止部27、27が紙器本体3Aの手前側の開口部の内面に折り返されている本体係止部15に当接し、係合を開始すると、図2及び図7(a)に示すように起立部7Aが徐々に立体的に立ち上って行く起立動作が開始される。
【0018】
更に、引出部5Aを手前に引き出して行くと、起立部7Aがさらに立体的に立ち上って行く。そして、引出端係止部31、31が上記起立係止部27、27と共に本体係止部15と係合すると、図3及び図7(b)に示すように、上記引出部5Aはその引出端で移動を停止する。その結果、上記起立部7Aは上方の飾り縁部41が幾分後方に位置するように傾斜した起立姿勢となる。
又、この状態では図示のように起立部7Aの引出側の面にメッセージ表示部43が立体的に出現するようになり、その手前には、物品保持部37によって保持された物品Aである植物種A1が位置することになる。
【0019】
そして、このようにして構成される本考案の第1の実施の形態に係る紙器1Aによれば、従来の紙器には見られなかった立体的ないし動的な表現が紙器に付加されて、意外性と機能性、そして一層の面白みを兼ね備えた紙器の提供が可能になる。
又、メッセージ表示部43を設けたことにより、送り主の気持ちをメッセージとして受取人にダイレクトに伝えることが可能になり、受取人が予想していなかった物品Aの提供によって、受取人はお得感を得ることが可能になる。
【0020】
(2)第2の実施の形態(図8乃至図15参照)
本考案の第2の実施の形態では、図10に示すように物品保持部45が容器状に形成された包装箱タイプの紙器1Bを示している。
本考案の第2の実施の形態による紙器1Bは、図11乃至図13の展開図に示すように組み立てた状態で紙器本体3Bを構成する第1パーツQ1と、組み立てた状態で引出部5Bを構成する第2パーツQ2と、組み立てた状態で起立部7Bを構成する第3パーツQ3の3つのパーツを備えることによって構成されている。
尚、上記第1の実施の形態と同様、上記第1パーツQ1、第2パーツQ2及び第3パーツQ3は、必要な剛性を有する厚紙や折り曲げ可能な薄手のプラスチック板等によって形成されている。
【0021】
このうち、第1パーツQ1は、図11の展開図に示すように、組み立てた状態で上面となる上板47と、該上板47の一例として左側の第1折り線M1を挟んで連接される右側板49と、上記上板47の一例として右側の第2折り線M2を挟んで連接される左側板51と、上記上板47の一例として上側の第3折り線M3を挟んで連接される本体係止部53と、上記右側板49の左側の第4折り線M4を挟んで連接される下板55と、該下板55の左側の第5折り線M5を挟んで連接される糊代片57と、を備えることによって構成されている。
【0022】
そして、このような構成の第1パーツQ1は、折り線M1、M2、M4、M5で90°ずつ、右側板49、左側板51、下板55及び糊代片57を裏側に折り曲げ、糊代片57を左側板51の内面に糊付けして角筒状に形成する。
更に、第3折り線M3で上記本体係止部53を内側に180°折り曲げれば、図14に示すように紙器本体3Bを構成する第1パーツQ1の組み立てが完成する。
【0023】
又、第2パーツQ2は、図12の展開図に示すように組み立てた状態で上面となる引出上板59と、該引出上板59の左側の第6折り線M6を挟んで連接される引出右側板61と、該引出右側板61の上側の第7折り線M7を挟んで連接される前側右補強板63と、上記引出右側板61の下側の第8折り線M8を挟んで連接される奥側右補強板65と、上記引出上板59の右側の第9折り線M9を挟んで連接される引出左側板67と、該引出左側板67の上側の第10折り線M10を挟んで連接される前側左補強板69と、上記引出左側板67の下側の第11折り線M11を挟んで連接される奥側左補強板71と、上記引出上板59の上側の第12折り線M12を挟んで連接される引出前板73と、該引出前板73の上側の第13折り線M13を挟んで連接される前側下補強板75と、上記引出上板59の下側の第14折り線M14を挟んで連接される引出外後板77と、該引出外後板77の下側の第15折り線M15を挟んで連接される奥側下係止片79と、を備えている。
【0024】
又、上記引出左側板67の右側の第16折り線M16を挟んで連接される引出下板81と、該引出下板81の右側の第17折り線M17を挟んで連接される糊代片83と、上記引出下板81の下側の第18折り線M18を挟んで連接される引出内後板85と、上記引出下板81の上側の第19折り線M19を挟んで連接される一例としてハート型をした下摘み片87と、該下摘み片87に第20折り線M20を挟んで連接される一例としてハート型をした上摘み片89と、該上摘み片89に第21折り線M21を挟んで連接される摘み片係止部91と、を備えている。
【0025】
更に、上記引出上板59の手前寄りの位置には、引出右側板61と引出左側板67の一部に跨るように大きく開口した窓部93が形成されており、該窓部93の下側には第22折り線M22を挟んで上記引出板59に連接されている連結フラップ95が設けられている。
又、上記第18折り線M18の中央には、組立時に上記奥側下係止片79を挿し込んで係止させる係止スリット97が形成されている。
【0026】
又、第3パーツQ3は、図13の展開図に示すように、倒伏姿勢時に上記窓部93を閉塞するように作用する起立前板99と、該起立前板99の左側の第23折り線M23を挟んで連接される起立後板101と、該起立後板101の左側の第24折り線M24を挟んで連接される連結板103と、該連結板103の左側の第25折り線M25を挟んで連接される一例として台形状をした起立支え板105と、該起立支え板105の左側の第26折り線M26を挟んで連接される一例として5角形状をした起立係止部107と、を具備することによって構成されている。
【0027】
そして、先に説明した第2パーツQ2は、最初に折り線M6、M9、M16、M17で引出右側板61、引出左側板67、引出下板81、糊代片83を裏側に90°ずつ巻くように折り曲げ、糊代片83に糊を付けて引出右側板61の内面に接着して角筒状にする。
次に、折り線M7、M8、M10、M11、M18で前側右補強板63、奥側右補強板65、前側左補強板69、奥側左補強板71、引出内後板85を内側に90°ずつ折り曲げ、第20折り線M20で上摘み片89及び摘み片係止部91を上方に180°折り曲げて下摘み片87及び引出下板81の上に折り重ねる。
そして、第12折り線M12で引出前板73を下方に90°折り曲げ、第13折り線M13で前側下補強板75を内方に90°折り曲げて上記摘み片係止部91を係止した状態とする。
【0028】
更に、第14折り線M14で引出外後板77を下方に90°折り曲げ、第15折り線M15で奥側下係止片79を内方に90°折り曲げて上記係止スリット97に挿し込んで係止させれば、内部に容器状の物品保持部45が形成された角箱状の引出部5Bを構成する第2パーツQ2の組み立てが完成する。
一方、第3パーツQ3は、第23折り線M23で起立後板101を180°起立前板99側に折り曲げ、折り曲げた起立後板101の端辺部101aに糊を付けて、上記起立前板99に接着する。
【0029】
更に、第26折り線M26で起立係止部107を上方に180°折り曲げ、上述した第2パーツQ2の連結フラップ95と上記起立前板99の端辺部99aに糊付けして両者を連結すれば、第2パーツQ2と第3パーツQ3が一体化されて、上面に起立部7Bを備えた一体構造の引出部5Bの組み立てが完成する。
そして、図14中の矢印で示すように一体に組み立てられた第2パーツQ2と第3パーツQ3を組み立てが完成した上記第1パーツQ1に挿し込めば、図8に示すように紙器本体3B内に引出部5Bと起立部7Bが格納された状態の本実施の形態による紙器1Bの組み立てが完了する。
【0030】
次に、このようにして組み立てられた紙器1Bを受け取った人が、当該紙器1Bを使用する場合の操作手順について説明する。
紙器本体3Bの手前側の開口部から折り重ねられた状態のハート型の上摘み片89と下摘み片87が図8に示すように突出しているから、該突出している上摘み片89と下摘み片87を指で摘んで手前に引出部5Bを引き出す。
ある程度、引出部5Bが引き出されて、紙器本体3B内の起立係止部107が紙器本体3Bの手前側の開口部の内面に折り返されている本体係止部53に当接し、係合を開始すると、図9及び図15(a)に示すように起立部7Bが徐々に立体的に立ち上がって行く起立動作が開始される。
【0031】
更に、引出部5Bを手前に引き出して行くと、起立部7Bがさらに立ち上がって行く。そして、連結フラップ95に引張力が作用し、起立前板99の第22折り線M22を中心とする後方への回動が重くなった位置で、図10及び図15(b)に示すように引出部5Bは移動を停止し、上記起立部7Bは上方の第23折り線M23が幾分後方に位置するように後傾した起立姿勢に移行する。
そして、このようにして構成される本考案の第2の実施の形態に係る紙器1Bによっても、上述した本考案の第1の実施の形態に係る紙器IAと同様の作用、効果を享受でき、更に本実施の形態にあっては、物品保持部45を容器状に形成したことにより、平面的な物品Aだけでなく、立体的な物品Aも保持できるようになり、種々の形状、大きさの物品Aをより多く収容することが可能になる。
【0032】
(3)第3の実施の形態(図16乃至図24参照)
本考案の第3の実施の形態では、図18に示すように起立部7Cに対して物品Aの一例として硬貨A2を保持する硬貨保持部109を設け、物品保持部111が上記第2の実施の形態と同様、容器状に形成された貯金箱タイプの紙器1Cを示している。
本考案の第3の実施の形態による紙器1Cは、図19乃至図21の展開図に示すように組み立てた状態で紙器本体3Cを構成する第1パーツR1と、組み立てた状態で引出部5Cを構成する第2パーツR2と、組み立てた状態で起立部7Cを構成する第3パーツR3の3つのパーツを備えることによって構成されている。
尚、上記第2の実施の形態と同様、上記第1パーツR1、第2パーツR2及び第3パーツR3は、必要な剛性を有する厚紙や折り曲げ可能な薄手のプラスチック板等によって形成されている。
【0033】
このうち、第1パーツR1は、基本的に上述した第2の実施の形態の第1パーツQ1と同様の構成を有しており、図19の展開図に示すように、組み立てた状態で上面となる上板113と、該上板113の一例として左側の第1折り線N1を挟んで連接される右側板115と、上記上板113の一例として右側の第2折り線N2を挟んで連接される左側板117と、上記上板113の一例として上側の第3折り線N3を挟んで連接される本体係止部119と、上記右側板115の左側の第4折り線N4を挟んで連接される下板121と、該下板121の左側の第5折り線N5を挟んで連接される糊代片123と、を備えることによって構成されている。
【0034】
そして、このような構成の第1パーツR1は、折り線N1、N2、N4、N5で90°ずつ右側板115、左側板117、下板121及び糊代片123を裏側に折り曲げ、糊代片123を左側板117の内面に糊付けして角筒状に形成する。
更に、第3折り線N3で上記本体係止部119を内側に180°折り曲げれば、図22に示すように紙器本体3Cを構成する第1パーツR1の組み立てが完成する。
【0035】
又、第2パーツR2は、図20の展開図に示すように、組み立てた状態で上面となる引出上板125と、該引出上板125の左側の第6折り線N6を挟んで連接される引出右側板127と、該引出右側板127の上側の第7折り線N7を挟んで連接される前側右補強板129と、上記引出右側板127の下側の第8折り線N8を挟んで連接される奥側右補強板131と、上記引出上板125の右側の第9折り線N9を挟んで連接される引出左側板133と、該引出左側板133の上側の第10折り線N10を挟んで連接される前側左補強難135と、上記引出左側板133の下側の第11折り線N11を挟んで連接される奥側左補強板137と、を備えている。
【0036】
又、上記引出上板125の上側の第12折り線N12を挟んで連接される引出前板139と、該引出前板139の上側の第13折り線N13を挟んで連接される前側下補強板141と、上記引出上板125の下側の第14折り線N14を挟んで連接される引出外後板143と、該引出外後板143の下側の第15折り線N15を挟んで連接される奥側下係止片145と、を備えている。
又、上記引出左側板133の右側の第16折り線N16を挟んで連接される上部が一例として蒲鉾型をした引出下板147と、該引出下板147の右側の第17折り線N17を挟んで連接される糊代片149と、上記引出下板147の下側の第18折り線N18を挟んで連接される引出内後板151と、上記引出下板147の上側の第19折り線N19を挟んで連接される一例として蒲鉾型をした摘み片153と、を備えている。
【0037】
更に、上記引出上板125の手前寄りの位置の幅方向Wの中央には硬貨A2が入る程度の開口を有する窓部155が形成されており、該窓部155の下側には後述する第3パーツR3を貼付する時の目印となる筋押し線Sが設けられている。
又、上記第18折り線N18の中央には、組立時に上記奥側下係止片145を挿し込んで係止させる係止スリット157が形成されている。
【0038】
又、第3パーツR3は、図21の展開図に示すように倒伏姿勢時に上記窓部155を閉塞するように作用する起立前板159と、該起立前板159の左側の第20折り線N20を挟んで連接される起立上板161と、該起立上板161の左側の第21折り線N21を挟んで連接される起立後板163と、該起立後板163の左側の第22折り線N22を挟んで連接される一例として台形状をした起立支え板165と、該起立支え板165の左側の第23折り線N23を挟んで連接される一例として5角形状をした起立係止部167と、を備えている。
【0039】
又、上記起立前板159の右側の第24折り線N24を挟んで連接され、基部に幅広の糊代部169a、自由端部に幅狭の伸長部169bを備えた固定板169と、該固定板169の右側の第25折り線N25を挟んで連接される一例として5角形状をした引出端係止部171と、上記第20折り線N20上に形成される幅広の円弧状のスリット173と、上記第21折り線N21上に形成される上記スリット173よりも幅狭の円弧状のスリット175と、を具備することによって構成されている。
【0040】
そして、先に説明した第2パーツR2は、最初に折り線N6、N9、N16,N17で引出右側板127、引出左側板133、引出下板147、糊代片149を裏側に90°ずつ巻くように折り曲げ、糊代片149に糊を付けて引出右側板127の内面に接着して角筒状にする。
次に、折り線N7、N8、N10、N11、N18で前側右補強板129、奥側右補強板131、前側左補強板135、奥側左補強板137、引出内後板151を内側に90°ずつ折り曲げ、第19折り線N19で摘み片153を上方に180°折り曲げて上記引出下板147の上に折り重ねる。
そして、第12折り線N12で引出板139を下方に90°折り曲げ、第13折り線N13で前側下補強板141を内方に90°折り曲げて上記摘み片153の自由端側の端辺部を係止した状態とする。
【0041】
更に、第14折り線N14で引出外後板143を下方に90°折り曲げ、第15折り線N15で奥側下係止片145を内方に90°折り曲げて上記係止スリット157に挿し込んで係止させれば、内部に容器状の物品保持部111が形成された角箱状の引出部5Cを構成する第2パーツR2の組み立てが完成する。
一方、第3パーツR3は、第21折り線N21で起立後板163を180°起立前板159側に折り曲げ、更に第23折り線N23で起立係止部167を起立支え板165側に180°折り曲げ、第25折り線N25で引出端係止部171を固定板169側に180°折り曲げる。
【0042】
そして、固定板169の糊代部169aに糊を付けて上述した第2パーツR2の引出上板125上の所定の位置に上記筋押し線Sを案内にして接着すれば、第2パーツR2と第3パーツR3が一体化されて、上面に起立部7Cを備えた一体構造の引出部5Cの組み立てが完成する。
このようにして一体に組み立てられた第2パーツR2と第3パーツR3を図22中の矢印で示すように組み立てが完成した上記第1パーツR1に挿し込めば、図16に示すように紙器本体3C内に引出部5Cと起立部7Cが格納された状態の本実施の形態による紙器1Cの組み立てが完了する。
【0043】
次に、このようにして組み立てられた紙器1Cを受け取った人や購入した人が、当該紙器1Cを使用する場合の操作手順について説明する。
紙器本体3Cの手前側の開口部から摘み片153と引出下板147の一部が図16に示すように突出しているから、該突出している摘み片153と引出下板147の一部を指で摘んで手前に引出部5Cを引き出す。
ある程度、引出部5Cが引き出されて、紙器本体3C内の起立係止部167が紙器本体3Cの手前側の開口部の内側に折り返されている本体係止部119に当接し、係合を開始すると、図17及び図23(a)に示すように起立部7Cが徐々に立体的に立ち上がって行く起立動作が開始される。
【0044】
更に、引出部5Cを手前に引き出して行くと、起立部7Bがさらに立ち上がって行く。そして、紙器本体3Cの本体係止部119に起立部7Cの引出端係止部171が起立係止部167と共に係合するようになり、引出部5Cの手前側への移動が停止される。又、この時起立部7Cは起立姿勢に移行しており、起立上板161が幾分手前側に迫り出した前傾姿勢になっている。
尚、上記起立部7Cの倒伏姿勢から起立姿勢への移行に伴って、引出部5Cの上面の引出上板125に形成された窓部155が現れ、第20折り線N20上に形成されたスリット173が開いて硬貨保持部109が出現する。
【0045】
次に、このように引出部5Cが引出端に達した状態で行う硬貨A2の投入手順について説明する。先ず、硬貨A2を投入する人は、投入する硬貨A2を指で摘んで図24(a)に示すように硬貨保持部109となるスリット173の形成部位にできた開口に水平に挿し込む。
続いて、引出部5Cの引出前板139を指で押す等して上記引出部5Cを紙器本体3C内に押し戻すと、図24(b)に示すように起立部7Cの前傾姿勢が大きくなって上記スリット173の形成部位にできた開口が下方を向くようになり、該硬貨保持部109の保持力が低下して当該硬貨A2は下方に落下し、窓部155を通って引出部5Cの物品保持部111内に収容される。
【0046】
そして、このようにして構成される本考案の第3の実施の形態に係る紙器1Cによっても、上述した本考案の第2の実施の形態に係る紙器Bと同様の作用、効果を享受でき、更に本実施の形態にあっては、当該紙器1Cを受け取った人が2次的な利用として貯金箱として使用する、或いは当初から貯金箱として当該紙器1Cを使用することが可能になる。
更に、引出部5Cの押し戻し動作によって硬貨保持部109に一旦保持させた硬貨A2を物品保持部111内に落下させるという動的ないし操作上の面白みが付加されて一層趣向が増した紙器1Cとなる。
【0047】
尚、本考案は上述した第1〜第3の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本考案の紙器1の形状や大きさは、収容する物品Aの形状や大きさ等に応じて種々変更することが可能であり、上記第1の実施の形態において物品Aとして採用した植物種A1に代えて平板状の装飾品や香料を入れた小袋等を適用することが可能である。
同様に、上記第2及び第3の実施の形態において採用した摘み片87、89及び摘み片153の形状もハート型や蒲鉾型に限らず、花びらや葉っぱ、リボン等を模した形状等、種々の形状のものが採用可能である。
【0048】
又、起立部7の起立姿勢での傾斜角度は、起立係止部27が本体係止部15と係合して起立動作を開始する起立開始位置と引出部5が引出端に達する引出位置との間の距離の長短で変化するから、使用の目的等の違いに応じて、当該距離を調整することが可能である。
例えば、起立係止部27と引出端係止部31が別体に構成されていて、これらを引出部5に糊付けして位置を決めるように構成されている場合には、起立係止部27と引出端係止部31の貼付位置を変えることで上記起立開始位置と引出位置との間の距離や起立動作のタイミングを調整することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本考案は、メッセージカード、包装箱等のパッケージ類の製造、使用分野等で利用でき、特に紙器本体と引出部を備えた紙器において、動的ないし立体的な要素を付加して面白みを付与したい場合に利用可能性を有する。
【0050】
1 紙器
3 紙器本体
5 引出部
7 起立部
9 表板
11 第1裏板
11a 端辺部
13 第2裏板
13a 端辺部
15 本体係止部
17 引出表板
17a 端辺部
19 起立前板
21 起立上板
23 起立後板
25 起立支え板
27 起立係止部
29 引出裏板
31 引出端係止部
33 張出し部
35 スリット
37 物品保持部
39 スリット
41 飾り縁部
43 メッセージ表示部
45 物品保持部
47 上板
49 右側板
51 左側板
53 本体係止部
55 下板
57 糊代片
59 引出上板
61 引出右側板
63 前側右補強板
65 奥側右補強板
67 引出左側板
69 前側左補強板
71 奥側左補強板
73 引出前板
75 前側下補強板
77 引出外後板
79 奥側下係止片
81 引出下板
83 糊代片
85 引出内後板
87 下摘み片
89 上摘み片
91 摘み片係止部
93 窓部
95 連結フラップ
97 係止スリット
99 起立前板
99a 端辺部
101 起立後板
101a 端辺部
103 連結板
105 起立支え板
107 起立係止部
109 硬貨保持部
111 物品保持部
113 上板
115 右側板
117 左側板
119 本体係止部
121 下板
123 糊代片
125 引出上板
127 引出右側板
129 前側右補強板
131 奥側右補強板
133 引出左側板
135 前側左補強板
137 奥側左補強板
139 引出前板
141 前側下補強板
143 引出外後板
145 奥側下係止片
147 引出下板
149 糊代片
151 引出内後板
153 摘み片
155 窓部
157 係止スリット
159 起立前板
161 起立上板
163 起立後板
165 起立支え板
167 起立係止部
169 固定板
169a 糊代部
169b 伸長部
171 引出端係止部
173 スリット
175 スリット
P1 第1パーツ
P2 第2パーツ
Q1 第1パーツ
Q2 第2パーツ
Q3 第3パーツ
R1 第1パーツ
R2 第2パーツ
R3 第3パーツ
L 折り線
M 折り線
N 折り線
W 幅方向
A 物品
A1 植物種
A2 硬貨
B 基材
S 筋押し線

(57)【要約】

【課題】立体的ないし動的な要素を紙器に組み込むことによって、意外性と機能性、そしてより一層の面白みを兼ね備えた紙器を提供する。【解決手段】紙器本体3Aと、紙器本体に対して出没可能に取り付けられた引出部5Aと、引出部に設けられ引出部が紙器本体より引き出されることにより起立される起立部7Aと、を具備したものである。引出表板17の第9折り線L9寄りの上下には、引出部5Aを紙器本体3A内に挿し込む際にストッパとして機能する幅方向Wに張り出した2つの張出し部33、33が設けられており、更に引出表板17の張出し部33、33寄りの幅方向Wの中央部には、幅方向Wに延びる第11折り線L11と、該第11折り線L11の両端から門型に切られたスリット35が設けられており、スリット35と第11折り線L11で囲まれた内部が物品Aを挟んで保持する物品保持部37になっている。


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