(54)【考案の名称】リール式芝刈機用ベッドナイフ

(51)【国際特許分類】

A01D 34/73 ・・・・切断装置[4]

(73)【実用新案権者】三陽金属株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、リール式芝刈機に装着して用いられるベッドナイフに関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、リール式芝刈機に装着して用いられるベッドナイフが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このベッドナイフは、その製造にあたり、所望の形状を形成するための一連の操作が加えられた後、ベッドナイフの刃先の摩耗を低減するために充分な硬度となるように熱処理(焼入れ)が加えられる。そして、熱処理の後に、上部面及び正面を研磨して刃先が形成される。
【0004】

【効果】

【0011】
本考案は、以上に説明したように構成され、歪やうねりの発生を抑制した硬度の高い刃先を有するベッドナイフを簡素な製造プロセスで製造することができる。よって、製造に有利、且つ製造コストも安価となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案の実施の形態に係るリール式芝刈機のベッドナイフ及びリール刃の構成例を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1のベッドナイフの斜視図である。
【図3】図1のベッドナイフの長手方向と直交する断面を示す断面図である。
【図4】図1のベッドナイフの刃先に焼入れを施すレーザ焼入れ装置の構成例を示す概略図である。

【0013】
以下、本考案の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0014】
[リール式芝刈機の構成]
図1は、本考案の実施の形態に係るリール式芝刈機のベッドナイフ(リール式芝刈機用ベッドナイフ)100及びリール刃120の構成例を概略的に示す図である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態のリール式芝刈機は、リール刃120及びベッドナイフ100を含む。これらリール刃120及びベッドナイフ100は、例えば、リール式芝刈機の進行方向側に配設されている。
【0016】
リール刃120は、全体として大略円筒状に形成され、回転軸125、複数の刃部122及び支持体121を有する。
【0017】
回転軸125は、例えば、エンジン、モータ等の駆動部と連結され、この駆動部の駆動力によって回転軸125の軸線Lを中心に回転駆動する。なお、これに限られるものではなく、これに代えて、回転軸125を接地する車輪と接続し、回転軸125が車輪の回転に従動して回転するように構成してもよい。
【0018】
複数の刃部122は、短冊状の板状体に形成されている。そして、長手方向に延びる一対の側縁のうち、一方の側縁に刃先122aが形成されている。
【0019】
支持体121は、回転軸125の軸線Lを中心とする円周方向に複数の刃部122が等間隔に一列に並ぶように、複数の刃部122を支持する。また、支持体121は、回転軸125の軸線Lを軸線とする仮想円筒体の側面上において、リール刃120の刃先122aが螺旋状に延在するように刃部122を支持している。これによって、駆動部の駆動力により回転軸125の軸線Lを中心にリール刃120が回転すると、各刃先122aは、軌跡が前記仮想円筒体を描くように回転する。
【0020】
ベッドナイフ100は、大略短冊状に形成された板状体であり、回転軸125の軸線Lが延在する方向に長手方向が延在するようにリール式芝刈機に取り付けられている。以下、地面に対峙する側のベッドナイフ100の面が位置する側を下といい、他方を上ということがある。
【0021】
また、ベッドナイフ100は、刃先1(詳細は後述)が前記仮想円筒体上においてこの仮想円筒体が延在する方向に延在するように図示しない支持体に支持されている。リール刃120の刃先122aは、回転軸125の軸線Lを軸線とする仮想円筒体の側面上において、螺旋状に延在するので、ベッドナイフ100の刃先1は、リール刃120の刃先122aが延在する方向と交差して延在している。したがって、ベッドナイフ100の刃先1と、リール刃120の刃先122aとは実質的に一点で接触するように構成されている。そして、リール刃120の回転によって、刃部122とベッドナイフ100との間に挟み込まれた草は、この当接点において切断される。リール式芝刈機は、周知の刈払機で構成されるのでこれ以上の説明を省略する。
【0022】
[ベッドナイフの構成]
図2は、ベッドナイフ100の斜視図である。図3は、ベッドナイフ100の長手方向と直交する断面を示す断面図である。
【0023】
ベッドナイフ100は、図2に示すように、大略短冊状に形成された板状体であり、本実施の形態において、ベッドナイフ100の長手方向の寸法は、約530mmに形成されている。そして、ベッドナイフ100の長手方向に延在する一対の端縁の一方の端縁に刃先1が形成されている。以下、説明の便宜上、この刃先1が形成されている端縁が位置する側を前といい、他方の端縁が位置する側を後ということがある。
【0024】
図3に示すように、ベッドナイフ100の上面5は、ベッドナイフ100の後端2の上端から前方に延在する上側基端面10を有する。そして、上側基端面10の前端に傾斜面11が連設されている。この傾斜面11は、上側基端面10の前端から下方に傾斜して前方に延在している。そして、傾斜面11に前端に弧状面12が連設されている。この弧状面12は、傾斜面11の前端から、円弧を描くように次第に上方に向かうように形成されている。これら傾斜面11及び弧状面12によって、上面5には、凹陥部13が形成されている。そして、弧状面12の前端に上側先端面14が連設されている。上側先端面14は、弧状面12の前端から前方に延在している。
【0025】
この一方で、ベッドナイフ100の下面6は、ベッドナイフ100の後端2の下端から前方に延在する下側基端面20を有する。この基端面は、上側基端面10の延在方向と大略平行に延在している。そして、下側基端面20の前端に下側傾斜面21が連設されている。この下側傾斜面21は、下側基端面20の前端から上方に傾斜して前方に延在している。そして、下側傾斜面21の前端に先端面22が連設されている。この先端面22は、下側傾斜面21よりも下側基端面20に対する傾斜角度が大きくなるように上方に傾斜して前方に延在している。そして、先端面22の前端は、上側先端面14の前端に連なっている。この連なっている部分が、ベッドナイフ100の上記刃先1を構成する。この刃先1は、詳細は後述するように、レーザ光による焼入れが施される。
【0026】
また、ベッドナイフ100は、後端2寄りの部分に複数の取付孔8が形成されている。これら複数の取付孔8は、ベッドナイフ100をリール式芝刈機にねじ止めによって取り付ける際にねじを挿通するための孔である。そして、これら複数の取付孔8は、ベッドナイフ100の長手方向に一列に並んで配設され、それぞれ上側基端面10と下側基端面20を接続するように形成されている。
【0027】
[ベッドナイフの製造方法]
次に、ベッドナイフ100の製造方法の一例について説明する。
【0028】
まず、鋼板を機械加工し、上述の形状に形成する。
【0029】
次に、ベッドナイフ100全体に焼入れを施すことによって、ベッドナイフ100の基材の硬度を刃先1に大きな歪やうねりが生じない所定の硬度に高める。本実施の形態において、基材の硬度は、約50HRCである。
【0030】
次に、ベッドナイフ100の上側先端面14に仕上げ研磨を施し、リール式芝刈機への取付時において、刃先1が上記回転軸125の軸線Lを軸線とする仮想円筒体上に延在するように調整する。これによって、ベッドナイフ100の切れ味を高めることができる。また、上記焼入れによって刃先1に生じた小さい歪やうねりを矯正することができる。
【0031】
次に、後述するレーザ焼入れ装置150を用いて、ベッドナイフの刃先1に焼入れを施すことによって、ベッドナイフ100の刃先1に硬化層を形成する。本実施の形態において、硬化層の表面の硬度は、約60HRCである。
【0032】
また、本実施の形態において、ベッドナイフ100の刃先1の有効硬化層深さが刃先から2mm以上となるように焼入れが施される。これによって、刃先1が摩耗し、ベッドナイフ100の切れ味が低下した際は、上側先端面14を研ぐことによって、ベッドナイフ100の切れ味を高めることができる。
【0033】
[レーザ焼入れ装置]
図4は、ベッドナイフ100の刃先に焼入れを施すレーザ焼入れ装置150の構成例を示す概略図である。
【0034】
このレーザ焼入れ装置150は、レーザユニット152と、エンドエフェクタとしてレンズユニット153を備えるロボット154と、ワークテーブル155と、図示しない制御部と、を備える。
【0035】
レーザユニット152は、例えば高出力ダイレクト方式の半導体レーザを発振するレーザ発振器を有する。
【0036】
ロボット154は、例えば、多関節型ロボットであり、ロボット154のレンズユニット153をワークテーブル155に対して3次元方向に相対的に移動させることができる。
【0037】
レンズユニット153は、集光レンズを備え、レーザユニット152から光ファイバーを介して送られてきたレーザ光を、ワークテーブル155上の対象物に照射する。
【0038】
ワークテーブル155は、ワークであるベッドナイフ100を載置するためのものである。
【0039】
そして、レーザ光の照射部位は、図示しない入力部を介して、制御部に入力される。
【0040】
なお、本実施の形態において、レーザ焼入れ装置150は、レンズユニット153をロボット154によってワークテーブル155に対して3次元方向に相対的に移動させる構成としたが、これに限られるものではなく、固定的に設置されたレンズユニット153に対してワークテーブル155を3次元方向に相対的に移動させてもよい。
【0041】
そして、レーザ焼入れ装置150によって、ベッドナイフ100の刃先1に焼入れを施すときは、まず、制御部は、レーザ光を刃先1の熱処理開始位置(例えば刃先1の一方の端部の位置)に照射する。
【0042】
次に、制御部は、レーザ光の照射部位が刃先1の熱処理終了位置に向かって延在方向に移動するように、ロボット154がレンズユニット153をワークテーブル155に対して3次元方向に相対的に動かす。
【0043】
次に、制御部は、レーザ光の照射部位が熱処理終了位置(例えば刃先1の一方の端部の位置)に達すると、焼入れを終了する。このように、レーザ光による焼入れを刃先1にのみ局所的に施し、硬化層を形成している。
【0044】
なお、レーザ光による焼入れの有効硬化層深さは、照射部位の移動速度によって調整する。すなわち、照射部位の移動速度が早ければ、有効硬化層深さは浅くなり、その一方で、照射部位の移動速度が遅ければ、有効硬化層深さは深くなる。
【0045】
このように、レーザ焼入れ装置150は、レンズユニット153をワークテーブル155に対して3次元方向に相対的に移動させ、高い硬度が要求されるベッドナイフ100の刃先1に対して局所的にレーザ光を照射し、焼入れを行うことができる。これによって、歪やうねりの発生を抑制した硬度の高い刃先1を有するベッドナイフを簡素な製造プロセスで製造することができる。また、高い硬度を必要とする部位以外の部位の硬度が過度に高くなることを防ぐことができるので、ベッドナイフ100の割れや欠けの発生を抑制することができる。更に、例えば、高周波焼入れと比較して刃先1の焼入れを迅速に行うことができる。
【0046】
また、レーザ光によって加熱された部位は、ベッドナイフ100内部に熱が逃げることによって急速に冷却される。したがって、冷却材を用いてレーザ光によって加熱された部位を冷却する必要がなく、熟練の技能が求められる冷却材の流量等の管理を省略することができる。すなわち、刃先1の精密な焼入れを熟練の技能に頼らずとも行うことができる。よって、製造に有利となる。
【0047】
以上に説明したように、本考案のベッドナイフ100は、レーザ光による焼入れによって前記刃先に局所的に硬化層を形成しているので、歪やうねりの発生を抑制した硬度の高い刃先1を有するベッドナイフを簡素な製造プロセスで製造することができる。よって、製造に有利、且つ製造コストも安価となる。
【0048】
更に、刃先1の精密な焼入れを熟練の技能に頼らずとも行うことができる。よって、製造に有利となる。
【0049】
上記説明から、当業者にとっては、本考案の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本考案を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本考案の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本考案のベッドナイフは、芝生管理作業に有用である。
【0051】
1 刃先
2 後端
5 上面
6 下面
10 上側基端面
11 傾斜面
12 弧状面
13 凹陥部
14 上側先端面
20 下側基端面
21 下側傾斜面
22 先端面
100 ベッドナイフ

(57)【要約】

【課題】歪やうねりの発生を抑制し、簡素な製造プロセスで製造することができるリール式芝刈機用ヘッドナイフを提供する。【解決手段】長手方向に延在する刃先1を備え、レーザ光による焼入れによって刃先1に硬化層が形成される。レーザ光によって加熱された部位は、ヘッドナイフ100内部に熱が逃げることによって急速に冷却され、したがって、冷却材を用いてレーザ光によって加熱された部位を冷却する必要がない。また、高い硬度を必要とする部位以外の部位の硬度が適度に高くなることを防ぐことができる。


【パテントレビュー】

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