(54)【考案の名称】粉粒体荷卸し装置

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図5

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、粉粒体荷卸し装置に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
一般に木材チップを生産する工場では、木材の皮(バーク)を剥いだ後、細かく砕いてチップを生産している。この生産された木材チップや木皮、チップダストなどの粉粒体を運搬する場合、ダンプトラックの荷箱に積み込んで運搬している。搬送先で荷卸しする場合には、油圧シリンダーを伸出させて荷箱を傾斜させ、後方の開閉扉を開いて排出口から排出している。またダンプトラックの後方に溜まった積み荷が山積み状態となるため、荷卸し状態を確認しながらダンプトラックを少しずつ前進させながら荷卸ししている。
【0003】
しかしながらダンプトラックは荷箱を、油圧シリンダーを傾斜させて荷卸しするため、車体が不安定となり、時には横転や上空の架線に接触する危険性がある。また構造上、油圧シリンダーが設けられていることから、重量が増加すると共に、その取付けスペースが必要となり、その分、荷箱の高さが低くなり積載量が減少する問題もあった。
【0004】
このため油圧シリンダーで荷箱を傾斜させない構造として、荷箱の床面にベルトコンベアーを取付けて積荷を順次ベルトコンベアーで排出する装置も提案されている(特許文献1)。しかしながら、この構造では粉粒体を積載した中にベルトコンベアーを埋設することができず、ベルトコンベアーの上方に粉粒体を貯蔵したホッパーを設け、ここからベルトコンベアーの上に少しずつ排出させる必要がある。このように、荷箱の内側にホッパーやベルトコンベアーが設けられているので積載量が減少する欠点があった。
【0005】

【効果】

【0010】
本考案に係る請求項1記載の粉粒体荷卸し装置によれば、荷箱やストックボックスに積み込まれた粉粒体の床面側を、高さの低い送り板だけが移動して粉粒体お排出口から排出するので、高さが嵩張るベルトコンベアーを設置した場合に比べて、容積を拡大できると共に、駆動源が荷箱の上部に取付けられているので保守点検が容易で故障も少ない。
【0011】
更にダンプトラックのように荷箱を傾斜させないので荷卸し時も車体が安定しており、また油圧シリンダーがないので車体重量が軽く、この分、荷箱の容積を拡大して、従来の2〜3割程度積載量を増加させることができる。
【0012】
また請求項2記載の粉粒体荷卸し装置によれば、荷箱やストックボックスの床面に、その長手方向に沿ってレール板を取付けて、この上を送り板が摺動するようしたので、送り板が滑らかに移動し、排出速度を速めることができる。
【0013】
また請求項3記載の粉粒体荷卸し装置によれば、動力源として電動または油圧モ−タを用いることができる。
【0014】
また請求項4記載の粉粒体荷卸し装置によれば、チェーンがカバーで覆われ、積み込まれた粉粒体の床面側を、高さの低い送り板だけが移動するので、機械部分に粉粒体が詰まることなく、また万一、チェーンに入り込んでも、順次後方に向かって移動して自動的に排出することができる。
【考案を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本考案の実施例を図1ないし図5を参照して詳細に説明する。図において1はトラックで、この荷台2に荷箱3が搭載されている。荷箱3は直方体状に形成され、その上部が図2に示すように開口して、ここが投入口4となっている。また荷箱3の長手方向に沿った後方側には開閉扉5が取付けられ、ここに排出口6が形成されている。また荷台2の下部には図1に示すように発電機7が取付けられている。
【0016】
また図2および図3に示すように荷箱3の長手方向に沿った両側壁10、10の内側コーナーにはそれぞれスプロケット11A、11B、11C、11Dが取付けられている。これら左右のスプロケット11A〜11Dにはチェーン12A、12Bが両側壁10、10に沿って巻回されている。上部左右のスプロケット11A、11Aは回転軸14を介して接続され、また下部左右のプロケット11B、11Bも回転軸14を介して接続され、これら回転軸14の端部は軸受15で支持されて一体に回転するようになっている。
【0017】
更に上部のスプロケット11A、11Aを取付けた回転軸14の上部右側の端部には図3に示すように、スプロケット17Aが一体に取付けられている。また荷箱3の上部外側には前記発電機7に接続されたギアードモーター18が取付けられ、この出力軸に取付けたスプロケット17Bがチェーン19を介して前記スプロケット17Aに連結されている。
【0018】
また左右のチェーン12A、12Bの間には図3に示すように、その両端がチェーン12A、12Bに連結されて、走行方向に間隔をおいて複数個の送り板22が取付けられている。この送り板22は図2に示すように、後端側が上方に折曲したL形に形成されている。この送り板22は、左右のチェーン12A、12Bの全長のほぼ2分の1から4分の3の範囲に間隔をおいて取付けられ、残りは取付けられていない部分がある。
【0019】
また直方体状をなす荷箱3の床面23には、その長手方向に沿って複数本のレール板24が間隔をおいて取付けられ、この上を送り板22が摺動するようになっている。また図4に示すように、床面23と左右の側壁10との間のコーナーには、ここを走行する左右のチェーン12A、12Bを覆うように傾斜したカバー25が取付けられている。また車体前方側の、左右のスプロケット11B、11Bを取付けた回転軸14も図2に示すようにカバー25で覆われている。
【0020】
上記構成のトラック1に搭載した粉粒体荷卸し装置に、例えば木材チップ27を積込む場合、チップ工場の図示しないベルトコンベアーの下にトラック1の荷箱3を位置させる。この時、図2に示すようにチェーン12A、12Bは、荷箱3の上部の投入口4に、送り板22が取付けられていない部分が来るように調整しておく。この状態でベルトコンベアーにより搬送されてきた木材チップ27が投入口4から順次投入される。この投入時には投入口4に送り板22がないので円滑に投入することができる。
【0021】
この後、木材チップ27を原料として使用する工場までトラック1で輸送し、木材チップ27のストックヤードに来たら、図5に示すように荷台2の後部のアオリ28を開いてから、開閉扉5を上げると、荷箱3の木材チップ27が排出口6からこぼれ落ちる。
【0022】
この後、スイッチを入れるとギアードモーター18が回転し、この回転力がスプロケット17B、チェーン19、スプロケット17Aに伝達され、これと同軸に取付けた左右のスプロケット11A、11Aが回転する。駆動輪となるスプロケット11A、11Aが回転すると、スプロケット11B〜11Dも回転し、左右のチェーン12A、12Bが回転移動する。チェーン12A、12Bの回転移動に伴って、これに連結した床面側の送り板22がレール板24の上を摺動して車体後方に向かって移動する。
【0023】
木材チップ27の詰まった荷箱3の床面23側を、送り板22が順次車体後方に向かって移動すると、排出口6から木材チップ27が順次排出される。またトラック1の後方に溜まった積み荷が山積み状態となったら、荷卸し状態を確認しながらトラック1を少しずつ前進させて荷卸しする。また送り板22を取付けていない部分のチェーン12A、12Bが床面23に来た時には排出されないが、暫くして再び送り板22が床面23に移動してくると排出が再開される。2トントラックの場合、チェーン12A、12Bが3〜4回転すれば全て排出することができる。
【0024】
また荷箱3の床面コーナーに配置したチェーン12A、12Bは、図4に示すようにカバー25で覆われ、積み込まれた木材チップ27の床面側を、L形の送り板22だけが移動するので、機械部分に木材チップ27が詰まることがない。また万一、チェーン12A、12Bに木材チップ27が入り込んでも、順次車体後方に向かって移動しているので自動的に排出される。このため高さが嵩張るベルトコンベアーを設置した場合に比べて、積載容積を拡大できると共に、駆動源が荷箱3の上部に取付けられているので保守点検も容易で故障が少ない。
【0025】
更にダンプトラックのように荷箱を傾斜させないので荷卸し時も車体が安定している。また油圧シリンダーがないので車体重量が軽く、同じ積載荷重で荷箱3の積載容積を拡大でき、従来の2〜3割程度増加させることができる。
【0026】
なお上記説明では運転席と荷台が一体のトラックに取付けた場合について説明したが、運転席と荷台が回動自在に連結されたトレーラ−トラックの荷台に取付けたものでも良い。
【0027】
図6は本考案の異なる他の実施の形態を示すもので、ホッパー29の下方に、上部に投入口4を開口したストックボックス30を設置したもので、その内部構造は図2と同様の構成である。また31はホッパー29の上方と、排出口6の下方に設けられたベルトコンベアーである。
【0028】
上記構造の粉粒体荷卸し装置は、生産された木材チップ27をベルトコンベアー31からホッパー29を通してストックボックス30内に貯蔵し、必要に応じて、開閉扉5を開いて排出口6からベルトコンベアー31に排出するものである。
【0029】
なお上記説明では動力源として電動のギアードモーター18を用いた場合について説明したが、油圧モーターを用いた構造でも良い。また送り板22はチェーン12A、12Bの全長に亘って等間隔に接続した構造でも良い。

(57)【要約】

【課題】簡単な構造で、荷箱を傾斜させることなく粉粒体を円滑に荷卸しすることができると共に、車体重量を軽減し、荷箱の容積を拡大した粉粒体荷卸し装置を提供する。【解決手段】直方体状のトラックの荷箱3の上部を投入口4とし、後部側に開閉扉5が取付けられた排出口6とする。さらに、長手方向に沿った両側壁の内側コーナーにそれぞれスプロケット11A〜11Dを取付けて、ここに左右のチェーン12A等を両側壁10に沿って巻回し、左右のチェーン12A等に両端が連結されて、走行方向に間隔をおいて複数個の送り板22を取付ける。また、上部コーナーに取付けた前記スプロケット11Aにギアードモーター18を接続して、スプロケット11A〜11Dを回転させ、床面側に位置する送り板22を床面23に沿って排出口側に移動させて荷箱3に投入された木材チップ27を順次排出口6から排出するようにする。


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