(54)【考案の名称】水上フロート式太陽光発電装置

(73)【実用新案権者】株式会社日本空調北陸

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は、湖水、ダム湖、プール、河川、海等の水面、特に公園の池に設置するのに適した水上フロート式太陽光発電装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
太陽光発電装置は、太陽電池パネル(太陽電池モジュール)を広げる大きな面積を必要とするだけでなく、設置に多大の費用がかかるため、設置場所等の問題から水上に浮くフロートの上に太陽電池パネルを搭載する形式の発電装置が開発されている。
【0003】
従来の水上フロート式太陽光発電装置としては、複数の樹脂発泡体を塩化ビニールの表皮シートでくるむようにして連結してなる水上フロートを構成し、樹脂発泡体の単位毎に太陽電池パネルを搭載した大面積可能なもの(特許文献1)、また、複数の浮体の上に板状の支持台を架設し、その上に太陽電池パネルを設置し、支持台の中心に安定のための錘体を垂下して設けた耐強風用のもの(特許文献2)等を挙げることができる。
【0004】

【効果】

【0009】
以上説明したように、この考案によれば、太陽電池パネルの上に落下した噴水の水により、その上の汚れが除去されるばかりか、夏期では太陽熱の蓄熱による過熱が防止され、冬季では積雪が防止されるために、発電効率の低下ないし発電不能を招く事態を水面下の水と太陽のエネルギーを利用して合理的に除去でき、また、中心に噴水が立ち上がるというモニュメント機能により、公園等の環境の美化にも適するという優れた効果がある。なお、「散水による太陽電池パネル3の発電能力の回復」については後記実施例1においてグラフ(図7)及び表1で示す通りであり、これによる効果は顕著である。また、池等が干上がったとき池底から噴水を退避できる優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この考案の水上フロート式太陽光発電装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】同水上フロート式太陽光発電装置の中心部における噴水の取り付け状態を示す平面図である。
【図3】同部の縦断面図である。
【図4】フロートテーブルとその上に太陽電池パネルを受ける架設部材の配列を示す平面図である。
【図5】フロートテーブルに太陽電池パネルを支持する構造を示す縦断面図である。
【図6】水上フロート式太陽光発電装置をシステム的に示す説明図である。
【図7】同水上フロート式太陽発電装置の使用において、「散水による太陽電池パネル3の発電能力の回復」について示すグラフ図である。
【図8】太陽電池パネルの配列の一例を示す平面図である。

【0011】
この考案において、水上フロート式太陽光発電装置Pは、フロートテーブル1に太陽電池パネル3を配設し、噴水5等を搭載したものであるが、図6に示すように、システム的に見れば、接続箱30、パワーコンデショナー32、受変電設備34、ポンプ動力制御盤36、データー収集装置40、液晶表示装置41等を備え、そのうち少なくとも受変電設備34について、あるいは同図における破線以降については、陸上の管理塔に装備する。
【0012】
噴水5は、太陽電池パネル3の汚れを落とす掃除や太陽熱の冷却の他に、融雪等の目的で設けられる。これらの効果を確保し効率を高めるために、太陽電池パネル3の上面は、噴水の水が流れやすく、中央部から周囲へやゝ低く傾斜面に構成し、水の滞留を防ぐようにしておくことが望ましい。
【0013】
フロートテーブル1の形状や構造、編成群3a(アレイ)を構成する太陽電池パネル3の配列は様々となる。なお、図1及び図7にそれぞれ異なるセル配列例を示す。また、フロートテーブル1には、図示は省略するが強風等により流されないようにアンカーが取り付けられる。
【0014】
太陽電池パネル3による発電は、噴水5の動力や周囲の照明のために用いられるが、一旦は管理塔に集められ、余剰の電力は電力会社に売却され、または蓄電される。
【0015】
図1ないし図6は、公園の池の水Wの水面に浮かべて設置する水上フロート式太陽光発電装置Pの一例を示したもので、それは四角い板状のフロートテーブル1の上に、対角線でほゞ分けられる四つの区画毎に太陽電池パネル3が配列され、また、中央には、池の水Wを利用する噴水5が装備される。
【0016】
フロートテーブル1は、発泡樹脂からなる多数のブロック2,2,・・を縦横に並べて連結したもので(図4参照)、中心に矩形の凹穴7を設けてある。相互の連結については、両端アリ形に形成された多数の連結片が使用され、ブロック2,2の側面にアリ溝を設け、側面どうしを連結片を介して接合させてある。
【0017】
太陽電池パネル3を支持する架設構造は、フロートテーブル1の両対角線に沿った平行において、チャンネル形の下部連結部材9a,9a,・・および上部連結部材9b,9b,・・を配列してなり、下部連結部材9aを植込ボルト11でブロック2に連結し、下部連結部材9aに上部連結部材9bをビス13で連結してある。これによってもフロートテーブル1が安定した組み立て状態となるので、上部連結部材9bの上に太陽電池パネル3が安定して支持される。
【0018】
太陽電池パネル3は、凹穴7を中心に、つまり噴水5を中心部にして四方へ蓮の葉の如くに配列される四箇所の太陽電池アレイとしての編成群3a,3a,3a,3aからなり、上部連結部材9bに取付部材17,17・・を縦横に配列し、それを挟んで隣接の太陽電池パネル3,3が連結される。また、取付部材17は、下部に両太陽電池パネル3,3の受部19,20が形成され、その一方の受部19をビス21で上部連結部材9bに止められる。
【0019】
噴水5は、池の水Wに浸かる吸水ポンプ23(モーターが内蔵される)上に導水管25を立設し、その上端にノズル27を取り付けたもので、これが横軸29を中心に横転し(一点,二点鎖線参照)、水位が低くなったときに横転により池底から退却するようになっている。噴水5の取り付けについては、ステンレスのチャンネル部材により支持装置が凹穴7内に構成される。なお、以上の各チャンネル部材にはステンレス部材が用いられる。
【0020】
噴水5の取り付け方は、図2、図3に示してあり、凹穴7の左右両側面に前後一対ずつ縦材31,31をビス止めし、前後一対の支持部材33,33を左右縦材31,31にビス止めし、両支持部材33,33の上に四角の取付枠35がビス止めされ、この取付枠35に前記した横軸29が架設される。そして、吸水ポンプ23と支持部材33との間には、吸水ポンプ23を連繋に保持するチェーン37が取り付けられる。
【0021】
図6は、水上フロート式太陽光発電装置Pの全体的なシステム構成を示したもので、太陽電池パネル3からの直流電流は接続箱30で一回路に集められてから、パワーコンデショナー32に送られて交流に変換され、交流の電流は受変電設備34においてポンプ動力制御盤36と電力会社側38とに分けられる。また、ポンプ動力制御盤36は、普通の噴水形態と融雪用噴水形態とに分けられ、環境変化に対応して有効に噴水5が作動するようになっている。
【0022】
上記のようにこの考案の水上フロート式太陽発電装置Pは、単なるモニュメントであるだけでなく、それを浮上させる湖水の水を利用して太陽電池パネル3を冷却することでその発電能力を維持できる能力を有するものである。この散水の効力を上記水上フロート式太陽発電装置Pについて1日の発電経過を見て実証した結果をグラフ(図7)と表(表1)として提示する。いずれも富山県射水市にある県営の公園内の池に設置して測定したものである。
【表1】[fig000003]


【0023】
(グラフについて)
図7は、2010年4月25日に上記池上に設置した水上フロート式太陽発電装置Pについて日照の強さ(kw/平方メートル)と、外気温の変化とともに時間毎に発電量(kwh)を測定したものであって、7時、9時、11時、13時、15時の2時間毎に5分間ずつ間欠的に噴水5を作動させた。なお、実線は直流の値を、破線は交流に変換した値をそれぞれ示す。
【0024】
これで見ると、日照の強い昼前後の時間帯において噴水5との関係が顕著に現れている。すなわち、11時に噴水5を作動させると、発電量がV字形に急上昇し、噴水5を停止するとピークから次第に低下し、13時の噴水の時には再びピークに達し、この時は日照量が急激に減少に向かっている最中であるので、噴水の停止によりピーク時から急激に発電量も低下している。
【0025】
なお、午前中の始めと午後の後半になると、日照量が少ない関係から、太陽電池パネル3の蓄熱が少ないため、散水の効果は余り見られない。
【0026】
(噴水作動による発電効果表について)
表1は、上記グラフの場合と同じ池において日を置いて実験し、2010年4月28日において9時から17時の間に上記と同じように実測したものである。つまり、9時、11時、13時、15時の2時間毎に5分間ずつ間欠的に噴水5を作動させた。そして、1時間毎の発電量を記録したものであるが、9時、10時、11時、12時、13時、14時、15時、16時の一時間毎に噴水を作動させたときの推測値と、噴水作動無しの推測値を同時に併記した。推測値とした理由は、同一の水上フロート式太陽発電装置Pにおいて、噴水時間が異なる条件による各同時実測は不可能であるから推定によることとした。これには2時間毎の実測等からコンピュータの演算により値を出した。
【0027】
表1から見て1時間毎であると、それだけ吸水ポンプ23の運転回数が(4回から7回に)多くなりそのための消費電力量が(1.833kwhから3.208kwhに)多くなるが、これを差し引いた実質発電量が91.644kwhから95.291kwhへと、噴水無しとの比較において約15%アップから、20%アップへと、2時間毎よりも1時間毎であると発電効率が良いことがわかった。したがって、発電効率を犠牲にすることなくモニュメント機能を維持できる。つまり、発電と同時に環境美化にも貢献し得ることをこの表が示している。
【0028】
図8は、フロートテーブル1のブロック2,2・・の配列、および太陽電池パネル3の編成群3aの配列について異なる例を示したが、その他については、上記した通りである。
【0029】
P 水上フロート式太陽光発電装置
1 フロートテーブル
3 太陽電池パネル
3a 編成群
5 噴水
7 凹穴
23 吸水ポンプ
25 導水管
27 ノズル
29 横軸
W 水

(57)【要約】

【課題】発電効率の低下ないし発電不能を招く汚れや蓄熱ないし降雪を合理的に除去でき、また、環境の美化にも適する水上フロート式太陽光発電装置を提供する。【解決手段】水面に浮かべるフロートテーブル1の中央部に水面下に抜ける凹穴7を設け、そのフロートテーブル1の上には、全体的に若しくは大半において太陽電池パネル3を張って搭載し、凹穴7に噴水が水面下の水を吸引して噴出させ太陽電池パネル3の上に流下させるように設けてあり、噴水は、水面下の水を吸引するよう水に常時浸かる給水ポンプと、それに立設される導水管と、導水管の上端に取り付けられるノズルとからなり、フロートテーブル1の凹穴7に噴水を転倒可能に支持する横軸を設け、横軸を中心とする倒伏により噴水が凹穴7の中若しくは上部に持ち上がるように、噴水を軸支する該横軸を凹穴7の上部に取り付けてある。


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