(54)【考案の名称】半固体状食材の成形器

(73)【実用新案権者】株式会社曙産業

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、一般家庭において、ゼリー等の半固体状食材を成形するための調理器具に関するものである。詳しくは、液体状原料を本体容器内で半固体状に固化し、付属の押出部材で固化物を手軽に本体容器外に押し出すことが可能な調理器具に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
一般家庭において、ゼリー、寒天、プリン、杏仁豆腐などの食品を作るには、液体状の食材を所定形状の成形容器に入れて半固体状(ゲル状)に固め、固化物を取り出す作業が必要である。
【0003】
従来の調理器具として上面が開口し、底面と底面を取り囲む四方の側壁とからなるバット類が市販され、このバット類を上記成形容器として使用することが考えられる。しかしながら、従来のバット類を使用して液体原料を固めた後は、固化物を包丁などで所望の形状に切り分けることが通常であるが、複雑な形状に切り出すことは容易なことではない。
【0004】
また、特許文献1,2には、固化物の取り出しを円滑に行うことを目的として、容器体の周囲壁に案内溝を設けるとともにこの容器体の内壁面に接して移動するカッター体を設けた成形器が開示されている。しかしながら、特許文献1,2により固化物が円滑に取り出すことができたとしても、これを更に小分けに切り分ける際には上記バット類を使用した場合と同様の問題が発生してしまう。つまり、特許文献1,2は上記課題を解決するものではない。
【0005】
また、従来の成形方法には、当初より、液体状原料を、独特の形を成す小分け用容器に注ぎ入れて固化させ、固化された形状のまま食べる場合もある。この場合、容器の形状通りに半固体状食材を成形する事が出来るが、容器固有の形状に応じた形状を食材に付与できるのみで、通常、固化後に形を変更することは出来ない。言い換えれば、種々の形状の半固体状食材を同時に成形するには、その形状に対応した数の小分け容器を用意しなければならない。
【0006】

【効果】

【0010】
本考案の半固体状食材の成形器によれば、両端に開口部(例えば、第2開口部)から本体へ液体状原料を注入した後、蓋体(例えば、第1蓋体)でこれを漏らさないようにして半固体状に固化させることができ、押し出し部材によって固化物を容易に押し出すことができる。さらに、本体の端部に着脱自在な刃部アタッチメントを有するために、固化物を押し出す際に固化物を所望の断面形状を付与しながら切り分けることできる。
【0011】
なお、刃部アタッチメントを本体からはずして固化物を押し出すこともでき、この場合、本体の中空断面に対応した断面形状を有した固化物が得られる。一方、刃部アタッチメントを本体に取り付けた状態で固化物を押し出せば、所望の形状を付与しながら固化物を切り分けることができる。従って、一つの刃部アタッチメントが設けられた本考案の成形器だけでも、複数の異なる断面形状を有した半固体状食材を作り出すことができる。
【0012】
さらに、複数の刃部アタッチメントを用意すれば、半固体状食材を作る際(例えば、ゼリー作りの際)に、種々の断面形状を有した半固体状食材を作り出すことができる。
【0013】
本考案の成形器の一態様によれば、第1蓋体、第2蓋体、及びこれらが取り付けられる本体の少なくとも一つには、漏洩防止構造が設けられるために、液体原料を本体内へ注入・固化する際に液体原料が本体から漏れだすことを防ぐことができる。
【0014】
また、本考案の成形器の一態様によれば、第1蓋体又は第2蓋体は本体を立設可能であるため、液体原料を本体へ注ぎ込む際に注ぎ易くなり、液体原料を冷蔵庫等で固化する際に冷蔵庫内の収容スペースを減らし、さらに、本成形器を使用後に保管する際も保管場所の保管スペースを減らすことが可能となる。
【0015】
また、本考案の成形器の一態様によれば、ガイド溝を有した食材長さ調節器具を備えているため、押し出し部材と刃部アタッチメントとによって切り分けられた食材を、長手方向に包丁等でさらに切断することができ、食材の長さをさらに調節することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例の成形器を示した分解斜視図である。
【図2】実施例の成形器(組み付け後)を示した斜視図である。
【図3】実施例の成形器の使用方法を説明した図である。
【図4】刃部アタッチメントの変形例を示した図である。
【図5】仕切り部材を追加した本体を示した図である。
【図6】実施例の食材長さ調節器具を示した斜視図及び平面図である。

【0017】
以下、本考案を図面に示す実施例に基づき説明するが、本考案は、下記の具体的な実施例に何等限定されるものではない。なお、各図において同一又は対応する要素には同一符号を用いる。
【0018】
(成形器の全体構造)
本考案の半固体状食材の成形器1は、図1及び図2に示すように、主として、容器体10と、押し出し部材20と、を備える。ここで、容器体10には、中空筒状の本体11と、第1蓋体12、及び少なくとも1つの刃部アタッチメント13(13,13)が設けられる。これらの各構成要素11,12,13について詳しく説明する。
【0019】
(容器体の構造)
本体11は、その両端E,Eに第1・第2開口部O,Oが設けられ、かつ、押し出し部材20を挿通可能である。第1蓋体12は、本体11の一端Eに着脱自在に設けられかつ第1開口部Oを開閉可能である。加えて、刃部アタッチメント13(13,13)は他端Eに着脱自在に設けられており、第2開口部Oの断面空間を分割する刃部14(14,14)を備えている。
【0020】
(押し出し部材の構造)
押し出し部材20には、本体11(中空空間)長手方向の断面形状に対応した押し出し面23が設けられた押し出し部21と、掴み部22と、が設けられることが好ましい。これにより、図3に示すように、第1開口部Oから本体11の内部へ押し出し部21を挿入し、本体11の内部で成形・凝固された食材(図示せず)を刃部アタッチメント13の付いた第2開口部Oから本体11の外側へ適切に押し出すことが可能となる。さらに、掴み部22は押し出し部21の断面積よりも小さな断面積を有した棒状体であることが好ましい。これにより、押し出し部材20を軽量化し、原料コストを抑えることも可能となる。
【0021】
(成形器の各構成部材の原料)
なお、本体11、第1蓋体12(及び後述の第2蓋体15)、又は、押し出し部材20は、樹脂、金属、木材、ガラス等から作ることができ、その原料は上記例示に限定されないが、射出成形等を利用した生産性、生産コスト、成形器の軽量化の観点から、樹脂を原料に使用することが好ましい。なお、刃部14については、固化物を切り分ける切断能力が十分に担保されていれば、金属製ワイヤーや金属製刃、樹脂、木材を使用することが考えられるが、安価に大量生産が可能になるとの理由からやはり樹脂が好ましい。
【0022】
(第2蓋体)
また、容器体10には、第2開口部Oを開閉可能な第2蓋体15がさらに設けられていることが好ましい。これにより、後述するように、液体原料(図示せず)を本体11内で凝固させる間に、埃や塵が本体11内の液体原料に落下することを防止できるとともに、万が一、容器体10が倒れても液体原料がこぼれ出ることを極力抑えることができる。なお、図1〜図3に示す例では、第2蓋体15は刃部アタッチメント13(13,13)に着脱可能に取り付けられるが、必ずしもこの構成に限定されない。
【0023】
(漏洩防止構造)
なお、第1蓋体12、第2蓋体15、本体11の少なくとも一つの部材には、第1開口部O又は第2開口部Oを閉じるときに液体原料を漏らさない漏洩防止構造16が設けられていることが好ましい。例えば、本体11は中空円筒状を成し、かつ、第1蓋体12は本体11の一端Eを収容する収容部17を備えており、漏洩防止構造16として、一端Eの外周面と収容部17の内周面には、本体11と第1蓋体12とを螺合可能にする螺合構造16(16,16)が設けられていてもよい。このようにすれば、簡素な構成で本体11内での液体原料の密封性(シール性)を実現することができる。また、図示しないが、同様の螺合構造を第2蓋体15と他端Eの外周面にも設置してもよい。
【0024】
また、第1蓋体12又は第2蓋体15(図1及び図2の例では、第1蓋体12)は、本体11を垂直に立設可能な台座部18を備えることが好ましい。この台座部18は裾広がりの形状を成すことがさらに好ましい。これにより、容器体10をより安定させた状態で液体原料を本体11内へ注ぎ入れることもできる。また、保管の際も容器体10を立たせて保管することができるため、様々な保管スペースの状況に対応させることができる。
【0025】
さらに、本体11の端部E,Eの双方の側にも漏洩防止構造16が設けられていれば、液体原料を凝固させる際に、容器体10を立たせた状態でも寝かせた状態でも保管でき、液体原料がこぼれ出る等の心配を完全に排除することができる。但し、温かい内容物(液体原料)が冷え固まる場合、第1・第2蓋体12,15によって完全に閉じた空間には減圧等の圧力変化が発生する恐れがあるので、併せて、調圧弁等の調圧機構(図示せず)を設けるなどの対策を取ることが好ましい。
【0026】
(本体の筒状形状の変形例)
また、本体11内での液体原料の密封性(水密性)を高めるために、ゴム製パッキン等の別部材(図示せず)を第1・第2蓋体12,15と本体11との間に追加してもよい。また、液体原料の密封性を発揮できる構造が設けられていれば、本体11の中空筒状体の断面形状として、図示の円筒に限定されず、図示しない矩形、多角形、又はハート形などの種々の形状を採用可能である。
【0027】
(成形器の使用方法)
本考案の成形器1の使用方法を次に説明する。先ず、本体11の一端Eに第1蓋体12を取り付け、第1開口部Oを密閉する。そして、第2開口部Oを通して調理目的の図示しない液体原料を本体11内へ注ぎ入れる。本体11の中空空間の全部又は一部を液体原料で充填したら、これらを冷蔵庫等の保管場所に保管して、液体原料を半固体状に凝固させる。なお、第1蓋体12のみが本体11に組み付いた状態で保管してもよいし、さらに本体11に刃部アタッチメント13や第2蓋体15を本体11に組み付けた状態で保管してもよい。後者の場合、第2蓋体15の装着によって凝固中の液体原料に塵や埃が混じることを防止できる。
【0028】
図示しない固化物が出来たら保管場所から取り出し、図3に示すように、第1蓋体12を本体11から取り外して第1開口部Oを露出させる。この第1開口部Oを通して、押し出し部材20の押し出し部21を本体11内へ挿入していき、押し出し部21の押し出し面23にて固化物を刃部アタッチメント13(13)が取り付けられた第2開口部Oへ押しやる。そうすると、固化物は刃部14(14)にて所望の形状に切り分けられながら、本体11の外部へと押し出される。刃部14(14)を通過して切断された個々の食材は、所望の形状(例えば、きしめん形状)に形成される。
【0029】
以上のように、本考案の成形器1によれば、本体11へ液体状原料を注入し、半固体状に固化した後、押し出し部材20によって固化物を容易に押し出すことができる。さらに、本体11の端部Eに着脱自在な刃部アタッチメント13を有するために、固化物を押し出す際に固化物を所望の断面形状(きしめん状)を付与しながら切り分けることできる。なお、図示しないが、刃部アタッチメント13を本体11からはずして固化物を押し出すこともでき、この場合、本体11の中空断面に対応した断面形状(中実円筒状)を有した食材が得られる。従って、刃部アタッチメント13が少なくとも一つあれば、これを取り付け、又は、取り外して固化物を押し出すことで、複数の断面形状を有した食材を作りだすことができる。
【0030】
(刃部アタッチメントの変形例)
もちろん、図4(a)〜図4(e)に示すように、刃部14(14〜14)の断面構造が異なる刃部アタッチメント13(13〜13)を複数用意してもよい。刃部14の断面構造は、網目状、升目状、幾何学的形状、及びキャラクター形状の少なくとも一つを含んだ断面構造を有するようにしてもよい。これらを交換することで、例えば、きしめん状、そうめん状、及びその他特有の断面をもつ長尺状に固化物を切り出すことができる。
【0031】
特に、図4(d)及び図4(e)に示すように、刃部14,14の断面構造が一様ではなく、複数又は多種多様な幾何学的形状(14d1,14d2,14e1,14e2,14e3,14e4,14e5)を含んでいる刃部14,14eを設けた場合には、これに対応した断面を有した食材が一度の押し出し操作で得られることとなり、驚きとともに調理の楽しさをユーザーに与えてくれるものと予想される。例えば、様々な多角形断面を有したゼリー、ハート形断面を有したゼリー、及び、キャラクター形断面を有したゼリーを一回の操作で作り出すことができる。
【0032】
(本体に仕切り部材を設置した変形例)
また、図5に示すように、本体11には、本体11の中空断面を分割しかつ本体11の長手方向に延びた仕切り部材19が形成されていてもよい。このように構成した本体11の各分割空間S,Sに別々の図示しない複数の液体原料(例えば、着色の異なるゼリー原料、又は異なる食材材料(ゼリー原料と杏仁豆腐の原料))を注ぎ入れ、これらを固化させることができる。この分割された個々の分割空間S,Sの断面に対応した押し出し面23S1,23S2を有した押し出し部21S1,21S2を備えた押し出し部材20S1,20S2を用意すれば、分割空間S,S内の固化物を、刃部アタッチメント13を通して本体11外部へ押し出すことができる。
【0033】
また、仕切り部材19が本体11から着脱自在に構成されていれば、押し出し部21は図5に示すような構成21S1,21S2に限定されず、例えば、図1〜図3に示す押し出し部21を備えた押し出し部材20を使用してもよい。但し、着脱式の仕切り部材19を用いる場合には、仕切り部材19を本体11内に取り付けた際に仕切り部材19を通して一方の分割空間Sから他方の分割空間Sへ一方の液体原料が漏れ出さないよう、仕切り部材19及び本体11の少なくとも一方に漏洩防止構造(図示せず)が設けられていることが好ましい。
【0034】
(食材長さ調節器具)
さらに、本考案の成形器1は、食材長さ調節器具30をさらに備えることが好ましい。食材長さ調節器具30には、例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、押し出し部材20によって本体11から押し出された半固体状食材(図示せず)を載置可能な凹溝31と、凹溝31の一部に設けられかつ包丁40又はナイフ(図示せず)を挿入可能なガイド溝32と、が形成される。食材長さ調節器具30には、本体11の端部Eを収容する収容溝33がさらに設けられていてもよい。
【0035】
このような食材長さ調節器具30があれば、刃部アタッチメント13によって切り出される長尺状(例えば、きしめん状)の食材を押し出し部材20で任意の長さに押し出し、凹溝31内でこれらの食材をまとめた状態で、かつ、各食材が均一の長さになるよう包丁等で押出方向に対して垂直にガイド溝32にて切断することができる。従って、これにより、切り出される食材形状のバラエティーがさらに富むものと予想される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本考案の成形器によれば、固化物を押し出す際に、固化物を所望の断面形状を付与しながら切り分けることができる。つまり、一般家庭において、一つの成形器だけで、種々のバラエティーに富んだ形状を有したゼリー等の食材を作りだすことができる。
【0037】
このように、本考案の成形器は、産業上の利用価値及び産業上の利用可能性が非常高い。
【0038】
1 成形器
10 容器体
11 本体
12 第1蓋体
13(13,13,13,13,13) 刃部アタッチメント
14(14,14,14,14,14) 刃部
15 第2蓋体
16(16,16) 漏洩防止構造
17 第1蓋体の収容部
18 台座部
19 仕切り部材
20 押し出し部材
,E 本体の端部(一端、他端)
,O 本体の第1・第2開口部

(57)【要約】

【課題】液体状原料を半固体状に固化し、固化物を押し出す際に固化物を所望の断面形状を付与しながら小分けにすることのできる調理器具を提供する。【解決手段】本考案の成形器1は、容器体10と、押し出し部材20と、を備える。容器体10には、少なくとも、本体11と、第1蓋体12と、少なくとも一つの刃部アタッチメント13が設けられる。本体11は、両端E,Eに第1・第2開口部O,Oが設けられ、かつ、押し出し部材20を挿通可能な中空筒状である。第1蓋体12は、本体11の一端Eに着脱自在に設けられ、かつ、第1開口部Oを開閉可能である。刃部アタッチメント13は、本体11の他端Eに着脱自在に設けられ、かつ、第2開口部Oの断面空間を分割する刃部14を備えている。容器体10には、第2開口部Oを開閉可能な第2蓋体15がさらに設けられていることが好ましい。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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