(54)【考案の名称】流体流出装置

(51)【国際特許分類】

H01L 31/042

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図8

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、太陽電池アレイに流体を流す流体流出装置に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
太陽電池アレイを用いた太陽光発電システムでは、太陽光のエネルギーのすべてが電気エネルギーに変換されるわけではなく、その多くが熱となり太陽電池アレイ自体の温度を上昇させてしまう。更に、夏季では直射日光によって太陽電池アレイの表面温度がかなりの高温(例えば70℃から80℃)まで上昇してしまうことが多い。そのため、太陽電池アレイを構成する太陽電池の温度が上昇し、光―電気変換効率が低下することになる。
【0003】
また、潮風による塩の結晶、鳥の糞、冬場の凍結および積雪、黄砂、埃等の異物が太陽電池アレイの受光面に付着した場合には、部分陰となり発電効率が低下する。
【0004】
そこで、太陽電池アレイの表面温度が上昇したときや積雪のとき、水などの流体を太陽電池アレイに流して太陽電池アレイを冷却させたり融雪させたり、太陽電池アレイの受光面に付着した異物を除去したりすることが考えられた。
【0005】
その先行技術として、例えば、特許文献1(特開平8−195503号公報)の図1や特許文献2(特開2000−261021号公報)の図3に記載されている冷却装置には、傾斜した太陽電池アレイの上端から太陽電池アレイの受光面に散水して、水の気化熱により冷却を行うことが記載されている。ところが、特許文献1や特許文献2に記載されている先行技術では、太陽電池アレイの上側から流出された水のみで太陽電池アレイの下側が冷却される構成となっているために、太陽電池アレイの上側と下側とで温度差が生じるという問題があった。なお、特許文献3の図1や図26には散水口が水平方向に移動されることが記載されているが、これも太陽電池アレイの上側で温められた水のみで太陽電池アレイの下側が冷却される構成となっている。また、特許文献3の図18には複数の散水口が直線に配設された散水部が一端を軸に回動されることが記載されているが、この冷却方法は円弧領域への水の滴下によって角形領域の冷却を行う方法であるので、角形領域の散水量が不均一となり、特に図18の角形領域の水平方向の端部と中央部で大きな温度差が生じることとなる。
【0006】
そこで、特許文献4(特開2004−259797号公報)の図4に記載されている冷却装置では、行列に整列し列方向に傾斜して配設された複数の発電パネルからなる太陽電池アレイの各行の発電パネル毎に散水管を設けることが記載されている。この散水管は、ポリエチレン廃材をリサイクル処理したリサイクルポリエチレン製で外形が40mm、肉厚が3mmの角形をなし、管の全周にわたって0.01mmφの孔が管の表面に複数個開けられている。このように傾斜方向に発電パネルの行単位で複数の散水管が設けられるので、下方の発電パネルが上方の発電パネルよりも高温になることを防止することができる。
【0007】

【効果】

【0016】
本考案の請求項1による構成では、傾斜の上下の発電パネル間に隙間を設けて追加される管の配設領域を拡張し、発電素子の発電が可能な程太陽の仰角が大きいときに管の太陽の陰が発電素子に生じないように拡張された配設領域に管の少なくとも一部が配設されるので、追加された管が太陽の陰によって発電素子の発電が低下しないこととなる。したがって、追加された管が太陽電池アレイの受光面への入光を遮って部分陰になるという問題を回避することができる。なお、照度が弱いときは発電できないので、例えば、太陽の仰角が非常に小さいときは管の影によって発電素子の発電が低下することはない。
【0017】
また、本考案の請求項2による構成では、前記発電パネル間の管が前記発電パネルの上面の傾斜面から飛び出ることなく配管されるので、太陽の仰角がいくら小さくても管が太陽電池アレイの受光面への入光を遮ることはない。
【0018】
また、本考案の請求項3による構成では、管が発電パネルの上面の傾斜面から飛び出ることなく真っ直ぐ配管されることを阻む凸部が太陽電池アレイの支台にあるとき、管は凸部の下方に迂回して配管される。このように、上下の発電パネル間に邪魔なねじなどの凸部があっても、管は太陽電池アレイの受光面への入光を遮ることはない。
【0019】
また、本考案の請求項4による構成では、上下の発電パネル間にスペーサを設け、流体がスペーサを経由して上の発電パネルから下の発電パネルへ流れるので、流体が上下の発電パネルの隙間に入り込みにくくなる。
【0020】
また、本考案の請求項5による構成では、上下の発電パネルの温度が同一あるいは温度差が小さくなるように流出口の流量を制御する制御部を設けたので、効率の良い冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】屋根の太陽電池アレイに取り付けられた本考案の第1実施形態の要部の構成を示す斜視図である。
【図2】屋根の太陽電池アレイに取り付けられた第1実施形態の要部の構成を示す側面図である。
【図3】第1実施形態の流体流出装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図4】屋根の太陽電池アレイに取り付けられた第1実施形態の変形例を示す側面図である。
【図5】第1実施形態の制御部の主要な動作を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態の要部の構成を示す側面の断面図である。
【図7】図6のVII−VII線の断面図である。
【図8】第3実施形態の要部の構成を示す側面の断面図である。

【0022】
以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。但し、以下に示す実施例は、本考案の技術的思想を具体化するための流体流出装置を例示するものであって本考案の技術的範囲を特定するものでない。本考案の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって定められるものである。
[第1実施形態]
本考案の第1実施形態の流体流出装置は太陽電池アレイへ水を流す装置である。図1〜図3を用いて太陽電池アレイ10の概要と第1実施形態の流体流出装置1の要部を説明する。
【0023】
図1に示すように、第1実施形態の流体流出装置1が取り付けられる太陽電池アレイ10は屋根に設置され、光エネルギーを電気エネルギーに変換する発電素子(図示せず)を備えた太陽電池セル(図示せず)をマトリクス状に複数収納し3行×9列に整列した27個の発電パネル(太陽電池モジュール)11(i,j)(ここで、iは行番号の1〜3であり、jは列番号の1〜9である。)から構成されている。列方向は棟側から下部の庇側に向かって傾斜している。傾斜の最上段となる第1行目の発電パネル群10aは9個の発電パネル11(1,1〜9)からなり、中段となる第2行目の発電パネル10b群は9個の発電パネル11(2,1〜9)からなり、最下段となる第3行目の発電パネル群10cは9個の発電パネル11(3,1〜9)からなる。第1行目の発電パネル群10aと第2行目の発電パネル10b群の間には後述の第2流水管2cが入る間隙が設けられており、第2行目の発電パネル群10bと第3行目の発電パネル10c群の間には後述の第3流水管2dが入る間隙が設けられている。第1行目の発電パネル群10a〜第3行目の発電パネル群10cの受光面側の傾斜面は全て同一面となっている。
【0024】
各発電パネル11(i,j)の受光面は透明な耐熱ガラスにより覆われている。発電パネルのそれぞれは定められた仕様に基づいて所定数を直列接続、あるいは並列接続し定格電圧、定格電流を得るようにしている。一般的に、太陽電池アレイ10は家屋の屋根やビル等の屋上、あるいは地上等に設置され、太陽光を最も受光しやすい角度になるよう傾斜して設置されている。
【0025】
図3に示すように、流体流出装置1は流出部2、制御部3、照度検出部4、積雪検知部5と温度検出部6からなる。
【0026】
流出部2は複数のノズル2aと、複数のノズル2aが直列に装着される3本の第1〜第3流水管2b、2c、2dと、水道水をそれぞれの流水管2b、2c、2dへ通水する配水管2eと、それぞれの流水管2b、2c、2dの流水の開放、遮断を行う3つの電磁式の第1〜第3バルブ2f、2g、2hと、2つのスペーサ2iからなる。
【0027】
ノズル2aは円形の流通孔を有し、流出の先端は行方向が広く開口している。これにより、列方向に狭く、行方向に広く散水される。第1流水管2bは第1発電パネル群10aの上方に配設され、第2流水管2cは第1行目の発電パネル群10aと第2行目の発電パネル10b群の間に配設され、第3流水管2dは第2行目の発電パネル群10bと第3行目の発電パネル10c群の間に配設される。第1〜第3流水管2b、2c、2dとそれぞれのノズル2aは発電パネル11(i,j)の受光面側の表面の傾斜面よりも低く配設されている。このために、第1〜第3流水管2b、2c、2dとノズル2aは太陽電池アレイ10の受光面への入光を遮ることがない。
【0028】
第1〜第3バルブ2f、2g、2hは第1〜第3流水管2b、2c、2dに配設され、制御部3の制御によりノズル2aへの流水の開放、遮断を行う。この開放、遮断の制御によって、それぞれの流水管2b、2c、2dからの散水量が調整される。シリコンゴムなどの弾性材からなるスペーサ2iが第1行目の発電パネル群10aと第2行目の発電パネル10b群の隙間10dおよび第2行目の発電パネル群10bと第3行目の発電パネル10c群の隙間10dに圧入される。スペーサ2iの露出面2jは第1行目の発電パネル群10a〜第3行目の発電パネル10c群の受光面側の表面の傾斜面と同一面になっている。このために、第1行目の発電パネル群10aから第2行目の発電パネル10b群へ、また、第2行目の発電パネル群10bから第3行目の発電パネル10c群へ水が流れるときに隙間10dに水が入りにくくなる。なお、スペーサ2iにはノズル2aから太陽電池アレイ10への散水を妨げないように孔が設けられている。
【0029】
なお、図4の変形例に示すように、ノズル2aが第1行目の発電パネル群10a〜第3行目の発電パネル10c群の受光面側の表面の傾斜面から突出してもノズル2aは発電パネル群10a、10b、10cから離間しているので、また、ノズル2aは小さいので受光面への入光を妨げることはほとんど無い。したがって、構造や散水の状況によってはノズル2aが第1行目の発電パネル群10a〜第3行目の発電パネル10c群の受光面側の表面の傾斜面から突出してもよい。
【0030】
制御部3は記憶部3aを備え、記憶部3aに記憶されているプログラムによって流出部2の第1〜第3バルブ2f、2g、2hを制御する。記憶部3aは制御部3が演算を行うための一時的な記憶を行い、また、制御部3が制御を行うために必要なデータが記憶部3aに記憶されている。この必要なデータとして、たとえば第1〜第3流水管の標準流水量や、太陽電池アレイ10への照度の閾値(照度の閾値は太陽電池アレイの仕様により異なる。)や、太陽電池アレイ10の第一の閾値温度(例:40度)と第二の閾値温度(例:30度)などがある。
【0031】
照度検出部4は太陽電池アレイ10への照度がどの程度のものかを検出して制御部3に出力する。この照度検出部4は、太陽電池アレイ10の一部の領域を構成している最上部から最下部まで直線的に配置した複数個の発電パネルのうちの一つの発電パネル、あるいは全ての発電パネルに取り付けた照度センサー(後述)から構成しており、検出照度を電気的レベル変化として出力する。この出力信号は太陽電池アレイ10が発電可能となる照度に達しているか否かを判定するための入力信号となる。なお、図示しないが、照度検出部5への受光が雪で妨げられないような対策が照度検出部4に施されている。たとえば、流水や温風やヒータなどで雪を除去できるようになっている。
【0032】
積雪検知部5は太陽電池アレイ10の近傍に配設され、赤外線の反射により、降雪や白くなっているかまたはどこまで積もっているかの積雪を検知する。ここでは、積雪検知部5は太陽電池アレイ10の積雪が10cmに達したか否かを検知して制御部3に出力し、また、太陽電池アレイ10に積雪があるか否かを検知して制御部3に出力する。
【0033】
温度検出部6は第1行目の発電パネル群10aの背面の空部に配設されている第1温度センサー6aと、第2行目の発電パネル群10bの背面の空部に配設される第2温度センサー6bと、第3行目の発電パネル群10cの背面の空部に配設される第3温度センサー6cからなる。これらの温度センサー6a、6b、6cは発電パネル群10a、10b、10cの背面に配設されるので、温度センサー6a、6b、6cやその配線が受光面への入光を遮ることはない。これらの温度センサー6a、6b、6cはそれぞれの発電パネルの検出温度を電気的レベルの変化として制御部3に出力する。この出力信号は太陽電池アレイ10の温度が十分な能力を発揮できる範囲か否かを判定するための入力信号となる。また、それぞれの発電パネル群10a、10b、10c間の温度差を減少させるための入力信号となる。
【0034】
次に図5のフローチャートを用いて制御部3の主要な動作を説明する。制御部3はあらかじめ変数Wを記憶部3aに記憶させる。変数W=0は制御部3が流出部2の全バルブ2f、2g、2hを閉鎖させて止水することを示し、変数W=1は制御部3が全バルブ2f、2g、2hを開放させて出水することを示す。制御部3は変数Wの初期値を0にする(ステップS1)。
【0035】
制御部3は積雪検知部5からの出力により積雪が10cm以上であるか否かを判定し(ステップS2)、積雪が10cm以上であれば(ステップS2のYes)ステップS13に処理をジャンプして全バルブ2f、2g、2hを出水させ、変数Wを1にし、ステップS2に戻る。ステップS13または後述のステップS5によって初期に出水されるときの水量はあらかじめ記憶部2aに記憶されたデータによって、第1温度センサーが検出した温度に対応するそれぞれのバルブ2f、2g、2hの標準水量が設定されている。この標準水量は後述のステップS7〜ステップS12の処理で補正される。制御部3は積雪が10cm以上でなければ(ステップS2のNo)、照度検出部4からの信号により照度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。照度が所定の閾値以上であれば(ステップS3のYes)、制御部3は第1温度センサー6aからの信号により第1行目の発電モジュール群10aの温度が40℃―10℃×変数W以上か否かを判定する(ステップS4)。ステップS3で照度が所定の閾値以上でなければ(ステップS3のNo)、制御部3はステップS14に処理をジャンプして全バルブ2f、2g、2hを止水させ、変数Wを0にして、ステップS2に戻る。
【0036】
ステップS4において、「40℃―10℃×変数W以上」は止水状態であれば変数W=0であるから温度が40℃以上となり、出水状態であれば変数W=1であるから温度が30℃以上となる。第1行目の発電モジュール群10aの温度が40℃―10℃×変数W以上であれば(ステップS4のYes)、制御部3は全バルブ2f、2g、2hを出水させて変数Wを1にする(ステップS5)。太陽電池アレイ10の温度が40℃―10℃×変数W以上でなければ(ステップS4のNo)、制御部3は積雪検知部5の出力から太陽電池アレイ10に積雪しているか否かを判定する(ステップS6)。太陽電池アレイ10に積雪していれば(ステップS6のYes)、制御部3はステップS13に進んで全バルブ2f、2g、2hを出水させ、変数Wを1にして、ステップS2に戻る。太陽電池アレイ10に積雪していなければ(ステップS6のNo)、制御部3はステップS14に進んで全バルブ2f、2g、2hを止水させ、変数Wを0にして、ステップS2に戻る。
【0037】
ステップS5の処理が終わると、制御部3は第2行目の発電パネル群10bの温度が第1行目の発電パネル群10aの温度より高いか否かを第2温度センサー6bと第1温度センサー6aの温度検出により判定する(ステップS7)。第2行目の発電パネル群10bの温度が第1行目の発電パネル群10aの温度より高いと(ステップS7のYes)、制御部3は第2バルブ2gの流量を増量させて第2行目の発電パネル群10bの温度を下げさせ(ステップS8)、ステップS10に進む。第2行目の発電パネル群10bの温度が第1行目の発電パネル群10aの温度以下であると(ステップS7のNo)、制御部3は第2バルブ2gの流量を減量させて第2行目の発電パネル群10bの温度を上げさせ(ステップS9)、ステップS10に進む。
【0038】
ステップS10において、制御部3は第3行目の発電パネル群10cの温度が第1行目の発電パネル群10aの温度より高いか否かを第3温度センサー6cと第1温度センサー6aの温度検出により判定する。第3行目の発電パネル群10cの温度が第1行目の発電パネル群10aの温度より高いと(ステップS10のYes)、制御部3は第3バルブ2hの流量を増量させて第3行目の発電パネル群10cの温度を下げさせ(ステップS11)、ステップS13に進む。第3行目の発電パネル群10cの温度が第1行目の発電パネル群10aの温度以下であると(ステップS10のNo)、制御部3は第3バルブ2hの流量を減量させて第3行目の発電パネル群10bの温度を上げさせ(ステップS12)、ステップS13に進む。ステップS13では前述のとおり全バルブ2f、2g、2hを出水させ、変数Wを1にして、ステップS2に戻る。
【0039】
制御部3は上述のように制御を行うので、積雪が無く、照度が閾値以上あり、且つ、予測の流水費が予測の発電の増加額以下のときは、太陽電池アレイ10が40℃と超えると出水を開始し、出水により太陽電池アレイ10が30℃まで下がると止水する。そして、止水により再び太陽電池アレイ10が40℃と超えると出水を開始する、というように出水と止水を繰り返す。しかしながら、照度が閾値未満になれば止水し、雪が積もれば出水して融雪する。
【0040】
ステップS7〜S12に示すように、本考案は、上下の発電パネル群10a、10b、10cの温度を検出する温度検出部6を設け、制御部3は上下の発電パネル群10a、10b、10cの温度が同一あるいは温度差小さくなるように第2バルブ2gや第3バルブ2hを開閉制御して第2流水管2cや第3流水管2dのノズル2aからの流量を制御する。これによって効率の良い冷却を行うことができる。なお、上述の実施形態の流出口はノズル2aの流出口であったが、ノズル2aを使用せずに、流水管に直接孔を明けて、この孔を流出口にしてもよい。
[第2実施形態]
図6、図7は第2実施形態の流体流出装置1Bを示す。第2実施形態の流体流出装置1Bは上下の発電パネル群10a、10b、10c間に凸部があるために第2流水管2cと第3流水管2dを発電パネル11(i,j)の受光面側の表面の傾斜面よりも低くなるように真っ直ぐ配管することができない点が第1実施形態の流体流出装置1と異なる。第2実施形態の流体流出装置1Bにおいて、第1実施形態の流体流出装置1と構成が同様の部分については同一の参照符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図6、図7を用いて第2実施形態の流体流出装置1Bの要部の構成を説明する。第2実施形態の太陽光発電パネル10は支台20によって屋根に装着されている。支台20は複数の傾斜フレーム21、複数の平行フレーム22、複数の押え金具23、複数のボルト24、複数のナット25からなる。傾斜フレーム21は断面がZ形に似た形状のアルミニウム押し出し材であり、屋根の傾斜方向に延在して屋根に装着されている。図6に示すように、平行フレーム22はハットの断面に似た形状のアルミニウム押し出し材であり、屋根の平行方向に延在して傾斜フレーム21にボルト23とナット24で装着されている。図6に示すように、発電パネル群10a、10b、10cの各発電パネル11(i,j)の両側壁の裏面側にはL字形のフック10eが設けられている。断面形状が逆U字形の押え金具25を上下に隣接する発電パネル11(i,j)のフック10eに同時に係合させ、発電パネル11(i,j)を挟持した状態で押え金具25が平行フレーム22にボルト23とナット24で装着されている。図6において、押え金具25用のナット24が2つあるが、内側のナット24は押え金具25を装着する前のボルト23を仮止めするためのナット24である。押え金具25が湾曲しているのは、強度を上げるためである。このような仮止めするためのナット24や押え金具25の湾曲のために、上下の発電パネル11(i,j)間には高く突出する支台20の凸部(ここでは、ボルト23とナット24と押え金具25を示す。)が存在する。このために、第2実施形態では第2流水管2cBと第3流水管2dB(図示せず)を発電パネル11(i,j)の受光面側の表面の傾斜面よりも低くなるように真っ直ぐ配管することができない。そこで、図7に示すように、平行フレーム22に孔22aを2つ設け、また、発電パネル11(i,j)のフック10eに4つの切欠き10fを設けて迂回を可能にし、第2流水管2cBと第3流水管2dBを凸部の裏側を通るように迂回路2mが形成される。迂回路2mは図示せぬ継手を使用して形成してもよく、流水管が弾性材であれば、変形させて形成してもよい。このようにして、第2実施形態の流体流出装置1Bは、上下の発電パネル11(i,j)間に支台20に邪魔な凸部があったときは、第2流水管2cBと第3流水管2dBに凸部の裏側を通る迂回路2mを形成するので、第2実施形態では全ての第2流水管2cBと第3流水管2dBが発電パネル11(i,j)の受光面側の表面の傾斜面よりも低くなる。これにより、第2流水管2cBと第3流水管2dBが太陽電池アレイ10の受光面への入光を遮ることはない。
[第3実施形態]
図8は第3実施形態の流体流出装置1Cを示す。第3実施形態の流体流出装置1Cは第2流水管2cCが発電パネル11(i,j)の受光面側の表面の傾斜面よりも低くはなっていない点が第1実施形態の流体流出装置1と異なる。第3実施形態の流体流出装置1Cにおいて、第1実施形態の流体流出装置1と構成が同様の部分については同一の参照符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
【0042】
図8を用いて第3実施形態の流体流出装置1Cの要部の構成を説明する。太陽電池アレイ10の発光素子10gは発電パネル11(i,j)の外周から僅か(例えば、10mm)内側の位置にあり、表面から透明カバーの厚み分奥に位置する。したがって、外周の一部が陰になっても、発光素子10gが陰にならなければ発電に影響はない。また、照度が弱いときは発電できない。通常、太陽電池アレイ10の発光素子10gの面は太陽の運航を考慮した方向に向けられているので、太陽光と発光素子10gの面の垂線となす角(入射角)が所定角(Θ)以上であれば(太陽の仰角が所定角以下であれば)、発光素子10gが陰になっても、発光素子10gは発電に影響がない。特許文献4のように上下の発電パネル11(i,j)間に隙間が無い場合は、図8の縦の破線のハッチングで示す三角形の領域E1とE2のみが、発電に影響を及ぼさない流水管の配設領域となる。このように、三角形の領域E1とE2は狭い領域である。
【0043】
そこで、第3実施形態の流体流出装置1Cは、第1発電パネル群10aと第2発電パネル群10bの間および、第2発電パネル群10bと第3パネル群10cの間に間隙Wを設ける。これにより、発電に影響を及ぼさない第2流水管2cCと第3流水管2dC(図示せず)の配設領域が拡張される。図8に示すように、第2流水管2cCの拡張された配設領域は、縦横の破線のハッチングで示すところの発電パネル11(i,j)の受光面側の表面の傾斜面よりも低い配設領域E3と、横の破線のハッチングで示すところの傾斜面よりも高い配設領域E4となる。第3実施形態の第2流水管2cCは拡張されない配設領域E2と拡張された配設領域E4にまたがって配設される。図示しないが、第3流水管2dCも第2流水管2cCと同様に従来の配設領域E2と拡張された配設領域E4にまたがって配設される。
【0044】
なお、図8の2点鎖線で示すように、第2流水管2cDは拡張された配設領域E4のみに配設されてもよく、第2流水管2cEは拡張された配設領域E3と配設領域E4にまたがって配設されてもよい。このように、第3実施形態の流体流出装置1Cは、第2発電パネル群10bと第3パネル群10cの間に間隙Wを設けることによって、発電に影響を及ぼさない配設領域を拡張するので、大きな第2流水管2cCを使用したり、散水の領域や方向などの制限が少なくなったりする。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述の実施形態の太陽電池アレイは発電パネルが行列の四角形に整列するものであったが、本考案は四角形に整列したものに限定するものではなく、例えば、発電パネルが台形や三角形などに整列した太陽電池アレイにも本考案を適用することができる。また、本考案は流体として水に限定するものはなく、空気のような流体に適応することができる。また、水と空気のように複数種類の流体を同時に流すことも可能である。
【0046】
1:流体流出装置
2:流出部
2a:ノズル
2b:第1流水管
2c:第2流水管
2d:第3流水管
2e:配水管
2f:第1バルブ
2g:第2バルブ
2h:第3バルブ
2i:スペーサ
2j:スペーサの露出面
2k:孔
2m:迂回路
3:制御部
4:照度検出部
6:温度検知部
6a:第1温度センサー
6b:第2温度センサー
6c:第3温度センサー
10:太陽電池アレイ
10a:第1行目の発電パネル群
10b:第2行目の発電パネル群
10c:第3行目の発電パネル群
10d:隙間
10g:発光素子
11(i,j):発電パネル
21:傾斜フレーム
22:平行フレーム
25:押え金具
E1〜E4:配設領域
W:拡張領域

(57)【要約】

【課題】行列に整列し列方向に傾斜して配設された複数の発電パネルからなる太陽電池アレイの複数行の発電パネルに散水管を設ける装置において、行間の管が太陽電池アレイの受光面への入光を遮って部分陰とならない流体流出装置を提供する。【解決手段】上の発電パネル10aに流体を流出させる流体流出装置において、下の発電パネル10bにも流出される流体を導く管2cCを設け、上下の発電パネル10a、10b間に隙間Wを設けて管2cCの配設領域E1、E2を拡張し、発電素子10gの発電が可能な程太陽の仰角が大きいときに管2cCの太陽の陰が発電素子10gに生じないように拡張された配設領域E1、E2に管2cCの少なくとも一部が配設される。


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