(54)【考案の名称】食器

(51)【国際特許分類】

A47G 19/00 食器

(73)【実用新案権者】株式会社 給食企画体

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、食器に関する。
特に幼児や子供がスプーン等で食品をすくいやすくするための幼児・子供用給食食器・保育園用食育食器に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、老人や身体障害者用の介護食器や介助食器というカテゴリーが業界にはある。しかし、その形態は以下の特許文献1のような内部側に棚突起があるもので、食器は重ならず、消毒性や保管性もよくなく、大量調理をする集団給食には不向きな構造であった。
さて、学校給食等で子供が食事をする際には、お椀や口の広いおかずやスープ用の深皿カップ内の食品をスプーンや匙ですくい上げるようにして、口に運ぶのが通常である。
しかし、従来形状の給食食器は、幼児や子供がスプーンや匙ですくい上げて食するときに手前に引き寄せる動きに流れ、スプーンの水平が維持しにくくスプーンに載った食品がこぼれてしまうことがある。
【0003】
そこで、特許文献1のようなスプーンで食品をすくいあげるときに余分な盛り上げを削いで落しやすい形状の食器や特許文献2のような内面中間に湾曲稜を形成した食器も提案されている。
【0004】

【効果】

【0015】
本考案は前記の構成であり、次の技術的効果がある。
A:上方を開口した平碗状の食器(1)において、開口部(11)の上縁より内側面(2)の当該上縁の直近下方に、ガイドの曲面(53)とつながる曲面(52)と上縁とつながる曲面(51)により形成された、周方向に延びる突条である畝部(5)を設けたので、子供がスプーン等で食べ物をすくいあげる際に、スプーンが前記畝部(5)に当接して手前方向に傾き、そのままの状態でスプーンを口元まで安定して運ぶことができる。
【0016】
B:前記畝部(5)の曲面(52)の角度は水平底部に対して約75度であることで、手前に運ぼうとするスプーンの上昇角度が、その曲面(52)に導かれて瞬間的に約水平に戻る。
そのために意識しなくても幼児や子供は、スプーンの上の食品を落とすことなくスプーンを水平に口まで運ぶことができる。
さらに、ガイドの曲面(53)がスプーンをガイドして畝部(5)まで誘導するので、食器内で食品がこぼれることも防止できる構造になっている。
おかずやスープ、食品をスプーンや匙で水平にすくい上げるような大人の動作を自然に体得できる。
【0017】
C:外側面に低い突部(4)を配置してあるので、食器(1)を重ねた際に食器同士が密着しない。これにより数段に積載載置が可能であり、水切りも容易で、積載しても風通しが良く、雑菌の繁殖を抑えることが可能である。
大量調理をする集団給食食器に最適な形態の食器(1)を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本考案に係る食器の実施例1を示す全体斜視図である。
【図2】同じく本考案に係る食器の実施例1を示す中央断面図である。
【図3】同じく本考案に係る食器の実施例2であって、上縁部の一部断面図である。
【図4】同じく本考案に係る食器の実施例2を示す平面図である。

【0019】
次にこの考案の実施形態を説明する。
図1乃至図2に示すものは、実施形態の実施例1で、各部の構造を示すものである。
【0020】
図1は、本考案に係る食器(1)の実施例1を示す斜視図である。図2は同じく本考案に係る食器(1)の実施例1を示す断面図である。
食器(1)は、全体が平椀形またはスープカップ形といわれる給食で使用される保育給食食器である。
深さ:口径が1:3程度の比較的浅い食器である。食器(1)は、スープ皿や平茶椀等の形状でもよい。
実施例1の実寸は、底部直径70.77mm、高さ38.14mm、上方開口部直径105.98mmである。
【0021】
食器(1)の素材は、実施例1では特殊陶磁器製のものを示している。
素材は、硬質合成樹脂製、高強度磁器ダイアセラム(強化磁器)、メラミン製などでも可能である。
食器(1)は、保育給食食器であるので相当の安全性、耐久性、耐熱性が求められる。
熱湯に浸漬消毒されても変形せず、電子レンジでも使用でき、優しい感触も要請される。
【0022】
実施例1は、上方を円形に開口した平碗状の食器(1)において、開口部(11)の上縁より内側面(2)の当該上縁の直近下方に、水平に円周方向に延びる突条である畝部(5)を環状に設けたものである。
【0023】
突条である畝部(5)は、食器(1)の内側面(2)の内周面のうち中間から上方に向う曲面(53)とつながる曲面(52)と上縁とつながる曲面(51)により形成されている。
曲面(52)と曲面(51)がつながるその先端断面は、小さなR(radius=半径)の円弧を形成している。
【0024】
水平に円周方向に延びる突条である畝部(5)を形成する曲面(52)の角度は、水平底部に対して内側中心方向に傾斜して形成している。
この傾斜角度は、畝部(5)の高さとの関連から、子供が早く食事をとるためにスプーンが手前がわに引こうとしても自然に内側方向で水平を維持するようにガイド作用する傾斜に設定している。
【0025】
曲面(52)の湾曲傾斜の角度は、水平底部に対して内側中心方向に傾斜しており、水平底部に対して約80度〜60度位が可能であるが、75度前後の曲面角度が好ましい。
曲面(52)の湾曲傾斜の角度は、開口部(11)も通常は水平であるので、その開口部(11)に対しても約80度〜60度位になる。
【0026】
又、曲面(52)と曲面(51)がつながるその先端断面は、小さなRの円弧を形成しているが、その内側周面からの高さ=突条である畝部(5)の高さは、0.3mm〜1.0mmになる。
スプーンの先端は、その高さでも十分に摺接してガイドされるからである。
スプーンの先端からの感触は、それを握る指先に十分に伝わり、例えば潰れて乾燥付着した米粒などの微細な凹凸も感じ取れるものである。
【0027】
実施例1では、突条である畝部(5)を環状に形成しているが、その突条である畝部(5)の高さは、0.5mmに設計している。
この高さでも、スプーンを摺接移動させてゆくと、その進路をその曲面(52)
に合わせて自ずと変更してしまう。
【0028】
このような湾曲傾斜を、食器(1)の内側中間部や開口上縁から離れた位置に形成するのではなく、曲面(51)の幅のみを置いて上縁の直近に形成しているので、スプーンの動きが、食器(1)を離れる直前にガイドされることになり、口に運ぼうとするスプーンの位置が可及的水平に修正されるので、スプーンからの落下、食器外への落下が少なくなり、かつ食事の作法や姿勢にも好影響を及ぼすことになる。
直近とは、この実施例1では、曲面(51)の幅であり、曲面(51)は、曲面(52)と同じ小さなRであるので、極めて開口部(11)に近いことを意味する。いわば最上部にガイドの、曲面(52)があるため、スプーンが食器(1)から離れる直前にガイドすることになる。
この動きを体得することで習慣的に作法を覚えられ、作法上も食育に寄与できる。
突条である畝部(5)を環状に形成しているので、全周のどの個所でも畝部(5)があるので、食器(1)をどの位置においても、スプーンの動きを食器(1)から離れる直前にガイドできる。
【0029】
開口上縁に形成した実施例1の食器(1)では、子供が食器(1)内の底にある食べ物をスプーンですくいあげる際、底近くの内側周面(2)にスプーンの先端又は縁を摺接しながら、中間から上方に向う曲面(53)にガイドされ、開口部(11)方向へ動かし、果たして畝部(5)にスプーンの先端又は縁が摺り上がると同時にスプーンは、手前方向へ傾き、その結果、スプーン上の食べ物をこぼすことなく、口元まで安定して運べる動きとなる。
【0030】
実施例1の食器(1)では、その外側面(3)に適宜の間隔をおいて、正面視で楕円形の膨らみである突部(4)を、数個設けている。
この突部(4)は、0.1mm〜0.3mmの高さの丘上の形態であり、食器(1)を積載した時に、重なる食器(1)の大きな面での接触を回避している。
食器(1)は同型のものを水で濡れた状態で重ねると密着してしまう。すると、水切りや空気が通らず、風通しが悪くなり、消毒が十分に達成できない。
突部(4)の形成で、同型の食器を重ねても、上の食器(1)の外側面(3)と下の食器(1)の内側面(2)に一定の隙間が生じるので、煮沸、熱風送風等の洗浄乾燥処理が効率的で容易になる。
【0031】
突部(4)は、食器(1)を積載した時に、重なる食器(1)との間に微小な空隙を形成して、空気や水分の通路を形成して、水切りや乾燥に有用な構成である。
突部(4)の形状は特に限定するものではないが、洗浄・乾燥のためには、比較的小さいもの、細いもの などが好ましい。
突部(4)は、食器(1)の型起こしの際に形成されるが、あまり目立たない意匠に設計している。
【0032】
このような実施例1の食器(1)は、内側には上縁直近の畝部(5)があり、
外側面に間隔をおいたあまり目立たない突部(4)を有する保育給食用に適したシンプルな構造の食器であり、その積載も容易で、管理上も優れたものとなっている。
【0033】
特に素材は、全面的に開示するものではないが、特殊陶磁器を開発することによって、スプーンの滑り、食品の付着の防止、洗浄の容易性・衛生上の要請を達成している。
試作例では、陶器素地上の釉薬層の改良、釉薬層の組成改良、釉薬層表面の表面粗さRaが、0.03μm以下にする技術の結合などによって、食器表層を良好にしている試作例も実施している。
もとより、本考案では食器素材を限定するものではない。
【0034】
図3は同じく本考案に係る子供用の保育給食食器の実施例2を示す開口上縁部の一部断面図である。図4は同じく実施例2の上面図である。
食器(1)は、円形の開口部(11)を持つ浅い食器(1)であって、図1に示すような全体が平椀形である。
実施例2は、上方を円形に開口した平碗状の食器(1)において、開口部(11)の上縁より内側面(2)の当該上縁の直近下方に、水平方向=円周方向に延びる突条である畝部(5)を、間欠的に間隔をおいて円弧状に設けたものである。
図4の上面図に線として現わした畝部(5)は間欠的に平面視で円弧状に3か所(3本)に形成したものである。
実施例2の畝部(5)は、開口部(11)の円の中心から約60度、実際には59.52度の角度で放射状に広がった扇形の一辺円弧であって、各左右の扇形とは約60度の間隔を有する。
開口部(11)の中心から6等分してひとつおきに円弧状の畝部(5)を設けた設計である。
【0035】
突条である畝部(5)は、食器(1)の内側面(2)の内周面のうち中間から上方に向う曲面(53)とつながる曲面(52)と上縁とつながる曲面(51)により形成されている。
曲面(52)と曲面(51)がつながるその先端断面は、小さなR(radius=半径)の円弧を形成している。
円弧の両端は、その間欠する内側面にながれて一体化している。つまり円弧の細い突条が、間隔をおいて3本設けられている。
【0036】
間隔をおくのは、重ねた時に水切りや空気通路を形成して密着しないためである。
又、突条である畝部(5)は、ある場所が決まっているのでその場所でしかその畝部(5)のガイド機能はないので、食器(1)の正面を正しく自分の前に位置できるかなどの食事作法や教育には好ましい効果もある。
【0037】
水平に円周方向に延びる突条である畝部(5)を形成する曲面(52)の角度は、水平底部に対して内側中心方向に傾斜して形成している。
【0038】
曲面(52)の湾曲傾斜の角度は、水平な底部や水平な開口部(11)などの、水平方向に対して約75度が最も適していることを試作例から見出したので、実施例2では約75度の方向に湾曲形成しこれに当接するスプーンが75度の方向に引き上げられるようにしている。
また、前記曲面(51)と前記曲面(52)の曲面は、同じ直径の仮想円の円弧であって、その直径は前記食器(1)の開口部の直径の18分の1とした。
【0039】
曲面(52)と曲面(51)がつながるその先端断面は、小さなRの円弧を形成しているが、その内側周面からの高さ=畝部(5)の高さは0.5mmにしている。
この畝部(5)に下方からスプーンを摺接移動させてゆくと、その進路をその曲面(52)に合わせて自ずと75度の方向にガイドされる。
スプーンの動きが、食器(1)を離れる直前にガイドされることになり、口に運ぼうとするスプーンの位置が可及的水平に修正される。
【0040】
実施例2の食器(1)では、図4の点線で示すように、その外側面(3)に適宜の間隔をおいて、円弧状の突部(4)を、3本設けている。
実施例2では3本設けたが一定の隙間を生じさせれば本数や位置はこれに限定されない。
この突部(4)は、0.2mmの高さの突条であり、食器(1)を積載した時にこの部分が重なる食器(1)の内側面にあたることになる。
そしてその間欠部分は食器(1)を積載した時に、重なる食器(1)との間に微小な空隙を形成して、空気や水分の通路を形成して、水切りや乾燥に有用になる。
洗浄乾燥の事後処理が効率的にでき、衛生的な保管にも優れている。
【0041】
実施例2の食器(1)は、上縁直近に間欠的な畝部(5)があり、外側面に円弧状の間隔をおいた線状の目立たない突部(4)を有する。
畝部(5)は、0.5mmの高さで、突部(4)は0.2mmの設計である。
本考案はこの実施例2の寸法に限定するものではないが、このような目立たなく最小限の高さで、スプーンの引っかかりがある畝部(5)の機能を発揮させ、突部(4)も目立たない高さで、同型の食器を容易に重ねて収納することができるものとなっている。
因みに、突起や突条の形状で、重ねたときに容積をとるものは使用勝手が悪く収納管理も困難になることが多い。
【0042】
実施例2の食器(1)を幼児・子供に使用させて、他の食器での食事の時の調理食品をこぼす量と比較する(テーブルへの白布の敷き、白布の前掛けを掛けさせてスプーンで食事をしていただき汚れ領域を比較)と、大幅に食器外に落とす量は減り、又前掛けの汚れ領域も明らかに減じている結果がある。
上縁に直近の畝部(5)を設ける構成は、想定以上にガイド効果が顕著である。

【産業上の利用可能性】
【0043】
本考案は、主として学校給食や保育所で使用する保育給食用食器においての開発技術であるが、マナー教育用、老人介護施設などでの介護用食器にも利用できる。
その他、例えば、レストランほか、飲食店で子供向けメニューを供する場合など、外食産業の提供食器としても利用できる。
【0044】
1 食器
11 開口部
2 内側面
3 外側面
4 突部
5 畝部
51 曲面(上方湾曲面)
52 曲面(下方湾曲面)
53 曲面(ガイド曲面)

(57)【要約】

【課題】子供が食品をスプーン等ですくい上げやすい保育給食用の食器を提供する。【解決手段】上方を開口した食器1において、開口部11の上縁より内側面2の当該上縁の直近下方に、ガイドの曲面53とつながる曲面52と上縁とつながる曲面51により形成された、円周方向に延びる突部を環状或いは間欠的な円弧状に設け、食器1の外側面に適宜の間隔をおいて、散在する膨らみである突部として或いは間隔をおいた円弧状の突部を設けた。上縁直近の突部は、スプーンを水平に持ち上がるようにガイドする。又この構成で、同型の食器を衛生的に積載できる。


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