(54)【考案の名称】名刺用基材及びそれを用いた名刺

(73)【実用新案権者】パイロットインキ株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は名刺用基材とそれを用いた名刺に関する。詳細には、温度変化による変色や像変化を用いた視覚効果の高い名刺用基材とそれを用いた名刺に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、名刺は会社名や氏名等の文字情報が黒色インキを用いて印刷されたものであるため、地味で他人との差別化が図り難いものであった。近年、印刷技術の向上によってカラー印刷の低価格化が進んできたため、前記黒色文字情報に加えて、企業のロゴや製品、更には名刺配布者の顔写真等をカラー印刷した名刺が用いられている。
しかしながら、前記カラー化が進むにつれて前述のカラー印刷を施した名刺が一般化してきているため、これらの名刺でも他人との差別化が図り難いものとなっている。
【0003】
これとは別に、所有する名刺の情報整理を容易にすることや、配布した名刺の乱用を防止することを目的として、加熱や経時により文字や数字等の識別記号が現出する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1の名刺では、文字情報をOCR(光学読取装置)によって電子データ化する際に、各項目(氏名や会社名等)が何を表すかを示す文字や数字等の識別記号が、常温以上に加熱することによって視認可能な色彩を呈するものである。そのため、名刺の装飾効果に関連するものではなく、視覚的に他人との差別化を図ることは困難である。
また、特許文献2の名刺では、科学変化材を用いた文字を塗布することで、相手に渡す際は普通の名刺と変わりがなく、時間の経過に伴って科学変化材による文字が現出するものである。そのため、名刺の装飾効果に関連するものではなく、受け渡し時には視認できないため、視覚的に他人との差別化を図ることは困難である。
【0004】

【効果】

【0007】
本考案は、可逆熱変色層を設けることで色変わりや像変化を発現できるため、従来品と比べて装飾効果や視覚効果が高く、受け渡し時のインパクト性に優れた名刺用基材とそれを用いた名刺を形成できる。そのため、他人との差別化を図ることができ、配布後に廃棄され難くなることから、ビジネス面や学生間でのコミュニケーションツールとしてより有用に作用するものとなる。
更に、前記可逆熱変色層を用いて使用者のビジネスや販売商品に連動した像変化を生じさせることで、よりビジネス性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本考案に用いられる可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。
【図2】本考案の名刺用基材を用いた名刺の一実施例の縦断面説明図である。
【図3】図2の名刺の変化前後を表す説明図である。

【0009】
本考案の名刺用基材には、表面や裏面の少なくとも一部に可逆熱変色層が設けられる。
前記名刺用基材の材質としては、印字による文字情報が容易に形成できる紙類が好適に用いられ、専用の名刺印刷機や、オフィス用、家庭用等のインクジェットプリンターやトナー印刷機で氏名や社名等の所望の文字情報が形成されて名刺となる。尚、前記基材の材質として、樹脂シート、布帛、木材、金属薄板等を適用することもでき、この場合、印字面にコート層等を形成して印字定着性を向上させることが好ましい。
【0010】
前記名刺用基材は、1枚サイズで形成される他、A4、A3、B5、B4等の大きさに複数枚分が形成された大判状のものが例示できる。前記大判状のものは、使用者が所有の印刷機に応じて印刷前後に名刺サイズに裁断されるものであり、裁断後の各名刺基材にはそれぞれ可逆熱変色層が形成されている。
【0011】
前記可逆熱変色層は、可逆熱変色性材料を含むインキを印刷することで形成でき、色変わりや像変化を発現できるため、従来品と比べて装飾効果や視覚効果を高めるものであり、ベタ状でもよいが像形態であることが好ましい。
前記可逆熱変色像としては、絵柄、模様、記号、文字、数字、これらの組み合わせが挙げられ、文字としては、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、ギリシア文字等を例示でき、数字としては、アラビア数字、ローマ数字等を例示でき、各種選択される。尚、前記文字や数字は、名刺の主要部である文字情報以外の部分(即ち、装飾箇所)を構成するものであるが、位置合わせ等を考慮して文字情報の一部とすることも可能である。
また、前記可逆熱変色層の下層や上層、更には近傍に非変色性インキによる非変色層をベタ状又は図柄等の形態で形成し、より装飾効果を高めることもできる。
【0012】
前記可逆熱変色層を構成する変色材料は、可逆熱変色性、不可逆熱変色性のいずれの性質であっても適用できるが、繰り返しの使用が可能な可逆熱変色性を有する材料が好適である。
前記可逆熱変色性材料としては、特に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む加熱により消色する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料が有効である。
前記可逆熱変色性組成物としては、汎用の材料を適宜用いることができるが、具体的には、特公昭51−35414号公報、特公昭51−44706号公報、特開平7−186540号公報に記載されている可逆熱変色性組成物が挙げられる。
また、本出願人が提案した特公平1−29398号公報に記載した如き、温度変化による色濃度−温度曲線に関し、3℃以下のヒステリシス幅をもつ、高感度の可逆熱変色性組成物が挙げられる。
更に、本出願人が提案した特公平4−17154号公報に記載されている、大きなヒステリシス特性を示して変色する感温変色性色彩記憶性組成物も有効である。
また、加熱発色型の組成物として、消色状態からの加熱により発色する、本出願人の提案による、電子受容性化合物として、炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した系(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、或いは特定のヒドロキシ安息香酸エステルを適用した系(特開2001−105732号公報)を挙げることができる。更には、没食子酸エステル等を適用した系(特開2003−253149号公報)等を応用できる。
【0013】
前記可逆熱変色性組成物(加熱消色型)を内包したマイクロカプセル顔料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を図1のグラフによって説明する。
図1において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度t(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度t(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度t(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度t(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度領域は前記tとt間の温度域であり、加熱又は冷却に応じて発色状態と消色状態の両相が共存でき、色濃度の差の大きい領域であるtとt間の温度域が実質変色温度域(二相保持温度域)である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さ〔即ちt−t:t=(t+t)/2、t=(t+t)/2〕がヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
【0014】
前記可逆熱変色層は体温によって変色することが好ましい。この場合、名刺受け渡し時に熱変色層部分に触れることで容易に変色させることができるため、名刺を渡す相手に強いインパクトを与えることができる。尚、具体的な変色温度としては、25℃以上40℃以下、好ましくは、28℃以上38℃以下に設定される。
【0015】
また、指や摩擦体を用いた摩擦熱や、熱源を用いて変色させるタイプの名刺を作成することも可能である。この場合、可逆熱変色層の変色温度を41℃以上80℃以下、好ましくは45℃以上70℃以下に設定され、常温で変色し難い構成とすることができる。
前記構成では、摩擦熱を発する道具や、熱源となる道具を営業する場合に有用なものとなる。
【0016】
前記可逆熱変色層は、可逆熱変色性インキを調製し、紙面等の支持基材上にスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段により形成できる他、可逆熱変色層を形成したラベルを基材に貼着することでも形成できる。
【0017】
前記非変色性インキによる非変色層は、汎用の染料、顔料、光輝性顔料等をインキや塗料等の形態として容易に形成できる。前記光輝性顔料としては、天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ等の表面に、チタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物によるコーティングを施した金属光沢顔料や、コレステリック液晶型光輝性顔料等が用いられる。
【0018】
更に、前記名刺用基材には、可逆光変色層や可逆水変色層を併設することができる。この場合、屋外での授受や、飲食店等液体が存在する場所での授受により有用なものとなる。この場合にも各変色層の上層や下層に非変色層を設けることができる。
前記可逆光変色層は、紫外線の照射により可逆的に変色するフォトクロミック化合物を層中に含むものであり、汎用のフォトクロミック化合物を適用できる。
前記フォトクロミック化合物としては、スピロピラン系化合物、フルギド系化合物、ジヒドロピレン系化合物、インジゴ系化合物、アジリジン、多環芳香族系化合物、アゾベンゼン系化合物、サリチリデンアニリン系化合物、キサンテン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、ナフトピラン系化合物、ナフトオキサジン系化合物等が例示できる。尚、前記フォトクロミック化合物をマイクロカプセルに内包して使用することも可能である。
【0019】
可逆水変色層としては、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する多孔質層が好適に用いられる。
前記低屈折率顔料としては、微粒子状珪酸、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、塩基性炭酸マグネシウム等の一種又は二種以上を併用して用いることができ、これらの顔料は屈折率が1.4〜1.7の範囲にあり、水等を吸液すると良好な透明性を示すものである。前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。また、前記低屈折率顔料のうち、好適には微粒子状珪酸が用いられる。
前記低屈折率顔料は、バインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散させて分散インキとなし、樹脂層表面に印刷、塗布、吹き付け等の手段により多孔質層(可逆水変色層)を形成する。
【0020】
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0021】
更に、前記多孔質層と共に、撥水性樹脂層を併用することもできる。前記撥水性樹脂層は、撥水性樹脂を含む撥水処理液を多孔質層上に適宜形状の像を形成するよう付着させ、浸透乾燥して得られるので、多孔質層の一部に内在し、共存状態に配設されるので、前記撥水性樹脂層の共存箇所の多孔質層は、撥水効果により吸水状態が形成されず、不透明状態が保持される。従って、常態(非吸水状態)では、判別し難い撥水性樹脂層と多孔質層が、撥水性樹脂層が配設されていない部分の多孔質層への吸水により判別可能となる。
前記撥水性樹脂としては、シリコーン系、パラフィン系、ポリエチレン系、アルキルエチレン尿素系、フッ素系等の撥水性樹脂から選ばれ適用される。
また、前記多孔質層や撥水性樹脂層を形成する際に、汎用の染料、顔料、光輝性顔料等を添加することもできる。
【0022】
以下に実施例を示すが、本考案はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部は質量部である。
【0023】
実施例1(図2、3参照)
名刺用基材の作製
名刺サイズの白色上質紙を基材2とし、四つ角近傍に指紋(抜き柄)が形成される略長方形状図柄を、縦長基材2の上下両縁部に赤色非変色性インキを用いてスクリーン印刷することで非変色層4を形成した。
更に、(イ)成分として6−(N−エチルイソアミルアミノ)ベンゾ〔α〕フルオラン3部、(ロ)成分として2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−n−デカン3部、(ハ)成分としてカプリン酸ステアリル45部、ラウリン酸ステアリル5部からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:27℃、T:30℃、T:30℃、T:33℃、ΔH:3.0℃、赤色から無色に色変化する)を含む赤色可逆熱変色性インキを用いて、前記非変色層4全体を隠蔽するように長方形状のベタ状スクリーン印刷を施すことで可逆熱変色層3を形成し、名刺用基材1を得た。
得られた名刺用基材1は、常温(変化前)では上下両縁部に赤色帯状加飾(可逆熱変色層3)が視認されるが、該加飾部を体温で33℃以上に加温する(変化後)と可逆熱変色層3が赤色から無色に色変化して下層の非変色層4が視認可能となるため、四つ角近傍に指紋が現出する。また、常温で放置すると可逆熱変色層3が赤色に着色するため、加飾部がもとの赤色帯状加飾に戻る。尚、前記様相変化は繰り返し発現できるものであった。
【0024】
名刺の作製
前記名刺用基材1に、汎用の名刺印刷機を用いて会社名、氏名、住所等の文字情報5を印刷することで縦型の名刺6を得た。
得られた名刺6は、常温では文字情報5の上下両縁部に赤色帯状加飾(可逆熱変色層3)が視認されるものであり、上側の加飾部を把持して相手に差し出す際、体温で33℃以上に加温されて可逆熱変色層3が赤色から無色に色変化して両側角部近傍に指紋が現出した。更に、相手が受け取った際、下側の加飾部を把持することで体温により33℃以上に加温されて可逆熱変色層3が赤色から無色に色変化し両側角部近傍に指紋が現出した。
この状態で机上等に放置して常温状態が維持されると、可逆熱変色層3が赤色に着色するため、加飾部はもとの赤色帯状加飾に戻った。
そのため、相手に渡す際の像変化と、相手が受け取った際の像変化とで二段階の変化が得られる名刺となり、視覚効果及び話題性の高いものとなった。
【0025】
実施例2
名刺用基材の作製
A4サイズの白色上質紙を基材2とし、名刺サイズの長方形状基材10枚を裁断により得られる位置に、中心部分(文字情報形成部分)を楕円状に抜いた横長の長方形状の背景と豹柄からなる可逆熱変色層3を複数(即ち、同一柄の印刷を10個)形成し、名刺用基材1を得た。
尚、前記豹柄はベージュ色を背景に、赤茶色部分外周をこげ茶色で覆う柄と、こげ茶色のみの柄が大小複数形成されるものであり、ベージュ色部分は加温によりベージュ色から無色に色変化する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:27℃、T:30℃、T:30℃、T:33℃、ΔH:3.0℃)を含む可逆熱変色性インキA、赤茶色部分は加温により赤茶色から淡緑色に色変化する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:27℃、T:30℃、T:30℃、T:33℃、ΔH:3.0℃)を含む可逆熱変色性インキB、こげ茶色部分は加温によりこげ茶色から青色に色変化する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:27℃、T:30℃、T:30℃、T:33℃、ΔH:3.0℃)を含む可逆熱変色性インキCをスクリーン印刷することにより形成される。
得られた名刺用基材1は、常温では横長長方形状の楕円抜き柄に茶系の豹柄(可逆熱変色層3)が視認されるが、該加飾部を体温で33℃以上に加温すると可逆熱変色層3がベージュ色から無色、赤茶色から淡緑色、こげ茶色から青色に色変化するため、淡緑色部分外周を青色で覆う柄と、青色のみの柄が大小複数形成される青色系豹柄に様相変化を生じた。また、常温で放置すると可逆熱変色層3が無色からベージュ色、淡緑色から赤茶色、青色からこげ茶色に色変化するため、加飾部がもとの茶色系豹柄に戻る。尚、前記様相変化は繰り返し発現できるものであった。
【0026】
名刺の作製
前記名刺用基材1を各可逆熱変色性層3にあわせて10枚の名刺サイズに裁断した後に、汎用の名刺印刷機を用いて店名、名前、電話番号等の文字情報5を楕円状抜き部に印刷することで横型の名刺6を得た。
得られた名刺6は、常温では文字情報5の外周部に茶色系豹柄(可逆熱変色層3)が視認されるものであり、上側端部を把持して相手に差し出す際、体温で33℃以上に加温されて可逆熱変色層3がベージュ色から無色、赤茶色から淡緑色、こげ茶色から青色に色変化して青色系豹柄に変化した。更に、相手が受け取った際、下側端部を把持することで体温により33℃以上に加温されて可逆熱変色層3が色変化して青色系豹柄に変化した。更に、受け取った相手が掌で名刺全体を加温することで、加飾部分の豹柄全体が茶色系から青色系に変化した。
この状態で机上等に放置して常温状態が維持されると、可逆熱変色層3が無色からベージュ色、淡緑色から赤茶色、青色からこげ茶色に変化するため、加飾部はもとの茶色系豹柄に戻った。
そのため、複数の色調変化による様相変化が得られる名刺となり、視覚効果及び話題性の高いものとなった。
【0027】
実施例3
名刺用基材の作製
A4サイズの白色上質紙を基材2とし、名刺サイズの横長の長方形状基材10枚を裁断により得られる位置に、下側を文字情報5形成部分とするように、加温により黒色から赤色に色変化する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:27℃、T:30℃、T:30℃、T:33℃、ΔH:3.0℃)を含む可逆熱変色性インキを用いて、複数の四角形による文字が上下三段に形成される「YOU CAN ALWAYS CALL ME!!」のメッセージ文字をスクリーン印刷することで可逆熱変色層3を形成した。
次に、前記マイクロカプセル顔料の黒色と同じ色に調色した黒色の非変色性インキを用いて、前記文字と共に横長長方形状背景を形成するように、文字を形成する複数の四角形と同サイズの像で長方形状背景をスクリーン印刷して乾燥させた後(各四角形像同士は若干の隙間を設けた非接触状態による併設)、更に濃色の非変色性黒色インキを用いて、各隙間を埋めて四角像端部を被覆するようにスクリーン印刷を施すことで各四角形像の間を区切る格子状像を形成し、二種類の非変色層4と可逆熱変色層3による黒色電光掲示板の像を有する名刺用基材1を得た。
得られた名刺用基材1は、常温では横長長方形状の黒色電光掲示板の像が視認されるが、該加飾部を体温で33℃以上に加温すると可逆熱変色層3が黒色から赤色に色変化して「YOU CAN ALWAYS CALL ME!!」の赤色文字が現出した。また、常温で放置すると可逆熱変色層3が赤色から黒色に色変化するため、加飾部がもとの黒色電光掲示板に戻る。尚、前記様相変化は繰り返し発現できるものであった。
【0028】
名刺の作製
前記名刺用基材1を各可逆熱変色層3にあわせて10枚の名刺サイズに裁断した後に、汎用の名刺印刷機を用いて会社名、氏名、住所等の文字情報5を加飾部(可逆熱変色層3)の下側に印刷することで横型の名刺6を得た。
得られた名刺6は、常温では文字情報5の上側に黒色電光掲示板が視認されるものであり、前記黒色電光掲示板を掌で加温することで、上下三段の赤色文字が現出した。
この状態で机上等に放置して常温状態が維持されると、可逆熱変色層3が赤色から黒色に変化するため、加飾部はもとの黒色電光掲示板に戻った。
そのため、常態では視認できない所望のメッセージについてコミュニケーションを交えて相手に伝えることができる名刺となり、視覚効果及び営業性の高いものとなった。
【0029】
実施例4
名刺用基材の作製
名刺サイズの白色上質紙を基材2とし、上側を文字情報5形成部分とする青色ボールペンの写真像を非変色性インキを用いてスクリーン印刷することで非変色像を形成した。
次に、加熱により青色から無色に色変化する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−20℃、T:−9℃、T:40℃、T:57℃、ΔH:63℃)を含む青色可逆熱変色性インキを用いて、前記ボールペンチップに接触する位置に「FRIXION」の筆跡文字をスクリーン印刷することで可逆熱変色像を形成した。
また、前記基材2の裏面に、「PILOT」(登録商標)の文字とロゴを青色非変色性インキでスクリーン印刷した後、黒色から無色に色変化する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:27℃、T:30℃、T:30℃、T:33℃、ΔH:3.0℃)を含む黒色可逆熱変色性インキを用いて、前記文字とロゴを被覆するようにスクリーン印刷を施すことで可逆熱変色層3を形成し、名刺用基材1を得た。
得られた名刺用基材1の裏面は、常温では黒色の「PILOT」の文字とロゴ(可逆熱変色層3)が視認されるが、該加飾部を体温で33℃以上に加温すると可逆熱変色層3が黒色から無色に色変化して青色の文字とロゴが現出した。また、常温で放置すると可逆熱変色層3が無色から黒色に色変化するため、加飾部がもとの黒色に戻る。尚、前記様相変化は繰り返し発現できるものであった。
更に、名刺用基材1の表面は、常温では青色の筆跡文字が視認される状態を維持しており、摩擦熱等で加熱して57℃以上になると可逆熱変色像が青色から無色に色変化して文字が消去されたように視認されるものであった。また、冷凍庫等で−20℃以下に放置すると可逆熱変色像が無色から青色に色変化するため、筆跡文字が復元する。尚、前記様相変化は繰り返し発現できるものであった。
【0030】
名刺の作製
前記名刺用基材1に、汎用の名刺印刷機を用いて会社名、氏名、住所等の文字情報5を印刷することで横型の名刺6を得た。
得られた名刺6の裏面は、常温では黒色の「PILOT」の文字とロゴ(可逆熱変色層3)が視認されるが、該加飾部を掌で加温することで、青色の文字とロゴが現出した。
この状態で机上等に放置して常温状態が維持されると、可逆熱変色層3が無色から黒色に変化するため、文字とロゴはもとの黒色に戻った。
また、営業品として摩擦体での加熱により筆跡を消色できる筆記具「フリクションシリーズ」を用いた場合には、名刺6の表面に形成される「FRIXION」の青色筆跡文字を、軸筒後端の摩擦体で擦過することで筆跡が消去される。消去後の筆跡は冷凍庫等で放置すると復元することも含めて営業品の使用方法を説明することが容易にできるものであった。
そのため、常態では視認できない所望の像や現象をコミュニケーションを交えて相手に伝えることができる名刺となり、視覚効果が高く、話題性及び営業性に優れたものとなった。
【0031】
実施例5
名刺用基材の作製
実施例2で作製した名刺用基材2の裏面に耐水性非変色青色インキで全面をベタ状に印刷した後、湿式法珪酸、ウレタンエマルジョン、水、シリコーン系消泡剤、水系インキ用増粘剤、エチレングリコール、イソシアネート系架橋剤を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて楕円状にベタ状印刷し、乾燥硬化させて多孔質層(可逆水変色層)を形成した。更に、前記多孔質層上に、フッ素樹脂系撥水剤、油性系増粘剤、油性系遅乾溶剤を均一に混合攪拌してなる無色透明スクリーン印刷用インキを用いて店名を印刷し、乾燥硬化させることで非吸液像を形成し、名刺用基材2を得た(それぞれの名刺サイズ毎に同様のものを形成)。
前記名刺用基材2の表面は実施例2と同様の変化及び効果を示すものであり、更に、裏面は、常態では青色背景に白色の楕円が視認されるものであった。前記白色楕円部分に液体を付着させることで、非吸液像を形成していない多孔質層部分が透明化して背景の青色が視覚され、非吸液像である店名が白色に浮かび上がるものであった。
この状態で机上等に放置して液体が乾燥すると、多孔質層が不透明化するため、非吸液像はもとの白色楕円に戻った。
【0032】
名刺の作製
前記名刺用基材1を各可逆熱変色性層3にあわせて10枚の名刺サイズに裁断した後に、汎用の名刺印刷機を用いて表面に店名、名前、電話番号等の文字情報5を楕円状抜き部に印刷することで横型の名刺6を得た。
得られた名刺6の表面は実施例2と同様の変化及び効果を示すものであり、更に、裏面は、常態では青色背景に白色の楕円が視認されるが、渡した相手が前記白色楕円部分に水滴等を付着させることで、非吸液像である店名が白色に浮かび上がった。
この状態で机上等に放置して液体が乾燥すると、多孔質層が不透明化するため、非吸液像はもとの白色楕円に戻った。
そのため、色調変化と共に、液体を用いた様相変化を付与することで常態では視認できない所望の像をコミュニケーションを交えて相手に伝えることができる名刺となり、視覚効果及び営業性のより高いものとなった。
【0033】
実施例6
名刺用基材の作製
実施例4で作製した名刺用基材2の表面左上部分に、1,3,3−トリメチルインドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−スピロナフトオキサジンを含む印刷インキ(常態では無色であり、紫外線照射により紫色に発色する)を用いて「PILOT」(登録商標)の文字とロゴをスクリーン印刷した後、乾燥させることでフォトクロミック層(可逆光変色層)を設け、名刺用基材2を得た(それぞれの名刺サイズ毎に同様の印刷を形成)。
前記名刺用基材2は温度変化によって実施例4と同様の色変化及び効果を示すものであり、更に、フォトクロミック層は常態では視認されない(無色状態)ものであった。前記名刺用基材2の表面に紫外線が当たると「PILOT」の文字とロゴが紫色に現出するものであり、暗所に放置すると再び消色するものであった。この様相変化は繰り返し行なうことができた。
【0034】
名刺の作製
前記名刺用基材1に、汎用の名刺印刷機を用いて会社名、氏名、住所等の文字情報5を印刷することで横型の名刺6を得た。
得られた名刺6は温度変化に応じて実施例4と同様の変化及び効果を示すものであり、更に、表面では、常態では基材右上部分が基材の白色に視認されているが、渡した名刺を窓際等に近づけて太陽光を当てることで、フォトクロミック層が現出して紫色の「PILOT」の文字とロゴが浮かび上がった。
この状態で机上等に放置すると、室内の日当たりに応じて、明所では着色状態を維持し、暗所ではもとの白色(透明)に戻った。この様相変化は繰り返し行なうことができた。
そのため、温度変化と紫外線量によって常態では視認できない所望の像を現出できる名刺となり、視覚効果及び営業性のより高いものとなった。
【0035】
完全発色温度
発色開始温度
消色開始温度
完全消色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 名刺用基材
2 基材
3 可逆熱変色層
4 非変色層
5 文字情報
6 名刺

(57)【要約】

【課題】装飾効果や視覚効果が高く、受け渡し時のインパクト性に優れ、他人との差別化を図るのに適した名刺用基材及びそれを用いた名刺を提供する。【解決手段】文字情報が形成される名刺用基材1であって、基材2の少なくとも一部に可逆熱変色層3を設けてなる。可逆熱変色層3と共に非熱変色層4が形成される。前記可逆熱変色層3が体温によって色変化をする。前記いずれかの名刺用基材1に、文字情報5が形成された名刺6。


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