(54)【考案の名称】集光型太陽電池セルデバイス

(51)【国際特許分類】

H01L 31/042

H01L 31/052

(73)【実用新案権者】有限会社ディアックス

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は小型で気密性を確保した集光型太陽電池セルを外囲器に組み込んだデバイス構造に関する。

【従来の技術】

【0002】
図6、図7は集光型太陽光発電装置の一例である(特許文献1)。図7に示す集光型太陽電池セル25に集光レンズ23により太陽光が照射される。ケース24は座板26に取り付けられ、座板26に集光型太陽電池セル25がベアチップでマウントされる。集光型太陽光発電装置を安価にするためにケース24には合成樹脂が使用され、ケース24と座板26の樹脂接着により気密性が確保される。
【0003】
集光型太陽光発電装置は数百倍に集光した太陽光を太陽電池セルに照射するため、照射部の温度は高温になる。そのため座板26には放熱フィンが取り付けられたり、水冷の冷却機構を取り付けて温度上昇を防止する。太陽が雲間にある場合、温度が上がったり下がったりを繰り返したり、太陽が出ていない夜間では外気温度まで下がる。つまり集光型太陽電池セルは冷却機構を備えていても熱衝撃や熱サイクルを頻繁に受けることになる。そして集光倍率が高いほど過酷な熱衝撃、熱サイクルを受ける。
【0004】
一般に樹脂は十分な気密性が確保されないのは周知の通りであり、特に水分は樹脂を膨潤させて徐々に樹脂内部に取り込んでいく。そして熱サイクルがあると取り込んだ水分を吐き出したりする。水分は集光型太陽電池セルの受光面に結露して光の透過性を悪化させる。また露出しているセルの電極を腐食することにも繋がり十分な信頼性を確保することはできない。より気密性の高い手段として金属ケース22を使用し、これを座板23にロウ付け、あるいは溶接することも考えられるが、集光レンス23の組み込みにも組立に時間を要し、装置が高価になる。
【0005】

【効果】

【0009】
本考案の集光型太陽電池セルデバイスは小型で十分な気密性を確保でき、信頼性の高いテバイスである。多くのセルを組み込む太陽光発電装置では外囲器に組み込んだセルを扱うことになるので取り扱いが安全かつ容易になり、セルを使用した場合と同じ程度の密度で配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 本考案の集光型太陽電池セルデバイスの外観図
【図2】 集光型太陽電池セルの外観図
【図3】 本考案の集光型太陽電池セルデバイスの構成を示す図
【図4A】 本考案の集光型太陽電池セルデバイスを説明する断面図
【図4B】 本考案の集光型太陽電池セルデバイスを説明する断面図
【図5】 本考案の金属リード
【図6】 集光型太陽光発電装置の外観図
【図7】 集光型太陽光発電を説明する模式図

【0011】
以下、本考案の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0012】
図1は集光型太陽電池セルデバイスの外観を示しており、ガラス基板2と金属ベース基板3で挟まれた中に集光型太陽電池セル(図示されていない)が搭載される。図2に集光型太陽電池セル7を示すが、表面には二つの電極6がセルの両端に形成され、受光による起電流は二つの電極6とセル裏面の電極から取り出される。図1に示すデバイスの電極構成は集光型太陽電池セルと同じにするため、ガラス基板2の上面に形成された導電性パターン4はガラス基板2に形成された導電性スルーホール5を介して集光型太陽電池セル上面の電極6に接続され、セル裏面の電極は金属基板に接合される。従って集光型太陽電池セルデバイスを太陽光発電装置に組み込み、電気配線する際にはセルと同じ扱いになる。
【0013】
図3は集光型太陽電池セルデバイスの構成を示す。集光型太陽電池セル7上面の二つの電極には金属リード9が接合される。この金属リード9はガラス基板2の裏面に形成された導体パターン8に接合される。その様子を示したのが図4Aである。集光型太陽電池セル7は金属リード9を介してガラス基板に支持されるのと同時に導体スルホール5を介してガラス基板の上面に形成されている導電性パターン(外部取り出し用電極4)に接続される。金属リード9とセルの電極5の接合を低温、低加圧で行うには後述する銀ナノペーストを使用するのが良い。
【0014】
図4Aに示すガラス基板と金属基板を接合して図4Bとするが、このとき集光型太陽電池セルの裏面は金属基板にマウント接合し、気密性を取るためのシール用フレーム10はガラス基板の裏面に形成した導体パターン12に接合される。なおシール用フレーム10は金属基板をパターンエッチングして形成しているが、個別に製作した金属製のシール用フレームを金属基板、あるいはガラス基板に接合したものでも良い。
【0015】
接合剤としては銀ペーストや銀ナノペースト(銀ナノ粒子に有機被膜を形成し溶剤に分散させたもの)を使用する。特に銀ナノペーストは低温で焼結し、しかも焼結した後の接合層に樹脂が残らない。被接合物を強く加圧すれば強固な接合が実現すると共に、接合層の空隙(ポーラス性)を減らすことができるためヘリウムリークレベルの気密性を確保するためのシール接合剤としてもっとも好適である。シール用フレームに対するガラス基板の接合には強い加圧を行い、集光型太陽電池セルのマウント接合には弱い加圧でも十分なマウント性(十分な接合強度、巣の発生の抑制)が確保できる。銀ナノペーストに対して接合性が良いのはAgやAuであり、導電性パターンはこれらの金属薄膜を使用するのが良い。
【0016】
図4Bに示す接合を精度良く実現するためには、金属リードの厚さ、集光型太陽電池セルの厚さ、シール用フレームの高さなどがバラツキ無く設計通りに加工できなければならない。しかし加工バラツキは避けることは出来ないため、図4Aに示すようにガラス基板に凹部11を形成する。凹部は集光型太陽電池セルの面積より大きなものであり、集光型太陽電池セルを上方に持ち上げる自由度を与えている。一例として、集光型太陽電池セルが設計値より厚い場合(あるいはシール用フレームの高さが設計値より低い場合)には、集光型太陽電池セルが上に押し上げられた形で金属基板に接触する。このとき金属リード9はバネ性のある金属を使用するのが良い。例えばりん青銅はバネ材として使用されているものであるが、抵抗率も低いので好適な材料である。上に押し上げられた集光型太陽電池セル8は金属リード9のバネ力によって下方に押し下げられ金属基板にマウント接合が為される(マウント接合用の接合剤は図示していない)。
【0017】
本考案に係るデバイスは小型が実現できる。図2に示す集光型太陽電池セルの寸法を10mm角、厚さが0.2mmとすると、デバイスの寸法に制約が生じるのは凹部の寸法と気密性を確保するシール用フレームの幅である。凹部はセルの寸法に対し2mmほど大きめにすれば金属リード9(図4A、B)のバネ性は発揮でき、シール用フレーム9の幅は0.5mm〜1.0mmであれば気密性は確保できる。また凹部の深さは20μm程度もあれば基板、セル厚のバラツキを吸収できる。ガラス基板と金属基板の厚さをそれぞれ0.5mmとすれば、集光型太陽電池セルデバイスの寸法は13mm角、厚さが1mm程度のものが実現する。太陽光発電装置(図7)に組み込む集光型太陽電池セルを本考案のデバイスに置き換えてもシステムを大きく変えることにはならない。
【0018】
図3に集光型太陽電池セルの電極に接合する二つの矩形状のリード9を示したが、図5に示すようなリードフレーム13としても良い。バネの機能を出すために図のように四箇所に切り込みを入れてある。
【0019】
本実施例のガラス基板は、ホウ珪酸系ガラスや石英ガラスが好適である。金属基板はガラス基板の熱膨張係数に近い金属が良い。コバール、42アロイ、鉄−銅系合金など数多くの材料があるが、熱伝導性が良く、抵抗率の低い材料を選択すべきである。本考案は接合剤を限定するものではないが、接合温度が低いほど金属基板の選択肢は広がることになる。
【0020】
本実施例の変形例、応用例を以下に記載する。本実施例では集光型太陽電池セルを1個使用したデバイス構造を説明したが、複数個を搭載すると複数個の並列動作が可能なテバイスが容易に実現する。さらには金属基板を導電性パターン付の絶縁性基板と金属基板の積層基板に変更し、複数の集光型太陽電池セルが直列に動作するように導電性パターンを設計することもできる。例えば、集光型太陽電池セルの表面電極を次のセルの裏面電極に接続するには、ガラス基板裏面の導電性パターン(前セルの表面電極に接続)と絶縁性基板の導電性パターン(次セルの裏面電極に接続)を金属製の衝立を設けて電気的に接続すれば良い。この衝立はガラス基板裏面の導電性パターンと積層基板上の導電性パターンに接合されるもので、シール用フレームと高さは同じである。従ってシール用フレームを金属基板のエッチングで形成する場合には、衝立も同時に形成することができる。直列動作と並列動作が混在するデバイス設計も同様に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
以上述べたように本考案の集光型太陽電池デバイスを使用すれば、信頼性の高い集光型太陽光発電装置を提供することができる。
【0022】
1 集光型太陽電池セルデバイス
2 ガラス基板
3 金属基板
4 導電性パターン
5 導電性スルーホール
6 集光型太陽電池セルの表面電極
7 集光型太陽電池セル
8 ガラス基板裏面の導電性パターン
9 金属リード
10 シール用フレーム
11 ガラス基板裏面の凹部
12 ガラス基板裏面の導電性パターン
13 リードフレーム
20 太陽光発電装置
21 集光レンズ群
22 外枠
23 フレネルレンズ
24 ケース
25 集光型太陽電池セル
26 座板
27 反射防止膜

(57)【要約】

【課題】小型で十分に気密性が確保された集光型太陽電池セルデバイスを提供する。【解決手段】ガラス基板2と金属基板3で集光型太陽電池セルを挟み込んだ構造の外囲器において、前記セルに対向するガラス基板2には前記セルより大きな面積の凹部が形成され、前記セルの両端に設けられた二つの電極にはそれぞれ金属リードが接合され、金属リードのもう一方の端は前記凹部の外周に形成された導電性パターン4に接合されて前記セルを支持し、前記導電性パターン4は導電性スルーホール5を介してガラス基板2の表面に形成された外部取り出し用電極に電気的に接続され、前記セルの裏面電極は前記金属基板3に接合され、ガラス基板2と金属基板3はそれぞれシール用導体フレームに接合されて気密封止されることを特徴とする。


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