(54)【考案の名称】指向性アンテナの仰角設定取付け装置

(73)【実用新案権者】有限会社新潟有線テレビサービス

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、山上サテライト中継局の中継電波送信アンテナや、東京スカイツリー等の電波発射塔における各種放送電波発射アンテナ等、高所の電波発射源に二本の多素子アンテナまたは二枚の平面アンテナを精確に向けて仰角設定した後、この設定済仰角を固定してアンテナを設置する際に好適な指向性アンテナの仰角設定取付け装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
前記高所の電波発射源からの到来電波が弱い微弱電界地域では、この到来電波を少しでも良く受信するために、水平・垂直スタック接続した4本の多素子指向性アンテナを4本纏めて仰角設定するには、例えば本件出願人が先に提案した特開2005−260637号公報(特許文献1)の多素子指向性アンテナの仰角設定取付け装置が周知である。
【0003】
この特許文献1は、支柱の上部外周面に取着した枢着板に上スティを横向きに取着し、その両側に下向きに備えた左右長寸の縦スティの上下にアンテナを1本ずつ計四本突設する一方、支柱の中間部に取着した取付け板に左右の屈曲部を有する下スティを横向きに取着してその左右両側を各縦スティの外周面に転接させて取着した多素子指向性アンテナの仰角設定取付け装置である。
【0004】
そして、上記特許文献1の従来例は、先ず前記各取着部を緩めた各取着部の仮固定状態で、左右の各縦スティを上下の各横向きスティと共に枢着板・取付け板により支柱を中心として水平方向に回動させ、前記計4本の多素子指向性アンテナを纏めて高所の電波発射源の上方または下方に向ける。
【0005】
その後、下スティを軸線中心に回動してその左右屈曲部を前後に変位させ、左右の縦スティの下部を前記上スティ中心に4本のアンテナと共に高所の電波発射源方向に回動させることで、各アンテナを4本纏めて一挙に仰角設定した後、前記緩めた各取着部を固定して4本の多素子指向性アンテナを高所の電波発射源に向け設置できる。
【0006】
ところが、この従来例は、微弱電界地域で水平・垂直スタック接続した4本の多素子指向性アンテナを4本纏めて仰角設定する際には極めて好都合であるが、中・強電界地域で水平スタック接続した二つの指向性アンテナを支柱に取付けて仰角設定する際に、前記特許文献1の構成をそのまま用いると、全体的な構成が何分にも大袈裟過ぎ、重量的にもスペース的にも著しく不利であるという本質的かつ大きい問題点が有る。
【0007】
すなわち、二本の単一指向性多素子アンテナまたは二枚の単一指向性平面アンテナを支柱に取付けて仰角設定するには、前記特許文献1における下スティや取付け板を初めとして、左右長寸の縦スティや計6個のU字状ボルト等が、一切不要で無用の長物となり、著しく不経済で国策にも反するという根源的で切実な問題点が有る。
【0008】

【効果】

【0011】
この考案は、上記手段における各取着部の取着力を僅かに弱めた前記各取着部の仮枢支状態で、横向きスティを各アンテナと取付け板と共に、支柱を中心として水平方向に回動し、各アンテナを二本纏めて高所の電波発射源方向に向けた後、上記スティを二本のアンテナと共に軸線中心に回動させることで、これら各アンテナを高所の電波発射源に向け、二本纏めて簡単に仰角設定でき、その後前記仮枢支状態の各取着部を固定することで、前記各アンテナの設定済仰角を二本纏めて簡単に固定できるという優れた効果が有る。
【0012】
すなわち本考案によれば、前記特許文献1における4本のアンテナ取付け構成を二本の単一指向性多素子アンテナまたは二枚の単一指向性平面アンテナの取付け構成に大幅に簡素化できたので、重量的にもスペース的にも価格の面でも著しく有利になったし、アンテナ水平向き設定と仰角設定作業とが大幅に楽になったという優れた効果も有る。
【0013】
本考案における請求項2の考案によれば、前記した多くの効果のほかに、指向性アンテナとして、到来電波方向に偏平な単一指向性平面アンテナを採用したので、水平突出長さが長い多素子指向性アンテナよりも設置場所の自由度が向上したし、着雪による重量増大と利得の低下とをそれぞれ軽減できたという優れた効果を付加できた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本考案の実施形態の一例を示す斜視図
【図2】図1と状態を異にした斜視図
【図3】本考案に用いる取付け板の一例を示す斜視図
【図4】本考案の他の実施形態の一例を示す斜視図
【図5】図4と状態を異にした斜視図

【0015】
本考案の実施形態は、山上サテライト局の中継電波送信アンテナや、東京スカイツリー上部の地デジ放送電波発射アンテナ等、高所の電波発射源に向け、ビルの屋上や建物外壁からほぼ鉛直に立ち上げた図1のような支柱1に二本の単一指向性多素子アンテナ4を図2のように仰角設定可能に設置するに当たり、本考案では、図3のように支柱1の上部外周面に取付け板2の後面を当てつつ、支柱1に跨がせた上下二つのU字ボルトUを上記取付け板2の孔を経て前面側に突出させ、この突出部に螺入した締付けナットNの締付け力で支柱1に対して取付け板2を水平方向に回動調節後固定可能に取着する。
【0016】
次いで、上記取付け板2の前面と左右のU字ボルトUの内面との間に丸パイプて作った横向きスティ3の外周面を図1のように挿入し、上記各ボルトUに予め螺入しておいた締付けナットNを締め付けることで、取付け板2に対して横向きスティ3をその中央付近で軸線中心に回動調節後固定可能に上記各図のように水平に取着する。
【0017】
そして、上記スティ3の左右両端部付近の上面には、図1のように空転止め凹部3Aをそれぞれ設け、これら各凹部3Aに単一指向性多素子アンテナ4の現用一般的な取付け部4Aを同図1のように部分的に入れ込み、この部分に設けた縦孔に上から差し込んだ蝶形突片付きの先細雄ねじ5の下部5Aを上記スティ3の下面孔に螺入し、この雄ねじ下部5Aをスティ3の下面から上記各図のように突出させ、上記スティ凹部3Aにアンテナ取付け部4Aを螺着することで、スティ3の左右両端部付近にアンテナ4をその取付け部4Aで直交不動に水平突設できた。
【0018】
上記各図中、符号6で示した部分は、多素子アンテナ4の組立用蝶ナット、符号Cの部分は、スティ3および支柱1の各開口端に被せた防水キャップである。
【0019】
前記の突設手段のほかに、
ただし、前記各アンテナ4を横向きスティ3の両側に直交不動に水平突設するには、現用一般のポールに多素子アンテナを水平に取付けるためのアンテナ取付け具(周知のものでよいから図示せず)を横向きスティ3の両側に取着し、アンテナ素子を水平にしてその取付け部を取付け具に挟着固定することで、横向きスティ3の両側にアンテナをその取付け部4Aで直交不動に水平突設できる。
【0020】
このほかに、スティ3の左右両端部付近を偏平に潰して板状となし、これら各板状部分に上記取付け部4Aの長手複数箇所をねじ止めしてもよく、その他、現用一般の十字交差取付け部材の各弯凹面にそれぞれスティ3とアンテナ取付け部4Aを不動に取着してもよく、さらに前記図3のような取付け板2・U字ボルト・ナットを用いても、横向きスティ3に上記アンテナ取付け部4Aを直交させて不動に水平突設できる。
【0021】
次に、本考案における前記各部材の材質・各部寸法等の具体例を列挙する。
支柱1は、直径35mm程度の金属等強靱軽量直管材で作ったが、この支柱には、屋根馬設置型のほかに、建物外壁やベランダに立設した支柱も使用できる。
取付け板2は、肉厚2〜5mm程度の金属等強靱板材で作った。
【0022】
横向きスティ3は、直径約30mm程度の金属等強靱管材、または雨樋材料等の直射日光に強く耐候性に優れた強化プラスチック管材で長さ50〜140cm程度に作ったが、これら各材質は、アンテナ設置の状況・電界強度等により、適宜使い分ける。
単一指向性多素子アンテナ4には、全長約1.3メートル程度で重量約1.5Kg程度の現用一般的な単一指向性多素子アンテナを水平スタック接続して用いた。
【0023】
取付け板2に対するU字ボルトの取着間隔は、支柱用の上下2本が約100mm間隔・横向きスティ用の左右2本が約80mm間隔程度とした。U字ボルト同士の対向間隔やボルト直径は、支柱1やスティの外径に応じたものを適宜選択して用いた。
【0024】
本考案による指向性アンテナの仰角設定取付け装置は、以上のような構成となしたので、これを使用するには、先ず前記アンテナ取付け部4A自体の取着部分を除き、前記各取着部における締付けナットNを僅かずつ緩めた各取着部の仮枢支状態で、横向きスティ3を取付け板2とアンテナ4と共に支柱1を中心として水平方向に回動し、二本の単一指向性多素子アンテナ4を高所の電波発射源(図示せず)の上方または下方に向ける。
【0025】
その後、またはその前に、前記取付け板2に対して横向きスティ3を前記各アンテナと共に軸線中心に回動させることで、これら各アンテナ4を図2のように斜め上向きに回動して高所の電波発射源に二本纏めて精確に向け仰角設定した後、前記仮枢支状態の各取着部における緩めた締付けナットNをそれぞれ強固に締着することで、これら各取着部を不動に固定でき、各指向性アンテナ4の前記設定済仰角を二本纏めて固定できる。
【0026】
前述した仰角設定手順の具体例としては、先ず仰角設定途中の二本の多素子アンテナ4で受信している地デジ電波等のUHF帯域の到来電波の水平スタック出力を周知の同軸ケーブル(図示せず)を経てテレビ受像機のアンテナ入力端子に入力し、その画面の映り具合が最良になるように追跡・維持したり、受像機のアンテナ入力レベル指示画面や、現用一般の電界強度計の最大指示値を追跡・維持しながら、左右の各アンテナ4を前述したような手順で高所の電波発射源に精確に向くように縦・横・斜めに回動させることで、二本の単一指向性多素子アンテナ4の仰角を二本纏めて図2のように精確に設定できる。
【0027】
次いで、上記テレビの映り具合を最良に保持したり、アンテナ入力指示画面の変動表示値を確保しながら、各アンテナ4の前記設定済仰角を二本纏めて最良に保持した状態で、今度は、前記緩めた締付けナットNをそれぞれ強固に締着することで前記各取着部を固定でき、高所の電波発射源に精確に向けた二本の多素子アンテナ4の設定済仰角を上記各図のように強固かつ、安定に二本纏めて固定でき、各アンテナ4で例えばUHF帯域の水平偏波の到来電波を前記のようにテレビ画面の映り具合が最良の状態で長期に亘り安定に受像視聴できた。
【0028】
以上の実施形態は、二本の指向性アンテナ4にそれぞれ単一指向性多素子アンテナを用いた例を述べてきたが、本考案は,昨今周知となった図4のような垂直スタック接続済単一指向性平面アンテナ4にも当然に実施てきるが、この場合には、上記平面アンテナ4の裏面中央に止めねじnで同図4のように取着した取付け座7の表面と挟着板8の弯凹部8Aとの間に横向きスティ3の両側付近を片方ずつ同図4のように差し込み、多数の止めねじnで各スティ3の両端部付近を上記挟着板8で取付け座7に不動に挟着固定し、必要に応じてスティ3と挟着板8とを同図4のように蝶形突片付きの雄ねじ5で螺着する。
【0029】
ただし、横向きスティ3の両側付近に前記平面アンテナ4を一枚ずつ不動に固定するには、上記の手段のほかに、横向きスティ3の左右両端部付近を直接に前記取付け座7または平面アンテナ4の裏面中央取付け部に複数の長寸ねじで螺着してもよく、また、スティ3の左右両端部付近を偏平に潰して板状となし、これら各板状部分を上記取付け座7または平面アンテナ4の上記取付け部に螺着してもよい。
【0030】
このように、垂直スタック接続した二枚の単一指向性平面アンテナ4をさらに水平スタック接続して用いた場合にも、これを使用するには、平面アンテナ4自体の取着部分を除き、前記各取着部を緩めた各取着部の仮枢支状態で、横向きスティ3をアンテナと共に取付け板2を介し支柱1を中心として水平方向に回動させ、二枚の指向性平面アンテナ4の各受信面を二面纏めて高所の電波発射源の上方または下方に向ける。
【0031】
その後またはその前に、取付け板2に対して上記スティ3を二枚の各平面アンテナ4と共に軸線中心に図5のように回動させることで、指向性平面アンテナ4の受信面を同図5のように二面纏めて斜め上向きに回動でき、平面アンテナ4の受信面を纏めて高所の電波発射源に向けて仰角設定した後、前記仮枢支状態の各取着部をそれぞれ前述したように強固に固定することで、指向性平面アンテナ4の設定済仰角を二枚纏めて固定できる。
【0032】
ただし、前記指向性平面アンテナ4としては、縦・横・厚さがそれぞれ約600・270・70mm程度、重量約2Kg程度で動作利得8〜10dB程度の現用一般的な弱・中電界地域用として市販している日本アンテナ株式会社製のツインデルタ双ループ状垂直スタック接続済指向性平面アンテナをさらに水平スタック接続して用いた。
【0033】
なお、前記取付け板2に対する横向きスティ3の取着部分における外周面2個所や、支柱1の上部外周面2個所にそれぞれ前記U字ボルトの位置に応じて環状溝(図示せず)を形成すれば、この環状溝でU字ボルトの位置決めが可能になり、かつ、前記各取着部を僅かに緩めた各取着部の仮枢支状態も安定に維持でき、アンテナの仰角設定作業が一層容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
前記二種類の単一指向性アンテナ4に周知の垂直偏波受信用の指向性アンテナを用いれば、UHF帯域やVHF帯域の垂直偏波の源到来電波も当然に受信できる。
【0035】
1……ほぼ鉛直の支柱
2……取付け板
3……横向きスティ
3A…空転止め凹部
4……単一指向性アンテナ
4A…アンテナの取付け部
5……蝶形突片付きの雄ねじ
5A…雄ねじ5の下部
6……蝶ナット
7……取付け座
8……挟着板
8A…挟着板の弯凹部
U……U字ボルト
N……締付けナット
n……止めねじ
C……防水キャップ

(57)【要約】

【課題】高所の電波発射源に向けて二本の多素子アンテナまたは二枚の平面アンテナを纏めて仰角設定した後、この仰角を纏めて固定可能にする指向性アンテナの仰角設定取付け装置を提供する。【解決手段】ほぼ鉛直の支柱1に対し水平回動調節後固定可能な取付け板2に横向きスティ3を軸線中心に回動後固定可能に取着する。このスティ3の両側にそれぞれ直交させて指向性アンテナ4を水平同方向に設け、取着力を弱めた前記各取着部の仮枢支状態で、スティ3を取付け板2・各アンテナ4と共に支柱1を中心として水平方向に回動させる。さらに、前記アンテナ4を高所の電波発射源の上方または下方向ける一方、スティ3をアンテナ4と共に軸線中心に回動して前記各指向性アンテナ4の仰角を纏めて設定後、前記仮枢支状態の各取着部を固定することで、前記設定済仰角を纏めて固定可能にした。


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