(54)【考案の名称】積載運搬型容器の定位構造

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、カーゴバー(貨物が動かないようにするための突っ張り棒)を貫通して組み合わせることにより、カーゴバーへの積載運搬型容器の固定を安定させる積載運搬型容器の定位構造に関する。

【従来の技術】

【0002】
積載運搬型容器は物品(例えばオイル、衣服等)の包装体の積載に用いる。これはオイルのオイルタンクの積載、或いは、衣類の収納ボックス、スーツケース等の積載にも用いる。オイルタンク、収納ボックス、スーツケース等や同様の用途の積載運搬型容器は、通常、移動物(例えば車両、カート等)によって運搬され、移動する時は、車両での積載が安定するように、車両(特にトラック)の荷台10上に荷台側壁101に突っ張るカーゴバー20(Cargo Bar。図1参照)を設置し、カーゴバー20を用いて収納ボックス30(図では収納ボックスを例とするが、この他、例えばオイルタンクやスーツケース等)の側面を緊密に押さえ、しっかり定位させる作用を生じさせ、車両の走行中に傾いて倒れるのを防ぐ。
【0003】
しかし、各種収納ボックス30(或いはオイルタンク、スーツケース)の大きさは同じでないため、単一のカーゴバー20を用いて並べられた各種収納ボックス30(或いはオイルタンク、スーツケース)が全てしっかりと押えられて定位するのは不可能である。また、カーゴバー20によって押えられた収納ボックス30(或いはスーツケース)の側面は、収納ボックス30(或いはスーツケース)を内外側に移動させないだけで、やはり左右の移動は可能である。しかも、収納ボックス30(或いはオイルタンク、スーツケース)が車両走行中に傾いて倒れた場合、内容物の流出や散乱を招き、危険な状況の発生に至ることさえもある。よって、改善は必然である。
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
上述したとおり、本考案の解決しようとする技術問題は、現有する積載運搬型容器がカーゴバーによって安定した定位がなされないために発生する内容物の流出や散乱、或いは容器がぶつかり合う欠点にあることを考慮し、効果的に公知技術を改善する構造を提供する。

【効果】

【0010】
本考案の主な目的は積載運搬型容器の定位構造の提供にあり、積載運搬型容器の表面にカーゴバーを貫通することにより、積載運搬型容器をカーゴバーに定位させ、外力の横揺れによる積載運搬型容器の傾斜を防ぎ、確実に安定した定位構造を提供する。これにより、従来の積載運搬型容器の定位が不安定で、ぶつかったり内容物の流出や散乱が起きる欠点を改善する効果を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両荷台に位置を限定されて配置された公知積載運搬型容器の立体図である。
【図2】本考案実施例の立体構造図である。
【図3】図2にカーゴバーを貫通、定位させた実施例図である。
【図4】本考案を車両荷台に定位した状態を示す立体図である。
【図5】積載運搬型容器に枢着した本考案固定器の動作を示す立体図である。
【図6】本考案のもう一つの実施例図である。

【0012】
図2に示すとおり、本考案の提供する積載運搬型容器A(図ではオイルタンクを例とする)は、定位構造Fを備える。その定位構造Fは積載運搬型容器Aの表面1(図では上表面を例とする)を指し、対応する二つの固定器2を設置する。二つの固定器2にはカーゴバーBを貫設し(図3参照)、積載運搬型容器AとカーゴバーBの定位効果を実現する。
【0013】
固定器2にはそれぞれ、定位部21、側面橋架体22、位置制限部品23を備える(図2参照)。定位部21は側面橋架体22と一体成形し(金属製またはプラスチック製)、定位部21はカーゴバーBを固定器2に貫通させて載せる働きをする。定位部21は円弧溝状とし、二つの側面橋架体22を定位部21の両側に連結し、位置制限部品23(ボルト部品としてもよい)を二つの側面橋架体22間、尚且つ定位部21の上方に枢着する。二つの側面橋架体22にはそれぞれ対応する複数の定位孔221を設け、定位孔221間には高度差を備えさせる。これにより、位置制限部品23は対応する定位孔221を貫通して二つの側面橋架体22の間に取り付けられ、位置制限部品23の高さを変更し、異なる直径のカーゴバーBに適用させることが出来る。また、位置制限部品23はカーゴバーBに対する下向きの力を働かせ、位置限定作用を生じさせる(図3参照)。
【0014】
また、積載運搬型容器Aの表面1の二つの固定器2間には凹溝部3を備え、凹溝部3は二つの固定器2の間に繋がるため、カーゴバーBを貫通させた時にそれを配置する働きをする(図3参照)。また、二つの固定器2の間には取っ手4を備え、取っ手4は凹溝部3に跨り設けられ、持ち上げる時に使用される。
【0015】
また、表面1は積載運搬型容器Aの上面或いは側面とし、積載運搬型容器Aは、オイルタンク(図2参照)、収納ボックス、スーツケース、或いはその他同等効果作用のある積載運搬型容器である。
【0016】
前述した構成要素を組み合わせ、実施時には、積載運搬型容器Aを車両の荷台Cに置き(図4参照)カーゴバーBを順に二つの固定器2に貫通させ、取っ手4を設けてあるのであれば、同時に取っ手4にも貫通させる。この時、カーゴバーBは、定位部21と凹溝部3に収め入れ(図3参照)、続いて、カーゴバーBの直径に応じて位置制限部品23を適当な高さの定位孔221に下方移動させ、尚且つ位置制限部品23でカーゴバーBを下方向に圧する。よって、積載運搬型容器AとカーゴバーB間に安定した定位作用を生じさせるため、積載運搬型容器Aは移動することがない。
【0017】
また、図5に示すとおり、二つの固定器2をそれぞれ積載運搬型容器Aの表面1の構造モデルに枢着してもよい(図は一つの固定器を例とする)。二つの固定器2と積載運搬型容器Aの間にはさらにそれぞれ、少なくとも一つの圧迫定位部品5を備える。圧迫定位部品5には突出部51と窪み部52を含み、二者は互いに圧迫し合って嵌合する。突出部51は二つの固定器2の側面橋架体22の外側に設け、窪み部52は積載運搬型容器Aの外側に設ける(例えば図5では別に耳部A1を設け、窪み部52は耳部A1に設ける)。以上のように、圧迫定位部品5を用いることにより、二つの固定器2をそれぞれ積載運搬型容器Aの表面1に組み合わせて定位させることができる。もし圧迫定位をしていない場合は、二つの固定器2は積載運搬型容器Aの下向きに収められ、体積を縮小できる。
【0018】
前述の構成要素の組み合わせ及び実施例の説明から理解される通り、本考案は積載運搬型容器AをカーゴバーBに定位することで、確実で安定した定位効果が得られ、積載運搬型容器Aが車両走行中の横揺れや移動により、衝撃を受けたり内容物の流出や散乱が起きる危険性を防ぐことができる。よって、その全体効果は確実に大幅に向上し、経済効果を促進する。また、図6に示すとおり、積載運搬型容器AにカーゴバーBを貫通していない時、その定位構造Fをオイル注入管A2の貫通定位用としてもよい。
【0019】
前述したとおり、本考案は確実に前述した公知技術の欠点を解決することができ、産業利用性、新規性、進歩性を兼ね備え、実用新案の要件を満たしている。尚、前述の説明は、単に本考案の好ましい実施例を挙げたのみであり、本考案の実施範囲を限定するためのものではない。よって、本考案の実用新案登録請求の範囲に基づいて行われた同等効果を有する変化や修飾は全て、本考案の実用新案登録請求の範囲に含まれることをここに明記する。
【0020】
(公知技術)
10 荷台
101 荷台側壁
20 カーゴバー
30 収納ボックス
(本考案の実施例)
1 表面
2 固定器
21 定位部
22 側面橋架体
221 定位孔
23 位置制限部品
3 凹溝部
4 取っ手
5 圧迫定位部品
51 突出部
52 窪み部
A 積載運搬型容器
A1 耳部
A2 オイル注入管
B カーゴバー
C 荷台
F 定位構造

(57)【要約】

【課題】カーゴバーを貫通して組み合わせることにより、カーゴバーへの積載運搬型容器の固定を安定させる積載運搬型容器の定位構造を提供する。【解決手段】積載運搬型容器Aの表面に対応する少なくとも二つの固定器2を設置し、固定器2にはそれぞれ定位部21を備える。定位部21の上方には位置制限部品23を備え、二つの固定器2間には二つの固定器2に繋がる凹溝部3を設ける。これにより、カーゴバーは二つの固定器2を貫通し、定位部21に載せられるとともに、凹溝部3内に配置され、位置制限部品23は下向きの力を働かせてカーゴバーに制限を加える。よって、カーゴバーに定位する積載運搬型容器Aは、外力の横揺れによる傾斜を防ぐことができ、確実に安定した定位構造を構成する。


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