(54)【考案の名称】健康増進装置

(73)【実用新案権者】株式会社アコーズ

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、血圧計や体重計や活動量計のデータを情報通信端末で記憶管理すると共に、これらにデータを医療機関に送って健康増進に役立てる健康増進装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
日常の健康増進のためには、日頃の身体の生体情報を遅滞なく記憶し管理することが最も望ましい。
このため、たとえば下記の特許文献1に、血圧計や体重計や活動量計の生体データを情報通信端末等で集め、ネットで医療機関に送り医師がアドバイスする技術が開示されている。
【0003】
図4は特許文献1に開示された健康管理支援システム200の構成図である。
この健康管理支援システム200は、予め定められた期間毎の人体の活動量を測定する活動量計2と、血圧計32、体重計31等の他のセンサ800とを含み、測定した生体情報を送信可能なセンサ700を備える。サーバー装置100は、通信網を介してセンサ700から活動量を含む生体情報を受信して記憶する。医師端末600は、サーバー装置100に記録された生体情報を閲覧可能である。これにより、医師は血圧、血糖値等の生体情報を被検者の活動量と関連付け把握することできる。
【0004】

【効果】

【0011】
本考案に係る健康増進装置によれば、使用者の刻々と変わる体重を反映した活動量と、血圧計や体重計による生体情報を確実にかつ毎日遅滞なく測定することが可能となり、また、集団検診など使用者が多数の場合でも、測定データの識別が容易な健康増進装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案に係る健康増進装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本考案に係る健康増進装置における活動量計の構成を示すブロック図である。
【図3】本考案に係る健康増進装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】従来例の健康管理支援システムの構成を示すブロック図である。

【0013】
本考案に係る健康増進装置は、体重計で測定した体重データで、活動量計に記憶されている体重データを書き換えて正確な活動量を算出し、また体重計や血圧計や活動量計の何れかの測定が終わると未だ測定が終わっていない測定項目を使用者に知らせ、活動量計に記憶されている使用者番号を用いて使用者の測定データを識別管理するものである。
【0014】
以下、図1から図3を用いて本考案に係る健康増進装置の第1の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1において、健康増進装置1は、活動量計2と、生体情報測定手段3と、情報通信端末5と、リーダライタ53とから構成される。さらに、情報通信端末5は特定生体情報データ転送手段51と、メッセージ発生手段52を備えている。また、この実施形態の場合、生体情報測定手段3は、体重計31と、血圧計32とを有している。
【0016】
活動量計2は、使用者の歩行や身体の日常の動きを検出し、内蔵する計時手段(図示せず)によるカレンダ情報とともに歩数や運動による消費カロリを表示し、かつ内蔵する非接触データ通信手段により外部に発信する。なお、活動量計2の詳細は後述する。
【0017】
生体情報測定手段3が具備する体重計31は、使用者の体重データWdを表示し、かつ内蔵する無線通信手段(図示せず)により情報通信端末5に当該体重データWdを送信する。
【0018】
血圧計32は、血圧データBdを表示し、かつ内蔵する無線通信手段(図示せず)により情報通信端末5に当該血圧データBdを送信する。
【0019】
情報通信端末5は、リーダライタ53を介して活動量計2から送信されるカレンダ情報を含んだ活動量データKdと、前記体重計31および血圧計32から無線送信される体重データWdおよび血圧データBdを送受信するための送受信機能(図示せず)を有している。
【0020】
また、情報通信端末5は、内部に特定生体情報データ転送手段51をソフトウエアの形で備えると共に、メッセージ発生手段52をソフトウエアとハードウエアの形で備えている。なお、情報通信端末5はパーソナルコンピュータや、タブレット端末などで構成される。
【0021】
情報通信端末5の特定生体情報データ転送手段51は、体重計31から送信される体重データWdを特定生体情報データとしてリーダライタ53を経由して活動量計2に送信する。メッセージ発生手段52は、使用者に対する測定の督促やエラー発生や注意の報知を音声で行うものである。
【0022】
次に、図2を用いて活動量計2の構成を詳述する。なお、図2は本考案による活動量計2の構成を示すブロック図である。
【0023】
図2において、活動量計2は、体動センサ21と、個人データ設定部22と、マイクロプロセッサ23と、記憶部24と、通信部25と、表示器26と、電池27とで構成される。なお、説明のため、情報通信端末5の周辺機器であるリーダライタ53を点線で示してある。
【0024】
前記体動センサ21はxyzの3軸の加速度センサで、使用者の体の動きによる体動信号Tsを出力する。
また、個人データ設定部22は使用者の年令、性別、身長および体重データWdからなる個人データを数値設定で入力するための機械的なスイッチである。
【0025】
マイクロプロセッサ23は、プログラムメモリ(図示せず)に記憶されたプログラムに従って、体動センサ21が出力する体動信号Tsと、個人データ設定部22が出力する体重データWdを含む個人データとから活動量データKdを算出し、表示器26に表示すると共に、通信部25により前記特定生体情報データ転送手段51を経由して情報通信端末5に送信する。特定生体情報データ書き換え部231については後述する。
【0026】
記憶部24は、使用者番号Idや体重データWdを含む個人データや、活動量データKdや、マイクロプロセッサ23が内蔵する計時手段(図示せず)によるカレンダ情報や、マイクロプロセッサ23の演算処理に必要なデータ類を記憶する不揮発メモリである。
【0027】
通信部25は、非接触データ通信方式を用いて活動量データKdやカレンダ情報や使用者番号Idを、リーダライタ53を介して情報通信端末5に送信し、かつ情報通信端末5から体重データWdを、リーダライタ53を介して受信する。
【0028】
この体重データWdは、個人データ設定部22によって数値で入力された体重データWdとは異なり、図1に示す体重計31によって実際に測定された体重データWdであり、使用者の活動量をより正確に算出する特定生体情報データなので、マイクロプロセッサ23の特定生体情報データ書き換え部231によって、それまで記憶されていた体重データWdに代わって記憶部24の特定生体情報データメモリ241に記憶される。
【0029】
表示器26は液晶表示器で構成され、活動量データKdやカレンダ情報などを表示する。また、電池27は活動量計2の全体を駆動するボタン電池である
【0030】
次に、図1〜図3を用いて上記健康増進装置1の動作を説明する。
図3は健康増進装置1の動作を説明するフローチャートである。
【0031】
使用者の歩行や運動によって図2に示す体動センサ21が体動信号Tsを出力し、マイクロプロセッサ23が活動量データKdを算出し記憶部24にカレンダ情報とともに記憶する。使用者が歩行を終了し、活動量計2を図1に示すリーダライタ53に載置する。(S1)
【0032】


情報通信端末5のリーダライタ53と活動量計2の通信部25によって通信が開始され、まず活動量計2から送られる使用者番号Idを情報通信端末5が認識する。(S2)
【0033】
情報通信端末5はメッセージ発生手段52によって、たとえば「Id番号xxxさんこんにちは、体重計に載って下さい。」と報知する。(S3)
【0034】
使用者は体重計31に乗り体重を測定する。体重測定が完了し体重計31が体重データWdを情報通信端末5に送信すると情報通信端末5は体重データWdを使用者番号Id別に記憶する。(S4)
【0035】
次に、情報通信端末5はメッセージ発生手段52によって、「血圧を測って下さい。」と報知する。(S5)
【0036】
使用者は血圧計32を用いて血圧を測定する。血圧測定が完了し血圧計32が血圧データBdを情報通信端末5に送信すると、情報通信端末5は血圧データBdを使用者番号Id別に記憶する。(S6)
【0037】
使用者によって血圧計や体重計の測定が正しく完了すると、情報通信端末5のメッセージ発生手段52は、「活動量計をもう一度リーダライタに載せて下さい。」と報知する。(S7)
【0038】
上記ステップに続いて使用者が活動量計2をリーダライタ53に載置する。(S8)
【0039】
情報通信端末5の特定生体情報データ転送手段51によって最新の体重データWdが活動量計2に転送される(S9)
【0040】
活動量計2のマイクロプロセッサ23の特定生体情報データ書き換え部231は、通信部25を介して受信した最新の体重データWdを記憶部24の特定生体情報データメモリ241に記憶し、さらに必要に応じて最新の体重データWdを用いて活動量データKdを算出し通信部25からリーダライタ53を通じて情報通信端末5に送信する。なお、使用者の体重変化が急激でない場合は、前述した「最新の体重データWdを用いた活動量データKdの算出」は省略することが出来る。(S10)
【0041】
情報通信端末5は、以上S1からS10のプロセスを通じて、活動量計から送信された使用者番号Idをいわば「荷札」として、当該使用者固有の活動量データKdや体重データWdや血圧データBdを一括まとめて記憶し保存する。
その後情報通信端末5は内蔵するインターネット接続機能(図示せず)によって活動量データKdや体重データWdや血圧データBdを離れた地点の医療機関や健康保険組合などに送信する。
医療機関や健康保険組合などは送られた前記データに基づき健康指導を行う。(S11)
【0042】
以上のように、本考案に係る健康増進装置1は使用者の健康関連データを離れた場所に送り、医療機関や健康保険組合によって使用者に対し健康増進のための指導が展開される。
【0043】
このように、本考案に係る健康増進装置によれば、使用者の刻々と変わる体重を反映した活動量と血圧計などによる生体情報を漏れることなく確実に測定することが可能となる。
【0044】
また、多くの使用者がいる集団検診などでは、通常の体重計や血圧計は多数の識別番号を付与する機能が備わっていないので、体重計や血圧計の測定データは使用者毎に誤りなく割り付ける必要がある。しかるに本考案に従えば、集団検診の初めに活動量計により情報通信端末が使用者番号を認識し、記憶部の所定の領域にこれらを記憶するので、測定データの割り付けミスを生じない仕組みが提供される。
【0045】
1:健康増進装置
2:活動量計
21:体動センサ
22:個人データ設定部
23:マイクロプロセッサ
231:特定生体情報データ書き換え部
24:記憶部
241:特定生体情報データメモリ
25:通信部
26:表示器
27:電池
3:生体情報測定手段
31:体重計
32:血圧計
5:情報通信端末
51:特定生体情報データ転送手段
52:メッセージ発生手段
53:リーダライタ
Ts:体動信号
Wd:体重データ
Bd:血圧データ
Id:使用者番号
Kd:活動量データ

(57)【要約】

【課題】使用者の刻々と変わる体重を反映した活動量と、その他の血圧計や体重計等による生体情報を確実に、かつ毎日遅滞なく測定することが可能で、又集団検診など使用者が多数の場合でも測定データの識別が容易な健康増進装置を提供する。【解決手段】情報通信端末5は,活動量計2から送信される使用者番号Idに基づき生体情報データを識別してデータ記憶部に記憶する記憶制御手段を有する。生体情報測定手段3によって測定された生体情報データ中の特定生体情報データを情報通信端末5、リーダライタ53を経て活動量計に転送し、活動量計は特定生体情報データが転送されるたびに、特定生体情報データメモリを書き換える構成とした。


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