【0001】
本考案は、繰り返して筆記または消去が可能な陶磁製商品又はサービス情報表示具に関するものである。
【0002】
従来より、商品の陳列台等や陳列棚上において商品の前方等に並置され、その商品の価格などの商品情報を表示する商品情報表示具が種々提案されている。また、飲食店のメニューボートなど、提供するサービスの情報を表示するサービス情報表示具も種々提案されている。例えばそのようなものとして、実用新案登録第3129876号公報のプライス表示具がある。
【0003】
このプライス表示具30は、図5および図6に示すように、プライスカード31と、プライスカード31を設置可能な凹条溝32を備えたプライスカード設置台33と透明ブロック34とからなり、プライスカード設置台33は横長の棒状ブロック体に構成されると共に、透明や半透明の所定の色調を持つアクリル樹脂により構成されている。他方、透明ブロック34は、プライスカード設置台33の凹条溝32内に嵌入可能な棒状ブロック体に構成され、無色透明または有色透明のガラスまたは合成樹脂により作製されている。
【0004】
そして、このプライス表示具30は、商品が陳列された陳列台やこの陳列台の上に、プライスカード設置台33が載置され、このプライスカード設置台33の凹条溝32内に価格が記入されたプライスカード31が配され、その上を被覆するように透明ブロック34をプライスカード設置台33の凹条溝32内に嵌め込むことにより使用される。
【0005】
しかし、このプライス表示具30は、プライスカード31とプライスカード設置台33と透明ブロック34とからなり部品点数が多く高価になりがちであり、組立作業が必要で使用方法も煩雑であった。
【0010】
請求項1に記載の考案によれば、商品情報又はサービス情報を筆記または消去可能であると共に組立作業も不要で極めて容易に反復使用でき、より低廉に作製可能な陶磁製商品又はサービス情報表示具を構成できる。
請求項2に記載の考案によれば、上記請求項1の効果に加え、商品購買者が筆記面に記載された内容を目視することがより容易となる。
請求項3に記載の考案によれば、上記請求項1または2の効果に加え、簡素な形態で傾斜面を容易に形成できる。
請求項4に記載の考案によれば、上記請求項1ないし3の効果を有するプライスバーを構成できる。
請求項5に記載の考案によれば、上記請求項1ないし3の効果を有する商品説明用プレート又はサービス説明用プレートを構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具の一実施例の斜視図である。
【図2】図1に示した陶磁製商品又はサービス情報表示具の縦断面図である。
【図3】本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具の他の実施例の斜視図である。
【図4】図3に示した陶磁製商品又はサービス情報表示具の縦断面図である。
【図5】従来の商品又はサービス情報表示具の使用状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示した商品又はサービス情報表示具の右側面図である。
本考案では、筆記面3を油性ペンにて書き込み可能で、かつ油性ペンのインクを水を用いて拭き取ることにより消去可能な釉薬面に形成したことで、商品情報又はサービス情報を筆記または消去可能であると共に組立作業も不要で極めて容易に反復使用でき、より低廉に作製可能な商品又はサービス情報表示具1を実現した。
まず、図1および図2に示した本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具1について説明する。
この実施例の陶磁製商品又はサービス情報表示具1は、陶磁原料を成形および焼成して一体に形成された本体部2と、本体部2の少なくとも一面に設けられ商品情報又はサービス情報を筆記するための筆記面3とを有し、筆記面3は、油性ペンにて書き込み可能で、かつ油性ペンのインクを水を付着させて拭き取ることにより消去可能な釉薬面にて形成されている。以下、各構成について順次詳述する。
【0014】
陶磁製商品又はサービス情報表示具1はプライスバーであって、商品の陳列台や陳列棚上において商品の前方等に並置され、その商品の価格を表示するために使用されるものである。
【0015】
本体部2の形成材料としては、長石、珪石、陶石、粘土など一般的な陶磁原料が使用されている。
【0016】
陶磁製商品又はサービス情報表示具1の製造方法としては、陶磁原料を混練した後、成形を行い、素焼きした後、施釉し本焼成して作製されている。陶磁材料は成形容易牲に優れるため様々な形態の商品又はサービス情報表示具を容易に作製することができる。
【0017】
この実施例の陶磁製商品又はサービス情報表示具1の形態は、図1に示すように、横長でかつ縦断面形状が略三角形(略正三角形)の略三角柱に形成されている。このような形態に成形されることにより、簡素な形態で傾斜面を容易に形成できる。ただし、本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具はこのような形態に限定されるものではなく、筆記面3を備えるものであれば、どのような立体形状のもの(例えば立方体など)も本考案の範疇に包含される。
【0018】
このように、本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具は、陶磁製であるため成形性に富み所望の形態に成形容易である。また、ある程度の重量を有しているため、配置した所定位置に定着しやすく移動してしまうこともなく、筆記も容易である。さらに、プライスカード(紙)などの廃棄物を産出することもなく、一体物であるため使用に際して組立作業も不要である。
【0019】
陶磁製商品又はサービス情報表示具1には筆記面3が形成されており、筆記面3は本体部2の少なくとも一面に設けられ、この実施例では商品の価格を筆記するための部位として機能する。
【0020】
筆記面3は、油性ペンにて書き込み可能で、かつ油性ペンのインクを拭き取ることにより消去可能な釉薬面にて形成されている。このように、釉薬面で形成された筆記面3は、油性ペンで書き込み可能であることにより、筆記面3に触れた程度では油性インクは消去されず商品又はサービス情報表示具として有効に機能する。一方、油性インクを布等に水を含浸させるなどして水を付着させて拭き取ることにより消去可能であるため、プライスバーとして極めて容易に反復使用することができる。
【0021】
筆記面3は載置された状態で傾斜面に形成されていることが好ましく、これにより、商品の購買者が筆記面3に記載された内容を目視することがより容易となる。
【0022】
なお、筆記面3を構成する釉薬面は、釉薬原料中に釉薬層4の表面がより平滑となる原料を添加することにより実現できる。例えば、そのような原料としては、長石、炭酸リチウム、マグネサイト、タルク、石灰石、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、または亜鉛華などが好適に使用できる。また、より平滑な釉薬面を形成するために、釉薬原料の粒度をより細かくすることが好ましい。さらに、釉薬層4を形成する釉薬の種類としては、磁器釉としての長石釉、白磁釉、青磁釉などが挙げられる。さらに、筆記面3の色彩としては、乳白色や、薄い青、緑、黄、或いはピンク色などを呈した乳白色などが好適である。
【0023】
また、この実施例のプライスバー1は、図2に示すように、本体部2の表面(底面を除く)に釉薬層4が形成されることにより、本体部2の釉薬層4が形成された全域が、油性ペンにて書き込み可能で、かつ油性ペンのインクを拭き取ることにより消去可能な釉薬面に形成されている。これにより、複数の面に商品情報又はサービス情報を筆記または消去可能な陶磁製商品又はサービス情報表示具を構成できる。
【0024】
つぎに、プライスバー1の使用方法について説明する。
このプライスバー1は、商品の陳列台や陳列棚上において商品の前方等に並置されて使用される。商品との並置に先立って筆記面3に油性ペンで商品の価格を記載する。そして、商品の価格を変更したり、他の商品のプライスバーとして使用する場合は、インクを布等に水を含浸させて拭き取ることにより消去する。さらに、油性ペンで価格を書き入れて再使用する。
【0025】
このように、本考案のプライスバーは、筆記面3に記載された価格を何度でも消去した後、書き直すのみで、極めて容易に反復使用することができると共に、陶磁製一体物であるためより低廉に作製することができる。
【0026】
つぎに、図3および図4に示した本考案の他の実施例である陶磁製商品又はサービス情報表示具10について説明する。
【0027】
陶磁製商品又はサービス情報表示具10は商品説明用プレートであって、商品の陳列台や陳列棚上において商品の前方等に並置され、その商品の各種情報を表示するために使用される。
【0028】
本体部12の形成材料としては、長石、珪石、陶石、粘土など一般的な陶磁原料が使用されている。
【0029】
陶磁製商品又はサービス情報表示具10の製造方法としては、陶磁原料を混練した後、成形を行い、素焼きした後、施釉し本焼成して作製されている。陶磁材料は成形容易牲に優れるため様々な形態の商品又はサービス情報表示具を容易に作製することができる。
【0030】
この実施例の陶磁製商品又はサービス情報表示具10の形態は、図3に示すように、横長でかつ縦断面形状が略三角形(略直角三角形)の略三角柱に形成されている。このような形態に成形されることにより、簡素な形態で広い面積を有する傾斜面を容易に形成できる。ただし、本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具はこのような形態に限定されるものではなく、筆記面を備えるものであれば、どのような立体形状のものも本考案の範疇に包含される。
【0031】
このように、本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具は、陶磁製であるため成形性に富み所望の形態に成形容易である。また、ある程度の重量を有しているため、配置した所定位置に定着しやすく移動してしまうこともなく、筆記も容易である。さらに、商品説明記入カード(紙)などの廃棄物を産出することもなく、一体物であるため使用に際して組立作業も不要である。
【0032】
陶磁製商品又はサービス情報表示具10には筆記面13が形成されており、筆記面13は本体部12の少なくとも一面に設けられ、この実施例では商品情報を筆記するための部位として機能する。なお、筆記面13は商品情報を記載するために、前述したプライスバー1の価格を記載する筆記面3に比してより広い面積を有するように構成されている。
【0033】
筆記面13は、油性ペンにて書き込み可能で、かつ油性ペンのインクを拭き取ることにより消去可能な釉薬面にて形成されている。このように、釉薬面で形成された筆記面13は、油性ペンで書き込み可能であることにより、筆記面3に触れた程度ではインクは消去されず商品又はサービス情報表示具として有効に機能する。一方、インクを布等に水などを含浸させて拭き取ることにより消去できるため、商品説明用プレートとして極めて容易に反復使用することができる。
【0034】
筆記面13は載置された状態で傾斜面に形成されていることが好ましく、これにより、商品の購買者が筆記面13に記載された商品説明を目視することがより容易となる。
【0035】
なお、筆記面13を構成する釉薬面は、釉薬原料中に釉薬層14の表面がより平滑となる原料を添加することにより実現できる。例えば、そのような原料としては、長石、炭酸リチウム、マグネサイト、タルク、石灰石、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、または亜鉛華などが好適に使用できる。また、より平滑な釉薬面を形成するために、釉薬原料の粒度をより細かくすることが好ましい。さらに、釉薬層14を形成する釉薬の種類としては、磁器釉としての長石釉、白磁釉、青磁釉などが挙げられる。さらに、筆記面13の色彩としては、乳白色や、薄い青、緑、黄、或いはピンク色などを呈した乳白色などが好適である。
【0036】
また、この実施例の商品説明用プレート10は、図4に示すように、本体部12の表面(底面を除く)に釉薬層14が形成されることにより、本体部12の表面が、油性ペンにて書き込み可能で、かつ油性ペンのインクを拭き取ることにより消去可能な釉薬面に形成されている。これにより、複数の面に商品情報を筆記または消去可能な陶磁製商品又はサービス情報表示具を構成できる。
【0037】
つぎに、商品説明用プレート10の使用方法について説明する。
この商品説明用プレート10は、商品の陳列台や陳列棚上において商品の前方等に並置されて使用される。商品との並置に先立って筆記面13に油性ペンで商品情報を記載する。そして、商品情報を変更したり、他の商品の商品説明用プレートとして使用する場合は、インクを布等に水を含浸させて拭き取ることにより消去する。さらに、油性ペンで商品情報を書き入れて再使用する。
【0038】
このように、本考案の商品説明用プレートは、筆記面13に記載された商品情報を何度でも消去した後、書き直すのみで、極めて容易に反復使用することができると共に、陶磁製一体物であるためより低廉に作製および提供することができる。なお、本考案の陶磁製商品又はサービス情報表示具には、商品説明用プレート10の他、メニューボードなどの陶磁製サービス情報表示具も包含される。
1 陶磁製商品又はサービス情報表示具
2 本体部
3 筆記面
4 釉薬層
【課題】商品情報又はサービス情報を筆記または消去可能であると共に組立作業も不要で極めて容易に反復使用でき、より低廉に作製可能な商品又はサービス情報表示具を提供する。【解決手段】陶磁製商品又はサービス情報表示具1は、陶磁原料を成形および焼成して一体に形成された本体部2と、本体部2の少なくとも一面に設けられ商品又はサービス情報を筆記するための筆記面3とを有し、筆記面3は、油性ペンにて書き込み可能で、かつ油性ペンのインクを水を用いて拭き取ることにより消去可能な釉薬面にて形成されている。
インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):