(54)【考案の名称】インキ用容器

(73)【実用新案権者】東洋インキSCホールディングス株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、インキを収容するための容器体とその容器体に取り付けられる蓋体とからなるインキ用容器に係り、特に、容器体を樹脂製とし、容器体単独での保管スペースを削減し、インキ充填工程への容器体の供給を効率よく行うことができるインキ用容器に関する。

【従来の技術】

【0002】
酸化重合型インキ用容器を、樹脂製とすることについて特許文献1に記載されている。
【0003】

【効果】

【0007】
本考案によれば、容器体を少ないスペースで保管でき、インキ充填工程への容器体供給を高効率で行える、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本考案のインキ用容器の実施例を説明するための一部破断の外観斜視図である。
【図2】本考案のインキ用容器の実施例を説明するための半断面図である。
【図3】本考案のインキ用容器の実施例における要部を説明するための断面図及び斜視図である。
【図4】本考案のインキ用容器の実施例における容器体を説明するための半断面図である。
【図5】本考案のインキ用容器の実施例における容器体のスタック体から容器体単体を分離する工程を説明する図である。

【0009】
本考案の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図5を用いて説明する。
【0010】
本考案のインキ用容器の実施例である容器51を、図1〜図4を参照して説明する。図1は、容器体1とそれに取り付け可能な蓋体2とを示す一部破断した斜視図である。図2は、容器体1と蓋体2とを組み合わせた容器51を上下に二つ重ねた状態を説明する半断面図である。図3は(a)は、蓋体2を容器体1に取り付けた状態における部分断面図であり、図3(b)は、蓋体2の部分斜視図であり、図3(c)は、容器体1の部分斜視図である。図4は、容器体1を上下方向に二つ重ね合わせた半断面図である。以下の説明で用いる上方及び下方は、特に指定がない限り、便宜的に図1に示される上下方向に従うものとする。
【0011】
<容器体1について>
まず、容器体1について詳述する。
図1に示されるように、容器体1は、略円板状の底壁部1aと、底壁部1aの周縁から立設して横断面形状がほぼ円形を呈する周壁部1bと、を有する。容器体1は、上方側が開口し、内部に液状物(インキなど)を内容物として収容可能とされている。
容器体1は、樹脂材の射出成形により形成されている。樹脂材としては、インキに侵されず、特にUVインキを収容する場合を考慮して、紫外線遮断性及び酸素透過性を有するように調製されたものが好適であり、一例は黒色のPP(ポリプロピレン)である。
【0012】
底壁部1aは、中央部が周縁部よりも若干持ち上がった湾曲形状を呈し、外側の面に、複数の同心環状リブである底リブ1a1が形成されている。底リブ1a1が設けられていることで底壁部1aの強度は向上している。
周壁部1bは、底壁部1aの周縁から立設し、上方側において、外側方向に張り出したフランジ部1cを有している。フランジ部1cは、例えば全周にわたって形成されている。また、フランジ部1cは、上側の面と下側の面とが共に容器体1の軸線CLに対して概ね直交する面となるように形成されている。
周壁部1bは、内面及び外面共に、底壁部1aからフランジ部1cに至るまでの範囲において、上方に向かうに従って拡径するよう傾斜する部分であるテーパ部TPを有して形成されている。傾斜角度θは、例えば、θ=1°〜10°である(図2参照)。この傾斜角度θは、射出成形における抜き勾配として設定されると共に、後述のように、容器体1を重ね合わせた際、上下に隣接する容器体1の周壁部1b同士が接触し難くなるように設定されている。
また、容器体1は、開口径を同じとした場合、傾斜角度θが大きい程、容量が少なくなる。そのため、傾斜角度θの値は、容器体1として必要な容量も考慮して設定するとよい。
周壁部1bの内面は、収容したインキを取り出す際に、インキが内面に残存付着しなくなるように摩擦係数の小さい平滑面とされている。
周壁部1bにおけるフランジ部1cよりも上方の外側の面には、雄ねじを有する雄ねじ部1dが形成されている。
雄ねじ部1dの雄ねじは、例えば多条ねじとして形成されている。
その多条ねじは、例えば、四条である。そして、雄ねじ部1dは、四条のねじの一つの山が、周方向に例えば100°の角度範囲で延在し、四つの山が、周方向に90°間隔でずれて形成されている。
この四条ねじのピッチP及びリードLの例は、P=3.175mm,L=12.7mmである。もちろん、この数値に限定されるものではない。
周壁部1bの外周面には、上方側がフランジ部1cに接続し、上下方向に延在て径方向外側に突出するリブ1eが、周方向に複数箇所形成されている。各リブ1eの下端面1e1の上下方向位置(軸線CL方向の位置)は、すべてのリブ1eで同じになっている。
このリブ1eの周方向位置は、雄ねじ部1dの、四条ねじとして100°の角度範囲で形成された一山における最も容器体1の上端面1b1に近い側の端部と、概ね対応する位置に設定されている。
周壁部1bの上方先端部における外側の面には、先端に向かうに従って肉厚が薄くなるように傾斜する面取り部1fが形成されている。
【0013】
周壁部1bの上方先端部の一部を斜視的に示した図3(c)にも示されるように、フランジ部1cの上面には、径方向外側に突出する突起部1gが複数箇所に形成されている。突起部1gは、例えば一対とされ、周方向において、互いに180°ずれ、かつリブ1eと同じ位置に形成されている。
各突起部1gの両面(周方向を向く二つの面)は、それぞれ概ね直径方向に延在する壁面1g1,1g2として形成されている。
内容物がオフセット印刷用などのインキの場合、その比重は概ね1〜1.5であり、工業用として輸送や使用現場での扱いを考慮した好適な容器一つ分の質量は1kg〜5kg程度とされる。これらから、容器体1の大きさを、内容物を充填した際にこの範囲の質量となるように設定するとよい。例えば、底壁部1aの外径Dが約120mm,高さHが約100mmである。また、平均肉厚は例えば1.2mmである。
【0014】
<蓋体2について>
次に、蓋体2について詳述する。
図1に示されるように、蓋体2は、概ね円盤状とされた天壁部2aと、天壁部2aの周縁から天壁部2aに概ね直交するように立設(図1としては立ち下がる方向)する周壁部2bと、を有する。蓋体2は、容器体1に係合(螺合)し容器体1の蓋として機能する。すなわち、蓋体2は容器体1に螺着可能とされている。
蓋体2は、樹脂の射出成形により形成される。好適な材料例は、PE(ポリエチレン)である。容器体1がPPで形成されるため、容器体1に嵌合(螺着を含む)する蓋体2の材料は、PPと異なりPPよりも硬い又は軟らかい材料であることが削れ防止のために好ましい。PEはこの条件に適合する。
天壁部2aは、外周縁側が中央部よりも上方に突出した突出部2a1として形成されている。換言するならば、天壁部2aは、中央部が円形に凹んだ凹部2a2とされている。
図2に示されるように、凹部2a2の径Daは、容器体1の底壁部1aの外径に対して僅かに大きく形成されているだけなので、底壁部1aが凹部2a2内に進入可能となっている。すなわち、内容物を収容した容器51を凹部2a2上に載置し、径方向(載置状態での水平方向)にほとんどガタなく上下方向に積み重ねる(スタックする)ことができる。上に載せた方の容器51は、径方向の移動が突出部2a1で規制されるので、凹部2a2からずり落ちることがない。
また、内容物が充填された容器51の質量は上述のように数kgとなるので、凹部2a2に載置した容器体1が滑り難くなっている。従って、トラック等による激しい振動が付与される輸送でも、スタックした容器51の向きが容易に変わることはない。例えば、容器51をトラック輸送する際に、各容器51の周壁部1bに内容物等を表示したラベルを貼り、複数の容器51を、それぞれの表示内容が容易に把握できるようにラベルの向きを一定にスタックして積み込めば、着荷時にも、揃えたラベルの向きが変わっていないので、内容物を容易に認識することができる。
【0015】
図1に示されるように、周壁部2bの内面には、雌ねじを有する雌ねじ部2dが形成されている。雌ねじ部2dは、容器体1の雄ねじ部1dに螺合するようになっている。例えば雄ねじ部1dが四条ねじを有していれば、雌ねじ部2dもそれに対応して螺合する四条ねじを有して形成されている。
突出部2a1の内面には、環状に突出する鰭部2eが形成されている。鰭部2eは、蓋体2を容器体1に螺合させて締め込んだ際に、周壁部1bの先端部の内面に全周にわたり接触するよう形状及び径方向の位置が決められている〔図3(a)参照〕。この接触は鰭部2eが周壁部1bを径方向外側に付勢しつつ密着するものであることが望ましい。
すなわち、蓋体2を容器体1に螺着した際に、鰭部2eと周壁部1bとが全周にわたり隙間なく接触し、収容した内容物の外部への漏出が良好に防止される。
【0016】
図3(a),図3(b)に示されるように、周壁部2bの先端側には、内面が拡径して薄肉となる周段部2bdが形成されている。周段部2bdには、径方向内側に突出する突起部2gが複数箇所に形成されている。
例えば、突起部2gは周方向に90°間隔で四箇所形成されている。
この突起部2gの位置は、雄ねじ部1dの一山毎に設けられた突起部1gの位置に対応して設定されている。具体的には、蓋体2を容器体1に対し螺合状態で約90°回して締め込む際に、各突起部2gが突起部1gを乗り越えた位置まで締め込めば、所定の締め付けトルクを越えるように設定されている。この所定の締め付けトルクは、蓋体2が容器体1に対し充分締め付けられるトルクとして適宜設定される。すなわち、突起部1gと突起部2gとは、蓋体2を容器体1に螺着した際に、所定の締め付けトルクとなる螺合位置の近傍で、互いに当接するように設けられている。
また、蓋体2には、蓋体2を容器体1に螺着したときに、突起部2gの位置が外部から把握できるように、マーク2mが形成されている。
具体的には、例えば、マーク2mは、形状的に他の部分と異なるように形成されていることで、目視で視認され得るようになっている。この例では、表面に梨地処理を施し、表面状態上で他の部分よりも光沢が無い部分として視認把握できるようになっている。
また、マーク2mは、他の部分よりも若干突出した凸部とされている。これにより、表面形状上でも区別できるようになっている
また、マーク2mは、天壁部2aに設けられたマーク2maと、周壁部2bに設けられたマーク2mbと、を含んで構成されている。これにより、使用者の視認可能な方向が特定の方向に限定されず、より広い角度範囲で視認可能となっている。
また、蓋体2を容器体1に取り付けた容器51同士をスタックした場合でも、上方の面に設けられたマーク2maと側方の面に設けられたマーク2mbとの両方が外部に露出する。これにより、スタック状態でもマーク2mを視認することができ、しかもより広い角度範囲で視認可能となっている。
蓋体2にマーク2mが設けられていることにより、作業者が蓋体2を螺着する際には、マーク2mがリブ1eを越えるように締め込むだけで、所定の締め付けトルクを越えて蓋体2を取り付けることができる。
これにより、インキ製品としての製造工程における蓋体2の取り付け作業が極めて容易になる。
また、機械で蓋体2を螺着させる場合には、螺着した現物を、検査員又は画像処理を用いた螺着判定機により、マーク2mがリブ1eを越えて締め付けられているか、を判定するだけで、所定の締め付けトルクを越えて蓋体2が取り付けられているか否かを判定できる。
これにより、蓋体2の螺着合否判定作業が極めて容易になる。
【0017】
周壁部2bは、蓋体2がPE等の樹脂材で形成されていることから、拡径方向にある程度弾性変形が可能である。従って、容器体1に対する蓋体2の螺合を進行させると、締め込みの最終位置近くで突起部2gが突起部1gに当接するものの、さらに螺合を進行させると周壁部2bが拡径して比較的容易に突起部1gを乗り越える。
蓋体2の螺着が人的作業の場合、作業者は、突起部2gが突起部1gを乗り越える際にクリック感を認識できる。これにより、作業者は、蓋体2を所定の締め付けトルクを越えて締め付けできたことが触感としても把握される。
静かな作業環境などでは、クリック感に加えてクリック音も聞くことができる場合があり、この場合、触感に加えて聴感としても把握される。
突起部2gが突起部1gを乗り越えると、螺合を後退(外す方向に回動)させた際に、螺合を外す方向の回動に対して少なからず抗力が発生し、その螺合の後退が規制される。
従って、意図しない蓋外れが防止され蓋体2の蓋としての機能が維持される。
突起部1gと突起部2gとは、容器体1に対する蓋体2の螺合において、所定の締め付けトルクが得られる螺合位置で互いに当接する当接手段となっている。
また、この例においては、突起部1gを180°離隔して二つ設け、突起部2gを90°離隔して四つ設けている。
これにより、蓋体2の雌ねじ部2dと容器体1の雄ねじ部1dとを螺合させるために行う探りの回転が90°未満の少ない角度で済むので、蓋体2を持ち替えることなく螺合作業は楽に行える。
また、蓋体2と容器体1との螺合の最終段階で、突起部1gに当接する突起部2gは、四つの内の180°離隔した二つになる。
従って、樹脂で形成されている蓋体2は、180°離隔した二つの突起部2gが突起部1gを乗り越えるときに二つの突起部2gを含む一軸方向のみに拡径する変形となり、四つの突起部2gを設けてそれぞれ同時に突起部1gを乗り越える場合に要する二軸方向の変形よりも遙かに無理なく変形する。
これにより、螺合作業は容易になる。
【0018】
容器体1は、単体同士で上下方向に重ね合わせが可能になっている。
容器体1は、図4に示されるように、周壁部1bの上端面1b1がリブ1eの下端面1e1に当接する位置まで重ね合わせることができる。すなわち、容器体1は、リブ1eが重ね合わせの収容深さを規制する規制部として機能し、他の容器体1(他体)の底壁部1a側を嵌り込ませて内部に収容させながら複数個を積み重ねることができる。従って、より少ないスペースで多数の容器体1を保管することができる。以下、複数の容器体1を積み重ねたものをスタック体STと称する。
周壁部1bの上端面1b1がリブ1eの下端面1e1に当接した状態で、内側に嵌り込んだ容器体1の周壁部1bの外周面と、受け側となる容器体1の周壁部1bの内周面との間には隙間が生じるようになっている。従って、スタック体STの姿勢を、開口方向は問わず上下方向に重ねた状態して例えば一番下(地面側)の容器体1を自由状態にすると、その容器体1は自重により落下する。
【0019】
次に、模式図である図5(a),図5(b)を参照して、保管状態として複数の容器体1を積み重ねたスタック体STから、個々の容器体1を分離し、容器体1を単体で利用する工程(例えばインキを充填するインキ充填工程)へ供給する供給装置及び供給工程について、二つの例を説明する。
【0020】
図5(a)は、複数の容器体1を重ねたスタック体STを、開口部を下方側にした姿勢とし、そのスタック体STから単体の容器体1を分離供給する供給装置KSを用いた容器体1の分離例を説明するための図である。図5(a)には、分離する容器体1の符合を1Aとしてその容器体1Aの分離前後の状態が示されている。
供給装置KSは、スタック体STを保持する保持部61と、プッシャ62と、姿勢反転部63と、を有して構成されている。保持部61は、対向配置されて腕の伸縮により互いに接近する動作と離れる動作とを同期して行う腕部6a1,6a2の組と、腕部6a1,6a2の上方に対向配置され、腕部6a1,6a2と同様の動作を行う腕部6b1,6b2の組と、を有している。
まず、スタック体STは、開口部を下方側とする姿勢で重ねられた容器体1の内の最も下方に位置する容器体1Aについて、そのフランジ部1cの底壁部1aとは反対側の面が腕部6a1,6a2によって支持され、下から二番目の容器体1Bについて、そのフランジ部1cにおける底壁部1aとは反対側の面が腕部6b1,6b2により支持されることで、保持部61に保持されている。この状態を基準状態と称する。
そして、腕部6a1,6a2を、径方向外側に待避させるように縮めてフランジ部1cから外す。これにより、容器体1Aは自重によってスタック体STから分離し、白ヌキ矢印で示されるように搬送面HMに自然落下する。
次に、腕部6a1,6a2を伸ばして基準状態での位置に戻し、その後、腕部6b1,6b2を、径方向外側に待避させるように縮めて容器体1Bのフランジ部1cから外す。これにより、容器体1Bが最も下側になったスタック体ST全体が自然落下し、スタック体STは、容器体1Bのフランジ部1cにおける底壁部1aとは反対側の面が腕部6a1,6a2に支持され、また、下から二番目となった容器体1Cについて、そのフランジ部1cにおける底壁部1aとは反対側の面が腕部6b1,6b2により支持されることで、保持される。容器体1A分離後の容器体1B,1Cについては、図5(a)において符号が( )付で示されている。
以上の動作により、スタック体STから容器体1の単体(容器体1A)が分離される。
搬送面HMに落下した容器体1Aは、プッシャ62により姿勢反転部63に移送される。
姿勢反転部63は、開口が下方側となっている容器体1Aをアームで把持し、開口が上方側となる姿勢にアームを回動させて上下反転させる(二点鎖線で図示)。
その後、容器体1Aは、図示しない移送手段により、インク充填工程へ供給される。
【0021】
図5(b)は、複数の容器体1を重ねたスタック体STを、開口部を上方側にした正立姿勢とし、そのスタック体STから単体の容器体1を分離供給する供給装置KS2を用いた容器体1の分離例説明するための図である。図5(b)においても、分離する容器体1の符合を1A1としてその容器体1A1の分離前後の状態が示されている。
供給装置KS2は、スタック体STを保持する保持部61と、プッシャ62と、を有して構成されている。保持部61は、図5(a)で説明したものと同じである。
まず、スタック体STは、開口部を上方側とする姿勢で重ねられた容器体1の内の最も下方に位置する容器体1A1について、そのフランジ部1cにおける底壁部1a側の面が腕部6a1,6a2によって支持され、下から二番目の容器体1B1について、そのフランジ部1cにおける底壁部1a側の面が腕部6b1,6b2により支持されることで、保持部61に保持されている。この状態を基準状態とする。
そして、腕部6a1,6a2を、径方向外側に待避させるように縮めてフランジ部1cから外す。これにより、容器体1A1は自重によってスタック体STから分離し、白ヌキ矢印で示されるように搬送面HMに自然落下する。
次に、腕部6a1,6a2を伸ばして基準状態での位置に戻し、その後、腕部6b1,6b2を径方向外側に待避させるように縮めて容器体1B1のフランジ部1cから外す。これにより、容器体1B1が最も下側となったスタック体ST全体が自然落下し、スタック体STは、容器体1B1のフランジ部1cにおける底壁部1a側の面が腕部6a1,6a2に支持され、また、下から二番目となった容器体1C1について、そのフランジ部1cにおける底壁部1a側の面が腕部6b1,6b2により支持されることで、保持される。容器体1A1分離後の容器体1B1,1C1については、図5(b)において符号が( )付で示されている。
以上の動作により、スタック体STから容器体1A1の単体が分離される。
搬送面HMに落下した容器体1A1は、プッシャ62によりインク充填工程へ供給される。
【0022】
スタック体STからの容器体1の単体分離は、容器体1が、最も大径となるフランジ部1cを有し、かつフランジ部1cの上下両面が全周にわたり容器体1の軸線CLにほぼ直交する面で形成されていることから容易に実現される。
【0023】
以上詳述したように、容器体1は、複数の容器体1と嵌め合わせてスタック体STとすることができる。嵌め合わせの深さは、周壁部の上端面1b1の位置とリブ1eの下端面1e1との位置により決められるので、強嵌合に嵌り込んでしまって分離が困難になる、ということがない。また、重ね合わせの深さが一定になるので、供給装置KS,KS2でスタック体STを保持する際の保持が容易となり、個々の容器体1への分離が良好に行われる。
【0024】
本考案の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
周壁部1bは、上下方向のすべての範囲が軸線CLに対して傾斜するテーパ部TPとされていなくてもよい。上下方向の一部の範囲において、外周面又は内周面が軸線CLと平行な周面を有するように形成されていてもよい。
すなわち、テーパ部TPは、周壁部1bにおいて、軸線CL方向に互いに離隔して複数箇所に設けられていてもよい。
【0025】
互いに螺合する雄ねじ部1d及び雌ねじ部2dのねじ仕様は、条数を四とし、蓋体2が容器体1に対して約90°の回転で所定の締め付けトルクに達するようにしたものが良好であるが、これに限定されない。蓋体2の締め付け作業の容易性,必要な締め付けトルク,周壁部1bにおけるフランジ部1cよりも上方の寸法などに応じて適宜設定してよい。
マーク2mの他の部位との区別は、表面の光沢の違いや凹凸形状に限定されるものではない。色分けや外形形状の違いによるものなどであってもよい。上述のように視覚的に区別可能な違いであると、その区別が明確に行えるので好ましい。
マーク2mは、金型に彫刻される等により蓋体2を射出成形した時点で形成済となるものに限らず、成形後に印刷や二次加工によって形成されるものでもよい。また、シール等の貼付により設けられるものでもよい。
尚、本考案において、インキは、顔料や染料を含有するものに限らず、顔料や染料を含有しないニス(例えばOPニスなど)も含むものとする。
【0026】
1,1A,1B,1C,1A1,1B1,1C1 容器体
1a 底壁部、1a1 底リブ、1b 周壁部、1b1 上端面
1c フランジ部、1d 雄ねじ部、1e リブ、1e1 下端面
1f 面取り部、1g 突起部、1g1,1g2 壁面
2 蓋体
2a 天壁部、2a1 突出部、2a2 凹部、2a3 粗面部
2b 周壁部、2bd 周段部、2d 雌ねじ部、2e 鰭部、2g 突起部、2h 段部、2m,2ma,2mb マーク
6a1,6a2,6b1,6b2 腕部
51 容器
61 保持部、62 プッシャ、63 姿勢反転部
ST スタック体、TP テーパ部
CL 軸線
HM 搬送面
KS,KS2 供給装置
θ 傾斜角度

(57)【要約】

【課題】少スペースで保管できるインキ用容器を提供する。【解決手段】容器体1は底壁部1aと周壁部1bとを備え、周壁部1bは底壁部1aから離れる程拡径して他の容器体1の底壁部1aを収容可能とする。外周面の底壁部1aの反対端側に形成されたフランジ部1cとフランジ部1cよりも底壁部1a側で外側に突出し他体と当接して収容深さを規制する規制部1eと、フランジ部1cよりも端部側に形成された雄ねじ部1dと、を備える。蓋体2は凹部2a2を有する天壁部2aとその周縁に立設し雄ねじ部1dと螺合する雌ねじ部2dを有する周壁部2bとを備える。蓋体2と容器体1との螺着で所定トルクとなる位置近傍において互いに当接する容器体1側の第1凸部1g及び蓋体2側の第2凸部と、該第2凸部に対応して視認可能なマーク2mと、をさらに備える。


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