(54)【考案の名称】棚板傾斜付加金具

(51)【国際特許分類】

A47B 96/02 ・シェルフ

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は、棚板上に収納されている書物が地震動により該棚板上を滑って棚間口から落下するのを抑制する棚板傾斜付加金具の形状に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
大学図書館などにおいて多数使用されている書架は、底部と、底部から立設した複数の支柱部とからなる架構部と、該架構部の内部において上記支柱部間に掛け渡して配置する複数枚の棚板とを備えてなる。
【0003】
架構部の内部に上記棚板を保持するために、棚板の両端を、袖板と呼ばれる固定用金具を介して支柱部に固定する構造がとられることが多い。袖板は左右一対となっており、板状本体部と、支柱部に設けられた係合穴に係合可能なフック部と、棚板に係合する棚板係合部とを有している。棚板は、通常、書物を受ける上面が水平となるように配置されている。
【0004】
このような棚においては、地震等の水平力が加わった時に、前記棚板上の書物が滑って棚間口から突出し、あるいは落下する恐れがある。地震時の書物の落下による事故を防止すべく、書架に地震対策用の装置を設置することが試みられてきた。従来の書架に対する地震対策装置、固定用金具としては、たとえば下記の特許文献等に記載のものがある。
【0005】

【効果】

【0009】
上記棚板傾斜付加金具は、棚間口側の棚板側面内側に棚板下面に沿わせて密着させて棚板と一体化し、袖板下端部の棚板側面を差込む爪状突起部に本金具の系合穴をはめ込むことにより、棚板を傾けて、棚板上面を棚間口側より棚奥側に向けて下降する傾斜面とし、地震発生時には書物が棚間口から棚奥方向へ力が付与されて棚間口から書物が落下するのを抑制する棚板傾斜付加金具である。
【0010】
上記棚板傾斜付加金具は、棚板と一体化し袖板の爪状突起と係合することで、袖板に棚板側面を差込むタイプの書架の弱点である、地震動により棚板が上下に振動し、棚板が袖板から外れて棚間口方向に飛び出したり、落下したりすることを抑制する棚板傾斜付加金具である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この考案の一実施形態を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】棚板差込方式書架の袖板(左側)を示す斜視図である。
【図3】棚板差込方式書架の袖板(右側)を示す斜視図である。
【図4】棚板差込方式書架の棚板を示す斜視図である。
【図5】棚板差込方式書架の棚板と袖板の通常組付けの概略を示す斜視図である。
【図6】棚板差込方式書架の棚板と袖板の通常組付け時における棚板裏側の棚板差込部と袖板(左側)の係合を示す斜視図である。
【図7】棚板傾斜付加金具を装着した棚板差込方式書架の棚板と袖板の組付けの概略を示す斜視図である。
【図8】棚板傾斜付加金具を装着した棚板差込方式書架の棚板と袖板の組付け時における、棚板裏側の棚板差込部及び棚板傾斜付加金具と袖板(左側)との係合を示す斜視図である。
【図9】この考案の他の実施形態を示す斜視図である。(実施例2)
【図10】棚板はめ込み方式書架の袖板(左側)を示す斜視図である。
【図11】棚板はめ込み方式書架の棚板裏側を示す斜視図である。
【図12】棚板傾斜付加金具を装着した棚板はめ込み方式書架の棚板と袖板の組付け時における、棚板裏側の棚板折込み部と袖板(左側)及び棚板傾斜付加金具の係合を示す斜視図である。

【0012】
棚板を傾けて、棚板上面を棚間口側より棚奥側に向けて下降する傾斜面とし、地震発生時の棚間口からの書物落下を抑制するとともに、棚板と袖板を係合して、棚板の袖板からの脱落を抑制するという目的を、単純な形状の棚板傾斜付加金具で安価に実現した。
【0013】
この考案の一実施形態を、図1に示す。棚板傾斜付加金具1は冷間圧延鋼板(SPCC)製であり、この板状本体部10の先頭部には棚板間口側の棚板折返し部に系合するフック部11と袖板の爪状突起部と係合する系合穴12が設けられていて、左右同形の形状をなす一対の棚板傾斜付加金具である。
【0014】
図1の棚板傾斜付加金具を装着する書架の袖板(左側)を図2に、袖板(右側)を図3に、棚板を図4に示す。棚板左右の側面差込部を袖板の左右各2箇所の爪状突起部の内側に差込んで袖板と棚板を系合する方式をとっている。袖板は左右対象の形状をなし、棚板側面差込部は左右同一形状をなしているので、以下、袖板と棚板の系合部分の詳細については左側のものについてだけ説明する。
【0015】
図2及び図3の袖板(左右)と図4の棚板を通常の状態で系合した棚組み概略図を図5に示す。袖板(左側)の爪状突起部と棚板側面差込部(左側)の系合を図6に示す。通常の棚組みでは、棚板(上面)40は水平面となる。
【0016】
棚板傾斜付加金具1を上記の袖板と棚板に系合した棚組み概略図を図7に示す。袖板(左側)の爪状突起部と棚板側面差込部(左側)及び棚板傾斜付加金具1との系合を図8に示す。
【0017】
棚板側面内側に密着させた棚板傾斜付加金具1のフック部11を棚板(下面)45に沿わせて棚間口折返し部42に、系合穴12を袖板の棚間口側の爪状突起部21にそれぞれ系合することで、棚間口折返し部42を棚奥折返し部44より10ミリメートル程度高くすることができる。この棚組みでは、棚板(上面)40は棚間口折返し部42から棚奥折返し部44に向かって下降する傾斜面となる。地震発生時には書物が棚間口から棚奥方向へ力が付与されて棚間口から書物が落下するのを抑制する。
【0018】
一対の棚板傾斜付加金具1のフック部11をそれぞれ棚間口折返し部42に係合するとともに、系合穴12と袖板の爪状突起部21、対となる棚板傾斜付加金具1の系合穴12と袖板の爪状突起部31をそれぞれ係合することで、袖板に棚板側面を差込む方式の書架の弱点である、地震動により棚板が上下に振動し、棚板側面差込部41、43が爪状突起部21、22、31及び32から外れて棚板4が棚間口方向に飛び出したり、落下したりすることを抑制する。
【0019】
この考案の他の実施形態を、図9に示す。図1の実施形態では、書架の袖板に爪状突起部が必要であり、袖板の板状本体部(下端)を直角に折り曲げて溝状の棚受部とし、棚板側面の折込み部をはめ込む方式をとる書架の袖板には使用できない。
【0020】
棚板傾斜付加金具5は、図1に示す棚板傾斜付加金具1の板状本体部10の下端に直角に交わる脚部をつけた冷間圧延鋼板(SPCC)製で、棚板傾斜付加金具1と同様、板状本体部50の先頭部には棚間口折返し部72に系合するフック部51と袖板の爪状突起部と係合する系合穴52が設けられている。図9(a)が左側袖板用、図9(b)が右側袖板用で、左右対称の形状をなす一対の棚板傾斜付加金具である。
【0021】
図9の棚板傾斜付加金具5を装着する書架の袖板(左側)を図10に、棚板を図11に示す。図10は、袖板の板状本体部60の下端を直角に折り曲げて溝状の棚受けとする袖板(左側)6で、左右対称の対をなす袖板(右側)と図11の棚板側面に直角の折込み部を有する棚板7と係合して棚組みとする。
【0022】
図12は、棚板傾斜付加金具5の左側袖板用54、袖板(左側)6の溝状棚受部(底)61及び溝状棚受部(縁)62と棚間口折返し部72の棚板裏側での係合を示す斜視図である。
【0023】
棚板傾斜付加金具5の左側袖板用54の脚部53を袖板(左側)の溝状棚受部(底)61に、板状本体部50の下端部を溝状棚受部(縁)62に密着させた左側袖板用54のフック部51を、棚板(下面)75に沿わせて棚間口折返し部72に系合することで、棚間口折返し部72を棚奥折返し部74より10ミリメートル程度高くすることができる。この棚組みでは、棚板(上面)70は棚間口折返し部72から棚奥折返し部74に向かって下降する傾斜面となる。地震発生時には書物が棚間口から棚奥方向へ力が付与されて棚間口から書物が落下するのを抑制する。
【0024】
一対の棚板傾斜付加金具5のフック部51をそれぞれ棚板の棚間口折返し部72に系合するとともに、左側袖板用54の板状本体部50の下端部及び脚部53を袖板(左側)の溝状棚受部(底)61及び溝状棚受部(縁)62に、右側袖板用55の板状本体部50の下端部及び脚部53を左右対称の対をなす袖板(右側)の溝状棚受部にそれぞれ係合することで、袖板の溝に棚板をはめ込む方式の書架の弱点である、地震動により棚板が上下に振動し、棚板側面折込み部71、73が袖板の溝状棚受部(底)61と溝状棚受部(縁)62、63及び左右対称の対をなす袖板(右側)の溝状棚受部から外れて棚板7が棚間口方向に飛び出したり、落下したりすることを抑制する。
【0025】
1 棚板傾斜付加金具
10 板状本体部
11 フック部
12 系合穴
2 袖板(左側)
20 板状本体部
21 爪状突起部(棚間口側)
22 爪状突起部(棚奥側)
23 書架支柱用フック部
3 袖板(右側)
30 板状本体部
31 爪状突起部(棚間口側)
32 爪状突起部(棚奥側)
33 書架支柱用フック部
4 棚板
40 棚板(上面)
41 棚板側面差込部(左側)
42 棚間口折返し部
43 棚板側面差込部(右側)
44 棚奥折返し部
45 棚板(下面)
5 棚板傾斜付加金具
50 板状本体部
51 フック部
52 系合穴
53 脚部
54 左側袖板用
55 右側袖板用
6 袖板(左側)
60 板状本体部
61 溝状棚受部(底)
62 溝状棚受部(縁)(棚間口側)
63 溝状棚受部(縁)(棚奥側)
64 書架支柱用フック部
7 棚板
70 棚板(上面)
71 棚板側面折込み部(左側)
72 棚間口折返し部
73 棚板側面折込み部(右側)
74 棚奥折返し部
75 棚板(下面)

(57)【要約】

【課題】既存書架の棚板、袖板に追加して用いるだけで、非常に容易に地震対策ができる安価な書架用棚板傾斜付加金具を提供すること。【解決手段】棚板傾斜付加金具1は、棚間口側の棚板側面内側に棚板下面に沿わせて密着される板状本体部10と、棚板の棚間口側折返し部に系合するフック部11と、袖板の爪状突起部と係合する系合穴12を有している。棚板と一体化した板状本体部10の系合穴12を、袖板下部の棚板側面差込部を差込む爪状突起部にはめ込むことにより、棚板と袖板を係合し、棚板を傾けて、棚板上面を棚間口側より棚奥側に向けて下降する傾斜面とするよう構成されている。


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