(54)【考案の名称】打ち揚げ花火の導火線延長部の蓋

(73)【実用新案権者】D−JK株式会社

(73)【実用新案権者】株式会社奥田

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、花火を打ち揚げる際に花火玉の中央で割薬に点火する導火線の構造、特に延長部の先端部分の構造と材料に関する。

【従来の技術】

【0002】
夜空を彩る打ち揚げ花火は(1)大きく開く、(2)丸く(同心円に)開く、(3)同じ高さで開く、ことが美しく、観る人に感動を与える。これまで上記の実現に花火製作者は研鑽、努力を重ねてきた
【0003】
花火の打ち揚げには、1.筒の底の発射薬と言われる黒色火薬に点火、2.花火玉が打ち上がり、その際に発射薬の炎で親導(おやみち)と言われる導火線に着火、3.上空で花火玉中央に詰められた割薬が点火、4.花火玉の中に詰められた星に着火し、散りながら球形をつくる、5.花火が開く、という順序がある。その一連の工程の中で、同じ高さ、あるいは意図する高さで、完全な球形に花火を開かせることは非常に難しく、花火師の高い技術が必要となる。
【0004】
しかし、これまでは前記の花火打ち揚げ工程のうち、1,2,4、及び5の工程に改善の力点がおかれてきた。多くの先行の技術開発は花火の材料、特に割薬材料、玉皮や星などの材質、形状、あるいは花火を支持する支持台や打ち揚げ台などの構造などの改善に関して行われてきた。しかしながら本考案者は花火を大きく球形に同じ高さで開かせるために特に重要なことは3の工程で導火線から導火線延長部に着火している火を延長部の先端にて花火玉の中央付近で割薬に瞬間的に均一に点火することであるとの考えにいたった。
【0005】
打ち揚げ花火玉は図1に示したように黒色火薬を塗布した導火線とそれに接続した導火線延長部、割薬、星及び玉皮からなり、図2に示すように導火線に点火し、次いで接続する導火線延長部に点火し、次いで花火玉中央に詰められた割薬に点火し、花火が開く。花火玉の導火線に点火する為には発射薬への点火が必要であり、伝統的な人が火を筒に直接投入する直接点火方式と現在の主流である電気点火方式の二つの方式が使われている。
【0006】
二つの点火方式に共通して筒に入った発射薬へ導火線を使用して点火する仕掛けがあり、この仕掛けは、導火線の燃焼速度が約120cm/分である為に、時間差を生むことが出来る利点があり、様々な仕掛けに応用されている。点火方法は導火線に線香、トーチ、電気点火用火工品などを使用して点火し、筒の中の火薬に1.導火線の火から直接点火する、2.導火線の先に『落とし火』と呼ばれる仕掛けを取り付けて間接点火する、3.導火線の先に約10m/秒で燃焼する速火線と呼ばれる火工品を使用して点火する、の3種類がある。3.が現在の打ち揚げ仕掛けの主流であり、導火線を使用して微妙な時間差を計算して演出することが可能である。欠点としては、導火線+速火線の仕掛けを作る手間と速火線のコストが挙げられる。現在の花火の仕掛けは2.又は3.の花火の筒仕掛けを作成し、筒の上に出ている導火線を速火線で繋ぎ合せてセットを作っている。
【0007】
現在は主に電気点火方式が使われている。電気点火用火工品の製品呼称が大きく分けて2つあり、それぞれ『点火玉』、『電気導火線』と呼ぶ。構造上の違いはあるが、いずれも電気で点火する点は同じである。点火方法(仕掛け)としては、1.導火線点火方式の1.の導火線の代わりに電気点火用火工品を用いる、2.導火線点火方式の1.及び2.の着火に電気点火用火工品を用いる。セットの速火線に手で直接点火するに比べて安全であり、尚且つタイミングを見て点火出来るので、自由に演出が出来る。上記1.については、点火した瞬間に花火が打ち揚がるので、カウントダウン、音楽に合わせた花火などに使用されている。上記2.については、筒の花火仕掛けを速火線で繋ぎ合せたセットの点火を電気点火用火工品で行う。長所として、セットの速火線に手で直接点火するに比べて安全であり、尚且つタイミングを見て点火出来るので、自由に演出が出来る。現在は、殆どが2.の電気点火方式である。
【0008】
電気的な点火方法は、セットの速火線に手で直接点火するのに比べて安全であり、尚且つタイミングを見て点火出来るので、自由に演出が出来るなどの長所があるが、逆に1.電気を通すため必ず2本の配線が必要であり、遠隔地でかつ多数を点火しようとすると、配置が複雑になり煩雑を極める、2.電気器具からの漏洩電流や、落雷による電流等で暴発し易く、天候に左右されたり、あるいは電気器具や場所の制限を受けたりする、3.花火玉1発に対して電気点火用火工品が1つ必要であり、コストが上がる、4.打ち揚げのプログラムも複雑になるので点火ミスが発生することがある、等の問題点がある。二つの点火方式には長所と課題があり、現在は花火の種類、打ち揚げ状況、目的に合わせ併用されている。導火線への点火については種々工夫がなされ、出願された特許あるいは実用新案も多い。
【0009】
しかしながら導火線延長部の先端の構造や材質に関しては旧態依然のままであり、大きな改善がこれまでなかった。導火線延長部の先端は筒であり、多くは紙あるいは他の材質による管状の筒である。紙管を導火線延長部とした場合には、花火玉製造の作業手順は、玉皮に導火線及び導火線延長部を取り付け、外側から星、割薬という順に球状に入れて、玉皮の外側を糊剤で紙を貼り付けて球状に製作する。その際に半球形状の玉皮に導火線及び導火線延長部を取り付ける作業は、導火線延長部の紙管の先端の紙を撚り合わせ糊等を使用して固定し、紙管の先端を塞ぎ、乾燥すると言う手間のかかる作業であった。また作業には熟練を要し、個人差に加え同一作業者であっても出来上がりのムラを生じた。さらに撚り合わせと糊剤による固着のみで先端を閉じているため、導火線から延長部に火が移動して延長部先端の火が割薬に点火する際に点火時間のばらつきや割薬への点火の拡大が一様でなく同心円状に花火が開かないことがあった。そのため打ち揚げ花火の美しさの要素である(1)大きく開く、(2)丸く(同心円に)開く、(3)同じ高さで開く、ことが必ずしも達成されなかった。
【0010】
本考案者はこれまで着目されずにきた導火線延長部より花火玉の割薬への点火にいたる工程に着目し、詳細に観察し、工夫の結果、導火線延長部の筒を蓋で閉じることで割薬への点火が速やかに均一かつ同心円状に拡大することを見出した。さらに該蓋の形状は導火線延長部の筒の先端の内側に入る形状でもよく、またキャップ状に先端の筒を覆う形状でも同様の効果を発現する。導火線延長部の筒の先端の内側に入る形状の場合に下部の筒の内側と接する部分の形状がテーパー状であれば取り付け作業も容易になる。さらに本考案の蓋で筒を閉じると先端の筒を閉じる力が一定化することを見出した。
【考案が解決しようとする課題】
【0011】
本考案の目的は、花火を打ち揚げる際に導火線に点火された火が延長部を伝わり割薬に点火する工程が速やかに同心円状に拡がり、夜空に大きく同心円上を同じ高さで打ち上げることのできる花火玉の導火線延長部の構造及び先端を閉じる蓋及び該蓋で閉じられた導火線延長部を提供することにある。

【効果】

【0017】
請求項1記載の考案によれば、導火線を伝わった火が導火線延長部から割薬に伝わり着火する際に導火線延長部の筒から一気に放出し、伝わった火が周辺の割薬に速やかにかつ均等に着火することで花火が大きく同心円を描くように打ち揚がる。
【0018】
請求項2記載の考案によれば、導火線延長部の筒の先端に装着する作業が容易になり、かつ導火線延長部先端の筒を閉じる力を一定にすることができる。
【0019】
請求項3記載の考案によれば、導火線延長部の筒の先端に装着する作業が容易になり、かつ導火線延長部先端の筒を閉じる力を一定にすることができる。
【0020】
請求項4記載の考案によれば、導火線延長部の筒の先端に装着する作業が容易になり、かつ導火線延長部先端の筒を閉じる力を一定にすることができる。
【0021】
請求項5記載の考案によれば、打ち揚げ花火の製造を容易にしかつ短時間にすることができる。製造された打ち揚げ花火は同じ高さで大きく同心円を描くように打ち揚がる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】打ち揚げ花火玉の構造図。導火線及び導火線延長部を示す。
【図2】導火線に点火した火が延長部に着火し本考案の蓋を飛ばして割薬に着火する模式図。
【図3】本考案の打ち揚げ花火用導火線延長部先端の筒を閉じる蓋の一例。
【図4】本考案の打ち揚げ花火用導火線延長部先端の筒を閉じる蓋の一例。
【図5】本考案の打ち揚げ花火用導火線延長部先端の筒を閉じる蓋の一例。
【図6】本考案の打ち揚げ花火用導火線延長部先端の筒を閉じる蓋の一例。
【図7】本考案の打ち揚げ花火用導火線延長部先端の筒を閉じる蓋の一例。

【0023】
以下本考案の実施例を説明する。本考案の実施例では、限定した材料を使用し限定した花火玉を製作したが本考案の実施形態では記載した内容に限定するものではないことは自明である。以下実施例を具体的に説明する。
【0024】
導火線延長部の先端の筒を閉じる蓋はその下部が筒の内側に入る形状のものでもキャップ状で先端を覆う形状のものでもよい。蓋の下部がテーパー形状で筒の内側に入り筒の内側と接触すれば導火線延長部先端の筒を閉じる力を一定にすることが容易である。
【0025】
導火線延長部の先端の筒を閉じる蓋は通常の条件で固形のものであればよい。蓋の材質は紙、セラミクス、硝子、無機物、金属、樹脂あるいはそれらの混合部や複合体でよい。
生分解性樹脂を用いると残渣が放置されても環境を保全する。
【0026】
図3に示した形状の蓋にて筒を閉じた導火線延長部を製作した。作業が容易で導火線延長部先端の筒を閉じる力が一定であった。

【0027】
図4に示した形状の蓋にて導火線延長部の先端の筒を閉じて導火線延長部を製作した。作業が容易で導火線延長部先端の筒を閉じる力が一定であった。3号玉を通常の作業手順により、玉皮に導火線を取り付け、外側から星、割薬という順に球状に入れて、玉皮の外側を糊剤で紙を貼り付けて球状にした。10発製造した。打ち揚げにはステンレス製で60cmの高さの筒仕掛けを作成し、筒の上に出ている導火線を速火線で繋ぎ合せてセットを作成し、打ち揚げ用の火薬量を120mの高さまで花火を揚げる量である25gを筒に仕込み、点火して花火を打ち揚げた。打ち揚げ場所は高さの標準となる山のある背景を選んだ。10分間隔で打ち揚げた。山を背景にした標準の高さが一定であり、同心円状を示した。
【0028】
図5に示した形状の蓋にて筒を閉じた導火線延長部を製作した。作業が容易で導火線延長部先端の筒を閉じる力が一定であった。
【0029】
図6に示した形状の蓋にて筒を閉じた導火線延長部を製作した。作業が容易で導火線延長部先端の筒を閉じる力が一定であった。
【0030】
図7に示した形状の蓋にて筒を閉じた導火線延長部を製作した。作業が容易で導火線延長部先端の筒を閉じる力が一定であった。
【0031】
本考案は打ち揚げ花火を大きく同心円に同じ高さ(あるいは所定の高さ)で打ち揚げるために最適の打ち揚げ花火の導火線延長部の筒の先端を閉じる蓋及び蓋で閉じられた導火線延長部を提供する。同時に本考案の先端部の蓋をもちいることで極めて容易に、言い換えれば熟練した作業者ではない一般の作業者にでも延長部先端を簡単にかつ容易に製造し、筒の閉じる圧を安定的に一定化することができる。さらに該蓋で閉じられた導火線延長部を玉皮に取り付ける作業を簡単容易にかつ短時間にすることができる。花火製造は危険で繊細な作業であり、導火線延長部製作及び取り付け作業を均一かつ容易にすることでより安全でより安く美しく開く花火を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本考案は、同じ高さで大きく同心円状に美しく開く花火を製造するために、熟練した作業者ではない一般の作業者にでも導火線延長部を簡単にかつ容易に製造できる導火線延長部の先端の筒を閉じる蓋と、該蓋で筒の先端を閉じられた導火線延長部を提供する。



(57)【要約】

【課題】花火打ち揚げの際に導火線からの着火が均一に瞬時に進み、打ち揚げの高さや大きさが一様で形が同心円状に開く花火を製造する。【解決手段】導火線延長部の黒色火薬の詰まった筒の先端を蓋で閉じることにより筒の先端を閉じる力が一定化し、割薬への点火が速やかに均一かつ同心円状に拡大する。結果打ち揚げ花火の高さが一定化し、きれいな同心円状に花火が開く。さらに本考案の蓋を導火線延長部へ取り付ける製造工程が容易になりかつ短時間になる。材質は成型できる材料であれば安価な材料を使用できる。生分解性樹脂であれば安価に大量に生産できエコロジー的にも優れている。


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