(54)【考案の名称】避難誘導サインバス停

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、避難誘導サインバス停、詳しくは車道に沿う歩道のバス停留地点に立設され、災害時に住民等を迅速かつ的確に避難場所へ誘導することができ、かつ停電時には街路照明としても利用可能な避難誘導サインバス停に関する。

【従来の技術】

【0002】
バス停は、街の主要道路に設置された誰もが利用している周知の公共施設である。従前のバス停は、バス停留地点を示す標識が柱に固定された標識柱式のものが一般的であったが、最近では、道路長さ方向に離間して複数本の支柱が立設され、これらに屋根をかけてベンチを設けた上屋式のバス停も開発されている(例えば、特許文献1)。
ところで、近い将来予測される大災害に対して、全国自治体は防災対策・防災計画を模索中である。災害時には、市民各人が自ら安全なところ(避難場所)へ逃げることが原則となる。それには、平素からの正確で速やかな情報発信が必要となる。
そこで、情報発信媒体(メディア)としての「避難誘導サインバス停」、つまりバス停に避難誘導サインを取付けるのではなく、“バス停そのものが避難誘導サイン”となるものを創作するに至った。
【0003】
すなわち、平常時には、市民が避難誘導サインバス停を見ることで、避難誘導に関する日常的な学習効果が得られる。また、市民には、健常者だけでなく身障者もいるため、避難誘導サインバス停にはユニバーサルデザインが求められる。ここでいうユニバーサルデザインとは、例えば、平常時の夜間には街路照明となる一方、非常時には赤色灯が点灯したり、発光面材が点滅すると同時に、警報音、音声などによって緊急情報を発信するものである。
また、発光面材としては、電源不要の蓄光面材、電源が必要なEL(Electro Luminescence)面材、EL面材の表面に蓄光面材を積層した蓄光積層EL面材を採用することができる。このうち、EL面材および蓄光積層EL面材については、電力会社から交流電気が供給されているバス停であれば、その電源から電力を得ることができる。また、停電時には電池から電力を得るとともに、電源無しのバス停の場合には、太陽電池から電力を取得する。
【0004】

【効果】

【0030】
本考案によれば、災害時に避難中の被災者は、車道に一定区間ごと配設された避難誘導サインバス停付近に到達したとき、各避難誘導サインバス停に設けられた発光面材の避難誘導サイン(避難場所図記号、避難方向の矢印、避難場所の名称、避難場所までの距離のうち、少なくとも1つ)を視認することにより、迅速かつ的確に避難場所へ避難することができる。しかも、避難誘導サインは発光面材の表面に表示されているので、平常時には街灯照明、非常時には発光面材の点滅、赤色灯の点灯、同時に警報音や音声で緊急情報を発信するので、健常者だけでなく視覚障害者や聴覚障害者も安全に避難誘導することができる。さらに、この発光面材は、停電時に街路照明としても利用することができる。
【0031】
避難誘導サインバス停としては、上屋または標識柱を採用することができる。このうち、上屋としては、車道を走行する車両の進行方向側の支柱に、上屋の車道を走行する車両の進行方向側の側壁を構成するとともに、当該側壁に透明な2枚のガラス板を付設し、該2枚のガラス板の間に広告表示シートが挟持された広告掲示パネルが設けられたものが望ましい。
上屋として、屋根の外周面の全域に発光面材設置用スペース部が周設されものの場合には、発光面材設置用スペース部の外周面の少なくとも一部に発光面材を設けるようにすれば、夜間視認と街灯照明の2点から緊急時の避難誘導と平常時の夜間の安全安心効果と学習効果が得られる。
【0032】
一方、屋根の外周面の全域に発光面材設置用スペース部が周設されていない上屋の場合には、下地材としてのボードの表面に発光面材を設けるか、下地材と発光面材とが一体化した発光面ボードを設けることができる。パネル状の発光面材としては、畜光パネル、無機または有機ELパネル、無機または有機ELパネルの表面に蓄光シートまたは畜光フィルムが積層された蓄光積層式ELパネルのうち、少なくとも1つを採用することができる。
【0033】
また、発光面材の表面には、発光面材を提供する企業団体名または広告を表示することができる。
さらに、発光面材として畜光シート、畜光フィルム、畜光パネル、畜光ボードといった蓄光方式の発光面材を採用した場合には、発光面材が自然発光するため、電源が不要でランニングコストがかからない。また、無機または有機ELシート、無機または有機ELフィルム、無機または有機ELパネル、無機または有機ELボードといったEL方式の発光面材、および、蓄光積層式ELシート、蓄光積層式ELフィルム、蓄光積層式ELパネル、蓄光積層式ELボードといった積層EL方式の発光面材の場合には、無機または有機ELを採用したため、蛍光灯やLEDに比べて消費電力が小さく、省エネを図ることができる。さらに、これらのEL方式の発光面材の表面に、蓄光シートまたは蓄光フィルムを積層した場合には、夜間などで停電しても電池に切り替わり発光は継続する。その後、電池が切れても畜光が機能して発光し続けることで、被災者が避難誘導サインを視認することができる。また、電源を有さない無照明方式の避難誘導サインバス停の電源としては太陽電池を採用することができる。停電時でもこれらのEL方式の発光面材、および、これらの積層EL方式の発光面材を発光させることができる。
【0034】
また、無機または有機ELシート、無機または有機ELフィルム、無機または有機ELパネル、無機または有機ELボード、蓄光積層式ELシート、蓄光積層式ELフィルム、蓄光積層式ELパネル、蓄光積層式ELボードのうち、選出されたものを発光させるスイッチ器具として、タイマ、光センサ、停電センサのうちの少なくとも1つと、地震センサとを併設するようにしたので、昼間であっても夜間であっても警報音、赤色灯の点灯、発光面材の点滅などで、身障者も含めたあらゆる人が地震を原因とするあらゆる災害に気付いて避難行動ができるという効果が得られる。
【0035】
さらに、避難誘導サインバス停には、無機または有機ELシート、無機または有機ELフィルム、無機または有機ELパネル、無機または有機ELボード、蓄光積層式ELシート、蓄光積層式ELフィルム、蓄光積層式ELパネル、蓄光積層式ELボードのうち、選出されたものの停電用の電源として電池を採用することができる。
さらにまた、地震センサの地震検知に基づき、警報手段によって音声、サイレンおよびブザーを含む警報音、避難誘導の音声案内、赤色灯の点灯および発光面材の点滅のうち、少なくとも1つが発生する。これにより、地震発生を避難誘導サインバス停の周辺の住民等に音や光で知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本考案の実施例1に係る避難誘導サインバス停の斜視図である。
【図2】本考案の実施例1に係る避難誘導サインバス停に設けられた発光面材の正面図である。
【図3】本考案の実施例1に係る避難誘導サインバス停の発光面材の制御系の一部を示すブロック図である。
【図4】本考案の実施例2に係る避難誘導サインバス停を示す正面図である。
【図5】本考案の実施例2に係る別の避難誘導サインバス停を示す正面図である。

【0037】
以下、この考案の実施例を具体的に説明する。
【0038】
図1において、10は本考案の実施例1に係る避難誘導サインバス停である上屋で、この上屋10は、車道に沿う歩道のバス停留地点に立設されている。上屋10は、道路長さ方向に離間して2本の太い角パイプ材からなる支柱11,11’と、両支柱11,11’の中間位置に配置された細い角パイプ材(その他、太い角パイプ、丸パイプなど限定されない)からなる補助支柱12とを有し、この2本の太い支柱11,11’のうち、車道を走行する車両の進行方向側の支柱11には、上屋10のうち、車道を走行する車両の進行方向側の側壁を構成するとともに、相対配置された2枚の透明なガラス板の間に広告表示シートが挟持された広告掲示パネル13が設けられている。これにより、バスの利用者、通行人および車道を走行中の車両の運転者などに、歩道の進行方向に直交して立てられた広告掲示パネル13の広告表示シート上の商品を、印象深く宣伝することができる。
【0039】
また、広告掲示パネル13には、夜間照明用の蛍光灯またはLED照明が収納されている。そのため、夜間や暗がりなどでも、広告表示シートの広告をライトアップすることができる。なお、広告掲示パネル13には、連続した複数枚分の広告表示シートのスクロール装置を設けてもよい。具体的には、広告掲示パネル13の上下端部に一対の水平ロールを配置し、これらの一方または両方をモータ回転させて広告表示シート1枚分だけこの連続シートをスクロールすることで、広告掲示パネル13に掲示される広告を、タイマ制御などを利用して任意変更することができる。なお、あらかじめ連続シートの一部分に避難誘導サインを表示しておき、地震発生時に地震センサと連動して連続シートをスクロールし、避難誘導サインや避難誘導地図を広告掲示パネル13に掲示するように構成してもよい。
さらに、広告掲示パネル13のうちの支柱11との連結側とは反対側の端部には、1本の細い柱からなる補助支柱12’が立設されている。これらの4本の支柱11,11’,12,12’の上端間には、平面視して道路長さ方向へ長い矩形状の屋根14がかけられている。屋根14は、発光面材設置用スペース部を構成する幅10〜30cm(ここでは20cm)の横長な4つの側板15を有している。これらの側板15の表面には、これらの側板15を外方から覆う帯状の発光面材16が設けられている。また、屋根14の下方にはベンチBが据え付けられている。
【0040】
図2に示すように、発光面材16は、その表面に、避難場所図記号および矢印と、緊急避難時の避難場所の名称と、避難場所までの距離と、発光面材16を提供する企業団体名および広告が表示され、かつ停電時には街路照明となる蓄光シートである。なお、発光面材16の表面には、企業マークを表示してもよい。また、避難場所図記号に代えて、避難所図記号、津波避難場所図記号、津波避難ビル図記号などを表示してもよい。
蓄光シートは、基材を構成する透明なポリ塩化ビニル樹脂中に、アルミナ100重量%に対してEu100重量%を焼成してなる蓄光性材料を所定分量だけ分散させた横長なものである。なお、蓄光シートに用いられる蓄光材料は、これに限定されるものではなく、前記各種の蓄光材料であればいかなるものでもよい。
【0041】
ここでは、発光面材16として畜光シートを採用したが、その他、畜光フィルム、畜光パネル、畜光ボードを採用してもよい。また、このように自然発光する畜光方式の発光面材16ではなく、通電することで発光する無機または有機ELシート、無機または有機ELフィルム、無機または有機ELパネル、無機または有機ELボードでもよい。その他、無機または有機ELシートの表面に畜光シートを貼着により積層した蓄光積層式ELシート、無機または有機ELフィルムの表面に畜光フィルムを貼着により積層した蓄光積層式ELフィルム、無機または有機ELパネルの表面に蓄光シートまたは畜光フィルムを貼着により積層した蓄光積層式ELパネル、無機または有機ELボードの表面に蓄光シートまたは畜光フィルムを貼着により積層した蓄光積層式ELボードでもよい。
【0042】
これらのうち、無機EL方式の発光面材16は、ラミネートフィルム(保護層)に背面電極、絶縁層、無機発光層、ITOフィルム(電極)を順次積層して無機ELパネルを構成する無機EL装置(無機ELディスプレイ)である。これは、ITOフィルムと背面電極との間に電圧を印加し、これにより無機発光層を励起することで発光する。
また、有機EL方式の発光面材16は、ガラス板からなる透明の基板上に、ITOの透明電極、有機発光層、および光反射用の金属膜からなる背面電極が順次積層されて構成されている。有機ELパネルは、その発光面を除く部分が金属製の導電性の筐体で覆われている。また、有機ELパネルを構成する透明電極と背面電極とが有機ELパネルの発光駆動用の駆動電源に接続され、駆動電源からパルス状の電圧を発生することで、有機ELパネルをPWM制御によって調光する。
【0043】
このように、無機または有機ELシート、無機または有機ELフィルム、無機または有機ELパネル、無機または有機ELボードといったEL方式の発光面材16を採用した場合には、蛍光灯やLEDに比べて消費電力が小さく、省エネを図ることができる。また、これらのEL方式の発光面材16の表面に、蓄光シートまたは蓄光フィルムを積層したものを採用した場合には、夜間などで停電した場合でも蓄光シートまたは蓄光フィルムが光ることで、被災者が避難誘導サインを視認することができる。
【0044】
また、図3に示すように、これらの無機EL方式または有機EL方式の発光面材16と、蓄光積層無機EL方式または蓄光積層有機EL方式の発光面材16と、赤色灯Lと、音声案内および警報音を発生させる図示しないスピーカを上屋10に設置した場合(図1も参照)、これらの発光体を点灯させるスイッチ器具として、明るさの低下を検知する光センサと、停電センサと、地震センサとを配設することができる。このように構成すれば、地震など緊急避難を要する場合には地震センサにより発光面の点滅、スピーカからの警報音、音声案内が流れて赤色灯Lが作動し、夜間の場合であっても身障者も含むすべての被災者を確実に避難誘導できる。これにより、地震発生を避難誘導サインバス停の周辺の住民等に音で知らせることができる。また、屋根14の上に設けた赤色灯Lの点灯および発光面材16の表面に固着した多数のLEDを点滅することで、昼夜を問わず通行人に注意を促すことができる。なお、その他のスイッチ器具として、点灯時間と消灯時間とを設定するタイマを採用してもよい。さらに、電源を有さない上屋10の場合には屋根14の上に太陽電池を搭載してもよい。
【0045】
以上説明したように、実施例1の上屋10がこのように構成されたことで、災害時に避難中の被災者は、車道に一定区間ごと配設された避難誘導サインバス停に到達したとき、各避難誘導サインバス停に設けられた発光面材16の避難誘導サイン、具体的には避難場所図記号および矢印、避難場所の名称、避難場所までの距離を視認することができる。これにより、被災者は迅速かつ的確に避難場所へ避難することができる。しかも、避難誘導サインは発光面材16の表面に表示されているため、夜間や暗がりであっても被災者を避難誘導することができる。さらに、発光面材16は、停電時に街路照明としても利用することができる。
【0046】
また、避難誘導サインバス停として上屋10を採用したため、災害時にベンチBに着座して休憩することができる安全なシェルタとして利用することができる。さらに、上屋10として、屋根14の外周面の全域に側板15が周設されものを採用したので、側板15の外周面の少なくとも一部(ここでは全周)に発光面材16を設けることにより、夜間には発光するので、昼夜を問わず安全安心効果と避難誘導に対する日常学習効果が得られる。
なお、屋根の外周面の全域に側板が周設されていない上屋の場合には、パネル状の発光面材16を、下地材としてのボードの表面に発光面材を設けるか、下地材と発光面材とが一体化した発光面ボードを、ボードの上部が屋根より上方に突出したパラペット状に設けるか、これとは反対に、ボードの下部が屋根より下方に突出するように、ブラケットを介して屋根の外周縁に吊設する。パネル状の発光面材16としては、畜光パネル、無機または有機ELパネル、無機または有機ELパネルの表面に蓄光シートまたは畜光フィルムが積層された蓄光積層式ELパネルのうち、少なくとも1つを採用することができる。
【0047】
また、実施例1では発光面材16として自然発光する畜光シートを採用したため、電源が不要でランニングコストがかからない。
さらに、発光面材16の表面には、発光面材16を提供する企業団体名または広告を表示するようにしたので、事業者自治体側にとっては広告収入が得られるという経済的メリットを有し、また広告提供者側にはCSR(Corporate Social Responsibility)の発露というメリットを有する。
さらにまた、道路側に配置された2本の支柱11’,12の上部間には、側壁が設けられている。この側壁には、時刻表、路線図が記載されている。
また、上屋10には、自治体が発信する図示しない防災無線の受信機が設けられている。これにより、自治体からの防災信号を無線で受信した際、地震センサの作動時と同様、諸機能を作動させることができる。
【0048】
次に、図4および図5を参照して、本考案の実施例2に係る避難誘導サインバス停を説明する。
本考案の実施例2に係る避難誘導サインバス停の特徴は、この避難誘導サインバス停として、図4に示すように、バス停留地点を示す標識柱20を採用した点である。標識柱20は、コンクリート製の土台21に立設された柱22と、柱22の上端部に固定された円形の標識板23と、柱22の中間部に固定され、かつ時刻表が掲示された縦長矩形状の時刻表示板24とから構成されている。時刻表示板24の上部および下部には、避難誘導サインである、緊急避難時の避難場所図記号および矢印と、避難場所の名称と、避難場所までの距離と、提供企業名とが表示されている。
【0049】
また、別の標識柱20Aとして、図5に示すように、4枚の縦長で半透明なプラスチック板を平面視して正方形に組み、かつ内部空間に照明を収納した立体表示板23Aを有したものに採用してもよい。この場合、上下に3分割された各プラスチック板の上部に、避難誘導サインである、緊急避難時の避難場所図記号および矢印と、避難場所の名称と、避難場所までの距離と、提供企業名とが表示されている。なお、図5において、22Aは柱、24Aは時刻表示板である。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるので説明を省略する。
以上、本考案を説明したが、本考案はこれらに限定されるものではなく、その他、どのような構造のバス停にも適用可能なものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本考案は、災害時に住民等を迅速かつ的確に避難場所へ誘導することができ、かつ停電時には街路照明としても利用することができるバス停として有用である。
【0051】
10 上屋(避難誘導サインバス停)
11,11’ 支柱
12,12’ 補助支柱(支柱)
13 広告掲示パネル
14 屋根
15 側板(発光面材設置用スペース部)
16 発光面材
20,20A 標識柱(避難誘導サインバス停)
22,22A 柱
23,23A 標識板(標識)
B ベンチ

(57)【要約】

【課題】平常時には避難場所を基礎知識とする情報普及および学習の効果が得られ、また夜間や停電時には街路照明として利用可能で、災害時には被災者を迅速かつ的確に避難場所へ避難誘導できる避難誘導サインバス停を提供する。【解決手段】避難誘導サインバス停の露出面の一部分に、緊急避難時の避難場所図記号および矢印と、避難場所の名称と、避難場所までの距離とのうち、少なくとも1つを表面に表示し、かつ夜間や停電時には街路照明となる発光面材を設ける。バス停は、2本の支柱に屋根がかけられ、屋根の下方にベンチが設けられた上屋、又は標識が柱に固定された標識柱である。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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