(54)【考案の名称】血圧計

(51)【国際特許分類】

A61B 5/022

(73)【実用新案権者】オムロンヘルスケア株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は、生体の血圧を測定する血圧計に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、生体を圧迫するカフとして、例えば特開2011‐200683号公報(特許文献1)に開示された生体圧迫装置がある。この生体圧迫装置は、図4に示すように、帯状体1の一端側に、流体袋2が設けられている。さらに、帯状体1の流体袋2よりも上記一端側でなる皮膚挟み防止タグ部3には、留め金具4が、被保持部5を中心に揺動可能に取り付けられている。
【0003】
そして、上記皮膚挟み防止タグ部3の上記中間部に布でなる補強部材6を縫い付けて、皮膚挟み防止タグ部3における帯状体1の長手方向の中間部の曲げ剛性を上記長手方向の先端部の曲げ剛性よりも高めるようにしている。
【0004】
しかしながら、上記従来の生体圧迫装置には、以下のような問題がある。すなわち、帯状体1の流体袋2よりも上記一端側の曲げ剛性を高めるための補強部材6は、皮膚挟み防止タグ部3の上記中間部のみに縫い付けられている。したがって、皮膚挟み防止タグ部3における上記中間部よりも先端側3aと上記中間部よりも中央側(流体袋2側)3bとには補強部材6が縫い付けられておらず、曲げ剛性は低い。
【0005】
そのため、上記構成を有する生体圧迫装置を人体の上腕に巻き付ける場合に、皮膚挟み防止タグ部3の先端側3aが折れ曲がって、上記上腕と帯状体1との間に挟まれる場合があるという問題がある。つまり、上記生体圧迫装置を人体の上腕に巻き付ける際に、曲げ剛性が低い皮膚挟み防止タグ部3の先端側3aが、曲げ剛性が高い上記中間部に対して折れ曲がり、帯状体1の上記一端側とは反対側の他端側を留め金具4に通して折り返して引っ張る際に、上腕を返したときに先端側3aが上記上腕と帯状体1との間に入り込んでしまうのである。
【0006】
さらに、急いで上記生体圧迫装置を上腕に巻き付けた際には、先端側3aと同様に曲げ剛性が低い皮膚挟み防止タグ部3の中央側3bが、曲げ剛性が高い流体袋2に対して折れ曲がり、それに気づかずに皮膚挟み防止タグ部3の略全体が、上記上腕と帯状体1との間に挟まれる場合もある。
【0007】
ここで、上記帯状体1は、内面カバーと外面カバーとで流体袋2を挟み込んで構成されている。上記内面カバーは、皮膚に触れた際に触り心地がよく、且つ流体袋2の圧力を上腕に的確に伝えることができるように、薄く,柔らかく,伸縮性を有する布で形成されている。また、上記外面カバーは、上記内面カバーに比べて、厚く,丈夫で,伸縮性を有しない布で形成されている。そして、上述のように、上記皮膚挟み防止タグ部3の先端側3aや皮膚挟み防止タグ部3の略全体が上腕と帯状体1との間に挟まれた状態で、帯状体1の上記他端側を留め金具4に通して折り返し、帯状体1の上記他端側に設けられて面ファスナー7を構成するフックシート8をループシート9に係止させた場合には、上記外面カバー側が皮膚に触れることになる。そのため、触り心地が悪く、且つ流体袋2からの圧力を上腕に的確に伝えることができず、上記上腕の圧迫を妨げることになるという問題がある。
【0008】
また、上記帯状体1における上腕に触れる部分に曲げ剛性の低い部分があるため、上記上腕に対して均一な圧迫力を与えることができず、上記生体圧迫装置を血圧測定用カフとして用いた場合に、正しい血圧測定値が得られないという問題もある。
【0009】

【効果】

【0020】
以上より明らかなように、この考案の血圧計は、帯状体における血圧測定本体と一端との間の全領域が、シート状の補強部材によって曲げ剛性が高められている。したがって、例え、手で上記血圧測定本体を持っても、上記血圧測定本体よりも上記一端側が上記血圧測定本体に対して垂れ下がることはなく、上記血圧測定本体を被測定部位に密着させる際に、上記一端側が上記被測定部位と上記帯状体との間に巻き込まれることを防止できる。
【0021】
すなわち、本血圧計を上記被測定部位に装着する場合に、上記血圧測定本体よりも上記一端側が手首と上記帯状体との間に挟み込まれて、上記外布が皮膚に触れることがない。したがって、丈夫で,伸縮性を有しない上記外布が皮膚に触れることにより上記流体袋の圧力を上記被測定部位に的確に伝えることができず、上記被測定部位の正常な圧迫が妨げられることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この考案の血圧計としての血圧情報測定装置の側面図である。
【図2】図1に示す血圧情報測定装置の平面図である。
【図3】図1に示す血圧情報測定装置の手首への装着状体を示す斜視図である。
【図4】従来の生体圧迫装置の平面図である。

【0023】
以下、この考案を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の血圧計としての血圧情報測定装置における側面図である。
【0024】
血圧情報測定装置11は、被測定部位としての被験者の手首に装着され、手首から血圧を測定するものである。この血圧情報測定装置11は、図1に示すように、カフ12と、このカフ12が上記手首に巻き付けられた装着状態にある場合に、カフ12における上記手首側とは反対側の表側に取り付けられた本体13とを含んでいる。本体13は、カフ12に対して、例えば接着剤等によって貼付されて取り付けられている。
【0025】
ここで、上記「本体」とは、血圧情報測定装置の本体を意味する。上記本体には、例えば、上記流体袋に流体を供給して加圧するためのポンプや、加圧センサ、信号処理を行う制御部、測定結果を表示する表示部等が搭載されている。
【0026】
上記カフ12は、手首を圧迫するための流体袋14と、この流体袋14を内包する帯状体15とを有している。この帯状体15は、流体袋14に対して上記手首側に位置する内布16と、流体袋14に対して上記手首と反対側に位置する外布17とが互いに縫い合わせて(貼り合わされて)形成されている。外布17の表面には、面ファスナが設けられており、この面ファスナによって、血圧情報測定装置11の手首への装着状態を固定して保持するようになっている。
【0027】
尚、本実施の形態においては、流体袋14はPVC(polyvinyl chloride:ポリ塩化ビニル)製あるいはポリウレタン製であり、外布17はポリエステル製であり、内布16はポリアミド製あるいはポリウレタン製である。
【0028】
ここで、上記内布16は、流体袋14の圧力を手首に的確に伝えるように、ポリアミドあるいはポリウレタンによって柔らかく,伸縮性を有するように形成されている。これに対して、外布17は、丈夫で,伸縮性を有しないようにポリエステルで形成されている。
【0029】
図2は、上記血圧情報測定装置11を外布17側から見た平面図である。カフ12の帯状体15は、指先側が細くなっている手首に巻き付けても螺旋状にならずに一箇所で巻き付けることが可能なように、平面視において、一部が指先側に向かって湾曲した形状を有している。
【0030】
図2に示すように、上記帯状体15における中央部から一端15a側は、一直線状に形成されている。これに対して、上記中央部から一端15a側とは反対側の他端15b側は、手首に装着された際に指先側となる方に向かって湾曲して形成されている。そして、上記一直線状に形成されている部分(以下、直線部15cと言う)における外布17表面の略中間部には、カフ12の流体袋14内の圧力を検出して血圧を測定し、測定結果を表示する本体13が取り付けられている。ここで、図2には現れていないが、図1から分かるように、流体袋14は主として直線部15cに設けられている。
【0031】
上記面ファスナ18は、上記直線部15cの外布17表面における本体13よりも上記湾曲して形成されている部分(以下、湾曲部15dと言う)側の領域に設けられた第1面ファスナ19と、湾曲部15dの外布17表面における略全領域に設けられた第2面ファスナ20とによって構成されている。尚、第1面ファスナ19と第2面ファスナ20との何れか一方はフック状に起毛されたフックシートであり、他方はループ状に起毛されたループシートである。尚、本実施の形態においては、面ファスナ18は、ポリエステル製である。
【0032】
上記直線部15cの外布17表面における本体13よりも一端15a(先端15aと言う場合もある)側の領域には、全域に亘ってシート状の補強部材21が設けられている。補強部材21はポリエステル製の布であり、同じポリエステル製の外布17の表面に、糸22によって縁取り用のバイヤステープ23を介して縫い付けられている。その際に、補強部材21には、帯状体15の全幅に亘ってひだを形成し、このひだの両側を平行に糸で縫ってループ24を形成している。このループ24には、実質的に長円形状を有する金属製のリング25が揺動可能に挿通されている。
【0033】
ここで、上記ループ24において、手首に装着された際に指先側となる側が反対側よりも湾曲部15d側に位置しており、直線部15cの長手方向に対して傾斜を有している。こうすることによって、帯状体15における湾曲部15d側の他端15b(先端15bと言う場合もある)をリング25に通し、折り返して引っ張る際に、手首の細い側が太い側よりもより強く引っ張られて、指先側と反対側とで太さが異なる手首に対して帯状体15を略均等な力で巻き付けることができる。
【0034】
上記構成を有する血圧情報測定装置11は、以下のようにして、上記被測定部位としての手首に装着される。図3は、左手首に血圧情報測定装置11を装着した場合の装着状体を示す斜視図である。
【0035】
図3に示すように上記血圧情報測定装置11を左手首に装着する場合には、先ず、右手に血圧情報測定装置11の直線部15cを持って、直線部15cを左手首の手のひらに続く側である内側に載置させる。その際に、図4に示す従来の生体圧迫装置のごとく直線部15cに曲げ剛性の低い箇所が一箇所でもある場合には、例えば右手で直線部15cの本体13を持った場合に、曲げ剛性の低い箇所よりも先端15a側が本体13に対して垂れ下がる。そのために、本体13を左手首の上記内側に密着させる際に、曲げ剛性の低い箇所よりも先端15a側が手首と帯状体15との間に巻き込まれる恐れがある。
【0036】
本実施の形態においては、上記直線部15cにおける本体13よりも先端15a側の全域に亘ってシート状の補強部材21が設けられている。したがって、帯状体15における本体13よりも先端15a側全域の曲げ剛性が、補強部材21が無い場合よりも一様に高められている。したがって、右手で直線部15cの本体13を持った場合でも、本体13よりも先端15a側が本体13に対して垂れ下がることはない。そのために、本体13を左手首の上記内側に密着させる際に、本体13よりも先端15a側が手首と帯状体15との間に挟み込まれることが防止される。
【0037】
尚、このことは、上記帯状体15における直線部15cを左手首の親指に続く側に載置させる場合も同様である。
【0038】
次に、上記帯状体15における湾曲部15dを左手首に巻き付けて、湾曲部15d側の先端15bをリング25に通す。そうした後、図3に示すように、リング25を通過した先端15b側を、リング25の箇所で折り返して引っ張って適度な締め付け圧にする。そして、湾曲部15dの第2面ファスナ20を直線部15cの第1面ファスナ19係止させて、血圧情報測定装置11の手首への装着状態を固定して保持するのである。
【0039】
尚、上記帯状体15における補強部材21が設けられていない領域については、本体13,流体袋14,第1面ファスナ19および第2面ファスナ20の存在によって、高い曲げ剛性を有している。
【0040】
以上のごとく、上記実施の形態においては、内布16と外布17とが互いに貼り合わされて形成されると共に、内布16と外布17とで流体袋14を挟み込む帯状体15を有している。そして、帯状体15における中央部よりも一端15a側の直線部15cの略中間部には本体13が取り付けられている。また、直線部15cの外布17表面における本体13よりも他端15b側に設けられた第1面ファスナ19と、中央部よりも他端15b側の湾曲部15dの外布17表面に設けられた第2面ファスナ20とで構成された面ファスナ18を有している。
【0041】
さらに、上記帯状体15の直線部15cにおける本体13よりも一端15a側には、全域に亘ってシート状の補強部材21が設けられて曲げ剛性が高められている。したがって、手で直線部15cの本体13を持ち上げても、本体13よりも先端15a側が本体13に対して垂れ下がることはなく、本体13を手首に密着させる際に本体13よりも先端15a側が手首と帯状体15との間に巻き込まれることを防止できる。
【0042】
すなわち、この考案によれば、上記血圧情報測定装置11を手首に装着する場合に、本体13よりも先端15a側が手首と帯状体15との間に挟み込まれて、外布17が皮膚に触れることがない。したがって、丈夫で,伸縮性を有しない外布17が皮膚に触れることにより流体袋14の圧力を手首に的確に伝えることができず、手首の正常な圧迫が妨げられることを防止できるのである。
【0043】
さらに、上記帯状体15における手首に触れる部分に曲げ剛性の低い部分がないため、手首に対して略均一な圧迫力を与えることができ、本体13によって正しい血圧測定値を得ることができる。
【0044】
また、上記補強部材21は、ポリエステル製の布で構成されており、同様にポリエステル製の布でなる外布17に対して糸22で縫い付けられている。したがって、内布16と外布17とを互いに縫い合わせて帯状体15を形成する工程において、補強部材21を取り付けることが可能になる。
【0045】
さらに、上記補強部材21と外布17とが、同じポリエステル製の布で構成されているため、補強部材21用の材料を外布17用の材料とは別に用意する必要がない。
【0046】
尚、上記実施の形態においては、上記補強部材21を外布17に縫い付けている。しかしながら、この考案は、これに限定されるものではなく、補強部材21を外布17に対して接着剤で貼り付けることも可能である。
【0047】
また、上記実施の形態においては、上記補強部材21によってリング25が挿通されるループ24を形成しているが、この考案は、これに限定されるものではない。例えば、ループ24を、外布17に取り付けられた補強部材21上に、補強部材21とは別体に形成しても良い。
【0048】
また、上記実施の形態においては、上記補強部材21を上記直線部15cにおける外布17の表面に設けている。しかしながら、この考案は、これに限定されるものではなく、補強部材21を内布16の表面に設けることも可能である。但し、その場合には、触り心地の点で、外布17の表面に設けた場合に劣る。
【0049】
また、上記実施の形態においては、上記補強部材21を布で構成しているが、例えばフェルトやフレキブル性を有するフィルム等で構成しても良い。
【0050】
11…血圧情報測定装置
12…カフ
13…本体
14…流体袋
15…帯状体
15a…一端
15b…他端
15c…直線部
15d…湾曲部
16…内布
17…外布
18…面ファスナ
19…第1面ファスナ
20…第2面ファスナ
21…補強部材
22…糸
23…バイヤステープ
24…ループ
25…リング

(57)【要約】

【課題】人体の被測定部位に装着する際に帯状体の留め金具側の先端部が被測定部位と上記帯状体との間に挟まれることを防止できる血圧計を提供する。【解決手段】帯状体15の直線部15cにおける本体13よりも一端15a側には、全域に亘ってシート状の補強部材21を設けて、曲げ剛性を高めている。こうすることにより、手で直線部15cの本体13を持っても、本体13よりも先端15a側が本体13に対して垂れ下がることはなく、本体13を手首に密着させる際に、本体13よりも先端15a側が手首と帯状体15との間に巻き込まれることを防止できる。したがって、血圧情報測定装置11を手首に装着する場合に、帯状体15の先端15a側が手首と帯状体15との間に挟まれて外布17が皮膚に触れることを防止でき、流体袋の圧力を手首に的確に伝えることができる。


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