(54)【考案の名称】友禅紙を用いたはがき類

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、友禅紙を用いたはがき類に関し、特に年賀はがき等に好適である。

【従来の技術】

【0002】
官製はがきの一面に貼着して和紙風はがきとする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。ここでは、和紙の一面に印刷し、又は印刷可能であって、他面に、加熱接着性と加熱剥離性を兼備した接着剤を付着させている。
【考案が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年になって、特に年賀はがき等では、通常柄ではなく友禅柄を使用して高級感等を出して欲しいとの要請があった。しかし、友禅柄は通常柄のものに比べてはるかに高価であり、反物のように大型のものとしてしか市販されていない。したがって、それを官製はがきなどのように小型のものに使用したのでは端切れが多くなり、到底採算ベースにのらないことから、これまで実現されていなかった。
【0004】
また、友禅柄を代表する、京友禅では、絹織物の白布に絵をかき、染め出したもので、もとは鴨川の流れでさらし、鮮やかな色彩を出していた。すなわち、一切の加熱を行っておらず、もし特許文献1のように、官製はがきに加熱接着等すると、その官製はがきが変形してしまうおそれがあった。これに伴い、官製はがきの裏面の友禅柄が変形・色あせし、さらには、官製はがきの裏面の友禅柄が縮んで、その友禅柄がない部分ができる等の悪影響が出てくるおそれがあった。これでは、せっかくの友禅柄の高級感等を大きく損なってしまう。
【0005】
本考案は、上記事情に鑑みたものであり、その目的とするところは、高級感等をかもし出すことのできる友禅紙を用いたはがき類を提供することである。

【効果】

【0019】
本考案によれば、はがき類と、該はがき類の表裏両面のうちの少なくとも一方の全面を被覆可能な大きさの友禅紙とが非加熱で合紙されたものであり、特許文献1のように、はがき類に加熱接着等しないので、そのはがき類が変形してしまうおそれがない。これに伴い、はがき類の表面又は裏面の友禅柄が変形・色あせすることはなく、そのはがき類の表面又は裏面の友禅柄が縮んで、友禅柄がない部分ができることもない。したがって、友禅柄の高級感を損なうことがない。
【0020】
したがって、これまで実現されなかった、友禅紙独特の質感と高級感とをかもし出すことができる、はがき類を提供することができるようになった。
【0021】
また、前記はがき類が、同一の向きとなるように揃えて縦横方向に並設されたはがき類の集合体である場合には、集合体と該集合体の表裏両面のうちの少なくとも一方の全面を被覆可能な大きさの友禅紙とが非加熱で合紙された状態で、各はがき類の寸法に裁断可能な合紙体となるので、その端切れが極めて少なくなり、高価な友禅紙を用いても低コストで製造可能となる。
【0022】
この場合も、特許文献1のように、はがき類に加熱接着等しないので、そのはがき類が変形してしまうおそれがない。これに伴い、はがき類の表面又は裏面の友禅柄が変形・色あせすることはなく、そのはがき類の表面又は裏面の友禅柄が縮んで、友禅柄がない部分ができることもない。したがって、友禅柄の高級感を損なうことがない。
【0023】
したがって、これまで実現されなかった、友禅紙独特の質感と高級感とをかもし出すことができる、はがき類を安価に提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本考案の一実施形態に係る年賀はがきの全体構成図である。
【図2】本年賀はがきの裏表両面を示す説明図である。
【図3】本年賀はがきの代表図案1を示す説明図である。
【図4】本年賀はがきの代表図案2を示す説明図である。
【図5】本年賀はがきの製造手順を示す説明図である。

【0025】
図1は本考案の一実施形態に係る年賀はがきの全体構成図、図2は本年賀はがきの裏表両面を示す説明図、図3は本年賀はがきの代表図案1を示す説明図、図4は本年賀はがきの代表図案2を示す説明図である。
【0026】
本実施形態に係る年賀はがきは、図1に示すように、例えば4枚の官製はがき1,1,・・が、その裏表面と長手方向とのいずれについても同一の向きとなるように揃えて縦横方向に並設されたシート(1シート4丁付はがき:集合体に相当する。)2と、該シート2の全面を被覆可能な大きさの友禅和紙(友禅紙に相当する。)3とが合紙された状態で、各官製はがき1,1,・・の寸法に裁断可能となるように構成したものである。
【0027】
図2に示すように、この年賀はがきの裏面(友禅和紙 面)の全面に、例えば京友禅などの、いわゆる友禅柄の模様が表示されており、その友禅柄の上に「謹んで新春の御祝詞を申し上げます」「昨年中はいろいろお世話になり心よりお礼申し上げます」「今年もどうぞよろしくお願いいたします」「平成二十四年」と所定の挨拶文等が印刷されている。その表面(ハガキ 面)には、切手、郵便番号、年賀の絵文字、お年玉番号等が記された通常の官製はがきである。
【0028】
図3,図4は友禅柄の代表図案1,2であるが、いずれも華麗な京友禅を示している。そもそも「友禅」とは、江戸時代の元禄年間(西暦1688年〜1703年)を中心に京都で活躍した扇絵師である宮崎友禅斎が着物の友禅模様という名称のもとになった扇絵や小袖の雛形を描いたものである。この友禅模様は、京都で評判になり、後に友禅という名は着物の模様や染織技法も指す言葉になったとのことである。京友禅は、絹織物の白布に絵をかき、染め出したもので、もとは鴨川の流れでさらし、鮮やかな色彩を出していた。
【0029】
東京で染める手描き友禅のことを、東京友禅(江戸友禅)と呼ぶ。東西の違いは、美意識や生活感覚の違いによるものであるが、それは模様や色彩の違いとして現れている。色彩の傾向としては、華麗な京友禅に対して、全体的に藍や白を効果的に用いて、さっぱりとした色使いに仕上げている。また、加賀友禅は、白地に臙脂色、紅、藍、緑などにぼかしの加わったはでやかな模様の間に、周縁をぼかした紫の雲形の加えられているものが多い。
【0030】
友禅柄の上の印刷方法としては、シルクスクリーン印刷を採用することができる。このシルクスクリーン印刷は、版材に絹(シルク)等の布を使った印刷方法であって、
絹目の間からインクをヘラで擦ることで適量押し出し、元版の空隙から印刷物にインクを乗せるものであるが、これによれば、紙、布等に、多色印刷を行うことができて便利である。
【0031】
ところが、友禅柄は本来濃い目のものであり、本発明者は、かかる友禅和紙3の上に直にシルクスクリーン印刷で多色印刷を試みたが、黒色以外はインクがのりにくいことがわかった。つぎに、黒色のインクでもって、シルクスクリーン印刷を試みたが、それでも印刷された文字内容が判読しにくいことがわかった。そこで、予め下地の和紙の色を薄くしておいてから、その薄くした箇所にシルクスクリーン印刷を試みたところ、印刷された文字がくっきりと見えるようになることがわかった。
【0032】
しかし、友禅柄の特徴となる濃い目のものをそのまま使用したいことから、本発明者は、さらなる工夫を行った。ここでは、濃い目の友禅柄とした友禅和紙3に、いわゆるニス状のコーティング剤を塗布することで、該友禅和紙3をコーティングしてから、その上にシルクスクリーン印刷を試みたところ、印刷された文字がくっきりと見えるようになることがわかった。また、ボールペン等で「ご無沙汰していますが、お元気ですか?」などの手書き文字を容易に追記できるようになることもわかった。
【0033】
そして、発明者による、かかる創意工夫を経て、やっと友禅和紙3を用いた年賀はがき(以下、本年賀はがきという。)の実用化の目処がたったのである。図5は本年賀はがきの製造手順を示す説明図であって、具体的な友禅染紙の工程と、貼り合わせ(合紙)工程と、印刷工程とをそれぞれ示している。以下、各工程を詳述する。
【0034】
友禅染紙の工程では、まず紙の地貼りを行う。これは、和紙を台に貼る作業である。ついで、図3,図4に示すような、京友禅の代表図案1,2等の中から、その年に流行しそうな図柄を選んで、その捺染を行う。ここでは、手作業により型染(手捺染)を行う。
【0035】
この捺染を行った和紙の乾燥を行う。ここでは、自然乾燥または温風により乾燥を行う。乾燥を行った和紙の検品を行う。ここでは、目視する。そして、地貼り上げを行う。ここでは、台に貼った和紙を回収する作業を行う。このようにして、できあがった友禅和紙3を製品として梱包し出荷する。
【0036】
貼り合わせ(合紙)工程では、まず友禅和紙3の全判を断裁する。ここでは、友禅和紙3を、4枚の官製はがき1,1,・・が縦横方向に並設されたシート2に合わせて1回り大きく断裁する。ついで、シート2と友禅和紙3とを貼り合わせると、図1に示すような状態となる。
【0037】
この貼り合わせでは、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン系接着剤を用いた圧着加工を非加熱で行う。ついで、ウエイトプレスを行う。ここでは、適量のシートを重ねた後、上部よりプレス作業を行うことにより、返り対策を行う。
【0038】
このプレス作業を行った友禅和紙3の余分なところを断裁する。ここでは、シート2からはみ出した余部分をカットする。さらに、合紙済みのシート2を破線4に沿って断裁する。ここでは、各官製はがき1,1,・・の寸法としての許容規定値に基づいて断裁する。ついで、検品を行う。ここでは、目視する。そして、各官製はがき1,1,・・の単体の大きさとなった製品の梱包と出荷とを行う。
【0039】
印刷工程では、まず、友禅和紙側をコーティングする。このコーティングにより、友禅染の上に、印刷及び印字が可能となる。その上に、所定の挨拶文等の印字印刷を行って、図2に示すような友禅和紙の面を形成する。ついで、検品を行う。ここでは、目視する。そして、最終製品としての年賀はがきの梱包と出荷とを行い、この年賀はがきの販売を行う。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る年賀はがきでは、その表面と裏面とが同一の向きとなるように揃えて縦横方向に並設された複数の官製はがき1,1,・・からなるシート2と、このシート2の例えば裏面側の全面を被覆可能な大きさの友禅和紙3とが合紙された状態で、各官製はがき1,1・・の単体の寸法に裁断可能な合紙体となるので、その友禅和紙3の端切れが極めて少なくなり、たとえ高価な友禅和紙3を用いたとしも、きわめて低コストで年賀はがきの製造が可能となる。
【0041】
また、特許文献1のように、官製はがきに加熱接着等しないので、その官製はがきが変形してしまうおそれがない。これに伴い、官製はがきの裏面の友禅柄が変形・色あせすることはなく、官製はがきの裏面の友禅柄が縮んで、その友禅柄がない部分ができることもない。したがって、友禅柄の高級感を損なうことがない。
【0042】
そして、このようにして製造されたものであってこそ、これまで実現されなかった、友禅和紙3独特の質感と高級感とをかもし出すことができる、年賀はがき等を安価に提供することができるようになった。
【0043】
なお、上記実施形態では、友禅和紙3として京友禅柄の和紙を使用しているが、例えば東京友禅、加賀友禅、その他の友禅柄の和紙を使用しても良い。また、はがき類として、官製はがきを使用しているが、私製のはがき、名刺、挨拶状、クリスマスカード、誕生カードなどについても適用できる。
【0044】
また、上記実施形態では、その貼り合わせ工程において、はがき類の集合体として、複数の官製はがき1,1,・・が同一の向きとなるように揃えて縦横方向に並設されたシート2を用いており、これに友禅和紙3の貼り合わせをしているが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、複数のはがき類の集合体であればなんでもよい。ただし、採算を考慮しない場合などにあっては、1枚のはがき類であってもよいことはもちろんである。また、縦横、裏表面の区別がないような、はがき類については、その向きを揃える必要がないことはいうまでもない。
【0045】
また、上記実施形態では、友禅紙として和紙を用いた友禅和紙3を例示しているが、本発明における友禅紙の材質は、その台紙の材質をも含めて、必ずしも和紙に限定されず、洋紙、厚紙等、全ての紙類に適用することができる。
【0046】
また、上記実施形態では、その印刷工程において、コーティングを行った上でシルクスクリーン印刷にて所定の挨拶文等を印字印刷しているが、少なくとも当該印字箇所について、上述したように、予め下地の和紙の色を薄くしておくことにより、このコーティングを省略できる。
【0047】
また、上記実施形態では、その友禅染紙工程において、特筆してはいないが、さらに金粉を用いて金加工を行うことができる。これにより、友禅柄が光輝くことになり、さらなる高級感をかもし出すことができることがわかった。ただし、この金加工は、はがき類以外、例えば布類をも含む、あらゆる製品に適用することができるものである。
【0048】
1 官製はがき(はがき類に相当する。)
2 シート(集合体に相当する。)
3 友禅和紙(友禅紙に相当する。)
4 裁断部
【0049】

(57)【要約】

【課題】高級感等をかもし出すことのできる友禅紙を用いたはがき類を提供する。【解決手段】この年賀はがきは、同一の向きとなるように揃えて縦横方向に並設された官製はがき1,1,・・からなるシート2と、該シート2の例えば裏面の全面を被覆可能な大きさの友禅和紙3とが非加熱で合紙された状態で、各官製はがき1,1,・・の単体の寸法にそれぞれ裁断可能となるように構成しているものであるが、前記裁断された年賀はがきの友禅和紙3側が、少なくとも印刷可能となるようにコーティングされているものであることが好ましい。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):