(54)【考案の名称】発光性伸縮紐

(73)【実用新案権者】丸榮日産株式会社

(73)【実用新案権者】櫻井産業株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は予め光を励起することによって、蓄えたものを光エネルギーとし、暗所において発光させることができる伸縮紐に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
暗所で物体を発光させる方法としては、畜光材によるものと、再帰反射材によるものがある。
蓄光材は、予め光を吸収して蓄えたエネルギーを、暗所で徐々に発光の形で放出することのできる材料であり、再帰反射材は、光が照射されたとき、その光源方向に光を反射する性質を有する材料である。
【0003】
従来の発光体としては、最外層に蛍光塗料が塗布されている構造のもの、あるいは最外層に燐光性硫化亜鉛を主成分とする残光性蛍光塗料が塗布されている構造のものがある。
又、例えばZnSやCaSなど、或は、Al 、CaO及びMgOを主成分とする蓄光性化合物を公知の方法により練り込んだ合成高分子化合物がある。
さらに、アルミン酸ストロンチウムを主成分とする残光性蛍光体が混入されたゴムやプラスチックの発光性押出し成形層が少なくとも表面に設けられたものも提案されている。
【0004】
再帰反射材は、基板にアルミニウムを反射面として蒸着し、その上にガラスの微小球を敷きつめ、更に透明層を設けて前記ガラスの微小球を封じ込めたものがある。
【0005】
この様な畜光材や再帰反射材を用いて、牽引ロープ、安全ロープ、荷造り用ロープ、更にはOリング、釣糸用接続具(クッションゴム)、装飾用飾り紐等の多くの用途に使用出来るものである。
【0006】

【効果】

【0015】
請求項1の考案は、芯部の伸縮紐材を、伸縮紐材に追随して伸縮可能な織物又は編物或いは組紐で被覆した紐状体であるから、全体が一体と成って伸縮するから伸縮紐としての作用効果を得られると共に、被覆によって伸縮紐材自体の劣化を抑え、亀裂損傷を防止し、強度を補強できる効果もある。
【0016】
また、伸縮紐材は蓄光顔料を含有し、畜光顔料に光線が当たることにより畜光顔料が励起して輝度を高め、暗所において速やかに且つ長時間の発光を期待できると共に、被覆する織物又は編物或いは組紐は光透過性糸を用いて成るものであるから、光透過性糸を透過して受光及び発光するものであり、被覆することによる発光作用への影響は皆無である。
【0017】
請求項2の考案は、請求項1の効果に加えて、伸縮紐材がゴム製であり原料の入手及び加工が容易である効果がある。
【0018】
請求項3の考案は、請求項1又は2の効果に加えて、焼成した酸化物系蛍光体であるため、化学的に安定しており、安全性及び加工性にも優れ、紫外線等による劣化の虞もなく、基本的に寿命は半永久的で耐候性は十分に有しており、その間何回でも光の吸収・発光を繰り返す
【0019】
請求項4の考案は、請求項1乃至3のいずれかの効果に加えて、光透過性糸又は光非透過性糸或いは再帰反射糸を用いて形成した織物又は編物或いは組紐で、伸縮紐材を部分的に被覆したものであるから、非被覆部分から伸縮紐材へ光線が当たることにより、畜光顔料が励起して蓄光のための光の吸収及び発光を当該部分から直接的に得られ、光非透過性糸或いは再帰反射糸を用いても目的の効果を得られものである。
また、再帰反射糸を使用すれば、該糸による被覆部分における発光も期待できるものである。
【0020】
請求項5の発光性伸縮紐は、請求項1乃至4のいずれかの考案の効果に加えて、織物又は編物或いは組紐に隙間を形成したため、当該隙間から伸縮紐材に直接光線が当たり、畜光顔料が励起して蓄光のための光の吸収及び発光を当該部分から直接的に得られ、糸の光透過性や被覆の形態を問わず目的の効果を得られものである。
【0021】
請求項6の考案は、請求項5の効果に加えて、織物又は編物或いは組紐の織目又は編目或いは組目に隙間を形成し、該隙間から伸縮紐材に直接光線が当たるように被覆したため、畜光顔料が励起して蓄光のための光の吸収及び発光を当該隙間から得られる効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本考案の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本考案の他の実施の形態を示す正面図である。
【図3】本考案の他の実施の形態を示す正面図である。

【0023】
本考案の発光性伸縮紐は、芯部の伸縮紐材1を、伸縮紐材1に追随して伸縮可能な織物又は編物或いは組紐で被覆した紐状体であって、伸縮紐材は蓄光顔料2を含有し、被覆する織物又は編物或いは組紐3は光透過性糸4Aを用いて形成し、畜光顔料2に透過した光線が当たることにより畜光顔料2が励起して輝度を高めることを特徴とするものである。
【0024】
芯部の伸縮紐材1にはゴムが最も適し、ゴムは伸縮性に優れた高分子材料であり、木の樹液(ラテックス)によって作られる天然ゴムと、人工的に合成される合成ゴムがあり、任意に選択して用いることが可能である。
合成ゴムにはスチレン系、ポリブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系、シリコン系、フッ素系等がある。
【0025】
また、伸縮紐材1に含有する蓄光顔料2とは、自然の光(太陽光、月光)や、人工の光(照明等等)などを励起することから光エネルギーを蓄える性質を持ち、蓄えたエネルギーをゆっくり光として放出し、元の状態に戻る特性を持つものであり、ストロンチウム化合物やアルミニウム化合物を主原料とし、他の酸化物と希土類元素などが結合され、有害物質を含まない材料であり、公知の各種の蓄光顔料2を使用することができる。
【0026】
蓄光顔料2の具体例としては、アルミナに賦活材としてストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ジスプロチウム(Dy)、ユウロピウム(Eu)等を配合したものを焼成した酸化物系蛍光体が用いられる。
この酸化物系蛍光体自体は無機物で焼成されており、高温によって焼成されているので通常の使用において化学的に安定しており、安全性及び加工性にも優れ、紫外線等による劣化の虞もなく、基本的に寿命は半永久的で耐候性は十分に有しており、その間何回でも光の吸収・発光を繰り返す。
【0027】
含有形態としては、蓄光顔料2を伸縮紐材1の表面に散在させて被着した構成とするものや、伸縮紐材1の製造過程で蓄光顔料2を混合して成形する等が考えられる。
何れにしても、蓄光顔料2が伸縮紐材1の表面又は表面近くに埋設され、受光可能で且つ発光が外部からが認められる状態であることが好ましい。
【0028】
例えば、蓄光顔料2が、合成ゴムに混入されて押出し成形層として長尺紐体の少なくとも表面に設ける場合、発光性の押出し成形層を構成する合成ゴムの主原料が、その安定剤と共に使用され、これに蓄光顔料2を主成分とする蓄光顔料が混入されていることが好ましい。
蓄光顔料2が埋設されるため、擦れによる剥げ落ちを防止でき、ゴム自体の劣化が無ければ、長期間にわたって発光性長尺紐体として使用することができる。
【0029】
次に、伸縮紐材1の被覆は、織物又は編物或いは組紐3で行なうのであり、基本的には伸縮紐材1にテンションを加えて自然状態よりも伸張した状態で、織製又は編成して行なうことで得られる。
光透過性を有する糸4Aを用いることで、被覆した組織から光が透過して蓄光顔料2に光による励起作用が生じ、暗所において発光作用を促すものであり、透明糸に限らず半透明な糸でも良く、透明糸としてはナイロン糸が最も一般的である。
【0030】
織物又は編物或いは組紐3は袋状に、組紐を芯材に編むように織製或いは編成していくことで被覆することができ、その具体的な組織については限定されない。
また、レピア織機、ニードル織機、製紐機等各種の機種も自由に選択して構成でき、撚糸機によりカバーリングでの被覆も同一の作用効果を得られ、当然に含まれるものである。
【0031】
織物又は編物或いは組紐3は、光透過性糸4Aでは無く光非透過性糸或いは再帰反射糸4Bを用いて形成することもできる。
この場合、伸縮紐材1の畜光顔料2に光線を当て励起させる必要があるため、伸縮紐材1を部分的に被覆するものとなる。
【0032】
そこで、非被覆部分5から伸縮紐材1へ光線が当たることにより、畜光顔料2が励起して蓄光のための光の吸収及び発光を当該部分から直接的に得られ、光非透過性糸或いは再帰反射糸4Bを用いても目的の効果を得られものである。
また、再帰反射糸を使用すれば、該糸による被覆部分における発光も得られるものとなる。
【0033】
製織又は編成により被覆する際、例えば、伸縮紐材1や糸の送りスピードを変えることにより、織目や編目或いはカバーリング糸間を大きく形成したスリット状の組織を構成できる。
そして、伸縮紐材1が自然状態に戻った時にもスリットの隙間5が残ったまま形成されるように被覆すれば、光非透過性糸或いは再帰反射糸4Bの被覆が伸縮紐材1の全体であっても、当該隙間5から蓄光のための光の吸収及び発光が可能となり、光非透過性糸或いは再帰反射糸4Bを用いて伸縮紐材1を被覆しても目的の効果を得られる。
【0034】
得られた発光性伸縮紐は、切れ難く、程々の伸びを保持し、見栄えの良い文具用やファッション用のリング、牽引ロープ、安全ロープ、荷造り用ロープ、或いはOリング、更には釣糸用接続紐、装飾用飾り紐等の用途に最適な特性を具備するものである。
【0035】
以上、本考案を実施の形態を図面に基づき具体的に説明したが、本考案は上記の実施形態に限定されるものではなく、考案の思想を逸脱することない範囲の他の実施の形態にも適用可能である。
【0036】
1 伸縮紐材
2 蓄光顔料
3 織物又は編物或いは組紐
4A 光透過性を有する糸
4B 光非透過性糸或いは再帰反射糸
5 隙間

(57)【要約】

【課題】伸縮紐材自体の劣化を抑え、亀裂損傷を防止し、強度を補強でき、発光材への影響を阻止できる発光性伸縮紐を提供する。【解決手段】発光性伸縮紐は、芯部の伸縮紐材1を、伸縮紐材1に追随して伸縮可能な織物又は編物或いは組紐3で被覆した紐状体とする。伸縮紐材1は蓄光顔料2を含有し、被覆する織物又は編物或いは組紐3は光透過性糸4Aを用いて形成する。畜光顔料2に透過した光線が当たることにより畜光顔料が励起して輝度を高める。


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