(54)【考案の名称】太陽電池モジュール用バイパスダイオード

(73)【実用新案権者】パワード株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は、バイパスダイオードとしてショットキーダイオードを用いたものであって、特に外部過渡電圧に強い太陽電池モジュール用バイパスダイオードに関する。

【従来の技術】

【0002】
一般に、太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池セルが直列に接続され、負荷に発生電圧が出力される。この種太陽電池モジュールでは、発電に寄与しない電池セルに逆バイアスの高電圧が印加されないように、各電池セルに並列にバイパスダイオードを接続している。
【0003】
近年、この種太陽電池モジュールにおいて、バイパスダイオードがその機能を果たすために順方向へ大電流が流されると、激しい発熱による高温化から破壊されることがあり、これを防止するために、発熱の高いメサ型ベアチップダイオードに代えてショットキーダイオードが多く使用されるようになっている。
【0004】
この種のバイパスダイオードの動作時の発熱を防止するものとして、端子ボックス内に設けるバイパスダイオードとしてシヨットキーバリアダイオードを使用し、このシヨットキーバリアダイオードが150℃以上のジャックション温度保証値を有すること、及び10Aの電流を通電したときのシヨットキーバリアダイオードの順方向電圧降下が、25℃のジャンクション温度で0.5V以下、100℃のジャンクション温度で0.40以下、150℃のジャンクション温度で0.35V以下であることしたものが開示されている(例えば特許文献1参照)
もっとも昨今、なお、時折、市場で原因が特定できない太陽電池モジュールのバイパスダイオードの破壊・不良が発生していることが見受けられる。これは、結晶型太陽電池モジュールとしては、約30Vが実用の印加電圧であるが、時折、雷雲発生時には、大なる外部過渡電圧によってダイオードに高電圧が印加され破壊されていると推定される事故が発生しているものと認められる。
【0005】
また、昨今、従来使用されてきたP/Nダイオード1000Vから、コスト重視の観点で実装端子ボックスの冷却面積を減少させるため、ショットキーダイオードの低発熱となる性質を重視して、その弱点である低耐圧電圧に、設計上の余裕度をとっていないのが一般的である。
【0006】
通電時に非常に発熱の少ないメリットのため一般的に順方向電圧V(順方向電流I10A)を0.5Vで使用しているか、一方、逆方向耐電圧VDRM45Vと低い電圧となっている。ショットキーダイオードは、V値発熱が小さくなると、逆方向耐電圧VDRMが小さくなるというトレードオフの関係がある。
【0007】

【効果】

【0012】
この考案によれば、逆方向耐電圧VDRMを優先し、その為に増大する発熱(順方向電圧V値)に対し最大動作温度Tjを通常150℃から最大195℃までに対応することが出来、雷雲発生時の外部過渡電圧によるショットキーダイオードの破壊を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この考案の一実施形態に係るバイパスダイオードの外観斜視図である。
【図2】同実施形態バイパスダイオードのショットキーダイオードの断面図である。
【図3】同実施形態バイパスダイオードの逆方向耐電圧VDRM―順方向電圧V特性を示す図である。
【図4】同実施形態バイパスダイオードの動作温度Tj―漏れ電流I特性を示す図である
【図5】この考案の他の実施形態に係るバイパスダイオードを示す断面図である。

【0014】
以下、実施の形態により、この考案をさらに詳細に説明する。
図1は、この考案の一実施形態に係る太陽電池モジュール用のバイパスダイオードを示す模式外観斜視図、図2はこの実施形態バイパスダイオードのダイオード素子として使用されるショットキーダイオードの断面図である。
【0015】
この実施形態バイパスダイオード1は、リードフレーム2のベース3に、ショットキーダイオードチップ4の下面電極(カソード電極)4bを半田付け接続している。またベース部3の空領域3aとリード端子5の接続端子7をリード線9で接続するとともに、ショットキーダイオードチップ4の上面電極(アノード電極)4eとリード端子6の接続端子8とをリード線10で接続している。
【0016】
この図1に示す実施形態バイパスダイオードの全体構成は、従来より一般に使用されているものと特に変わるところはない。この実施形態バイパスダイオードの特徴はショットキーダイオードの構成・特性にある。ショットキーダイオード4は、図2に示すように,n層4aと、n層4a下面のカソード電極4bと、n層4cと、p層4dと、n層4cとp層4dの上面のアノード電極4eと、アノード電極4e周囲のチップ上面に形成された保護膜4fとから構成されている。
【0017】
上記したように、ショットキーダイオードは、通電時に非常に発熱の少ないメリットのため一般的には順方向電圧Vが0.5V以下で使用しているが、一方逆方向耐電圧VDRMが45Vと低い電圧になっている。このようにショットキーダイオードは、順方向電圧Vが小さくなると、言い換えると発熱が小さくなると逆方向耐電圧VDRMが小さくなるというトレードオフの関係がある。これは、図3に示すように、25℃の温度条件下で10Aを通電したときの、発熱(順方向電圧V)と逆方向耐電圧VDRMとの間に比例相関があるためである。
【0018】
本考案では、逆方向耐電圧VDRMを優先し、そのために、増大する発熱(順方向電圧V)に対し、ダイオード動作温度Tjを通常150℃から最大195℃迄に対応できることをめざしたものであり、使用電圧増加による発熱大のデメリットを、その分ダイオード定格の最大動作温度Tjを従来の一般ショットキーダイオードよりも向上させたことを特徴としている。
【0019】
このショットキーダイオード4では、動作温度(接合温度)Tj上昇と共に増大する逆漏れ電流Iを極力抑制した。また、p層4dのガードリングをアノード電極4eに構成する工夫を行っている。その結果、動作温度(接合温度)Tj=195℃においても熱暴走することなく安定し、通常のショットキーダイオードの動作温度Tj=150℃よりも温度許容範囲が45℃増大し、その分逆方向耐電圧VDRMを増大することができた。
【0020】
本考案者が、この実施形態バイパスダイオードに対し、各温度で30分間放置して逆漏れ電流Iを測定する温度試験を試みた結果図4に示すように160℃以上の温度では、中性子照射の効果で逆漏れ電流Iを増加することなく飽和し安定した状態となる結果を得た。これにより、熱暴走が発生しないことが確認された。
【0021】
他の実施形態バイパスダイオードとして、図5に示すようにアキシャルタイプのものについて説明する。この実施形態バイパスダイオード20は、銅材のリード線21の先端にカソード接続端子22を、同じく銅材のリード線23の先端にアノード接続端子24を形成し、このカソード接続端子22とアノード接続端子24をショットキーダイオード25に接続している。ショットキーダイオード25のチップ構造は、外形が偏平であるものの、内部構造は図2に示すものと同様である。そのため、カソード接続端子22はショットキーダイオード25のカソード電極4bに、アノード電極接続端子24はショットキーダイオード25のアノード電極4eにそれぞれ接続している。このショットキーダイオード25は、外部を円柱上の筒体26で覆われ、この筒体26内をエポキシ樹脂27で充填したものである。
【0022】
この実施形態バイパスダイオードにおいては、エポキシ樹脂27内に石英成分を混入することによって、上記実施形態と同様に高温対策を施している。
【0023】
1 バイパスダイオード
2 リードフレーム
3 ベース部
4 ショットキーダイオード
4a n
4b カソード電極
4c n層
4d p層
4e アノード電極
4f 保護膜
5,6 リード端子
7,8 接続端子
9,10 リード線
20 バイパスダイオード
21、23 リード線
22 カソード接続端子
24 アノード接続端子
25 ショットキーダイオード
26 筒体
27 エポキシ樹脂

(57)【要約】

【課題】雷雲発生時等の外部過渡電圧にも破壊されることのない太陽電池モジュール用バイパスダイオードを提供する。【解決手段】パイパスダイオードとしてショットキーダイオードを使用し、このショットキーダイオードは、10Aの電流を通電したときの逆方向耐電圧降下が45V以上200V以下であり、かつ接合部温度が150℃以上195℃以下とし、さらに前記10Aの電流を25℃の温度条件下で通電したときの前記ショットキーダイオードの逆方向電圧降下が45Vで順方向電圧降下が0.5V以下であり、逆方向電圧降下が100Vで順方向電圧降下が0.75V以下であり、逆方向電圧降下が200Vで順方向電圧降下が0.85V以下であるとする。


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