(54)【考案の名称】アルバム

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、使い古しのランドセルの一部と市販のアルバムとを利用して加工したアルバムに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
ランドセルは、一般に日本の小学生が通学の際に教科書やノートなどの持ち物を収納して背中に背負う為の鞄である。ランドセルは小学校入学から卒業までの6年間使用されるのが基本であり、その後は不使用のまま押入れ等にしまい込まれるか、廃棄されることが通常である。なお、公知のランドセルの各部位については図5を参照されたい。
【0003】
しかしながら、このような使い古しの各ランドセルは、持ち主やその家族等の思い出が極めて多く詰まっている品物であり、これらを廃棄又は長期間不使用とせずに、何らか別の目的で利用して、思い出を身近に感じていたいという要望があった。
【0004】
このような要望に対して、本考案者は、特許文献1に開示するように、使い古しのランドセルの一部を利用・加工して、ランドセルとは別目的のバッグ(例えば、ショルダーバックや手提げ鞄等)を提供することを既に提案している。
【0005】
使い古しのランドセルを有効利用して別の品物に完成させた例として、上記バッグの他、特許文献2に開示のようなアルバム(以下、「先行技術のアルバム」又は単に「先行技術」とも呼ぶ。)が挙げられる。アルバムはそもそも写真等を整理・保存するための冊子であり、アルバム保有者、その家族や知人が懐かしい思い出を振り返るためのものである。
【0006】
特許文献2に開示のランドセルを利用したアルバムは、ランドセルの形状を極力変えないように再利用することを課題としている。このアルバムは、当該文献の記載からはその構造の詳細に不明な点があるが、ランドセルの肩掛け部分、側面部、及び底面部を取り外し、除去された空間に公知のアルバムの台紙を取り付けたものである。アルバムの台紙は、ビス等により、前ポケットを有した小襠部や背面部に連結されており、これらの部材がアルバムの表表紙や裏表紙の役目を果たしていると予想される。つまり、アルバムの表紙は使用されず、ランドセルの上記各部材が表表紙や裏表紙の役目を果たしていると予想される。
【0007】
しかし、特許文献2に開示されたランドセル100の冠11(「カブセ」と読む。この段落及び次段落で説明の符号については図5を参照されたい。)の先端部には留め金具51が設けられた舌片52が残されたままの状態になっているため、この留め金具51を固定する為の公知の錠前53(特許文献2には図示せず)が小襠部13の底面に残されているものと予想される。従って、完成したアルバムは嵩張った形状と大きな重量とを有し、アルバムの使用に支障が出るものと考えられる。
【0008】
また、特許文献2の各図面に示されるように、アルバムの綴じ部がランドセル100の背あて部14や小襠部13の各底辺近くに配置されるため、アルバムを使用する際は、背あて部14を横置きにしてその上辺に連結された冠部11と、背あて部14の底辺に連結された小襠部13とを、この背あて部14を中心にして左右広げた状態にしないと写真を観察することが出来ない。従って、使用状態では横方向に非常に長く延びた状態になるため、正方形で面積が狭いテーブルやこたつの上でアルバムを広げることは困難であり、不便でならないと予想される。
【0009】

【効果】

【0014】
以上のような構成・特徴を備えた本考案は、ランドセルの構成部材のうち、ランドセルを使用した時代を強烈に思い出させる部材(例えば、前ポケット、冠部)のみを再利用してアルバムを加工してあるので、軽量にして簡素でコンパクトなアルバムを提供することが可能である。
【0015】
特に、本考案によれば、再利用する部材は、通常薄厚の前ポケットや冠部等の部材であり、これらの部材はアルバム表紙の寸法に合うように切り取られ、布帯と糸とで表紙に縫合される。このため、完成したアルバムは、これらの再利用部材が設けられたとしても、嵩張らず、この種の先行技術に比べて軽量となる。
【0016】
また、小襠部はアルバムの表表紙の外側面に設けられ、背あて部はアルバムの裏表紙の外側面に設けられ、冠部が縦方向に展開し表表紙を上方から覆うように冠部の一縁がアルバムの裏表紙の外側面上辺に取り付けられるようにして、縫合されている。このような構成の本考案は、よりランドセルの印象や形状を残したアルバムを提供することができるとともに、この種の先行技術に比べ、アルバムを広げても市販のアルバム以上に横に展開される事は無い。つまり、冠部はその一縁が裏表紙の外側面上辺に取り付けられているため、アルバムを広げても縦方向に開くため先行技術のように著しく横方向に延びる事は無い。
【0017】
さらに、一対のマグネット式ボタンを、冠部の内側面と、この内側面に対向する小襠部の外側面とに直接取り付け、冠部と小襠部とを着脱自在にするように構成すれば、冠部と小襠部とを一時的に固定でき、ひいては表表紙と裏表紙とを一時的に閉めた状態に置くことができる。また、この構成によれば、ランドセル部材として当初から付されていた留め金具、留め金具を保持する舌片、及び留め金具に対応した錠前を利用する必要が無いため、この種の先行技術に比べ軽量かつ簡素な構造とすることができる。
【0018】
また、別の好適な態様によれば、アルバムの表紙の内側には切り抜き穴が設けられ、前ポケットと冠部とはこの切り抜き穴に嵌るように切り取られて、アルバム表紙に縫合される。従って、切り抜き穴の中空空間を再利用部材の占有領域の一部に使用することができるため、よりコンパクトかつ薄厚で使い勝手の良いアルバムを提供することができる。
【0019】
また、別の好適な態様によれば、アルバム表紙に縫合される冠部は鋲を残すように切り取られている。冠部のうち反射鋲等の鋲が取り付けられた部分は、特に、ランドセルの冠部だと視認できる特徴的な装飾部分であるため、この部分を再利用することで、よりランドセルの印象を残したアルバムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1のアルバムを示した斜視図である。
【図2】実施例1のアルバムを示した斜視図である。
【図3】実施例2のアルバムを示した斜視図である。
【図4】実施例2のアルバムを示した分解組立図である。
【図5】公知のランドセルを示した斜視図である。

【0021】
以下、本考案を図面に示す実施の形態に基づき説明するが、本考案は、下記の具体的な
実施形態に何等限定されるものではない。なお、各図において同一又は対応する要素には同一符号を用いる。
【0022】
図1及び図2の各図は、本考案の実施例1に係るアルバム1を示した斜視図である。図1(a)はアルバム1が閉じた状態(アルバム本体2を冠部11で覆った状態)を示し、図1(b)は冠部11とアルバム1の表表紙21を開き、写真3等を貼付可能な台紙23が見える状態を示している。また、図2はアルバム1の裏側(裏表紙22側)を示している。
【0023】
図1及び図2に示すように、実施例1のアルバム1は、使い古しのランドセル100(図5参照)の一部分を再利用し、アルバム本体2に加工を施したものである。アルバム本体2には、例えば、市販のアルバムを使用してもよい。再利用するランドセル部材としては、ランドセル100の印象を強く残す部材、具体的には、前ポケット12が設けられた小襠部13、冠部11、及び背あて部14、を選択した。これらの部材11,12,13,14は比較的薄厚の部材であり、後述のようにアルバム表紙21,22に設けても嵩張りにくい長所がある。なお、図示しないが小襠部13に替えて、その構成要素の前ポケット12だけを用いてもよい。また、図2に示すように、背あて部14からはランドセル100を背負う為の肩ベルト55(図5参照)が除去されている。また、ランドセル100の側面の大襠部54や底部56等の部材も採用していない。なお、肩ベルト55をランドセル本体につなぐ金属部品である背環15は背あて部14に残していてもよい。これによりアルバム1は、図示しない壁面等に設けられた図示しないフック等に掛けて保管することが可能になる。
【0024】
なお、再利用部材11,12,13,14は、アルバムとしての使い勝手を考慮に入れ、従来のアルバムの表紙(表表紙21及び裏表紙22)の寸法に合うように(又はこの寸法より小さく)切り取られていることに留意されたい。言い換えれば、これらの部材11,12,13,14は、アルバム1の表紙21,22を装飾するかのように表紙21,22に貼付(具体的には、後述のように糸で縫合)されている。
【0025】
(各部材の取付け)
再利用部材のうち小襠部13はアルバム1の表表紙21の外側面21aに設けられ、背あて部14は裏表紙22の外側面(図示せず)側に設けられ、冠部11は裏表紙22の外側面の上辺22tに、その一縁11eが取り付けられる。これらの部材11,12,13,14は以下のような縫合方法でアルバム1の表紙21,22に取り付けられる。具体的には、小襠部13の縁部13eは布帯4があてがわれ、背あて部14の縁部14eや冠部11の一縁11eも同様に布帯4があてがわれて、この布帯4に沿ってミシン等の手段により縫合することにより、表紙21,22と各部材11,12,13,14と布帯4とは糸で縫い合わされて、本考案のアルバム1として一体化される。なお、図1(a)、図1(b)及び図2の布帯4上の破線は、糸で縫合された箇所を示す。
【0026】
以上の構成の実施例1のアルバム1は、思い出深く、薄厚で表紙サイズに適合するよう切り取られた再利用部材11,12,13,14が表紙21,22を装飾するかのように両表紙21,22に縫い合わされているため、アルバム1としての使い勝手を損ねず、この種の先行技術に比べて更なるコンパクト化が図られている。また、冠部11の一縁11eが裏表紙22の外側面の上辺22tに縫合され、冠部11はこの一縁11eを基点としてアルバム1に対して縦方向に開閉することができ、例えば、図1(a)に示すようにアルバム表紙21,22や小襠部13を覆うように閉じることが可能である。なお、図1(b)では、縦方向に展開した状態の冠部11が示されており、その冠部11の内側面11bには内張り17と収納ポケット18とが観察される。
【0027】
従って、実施例1のアルバム1では、小襠部13と背あて部14とは表表紙21の外側面21aと裏表紙22の外側面に設置されているため、この種の先行技術とは異なり、アルバム1を広げても市販のアルバム以上に横方向に広がる事は無い。加えて、冠部11はその一縁11eが上述のように取り付けられているため、アルバム1を広げても縦方向に開くため先行技術のように著しく横方向に延びる事は無い。
【0028】
また、図1及び図2に示す実施例1のアルバム1では、図5に示すランドセル100と比較して分かるように、ランドセル使用に係る留め金具51と留め金具51を保持する舌片52とが冠部11から除去されており、これらの部材51,52に替えて、一対のマグネット式ボタン16a,16bが冠部11の内側面11bと前ポケット12の外側面12aとに取り付けられ、冠部11と前ポケット12とを着脱自在にすることが好ましい。この一対のマグネット式ボタン16a,16bは、アルバム1のコンパクト化及び軽量化の面から、図示のように、小さな径を有した扁平な円柱形状を成すものがさらに好ましい。
【0029】
この一対のマグネット式ボタン16a,16bにより、冠部11と前ポケット12とを一時的に固定でき、ひいてはアルバム1の表表紙21と裏表紙22とを一時的に閉めた状態に置くことができる。また、図5に示すように、ランドセル部材として当初から付されていた留め金具51、留め金具51を保持する舌片52、及び留め金具51に対応した錠前53は、ランドセル100の長期間の使用に適応しかつ通学時の冠部11の確実な固定を確保するように一般に頑強で重厚な部品であるが、アルバム1にはこのような要請が無く、これらの付属部品51,52,53を敢えて利用する必要が無く、上記ボタン16a,16bでも代用した構成にできるため、この種の先行技術に比べ軽量かつ簡素な構造とすることができる。もちろん、上記ボタン16a,16bに限らず、小型のものであれば、種々の着脱手段を用いてもよい。
【0030】
図3に本考案の別の実施例(実施例2)に係るアルバム1を示す。具体的には、図3(a)は実施例2のアルバム1を前方から示した斜視図であるのに対し、図3(b)は実施例2のアルバム1を後方から示した斜視図である。この実施例2においては、中古ランドセル100の再利用部材として前ポケット12と冠部11とを用いてアルバム1が後述のように加工される。なお、実施例2のアルバム1においては、実施例1で用いた背あて部14を使用していない。
【0031】
実施例2においては、図4の分解組立図に示したように、アルバム1の表紙21,22の内側には切り抜き穴21h(裏表紙22の切り抜き穴は図示せず)が設けられており、この切り抜き穴21hに嵌るように前ポケット12と冠部11とが切り取られている。図示の例では、前ポケット12が表表紙21の内側面21bに配置され、冠部11(切り取られて残った一部分)が表表紙21の外側面21aに配置され、冠部11の別の部分が裏表紙22の外側面に配置され(裏表紙22の内側面(図示せず)には冠部11の内張り(図示せず)が見えるようになる。)、これらの部材は後述の縫合方法によって表紙21,22と縫い合わされている。具体的には、布帯4を用意し、この布帯4を前ポケット12の縁部12eと表表紙21の縁部21eとを取り囲むようにあてがわれる。とりわけ、幾つかの布帯4aにおいては、縁部21eを包むようにそのほぼ中央(図示の一点鎖線)付近で矢印の方向に半分に折り曲げられる。このように布帯4をあてがわれた後に、ミシン等によりこれらの布帯4に沿って表表紙21と前ポケット12及び冠部11とを縫合する。また、図示しないが裏表紙22の側も同様の方法で、冠部11と裏表紙22とに布帯4をあてがい、布帯4に沿って冠部11と裏表紙22とを縫合することで恒久的に一体となる。図3の各図に示した布帯4上の破線は縫い合わされた箇所(糸)を示す。
【0032】
以上のような構成の実施例2によれば、アルバム1の表紙21,22に切り抜き穴21hを設けることによりその空間を再利用部材11,12の占有領域の一部に使用することができるため、よりコンパクトかつ薄厚で使い勝手の良いアルバム1を提供することができる。
【0033】
また、実施例2の冠部11(図3(a)に示す例では冠部11の外側面11aを参照)は、鋲11s,11sを残すように切り取られていることが好ましい。冠部11のうち、その外側面11aの反射鋲等の鋲11s,11sが取り付けられた部分は、特に、ランドセル100の冠部11だと認識できる特徴的な装飾部分であるため、この部分を再利用することで、ランドセル100の印象を強く残したアルバム1を提供することができるからである。
【0034】
また、前ポケット12については図4に示すように表表紙21の内側面21bに取り付けられていることがさらに好ましい。上述のように前ポケット12はランドセル100の一部であることを強烈に思い出させる部材であり、以上のようにアルバム1に配置しておけば、アルバム1を開いているときに前ポケット12が常に目につくようになり、当時をより懐かしみながらアルバム1を観賞することができるからである。
【0035】
以上説明したように、ランドセル100は非常に思い出深いものであり、思い出を振り返る為のアルバム1と非常に相性が良く、本考案のように構成したアルバム1は軽量で嵩張らなく使い勝手も良い。
【0036】
以上の実施例1,2では、再利用する各部材をアルバム1に一体化するために、表紙と各部材とを布帯4を用いて縫合したが、必ずしもこれに限定されず、例えばビスによっても互いを組み付けてもよい。しかしながら、実施例1,2の布帯4による縫合は、見た目が良く丈夫に仕上がるため好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上述したように、ランドセルは、日本人の小学生のほとんどが使用し、卒業時にはその当初の役目を終えて、廃棄の対象になるか、或いは押入れ等にしまい込まれ長期間の不使用の状態に置かれる。この廃棄等の対象になるランドセルの膨大な数であり、毎年増え続けるものである。本考案は上記問題の解消に貢献するものであり、産業上の利用価値及び利用可能性が非常に高い。
【0038】
1 アルバム
2 アルバム本体
3 写真
4 布帯
11 冠部
11a 外側面
11b 内側面
11s 鋲
11e 冠部の一縁
12 前ポケット
13 小襠部
14 背あて部
15 背環
16a,16b マグネット式ボタン
21 表表紙
21a 外側面
21b 内側面
21h 切り抜き穴
21e 縁部
22 裏表紙
22e 縁部
22t 上辺
23 アルバム台紙

(57)【要約】

【課題】中古ランドセルを利用して、比較的に軽量かつコンパクトなアルバムを提供する。【解決手段】アルバム1は中古ランドセルの一部分を用いて加工されている。一部分には、前ポケット12又はこれが設けられた小襠部13と、冠部11と、背あて部とが含まれ、アルバム1の表紙21,22の寸法に合うように夫々切り取られている。例えば、表表紙21の外側面21aには前ポケット12又は小襠部13が設けられ、裏表紙22の外側面には背あて部が設けられる。裏表紙の外側面の上辺22tには冠部11の一縁が取り付けられ、この一縁を基点として冠部11が縦方向に展開して、表表紙21を覆うことが可能である。小襠部の縁部13eと背あて部の縁部と冠部の一縁には布帯4があてがわれ、布帯4に沿って表紙21,22と縫着されることで、アルバム1として一体化していることを特徴とする。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):