(54)【考案の名称】仕掛け投入装置

(51)【国際特許分類】

A01K 97/00 釣り用付属具

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
この考案は、例えばイカ釣りなどに好適な仕掛け投入装置に関し、より詳しくは、手返しを速くできるような仕掛け投入装置に関する。

【従来の技術】

【0002】
イカ釣りなどに用いられる仕掛けには、餌木(エギ)やイカ角、スッテなどと称される疑似餌の付いた釣り針や疑似餌のない釣り針等の釣り針部材をライン上に複数備えたものがある。
【0003】
これは、ラインとしての幹糸又は道糸にラインとしての枝糸又はハリスを介して釣り針部材を取付けたり、ラインとしての幹糸や道糸に数珠繋ぎするように直接連結したりした構成である。このため、釣り上げたときにラインや、ラインと釣り針部材が絡まることが多々ある。糸絡みが起こると、仕掛けの投入作業が行えない。
【0004】
このような不都合を解消すべく、例えば下記特許文献1に開示されているような装置が開発されている。この装置は、複数の釣り針部材を個別に収納する複数本の円筒体を有するものである。各円筒体は、長さ方向の中間部を個別に回動(傾倒)可能に支持され、ラインの下端の錘を海に投入すると、ラインに引っ張られた釣り針部材が順次引っ張られて、円筒体が回動し、仕掛けが投入される仕組みである。
【0005】
しかし、円筒体は、運搬時の簡便さ等のため、上端の開口部と底部が同一径の円筒状をなしており、釣り針部材がピタリと入る大きさである。
【0006】
このような形状の円筒体では、釣り針部材を円筒体に収納するのが容易ではない。なぜなら、船は常に揺れており、波によっては大きく傾くからである。
【0007】
このため、イカを釣り上げたときには、仕掛けを一旦すべて上げてから、イカを外し、釣り針部材に付いたクラゲやイカ墨を除去したのち、注意深く釣り針部材を円筒体に収納する必要がある。
【0008】
つまり、仕掛けの投入は糸絡みなく簡単に行えても、投入のための準備に時間がかかるのが現実であった。投入準備に時間がかかるため、たとえ投入が円滑に行えたとしても、手返しを速くすることはできず、投入回数が限られ、釣果を上げられない。
【0009】
釣り針部材(イカ角)の円筒体(テーパ管)への挿入が容易にできるようにすることについて、下記特許文献2に言及があるが(段落[0011]、[0013]および図6参照)、この構成は、テーパ管の底部においてイカ角のカンナ部の拡径方向への弾性力によって抜け落ちを防止するものであって(段落[0010]参照)、特許文献1の装置の同様に上端開口部の口径はイカ角と比べて大きくなく、揺れる船の上では挿入しにくいことに変わりはない。
【0010】
また、特許文献1の装置では、分解ができるため運搬が容易である旨の記載があるが(段落[0019]参照)、円筒体は長手方向に積み重ねることができないので、円筒体をコンパクトにまとめることはできない。しかも、前述のように複数本の円筒体を個別に回動可能に支持した構成であるので、組立作業も面倒である。
【0011】

【効果】

【0022】
この考案によれば、糸絡みを解消できるようにしつつも、釣り上げながら釣り針部材を収容器に収容することができる。つまり、釣り上げながら仕掛け投入の準備ができる。このため、手返しを速くして、釣果の向上に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】仕掛け投入装置の斜視図。
【図2】使用状態における仕掛け投入装置の一部破断部分正面図。
【図3】仕掛け投入装置の作用状態を示す断面図。
【図4】仕掛け投入装置の側面図。
【図5】分離した収容筒を積み重ねた状態の断面図。
【図6】図5におけるA−A切断部端面図。
【図7】他の例に係る収容筒の斜視図と、それを取付けた仕掛け投入装置の側面図。

【0024】
この考案を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、仕掛けを糸絡みなく容易に投入できるようにするための仕掛け投入装置11の斜視図、図2は、使用状態における仕掛け投入装置11の一部破断部分正面図である。
【0025】
この仕掛け投入装置11で投入される仕掛け21は、ライン上に複数の釣り針部材22が取付けられた構成のものである。図示例では、ラインとしての幹糸23にラインとしての枝糸24を介してエギ、イカ角、スッテなどと称される疑似餌付の釣り針、すなわち前記釣り針部材22を幹糸23の長手方向に配設したものを示している。このほかの構成の仕掛け21であってもよい。
【0026】
前記仕掛け投入装置11は、ライン同士やラインと釣り針部材22などが絡み合うのを防止するためのもので、前記釣り針部材22を個別に収容する複数の収容器31を備えている。
【0027】
収容器31は、船べりXに沿って一列に並べられるように、基台41の上に設けられた支持台42に支持され、仕掛け21の投入方向(海方向)に傾倒するように回動可能である(図1、図3参照)。
【0028】
前記基台41は、船べりXに載置可能な大きさで細長い板状であり、万力等の固定具51(図1参照)で固定される。
【0029】
前記支持台42は、前記基台41よりも長さが短い細長い板状で、基台41における海側の一側に、枢着手段としてのヒンジ43を介して固定される。
【0030】
ヒンジ43は図2、図3に示したように、基台41と支持台42との間に隙間44ができるように固定される。また、回動範囲は図3に仮想線で示す水平姿勢から、実線で示すような90度以上の適宜の傾倒姿勢まで回動するように規制される。さらに前記ヒンジ43には、支持台42が仕掛け21の投入方向への予め定められた適宜の規定の回動角度(図3の一点鎖線参照)を超えるまで、支持台42の回動を規制する回動規制手段としてのスプリング43a(図2参照)を備えたスプリングヒンジが用いられる。スプリング43aが、規定の回動角度を超えるまでは支持台42を基台41に重なる方向に付勢する。付勢によるほか、接触抵抗などによるものであってもよい。
【0031】
このような支持台42における収容器31を取付ける位置には、支持台42の厚さ方向に貫通する貫通穴45が形成される。この貫通穴45の内周面には雌ねじ45aが形成され、収容器31の着脱を可能にしている。
【0032】
前記収容器31は、柔軟性を有する透明の合成樹脂で形成され、有底円筒状をなし、上端には前記釣り針部材22を出し入れする開口部32を有する。図4に示したように、開口部32の口径d1は底部33の径d2より大径で、かつ底部33が釣り針部材22の最も太い部分の太さd3よりも大きく形成されている。具体的には、底部33から開口部32までの間を開口部32側ほど大径となるテーパ状に形成されている。このため、収容器31は、図5に示したように積み重ね(スタッキング)ができる。
【0033】
そして収容器31の底部33の中心には、前記貫通穴45に螺合される円筒形のねじ筒部34が形成されている。ねじ筒部34は、図6に示したように横断面円形をなし、この円形の空間の両側部分を除く中間部に、橋渡し部35(図5参照)が形成されている。この橋渡し部35の上に、前記釣り針部材22を吸着する磁石36が保持されている。この磁石36を有する部分ではねじ筒部34内を閉塞するが、磁石36の両側部分には収容器31に入った水を排出する水抜き穴37が形成されることとなる。水抜き穴37は、前記基台41と支持台42の間の隙間44に連通する。
【0034】
また前記磁石36は、磁石36の極性がすべての収容器31において同一向きとなるように保持されている。つまり、すべての収容器31において磁石36のS極またはN極が上に向くように固定される。
【0035】
前記収容器31の深さは、釣り針部材22を埋没させる深さであり、具体的には、釣り針部材22の長さの2倍くらいの深さになるように設定するとよい。
【0036】
そして収容器31の上端部には、図2に示したようにラインを引掛けるライン止め38が切欠形成されている。ライン止め38は、スリット形状のものでもよいが、好ましくは、図2に示したように、略円形をなす比較的大きな保持穴部38aと、この保持穴部38aと開口端を連通する連通穴部38bとを有する形状であるとよい。このような形状であると、引掛けられたラインは、仕掛け21の錘(図示せず)の投入で次々に引っ張られるときに、傾倒した収容器31の姿勢と収容器31の柔軟な材質とも相俟って、抜けやすい上に、収容器31が起立状態のときにはラインのゆったりと安定した保持が可能だからである。
【0037】
以上のように構成された仕掛け投入装置11では、基台41を図1に示したように船べりXに固定し、支持台42を水平姿勢にして収容器31を立てる。この状態の収容器31に、仕掛け21の釣り針部材22を支持台42の長手方向の一端側に位置する収容器31から順に釣り針部材22を個別に収容して、ラインをライン止め38に引掛けて、釣り針部材22間のラインを手前側に垂らし(図2参照)、釣り針部材22の投入準備を行う。
【0038】
収容器31が開口部32側ほど大径となるテーパ状であり、しかも収容器31の底部33が収容される釣り針部材22の最も太い部分よりも大きいので、釣り針部材22の収容作業は、収容器31に投入するような雑な動作で、容易に行える。
【0039】
収容器31は、例えば図7(a)に示したように、上端の開口部32の縁に、受け片32aを立設したものであってもよい。受け片32aは、ライン止め38の反対側、すなわち奥側または海側に設けられる。このような構成により、図7(b)に示した如く、釣り針部材22を収容器31に収容するときには、釣り針部材22が受け片32aに当るように収容すればよいので、船が揺れていても作業は容易で確実である。
【0040】
収容器31に投入された釣り針部材22は、収容器31の底部33に保持した磁石36に吸着され、釣り針部材22と比較して大きな底部33においても一定の姿勢で保持される。
【0041】
また、収容器31の深さは釣り針部材22の長さよりも深いので、収容器31から突出した釣り針部材22にラインが絡みついたり引っ掛かったりすることはなく、糸絡みを確実に防げる。しかも、衝撃を伴って船が大きく揺れて万が一釣り針部材22が磁石36から外れても、前述のように収容器31が深い上に柔軟性を有するので、緩衝作用によって釣り針部材22が収容器31から不測に脱落することはない。
【0042】
さらに、ラインをライン止め38に引掛けた状態では、ライン止め38がスリット状ではなく前述のように大きく切り欠いた形状である上に、収容器31の深さが釣り針部材22の長さの2倍ほどの深さであって深く、その上端部に前記形状のライン止め38を有するので、仕掛け21の投入時にはラインを外れやすい状態にしつつ安定した状態で保持できる。このため、ラインが風にあおられたりしても、糸絡みの発生を回避できる。
【0043】
準備が整った後、糸絡みがないか確認して、仕掛け21の錘(図示せず)を海中に下ろしながら、支持台42を引き起こして、支持台42を規定の回動角度を超えて投入方向に回動すれば、釣り針部材22は次々に収容器31から滑り降り、仕掛け21のラインはライン止め38から順に外れて、糸絡みが起こることなく、仕掛け21の投入がなされる。収容器31の一部であるライン止め38は柔軟であるので、ラインは簡単に外れて、円滑な投入が行える。
【0044】
支持台42の枢着には前記スプリングヒンジからなるヒンジ43を用いているので、意図して支持台42を回動しない限り、船が揺れようとも不測に仕掛け21が投入されてしまうような不都合の発生はない。
【0045】
釣り上げるときには、仕掛け21を引き上げて獲物を回収しながら、仕掛け21の上側に位置する釣り針部材22から順に収容器31に収容する。
【0046】
収容器31は、釣り針部材22よりも大きい底部33より更に開口部32の方が大きいテーパ状の円筒形状であるので、図4に仮想線で示したように上から真っ直ぐに開口部32に対して釣り針部材22を収容できるのはもちろんのこと、船の揺れで照準が定まらなくて、例えば図4に実線で示したように傾いても、開口部32の大きさゆえ釣り針部材22を収容器31に収容しやすい。開口部32の大きさに加えて柔軟性が、収容作業のさらなる容易化を図る。このため、獲物を回収しながらでも釣り針部材22の収容作業が行える。
【0047】
つまり、釣り上げながら仕掛け21の投入準備が行える。
【0048】
もし、釣り針部材22にクラゲやイカ墨が付着していれば、収容器31が透明であるため、釣り針部材22を収容器31に収容した後でも容易に確認できる。そして、付着しているときには、収容器31の開口部から水を流し込めば、水はクラゲ等と共に、収容器31の底部33の水抜き穴37から排出され、釣りに支障を来たす物の除去ができる。
【0049】
また、水抜き穴37を有するので、収容器31内に水が溜まってしまうことやゴミ等を含めた各種の障害物が入った状態になることを防止できる。
【0050】
このように、釣り上げながら投入準備ができ、障害物の付着の確認や除去も容易であるので、手返しを速くして投入回数を増やすことができる。この結果、釣果を上げることが可能となる。
【0051】
仕掛け投入装置11の運搬時には、収容器31を支持台42から分離して、図5に示したように積み重ねればよい。複数の収容器31が占める容積を小さくして、細長い長方形をなす支持台42および基台41に沿わせることで、コンパクト化を図れ、持ち運びに便利である。
【0052】
しかも、釣り針部材22を安定化させるために保持した磁石36の極性を揃えているので、積み重ねられた収容器31の底部33において磁力が作用し、積み重ね状態を維持する力が働く。このため、固定手段を別途に用意しなくてもよく、構造の簡素化が図れる。
【0053】
加えて、収容器31が着脱可能であるので、収容器31が破損したり、投入する仕掛け21が変わったりしたときには、収容器31のみを交換して使用することができる。
【0054】
この考案の構成と、前記一形態の構成との対応において、
この考案のラインは、前記幹糸23、枝糸24に対応し、
以下同様に、
枢着手段は、ヒンジ43に対応し、
回動規制手段は、スプリング43aに対応するも、
この考案は前記の構成のみに限定されるものではなく、そのほかの構成を採用することもできる。
【0055】
例えば、収容器31は円筒状ではなく角筒状をなすものや、上側部分の開きが大きいラッパ状のものであってもよい。
【0056】
また、仕掛けの釣り針部材は、疑似餌のない針のみのものであってもよい。
【0057】
11…仕掛け投入装置
21…仕掛け
22…釣り針部材
23…幹糸
24…枝糸
31…収容器
32…開口部
33…底部
36…磁石
37…水抜き穴
38…ライン止め
41…基台
42…支持台
43…ヒンジ
43a…スプリング

(57)【要約】

【課題】例えばイカ釣りにおいて好適に用いられる持ち運び容易な仕掛けにおいて、糸絡みを解消できるようにするとともに、釣り上げながら仕掛け投入の準備ができる仕掛け投入装置を提供する。【解決手段】ライン上に取付けられた複数の釣り針部材22を個別に収容する収容器31を、仕掛け21の投入方向に回動可能な支持台42上に配設して仕掛け投入装置11を形成する。さらに、前記収容器31を、有底円筒状で、その上端の開口部32が底部33よりも大径で、かつ前記底部33が前記釣り針部材22の最も太い部分の太さよりも大きくなるように形成する。また、前記収容器31を前記支持台42に対して着脱可能として、持ち運び時に収容器31をスタッキングしてコンパクト化できるようにする。


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