(54)【考案の名称】工具差し

(73)【実用新案権者】株式会社ベストツール

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、建設現場や工事現場などで作業者が工具を携帯するために使用する工具差しに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
使用頻度の高い手持ち工具を腰に吊り下げて携帯するための工具差しが従来から実施されている。
【0003】
一般的な工具差しは、作業者着用の腰ベルトに係止して装着するもので、比較的硬質な素材で形成された台板の上部にベルト通し部が設けられると共に、台板に布材が縫着されることによって工具収納用のポケットが設けられた構造である。
【0004】
ところで、この種の工具差しは、工具出し入れの際の乱暴な取り扱いなどが要因で台板とポケット(布材)の上部左右の接続部分に傷みを生じ易い。
【0005】
そこで、従来、下記特許文献1のように、ポケットの上部左右のリベット取付位置に、台板の表裏面にわたる皮革状補強板を配置することによって、この台板とポケットの上部左右の接続部分を補強したものが提案されている。
【0006】

【効果】

【0013】
本考案は上述のように構成したから、工具の出し入れなどによって破損し易い工具収納用ポケット部の上部左右部と下部左右部とを強固に補強でき、乱暴に取り扱われても簡単には破損することのない長期使用に耐え得る工具差しとなり、しかも、経年使用で損傷し易い台板の下部左右部も下部側補強カバーによって強固に補強するため、この部位も損傷しにくいなど、極めて実用性に優れた工具差しとなる。
【0014】
また、請求項2記載の考案においては、縁取り材によって台板の表面の左右側縁部とポケット形成用布材の左右側縁部との縫着部分が補強されると共に、この縫着部分若しくはその近傍を補強カバーによって更に補強するので、一層耐久性が高く、実用性に優れた工具差しとなる。
【0015】
また、請求項3記載の考案においては、経年使用により損傷し易い台板の下部の全域を下部側補強カバーが被覆して補強するため、この台板の下部全域が何かに接触するなどしても損傷しにくい一層実用性に優れた工具差しとなる。
【0016】
また、請求項4記載の考案においては、開口部側補強カバーと下部側補強カバーとを簡易に且つ確実に固定できる一層実用性に優れた構成の工具差しとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1を示す正面図である。
【図2】実施例1を示す、開口部側補強カバーと下部側補強カバーの説明分解斜視図である。
【図3】実施例1を示す側断面図である。
【図4】実施例1の使用状態を示す説明正面図である。
【図5】実施例2を示す正面図である。
【図6】実施例2を示す側断面図である。
【図7】実施例2の使用状態を示す説明正面図である。

【0018】
好適と考える本考案の実施形態を、図面に基づいて本考案の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
本工具差しを作業者が身に付けることにより、工具収納用ポケット部2に工具8を収納して携帯することができる。
【0020】
また、本考案の工具収納用ポケット部2は、ポケット形成用布材3の上部左右部と前記台板1との縫着部分若しくはこの縫着部分の近傍に、断面コ字状の開口部側補強カバー4を被嵌固定しているので、この工具収納用ポケット部2の上部左右部の縫着部分が開口部側補強カバー4によって強固に補強されることになる。
【0021】
また、この工具収納用ポケット部2は、ポケット形成用布材3の下部左右部と前記台板1との縫着部分若しくはこの縫着部分の近傍にも、断面コ字状の下部側補強カバー5を被嵌固定しているので、この工具収納用ポケット部2の下部左右部の縫着部分も下部側補強カバー5によって強固に補強されることになる。
【0022】
従って、この工具収納用ポケット部2への工具8の出し入れが乱暴であっても、ポケット形成用布材3の上下の左右部と前記台板1との縫着部分が簡単に破損してしまうようなことはない。
【0023】
また、経年使用で損傷し易い台板1の下部左右部も下部側補強カバー5によって強固に補強されているので、この部位が損傷しにくくなる。
【0024】
従って、本考案は、開口部側補強カバー4と下部側補強カバー5とによって、劣化・損傷の著しい部位を補強でき、これにより著しい耐久力を発揮し、商品寿命が長く長期使用に耐え得る商品価値の高い工具差しとなる。
【0025】
また、例えば、前記台板1の表面の左右両側縁部に、前記ポケット形成用布材3の左右両側縁部を重合し、この左右両側の重合部を縁取り材6で被覆しつつ縫着することで台板1の表面側に上部開口形の前記工具収納用ポケット部2を形成した構成とし、前記ポケット形成用布材3の上部左右部と前記台板1の縫着部分若しくはこの縫着部分の近傍に、この縫着部分若しくはその近傍を被覆している前記縁取り材6の上から断面コ字状の前記開口部側補強カバー4を被嵌固定し、前記ポケット形成用布材3の下部左右部と前記台板1の縫着部分若しくはこの縫着部分の近傍に、この縫着部分若しくはその近傍を被覆している前記縁取り材6の上から断面コ字状の前記下部側補強カバー5を被嵌固定した場合には、縁取り材6の使用により台板の表面左右側縁部とポケット形成用布材3の左右側縁部との縫着部分を一層強固に補強できる。
【0026】
また、例えば、前記下部側補強カバー5は、前記ポケット形成用布材3の下部左右部と前記台板1の縫着部分若しくはこの縫着部分の近傍から台板1の下部中央部に至る所定範囲に被嵌固定可能な形状に形成した場合には、経年使用により損傷し易い台板1の下部の全域も下部側補強カバー5が被覆して補強することになるので、この台板1の下部全域が何かに接触するなどしても損傷しにくい。
【0027】
また、例えば、前記開口部側補強カバー4と前記下部側補強カバー5とは、前記台板1にリベット7止めした場合には、開口部側補強カバー4と下部側補強カバー5とを簡易に且つ確実に固定できる。
【0028】
本考案の具体的な実施例1について図1〜図4に基づいて説明する。
【0029】
本実施例は、ペンチ差しに適用した場合である。
【0030】
本実施例は、台板1の表面の左右両側縁部に、ポケット形成用布材3の左右両側縁部を縫着することによって台板1の表面側に上部開口形の工具収納用ポケット部2を形成している。
【0031】
台板1は、発泡ポリエチレンシートの表裏面にポリエステル織布を積層して成る三層構造の硬質な合成樹脂製布地を用いて上下方向に長さを有する帯板状体に形成している。
【0032】
また、この台板1は、その上部を裏面側に折り返すと共に折り返し先端部を台板1裏面の中ほどにリベット7止めすることによって、作業者の腰ベルトBなどに係止可能な環状のベルト通し部9を構成している。
【0033】
また、この台板1の表面には、強度の高いポリエチレン製シートを採用した保護部材10を積層状態に付設し、この保護部材10によって工具収納用ポケット部2より工具8を出し入れする際に台板1表面が傷付くことを防止した構成としている。
【0034】
また、この保護部材10は、ペンチ8A(工具8)が当たり易い部位に設けている。即ち工具収納用ポケット部2の開口部より上方側の台板1表面部位から、工具収納用ポケット部2の内面(台板1表面)に至る範囲に保護部材10を付設している。
【0035】
図中符号11は、工具8の落下防止用安全ロープなどを取付するための取付孔である。
【0036】
また、前記ポケット形成用布材3は、ポリエステルなどの合成樹脂製布地で構成している。
【0037】
また、このポケット形成用布材3は、台板1より左右幅を広く形成して、このポケット形成用布材3の中央部を台板1の表面側へ弛ませた状態でその左右両側縁部を台板1の表面の左右両側縁部に縫着することにより、上部開口部が常に開口する前記工具収納用ポケット部2を形成した構成としている。
【0038】
また、ポケット形成用布材3の台板1への縫着構造を更に詳しく説明すると、前記台板1の表面の左右両側縁部に、前記ポケット形成用布材3の左右両側縁部を重合し、この左右両側の重合部を、バイヤステープ6を採用した縁取り材6で被覆しつつ、内,外のダブルラインで縫着した構成としている。
【0039】
また、図面は、縁取り材6を台板1の全周にわたって施して、台板1の全周を補強した場合を示している。
【0040】
また、このポケット形成用布材3は、その下縁部が台板1の下縁部より上方に位置する上下長さのものを採用して、下部が開放する前記工具収納用ポケット部2を構成し、これにより長さのある工具8も収納できるようにしている。
【0041】
また、図面では、このポケット形成用布材3の表面に、メッシュ材で構成した収納ポケット12を設けて、この収納ポケット12に小物などを収納できるように構成している。
【0042】
本実施例は、前記ポケット形成用布材3の上部左右部と前記台板1の縫着部分に、この縫着部分を被覆している前記縁取り材6の上から断面コ字状の開口部側補強カバー4を被嵌固定している。
【0043】
この開口部側補強カバー4は、ポリプロピレンなどの合成樹脂製とし、正面視で後述するリベット7よりやや大きい方形状であって、平断面形状がコ字状を呈する形状に一体成形している。
【0044】
また、この開口部側補強カバー4の固定構造は、ポケット形成用布材3の上部左右部と前記台板1の縫着部分を被覆している縁取り材6の外方から被嵌した上で、この開口部側補強カバー4と縁取り材6とポケット形成用布材3と台板1とを貫通するリベット7によって固定した構造としている。
【0045】
また、本実施例では、前記ポケット形成用布材3の下部左右部と前記台板1の縫着部分より下側の近傍位置に、この位置を被覆している前記縁取り材6の上から断面コ字状の下部側補強カバー5を被嵌固定している。
【0046】
下部側補強カバー5は、前記開口部側補強カバー4と同様に、ポリプロピレンなどの合成樹脂製とし、前記ポケット形成用布材3の下部左右部と前記台板1の縫着部分より下側近傍位置から台板1の下部中央部に至る所定範囲に被嵌固定可能な形状であって、側断面形状がコ字状を呈する形状に一体成形している。更に詳しくは、下部側補強カバー5は、正面視半円弧状に形成した前記台板1の下部の形状に同調させて正面視U字状に成形している。
【0047】
また、この下部側補強カバー5の固定構造は、ポケット形成用布材3の下部左右部と前記台板1の縫着部分の下側近傍位置を被覆している縁取り材6の外方から被嵌した上で、前記開口部側補強カバー4と同様にこの下部側補強カバー4と縁取り材6とポケット形成用布材3と台板1とを貫通するリベット7によって固定した構造としている。更に詳しくは、下部側補強カバー5の両端位置と中間位置との三箇所でリベット7止めした構造としている。
【0048】
尚、開口部側補強カバー4と下部側補強カバー5は、金属製でも良い。
【0049】
本考案の具体的な実施例2について図5〜図7に基づいて説明する。
【0050】
本実施例は、ドライバー差しに適用した場合である。
【0051】
具体的には、台板1の上下方向の長さを、ドライバー8B(工具8)の長さに応じて前記実施例1より延長した構成としている。
【0052】
また、本実施例では、ポケット形成用布材3の中央部を台板1の表面に館方向に縫着して工具収納用ポケット部2の収納空間を左右に二分割し、この左右の収納空間に一本ずつドライバー8Bを収納し得るように構成している。
【0053】
また、図示したポケット形成用布材3は、その下縁部が台板1の下縁部にまで位置する上下長さのものを採用して、下部が閉塞する前記工具収納用ポケット部2を構成し、このポケット形成用布材3の下縁部も台板1の下縁部と共に前記下部側補強カバー5に被嵌される構成としている。
【0054】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【0055】
尚、本考案は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0056】
1 台板
2 工具収納用ポケット部
3 ポケット形成用布材
4 開口部側補強カバー
5 下部側補強カバー
6 縁取り材
7 リベット

(57)【要約】

【課題】工具収納用ポケット部の傷みを生じ易い部位に効果的な補強構造を具備する工具差しを提案すること。【解決手段】台板1の表面の左右両側縁部に、ポケット形成用布材3の左右両側縁部を縫着することによって台板1の表面側に上部開口形の工具収納用ポケット部2を形成した工具差しにおいて、前記ポケット形成用布材3の上部左右部と前記台板1との縫着部分若しくはこの縫着部分の近傍に、断面コ字状の開口部側補強カバー4を被嵌固定し、前記ポケット形成用布材3の下部左右部と前記台板1との縫着部分若しくはこの縫着部分の近傍に、断面コ字状の下部側補強カバー5を被嵌固定した工具差し。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):