(54)【考案の名称】傘

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は傘に関し、より詳細には、親骨の長さが異なり、開傘したときの平面形状が略楕円形状である傘に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
これまでの傘の大半は、雨傘および日傘を問わず、同じ長さの親骨の一方端が中棒を中心として周方向に等角度に軸支され、開傘したときの平面形状は略円形状であった。このため、開傘状態として中棒の手元を使用者が持つと、中棒から偏倚した位置に使用者の身体が位置することになり、例えば雨傘の場合には、背中や腕などが濡れることがあった。
【0003】
そこで、開傘したときの平面形状を略楕円形状として、背中や腕などが濡れないようにした傘が、これまでから種々提案されている。例えば特許文献1では、異なる長さの親骨を用いて開傘したときの平面形状が略楕円形状の傘が提案されている。
【0004】

【効果】

【0013】
本考案に係る傘では、平面視において、下はじきに形成された突出部の、中棒からの突出方向と、最も長い親骨の中棒からの延出方向とのなす角度を絶対値で90°以上としたので、使用者が下はじきの突出部を中棒に押し込んで、下はじきと下ろくろとの係止を解除し開傘する際に、最も長い親骨が使用者の方向に向かって開くことがない。これにより、親骨や傘布などが使用者に接触することが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】突出部の突出方向と親骨の延出方向とのなす角度を示す傘の平面図である。
【図2】平面形状の異なる傘の場合における、突出部の突出方向と親骨の延出方向とのなす角度を示す傘の平面図である。
【図3】本考案に係る傘の一例を示す斜視図である。
【図4】図3の傘の垂直断面図である。
【図5】上はじきの構造を示す垂直断面図である。
【図6】下はじきの構造を示す垂直断面図である。
【図7】下はじきと下ろくろとの係止状態を示す斜視図である。
【図8】自動開傘機構を備えた傘の、下はじき付近の部分断面図である。
【図9】最も長い親骨を折り畳み可能とした傘の垂直断面図である。

【0015】
以下、本考案に係る傘について図に基づいて説明するが、本考案はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0016】
図3に、本考案に係る傘の一実施形態を示す開傘状態の斜視図を示す。図3に示す傘は、傘の中心となる中棒1と、中棒1の下端に取り付けられた半円状の屈曲部を有する持ち手9と、中棒1の上端に固定された上ろくろ2と、中棒1に摺動自在に外挿された下ろくろ3と、上ろくろ2の外周に周方向に等間隔で一方端が放射状に軸支された8本の親骨41,42,43と、下ろくろ3の上部外周部に周方向に等間隔で一方端が放射状に軸支され、他方端が親骨41,42,43の長さ方向の途中部に軸支された8本の受け骨5と、親骨間に張設された傘布6と、中棒1の上部に設けられた上はじき7と、中棒1の下部に設けられた下はじき8とを備える。
【0017】
8本の親骨のうち、親骨43が最も長く、親骨43に隣接する2本の親骨42,42が次に長く、残る5本の親骨41はこれらの親骨よりも短く且つ同じ長さである。親骨41,42,43の長さ及び取付位置をこのようにすることによって、開傘したときの傘の平面形状が略楕円形状となる(図1を参照)。もちろん、本考案に係る傘はこのような平面形状に限定されるものではなく、例えば図2に示すような形状であっても構わない。図2に示す傘は、2本の隣り合う親骨43が最も長く、これらの親骨43に隣接する2本の親骨42が次に長く、残る4本の親骨41は同じ長さとしたものである。
【0018】
図4に、図3に示す傘における親骨41と親骨43とを通る線での垂直断面図を示す。下ろくろ3を中棒1に沿って上方に摺動させると、受け骨5によって親骨41,42,43が押し上げられて開傘状態となる。一方、下ろくろ3を中棒1に沿って下方に摺動させると、受け骨5によって親骨41,42,43が引き下げられて閉傘状態となる。開傘状態は、下ろくろ3を上はじき7で係止することによって維持され、閉傘状態は下ろくろ3を下はじき8で係止することによって維持される。なお、中棒1の上部に設けられた半球状のストッパー11は、下ろくろ3がこれ以上上方に移動しないようにするためのものである。ストッパー11に当たる位置まで下ろくろ3を移動させると、後述するように、上はじき7の突出部71が中棒1から外方に突出し、下ろくろ3の下方への移動が阻止されるようになる。
【0019】
図5に、上はじき7による下ろくろ3の係止構造を示す垂直断面図を示す。中棒1の上部に上はじき7が埋め込まれている。上はじき7は、一方端側に幅広な突出部71が形成された湾曲形状の金属製の板ばねであって、突出部71の上面が中棒1の軸方向に対して垂直な係止面とされている。そして、中棒1に形成された軸方向に細長い開口部12から突出部71が弾発的に外方に突出している。
【0020】
中棒1に沿って下ろくろ3を上方に摺動させて傘を開く際、下ろくろ3の上端が上はじき7の突出部71に接触すると、下ろくろ3の内周面に押圧されて突出部71は中棒1の中に没する。そして、下ろくろ3が上はじき7の突出部71を通過すると、突出部71は弾発力によって開口部12から外方に突出する。これにより、突出部71の係止面が下ろくろ3の下面に当接し、傘布6や骨構造からの力によって下ろくろ3が下方に移動しようとするのを阻止し、開傘状態が維持される。
【0021】
一方、開傘状態から閉傘状態にする場合には、上はじき7の突出部71に力を加えて中棒1の中に押し入れる。これにより、下ろくろ3は下方へ移動可能となる。下ろくろ3を下方へ移動させると、受け骨5によって親骨41,42,43が引き下げられて次第に傘は閉じられる。そして、下はじき8で下ろくろ3を係止して閉傘状態とする。
【0022】
図6に、下はじき8による下ろくろ3の係止構造を示す垂直断面図を、図7に斜視図をそれぞれ示す。下はじき8は、上はじき7と略同形状であって、上はじき7とは上下逆にして中棒1の下部に埋め込まれている。下はじき8の突出部81は、中棒1に形成された軸方向に細長い開口部13から弾発的に外方に突出している。突出部81の下面が下ろくろ3を形成する係止面となる。下はじき8の突出部81に下ろくろ3が接触すると、下ろくろ3の内周面に押圧されて突出部81は中棒1の中に没する。そして、下ろくろ3に形成された軸方向に細長いスリット30が、中棒1の開口部13と重なると、突出部81が弾発力によって開口部13及びスリット30を通って外方に突出する。これにより、突出部81の係止面がスリット30の下側面に当接し、下ろくろ3が上方に移動するしようとするのを阻止し、閉傘状態が維持される。
【0023】
このような構造の本考案に係る傘において重要なことは、下はじき8の突出部81の中棒1からの突出方向と、最も長い親骨43の中棒1からの延出方向とのなす角度θを絶対値で90°以上としたことにある(図1を参照)。これにより、使用者が下はじき8の突出部81を中棒1に押し込んで、下はじき8と下ろくろ3との係止を解除し開傘する際に、最も長い親骨43が使用者の方向に向かって開くことがなく、親骨41,42,43や傘布6などが使用者に接触することが防止される。突出部81の突出方向と親骨43の延出方向とのなす角度θのより好ましい値は、絶対値で150°〜180°の範囲である。
【0024】
また、図2に示すように、最も長い親骨43が2本ある場合は、下はじき8の突出部81の突出方向と、最も長い親骨43のそれぞれの延出方向とのなす角度θ及びθを絶対値で90°以上とする。最も長い親骨43が3本以上の場合も同様にそれぞれの角度を90°以上とする。
【0025】
そしてまた、下はじき8と下ろくろ3との係止を解除して開傘する際に、より開傘しやすくする観点からは、平面視において、中棒1を中心として、半円状の屈曲部を有する持ち手9の中棒1からの突出方向と、突出部81の中棒1からの突出方向とのなす角度を絶対値で90°以上とするのが好ましい。より好ましい持ち手9の中棒1からの突出方向は、最も長い親骨43の延出方向と同方向である。
【0026】
図8に、自動開傘機構を備えた傘の、下はじき付近の部分断面図を示す。下ろくろ3aは、上下に配置された第1ろくろ31と第2ろくろ32とを備える。第1ろくろ31と第2ろくろ32との間には圧縮コイルばね33が介装されており、第1ろくろ31と第2ろくろ32とは離反する方向に常に付勢されている。そして、第2ろくろ32には、先端部が親骨4の途中部に軸支された受け骨5の基端部が軸支され、第1ろくろ31には、先端部が受け骨5の途中部に軸支された支骨51の基端部が軸支されている。一方、下はじき8aは、弾発的に中棒1から突出する突出部82と押釦83とを有する。図8に示す閉傘状態から押釦83を押すと、押釦83と共に突出部82が中棒1の中に没し、下はじき8aと第1ろくろ31との係止状態が解除されて、圧縮コイルばね33によって第1ろくろ31と第2ろくろ32が離反方向に移動し、受け骨5と支骨51が開く。これにより下ろくろ3は中棒11に沿って自動的に上方に移動し、開傘状態となる。この場合、上はじきを設けなくても、下ろくろ3は下降せず開傘状態が維持される。
【0027】
なお、以上説明した実施形態では、上はじき7の突出部71と下はじき8の突出部81を出没させるための開口部12と開口部13とは、中棒外周の軸方向に平行な同一直線上に形成していたが、中棒1の割れを防止する観点から周方向に異なる位置に設けてもよい。
【0028】
また、中棒の長さを所定長さに抑える観点から、最も長い親骨43を折り畳み可能としてもよい。例えば、図9に示すように、最も長い親骨43を第1親骨43aと第2親骨43bとに分割し、第1親骨43aの一方端を上ろくろ2に軸支し、他方端を第2親骨43bの中途部に枢設する。また、受け骨5の一方端を下ろくろ3に軸支し、他方端を第1親骨43aの中途部に枢設する。さらに、連結骨51の一方端を受け骨5の中途部に枢設し、他方端を第2親骨43bの後端部に枢設する。このような連結構造により、下ろくろ3を中棒1に沿って下から上に移動させると、受け骨5によって第1親骨43aが上方に押し上げられるとともに、第2親骨43bは外方へ伸展する。反対に、下ろくろ3を中棒1に沿って上から下に移動させると、第1親骨43aが引き下げられ、第2親骨43bは内方へ折り畳まれる。折り畳んだときの親骨43の長さは、次に長い親骨42と等しい長さとするのが好ましい。もちろん、中棒1を伸縮可能とすると共に、親骨41,42,43をすべて折り畳み可能としても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本考案に係る傘では、使用者が下はじき8の突出部81を中棒1に押し込んで、下はじき8と下ろくろ3との係止を解除し開傘する際に、最も長い親骨43が使用者の方向に向かって開くことがなく、親骨43や傘布6などが使用者に接触することが防止され有用である。
【0030】
1 中棒
2 上ろくろ
3 下ろくろ
5 受け骨
6 傘布
8 下はじき
9 持ち手
41,42,43 親骨
81 突出部

(57)【要約】

【課題】開傘したときの平面形状が略楕円形状の傘において、開傘する際に、親骨や傘布などが使用者に接触しない傘を提供する。【解決手段】複数本の親骨41,42,43は長さが異なり、下はじきは、中棒1から弾発的に外方に突出する突出部81を有する。そして、平面視において、中棒1から弾発的に外方に突出した下はじきの突出部81の突出方向と、最も長い親骨43の中棒1からの延出方向とのなす角度θを絶対値で90°以上とする。より好ましい角度θは絶対値で150°〜180°の範囲である。


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