(54)【考案の名称】寒冷地用壁散水栓

(73)【実用新案権者】株式会社光合金製作所

(73)【実用新案権者】日本グランデ株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、住宅の屋外で使用され、凍結も防止できる寒冷地用壁散水栓に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、寒冷地の戸建住宅の屋外で使用されるガーデニングや洗車等のための散水栓は、地中に設置された水道配管に散水栓の流入口が接続され、地上部に吐水口、地中部分には凍結時期に散水栓内部の水を地中に排水させる構造のものが一般的であった。
【0003】
そのため、バルコニー自体がコンクリート等で作られているマンションやアパート等の集合住宅には、水道配管の施工性の違いにより戸建住宅用の散水栓を使用することはできない。
【0004】
最近では、戸建住宅だけでなく集合住宅においても、バルコニー等でガーデニングや洗い物などをする要求が増えている。
【0005】
一方、特許文献1に示すように、戸建住宅や集合住宅の建物の壁面に収容される審美性、施工性に優れた散水栓(文献では給水栓と表現している)が提案されている。
【0006】
しかし上述したような器具は、寒冷地において必要不可欠である凍結防止対策が施されておらず、建物の外壁表面近傍まで常時水が満たされているために、屋外の寒さの環境に影響されやすく、凍結事故や器具自体の凍結破損の心配がある。
【0007】

【効果】

【0011】
本考案により、戸建住宅、集合住宅の区別なく壁散水栓を設置することができ、寒冷地における凍結事故の問題も解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案の施工例を示す集合住宅の水道配管図である。
【図2】本考案の1実施例を示す通水状態における断面図である。
【図3】図2の実施例に吸気機能を設けた排水状態における断面図である。

【0013】
以下図面に沿って説明する。図1はアパート等の集合住宅に本考案の壁散水栓Aを設置した施工例であるが、一般的に寒冷地の集合住宅はパイプシャフトB内に室内Dの水道配管の水抜きをおこなうためのドレンバルブCが設けられ、そこから室内DのトイレEや風呂場F等の各末端器具へ水道配管が設置される。本考案の壁散水栓Aは、室内Dへつながる水道配管の一部を分岐した内壁Gと外壁Hの間のパイプスペースM内に設けられた水道配管の接続口Kに接続し、施工される。
【0014】
図2は本考案の1実施例を示す、通水状態における断面図であるが、弁箱1は図1のドレンバルブCからの水道配管を接続する流入口2とその下流側の横向きの弁座3より構成される。弁箱1はパイプ4によりに延長され、図1の屋外Lの流出部本体5と接続される。
【0015】
流出部本体5は、操作桿6の作動用雄ねじ8と螺合する作動用雌ねじ7、操作桿6に装着された環状パッキン10と密着するシリンダ9、上流側からの水を流出させる下向きの流出口11で構成され、前記流出口11には回転自在の放水口12が接続される。放水口12については必須の構成要件ではなく、流出口11に直接ホースを取り付けるようにしても良い。
【0016】
弁箱1内部に収容される弁体13は、一端に弁座3と密着するパッキン14をビス15により離脱しないように装着する。16は流入口2からの水を下流側へ導くための通水路であるが、これは弁箱1側に設けても構わない。
【0017】
弁体13は他端部に接続されるロッド17により延長され、操作桿6を介してハンドル18に連結される。
【0018】
本実施例においては、操作桿6に環状パッキン10を装着しているが、環状パッキン10を流出部本体5側に装着し、シリンダ9を操作桿6側に設けても構わない。更に、図示しないが操作桿6の作動用雄ねじ8、流出部本体5の作動用雌ねじ7の螺合する部分を、弁箱1と弁体13の間で設けた設計でも構わない。
【0019】
また同じく図示しないが、弁体13の螺旋移動によるハンドル操作の重さを避けるために、螺旋移動を直線移動に変換する継手を操作桿6に設けても良い。
【0020】
本考案の壁散水栓Aは、タッピングビス19を用いて流出部本体5を外壁Hに固定支持する方法を採用しているが、格別これに拘るものではない。上記のように、本考案の要旨を逸脱しない程度の設計変更は自由である。
【0021】
図2は通水状態を示しているが、流入口2からの水は弁座3と弁体13の間を通り、更に弁体13に設けた通水路16、パイプ4内を通って流出部本体5の流出口11を介して放水口12へ達する。このとき操作桿6に環状パッキン10を設けているため、流入口2からの水が流出口11以外から流出することはない。
【0022】
またこの図は、通水における最大流量の水が放水口12から流出する状態を示しているが、流量調整をしたいときは、ハンドル18を適宜の量、回転させることにより、操作桿6、ロッド17を介して弁体13が移動し、弁体13に装着のパッキン14と弁座3の間の水の通路が狭くなるために流量を少なくでき、反対に流量を増やしたいときは、ハンドル18を上記とは逆に回転させると良い。
【0023】
水を使用しないときは、ハンドル18を、弁体13に装着のパッキン14が弁座3に密着するまで回転させると、流入口2からの水を遮断でき、弁座3以降の下流側へは水が供給されなくなる。上記のようにパッキン14と弁座3により水の流量調整や遮断をおこなう構造を採用しているが、図示しないがパッキン14の替わりに環状パッキンを弁体13に装着し、更に弁箱1にシリンダ、通水路を設けて、環状パッキンがシリンダ部分を移動することによって水の流量調整や遮断をおこなう構造を採用しても、本考案の要旨を逸脱しない程度の設計であれば何ら問題はない。
【0024】
そのとき、通水時に弁座3以降の下流側にあった水は、流出部本体5の流出口11を介して放水口12から排水される。この状態は、本考案の壁散水栓Aが止水状態であると同時に、凍結事故を防止する水抜き状態でもあることを示している。すなわち、寒いときに凍結が心配でわざわざ屋外に出て水抜き作業をする必要がなく、また、水抜き忘れによる凍結事故も完全に防止できることになる。
【0025】
上記で壁散水栓Aの排水状態について説明したが、更に補足すると、弁座3以降の下流側にあった水が壁散水栓Aの外部に排水するには、放水口12から入り込む空気と壁散水栓A内部の水が入れ替わらなければならない。この現象を安定的に発生させるためには、空気と水の入れ替わり通路である流出口11の径が水の表面張力の関係で直径8mm以上必要であることが本考案の種々の実験結果から明らかになった。
【0026】
図3は本考案の壁散水栓Aに吸気機能を設けた排水状態を示す。設計上、上記要件を満たせない場合は、図のような吸気機能部20を設けると排水がスムーズにおこなえる。吸気機能部20は、流出部本体5に吸気路21、吸気室22を設け、前記吸気室22にばね23、弁24をセットし、その上部に空気導入路25と環状パッキン26を装着したキャップ27を流出部本体5にねじ込んだもので構成される。ただしこの吸気機能部20は必ずしも流出部本体5に設けなくても、たとえば操作桿6内に設けても良い。
【0027】
以上のように壁散水栓Aについて述べたが、壁散水栓Aの排水をおこなっても図1の室内Dでは常時水を使用できる。また長期外出等で凍結が心配される場合は、図1のドレンバルブCを水抜きすることで水道配管全体の凍結事故を防止することができる。
【0028】
A 壁散水栓
B パイプシャフト
C ドレンバルブ
D 室内
E トイレ
F 風呂場
G 内壁
H 外壁
K 接続口
L 屋外
M パイプスペース
1 弁箱
2 流入口
3 弁座
4 パイプ
5 流出部本体
6 操作桿
7 作動用雌ねじ
8 作動用雄ねじ
9 シリンダ
10 環状パッキン
11 流出口
12 放水口
13 弁体
14 パッキン
15 ビス
16 通水路
17 ロッド
18 ハンドル
19 タッピングビス
20 吸気機能部
21 吸気路
22 吸気室
23 ばね
24 弁
25 空気導入路
26 環状パッキン
27 キャップ

(57)【要約】

【課題】寒冷地における戸建住宅や集合住宅のバルコニー等の屋外においても、水を使用することができ、凍結事故を防止できる寒冷地用壁散水栓を提供する。【解決手段】建物の室内の水道配管に接続され、建物の外壁より内側に設置する流入口2を有する弁箱1と、該弁箱に収容されるパッキンを装着した弁体13とを、それぞれパイプ4、ロッド17により延長して下向きの流出口11を有する屋外に位置する流出部本体5、およびその内部に収容する屋外設置のハンドル18を連結し且つ環状パッキン10を装着した操作桿6に接続したもので構成され、戸建住宅、集合住宅の区別なく施工でき、通常の通水、止水操作することにより別に水抜き操作しなくても水抜き忘れによる凍結事故を防止する。


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