(54)【考案の名称】3Dポストカード

(73)【実用新案権者】株式会社盛栄堂印刷所

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、立体視ができる画像を備えた3D(three−dimensional またはthree−dimensions;立体)ポストカードに関する。

【従来の技術】

【0002】
立体視ができる画像(以下、立体画像ともいう)を備えた3Dポストカードは、視覚的な楽しさや驚きがあることにより、人気のある商品となっている。立体視を生み出す画像には様々な原理を利用したものがあり、ポストカードに添付される立体視ができる画像としては、一般的に以下のようなものが知られている。
たとえば、立体画像として、ホログラム画像は大変よく知られている。ホログラム画像は、一般的にレーザー光線を使用してプリントする画像であり、通常の写真や印刷では再現できない独特の輝きを持つ。また、ホログラム画像は、視認者の訓練を要することもなく、そのままの状態で立体視が可能であるという利点がある。そのため、ポストカード用の画像として適しているが、実写画像を実像に近い画像として立体視できるものではない。
また、立体画像として、いわゆるステレオ画像を用いることも考えられる。ステレオ画像は、視差を伴う二つの画像(右目用の画像と左目用の画像)を並置したものである。視認者は、上述の右目用の画像を右目で確認し、同時に左目用の画像を左目で確認する。このとき、視差を伴う二つの画像を視認者が脳で合成するため、一つの立体画像として視認することができる。ステレオ画像は平行法または交差法と呼ばれる方法を用いて、実像に近い感覚を伴って裸眼で立体視を行うことができるが、裸眼での視認にはある程度の訓練やガイドマーク等を必要とし、また、見えるようになるまでの時間には個人差があった。
そのほかに、余色視を利用したいわゆるアナグラフ画像を用いることも考えられる。アナグラフ画像は、左目用の画像と右目用の画像とを、一枚の画像上にそれぞれ赤または青で描かれたものであり、いわゆる赤青メガネを用いて視認する。赤青メガネとは、左右の色が異なるフィルターで構成される、形状がメガネ様の補助視認具である。アナグラフ画像はこの補助視認具を使用するだけで容易に立体視が可能であるという利点がある。しかし、近距離での視認においては、鮮明な立体視ができる画像が得にくく、像が二重に見える状態(クロストーク)が起こりやすい。
【0003】

【効果】

【0016】
本考案の3Dポストカードは、風景画像等の実写画像において、実像に近い迫力を持った立体視が可能であり、さらに、近距離からでも臨場感にあふれた迫力のある立体視を行うことが可能である。また、視認者の訓練を必要とせず、鮮明な立体画像の視認を容易に行うことができる3Dポストカードを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1の(a)、(b)は、本考案の3Dポストカードの基本的な構成を説明するための概略図である。
【図2】図2は、画像部の構成を説明するための概略図である。
【図3】図3の(a)、(b)は、実施の形態の双眼ルーペ部の構成を説明するための概略図である。
【図4】図4は、本考案の3Dポストカードを用いて立体視する際の形状を説明するための側面図である。
【図5】図5の(a)、(b)は、本考案の3Dポストカードにさらに備えられた、収納袋の使用例についての説明図である。

【0018】
以下、本考案を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、実施の形態の3Dポストカード10の基本的な構成を説明するための概略図である。このうち、図1(a)は3Dポストカード10を長方形に展開したときの構成図、図1(b)は3Dポストカード10の基本的な構成図である。
また、図2は3Dポストカード10の画像部における説明図であり、図3は同様に双眼ルーペ部における説明図である。また、図4は3Dポストカード10を用いて立体視する際の形状の説明図である。図5は、3Dポストカードにさらに備えられた、収納袋の使用例についての説明図である。
【0019】
図1において、10は実施の形態の3Dポストカードである。3Dポストカード10は、基本的には、後述する立体視ができる画像(以下、立体画像)を備えた長方形のカードであり、この実施の形態では、大判の私製はがきの規格内の大きさとした。大判の私製はがきの規格は、235mm×120mmまでとなっている。3Dポストカード10は、後述するように折り曲げて使用する形となるため、柔軟性のある材料で構成するのが良い。一例として、コート紙(菊判で連量135kg程度の厚さ)等は好適な素材である。
11は画像部、13は中央部、15は双眼ルーペ部であり、これらは上述の長方形の長辺方向Yに順次連なるように備えられている(図1の(a))。ここでは、中央部13の長辺方向の幅Y1が75±5mmの範囲内であり、画像部11の長辺方向の幅Y2は77±1mmの範囲内であるものとした。また、双眼ルーペ部15の上述の長辺方向の幅は、たとえば60mm−65mm程度が好適である。また、長方形の短辺方向の幅Xについては、120mmとした。
【0020】
次に、図1に加え、図2も用いて画像部11につき説明をする。画像部11は、中央部13に隣接する側の短辺部分に後述する閉じ部を有し、かつ長辺方向Yに頁が展開する、複数の頁からなる冊子である。ここでは、冊子の中心部(閉じ部)を固定具Aで止めて、3Dポストカード10本体に固定させている。11abは、冊子状の画像部11の、少なくとも一つの見開きの二頁の、中央部13に隣り合う側の頁に配置されたステレオ画像(立体画像)11abである。11aはステレオ画像11abを構成する右目用画像11aであり、11bは右目用画像11aに対し視差を伴う左目用画像である。右目用画像11aと左目用画像11bは並置されており、それぞれの画像の幅は50mm、高さは65mmであるものとする。
【0021】
12は、さらに上述の見開きの中央部13に重なる側の頁に配置されたステレオ画像(立体画像)11abのガイドである。
ガイド12には、ステレオ画像11abにおける案内図や案内文が記載されている(図2)。ステレオ画11abが風景画像であれば、ステレオ画像11abの目立つ建物や施設等を図示し、それらの建物名や施設名等を、図2中の符号12a及び12bで示すような形で掲載することができる。また、建物名等と共に、それらに対する案内文を載せることもできる。
このように画像部11を冊子の形態をとって構成すると、ステレオ画像11abを少なくとも一枚、あるいは複数枚添付することができる。また、ステレオ画像のような立体画像だけでなく、広告用の画像を挿入することもできる。さらに、その広告自体を立体画像とすることもでき、視認者に強い印象を与えられるため、広告に対する効果も期待できる。
【0022】
次に、ステレオ画像11aは、ここではヘリコプターによる空撮等で得られた俯瞰の風景画像であるものとする。例えば、地上数十mから百数十mの地点で、ヘリコプター等を用いた空撮を行う。このように、高度を有する地点から実際に撮影した画像を用いることにより、なお一層迫力のある立体画像を得ることができる。一例として、展望施設から見下ろせる風景画像を地上からの高度が同様の地点から撮影した場合、視認者が立体視する際に、展望台から風景を実際に見ているかのような臨場感を得ることができる。このような方法で撮影した画像を、例えばPCによる画像処理等を行うことにより、所望のステレオ画像11abを得ることができる。このときの右目用画像11a及び左目用画像11bは、それぞれが実際に風景を裸眼視したときと同様の視差を伴うものとする。ステレオ画像は様々な方法を用いて作成可能であり、好適な方法を選択する。
【0023】
画像部11に隣接する中央部13は、長辺方向Yの幅Y1が、ステレオ画像11abを立体視するための視認距離として設定されている。ここでは、既に述べてあるように、幅Y1は75±5mmの範囲内である。
また、双眼ルーペ部15は、中央部13に隣接している。双眼ルーペ部15の具体的な構成例につき、図1に加え、図3を用いて説明をする。
【0024】
15aは立体視できる画像を視認させる右目用凸レンズである。また、15bは、右目用凸レンズ15aと所定の間隔を持って配置された左目用凸レンズである。右目用凸レンズ15aと左目用凸レンズ15bとの間隔は、たとえばレンズの中心間の距離が60mm程度であるものとする。既に述べたように、ここでは中央部13の長辺方向の幅Y1は75±5mmの範囲内であり、画像部11の長辺方向の幅Y2は77±1mmの範囲内である。また、右目用画像11aと左目用画像11bのそれぞれの幅は50mm、高さは65mmである。
【0025】
このとき、右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15bは、右目用画像11a及び左目用画像11bに対する焦点距離が上述の長辺方向の幅Y1と同一となるようにする。ここでは、これら二つの凸レンズの中心厚t1は4.27mm、レンズ径φ1は20mmとした。また、二つの凸レンズは、例えば高純度樹脂ポリマーからなるものとすれば好適である。右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15bを以上のように構成することにより、高い透明度と広い視野を得ることができる。
【0026】
また、15cは右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15bを保持する、補強用のレンズホルダーである。レンズホルダー15cは、二つの凸レンズの径と厚みに耐える強さを持つようにする。ここでは、例えば1.4mm程度の厚みt2を有する丈夫な紙で作成するものとする。また、レンズホルダー15cに上述の二つの凸レンズをはめ込むために形成する、右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15b用の穴15dの径φ2は、20.2mm程度とした。
【0027】
このレンズホルダー15cを、B1に示す双眼ルーペ部15の端部に配置されるようにはめ込む。たとえば、レンズホルダー15cを端部B1に配置できるように、B1と同じ長さの折りしろB2を設けておき、右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15b用の穴15eが設けられた端部B1及び折りしろB2にレンズホルダー15cを挟み込むように設置する。右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15b用の穴15eの径φ3は、例えば26mm程度であるものとする。また、レンズホルダー15cを挟み込む分を考慮し、双眼ルーペ部15の折しろB2は、1.5mm程度の厚みt3を持って端部B1に重なるように折り返されている(図3の(b))。レンズホルダー15cを設けたことにより、双眼ルーペ部15の右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15bは強く固定され、破損しにくくなっている。
【0028】
以上のように構成された双眼ルーペ部15により、ステレオ画像11abの視認を補助し、その上、鮮明な画像を視認者に視認させることができる。したがって、視認者の訓練を要することなく、鮮明で、臨場感を持った迫力のある立体画像を立体視することができる。
また、図1及び図3に示すように双眼ルーペ部15を構成すると、右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15bの焦点距離となる位置にステレオ画像(立体画像)11abが配置されることになり、右目用画像11a及び左目用画像11bと同等の大きさの、迫力ある立体画像を立体視することが出来る。したがって、鮮明で、臨場感にあふれた迫力のある立体視が最適化された3Dポストカード10を得ることができる。
【0029】
次に、動作につき図4を用いて説明する。
3Dポストカード10の中央部13の面に対し、両側の画像部11と双眼ルーペ部15とを、垂直方向に折り曲げる。そして視認者が、双眼ルーペ部15の右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15bを通して、画像部11の内側の曲げ面に配置されたステレオ画像11abを見る(矢印方向)。このとき、視認者は右目で右目用画像11aを見て、同時に左目で左目用画像11bを見るようにする。この結果、二つの画像11a及び11bとの間に存在する視差によって、視認者が双方の画像を一つの立体画像として視認し、立体視をすることができる。このとき、視認者は、本来の右目用画像11a及び左目用画像11bと同等の大きさの非常に迫力のある立体画像を視認することができるため、視認者の印象や感動をより強くする効果が期待できる。
【0030】
立体視をする際に、視認者がメガネなどを装備している場合、立体画像に対してピントが合わせ辛くなることがある。その場合、画像部11及び双眼ルーペ部15を、矢印Rで示すように動かして調節すると、鮮明な画像を得ることができる。
このような臨場感のある立体視ができる画像は、たとえば展望台を有する施設で、実際にその展望台から見える風景画像を立体画像として用意し、商品として販売すること等が考えられる。
その場合、たとえば施設を訪れた日の天気が思わしくなく、所望の眺望が得られなかった場合でも、実際はどのような眺望が得られるものであるかを体感することができる。
また、展望施設からの眺望を誰かに伝えたいときに、臨場感あふれる眺望を体感することが可能な本考案のカードを送ることもできる。
【0031】
次に、3Dポストカード10を収納袋に入れて、店頭に陳列したり、郵送したりする場合につき、図5を用いて説明をする。
20は、3Dポストカード10が収まる大きさを有する透明の収納袋である。収納袋20は、店頭陳列用の袋兼郵送用の封筒として使用可能である。透明の収納袋20の材料としては、たとえばPP(polypropylene;ポリプロピレン)等が好適である。
3Dポストカード10を透明な収納袋20に入れて、長方形に展開した形状のまま商品として店頭に陳列したり、収納袋20を封筒として用いて郵送したりすると、3Dポストカード20がそのままの状態で外部から見えているため、消費者が商品としての機能を瞬時に判断しやすく、また、見た者に強い印象を与えることが期待できる。したがって、消費者の購入意欲の促進や、3Dポストカード10を受け取る側に対して大きな驚きや感動を与えたりする可能性を期待することができる。
【0032】
次に、20aは収納袋20を郵送用の封筒として使用したときのフラップ部分である。また、20bは郵送用の宛名書シールである。3Dポストカード10を収納済みの封筒において、フラップ部分20aと、右目用凸レンズ15a及び左目用凸レンズ15bとを覆う位置に、郵送用の宛名書シール20bを張る。すなわち、双眼ルーペ部15の二つの凸レンズ15a及び15bと、収納袋20のフラップ部分20aとのどちらも同時に覆うことができるように、上述の宛名書シール20bを張るようにする。このため、封筒のフラップ部分20aや上述の二つの凸レンズ15a及び15bを保護することができ、郵送中のレンズの欠損やフラップ部分のはがれ等を防ぐことができる。収納袋20を封筒として3Dポストカード10のみを郵送する場合、定型郵便物の最大サイズ内の、重さ50gまでに相当する料金で郵送することが可能である。
【0033】
上述した実施の形態からも明らかなように、本考案の3Dポストカードは、風景画像等の実写画像において、実像に近い迫力を持った立体視が可能であり、さらに、近距離からでも臨場感にあふれた迫力のある立体視を行うことが可能である。また、視認者の訓練を必要とせず、鮮明な立体画像の視認を容易に行うことができる3Dポストカードを得ることができる。
【0034】
本考案は上述の実施の形態に限定されないことは明らかである。たとえば、3Dポストカード10は、私製ハガキの規格に収まる最大の大きさに近い大きさであるものとした。このため、配置する立体画像も可能な限り大きいものとすることができるが、需要に応じて、これよりも小さい3Dポストカードとすることもできる。その場合、立体画像の大きさや、立体画像に対する双眼ルーペ部の凸レンズの焦点距離等を考慮し、好適な組み合わせとする。
また、図示していないが、3Dポストカードの外側、たとえば画像部11及び双眼ルーペ部15を曲げる方向とは違う面の中央部13を、一筆文等を添付する面として利用することもできる。
その他、考案の主旨を逸脱しない範囲で種々好適な他の形態への変更が可能である。
【0035】
10 3Dポストカード、11 画像部、11ab ステレオ画像(立体画像、立体視ができる画像)、11a 右目用画像、11b 左目用画像、 12(12a、12b) ガイド、13 中央部、15 双眼ルーペ部、15a 右目用凸レンズ、15b 左目用凸レンズ、15cレンズホルダー、15d (レンズホルダーの)右目用凸レンズ及び左目用凸レンズ用の穴、15e (双眼ルーペ部の端部の)右目用凸レンズ及び左目用凸レンズ用の穴、20 収納袋、20a フラップ部分、20b 宛名書用シール、X 長方形の短辺方向の幅、Y 長方形の長辺方向の幅、Y1,Y2 長方形のY方向の幅、B1 双眼ルーペ部の端部、B2 折りしろ、φ1 レンズ径、φ2 (レンズホルダーの)右目用凸レンズ及び左目用凸レンズ用の穴の径、φ3 (双眼ルーペ部の端部の)右目用凸レンズ及び左目用凸レンズ用の穴の径、t1 (レンズの)厚み、t2 (レンズホルダーの)厚み、t3 (双眼ルーペ部の端部の)厚み。

(57)【要約】

【課題】風景画像等の実写画像において、実像に近い迫力を持った立体視が可能な3Dポストカードを提供する。【解決手段】ステレオ画像11a、11bを備えた長方形の3Dポストカード10とする。上述の長方形の長辺方向Yに連なる画像部11と、該画像部11に隣接する中央部13と、該中央部13に隣接する双眼ルーペ部15とを備えている。また、画像部11は、複数の頁からなる冊子であり、冊子の少なくとも一つの見開きの二頁のうち、中央部に隣り合う側の頁にステレオ画像11a、11bが配置され、さらに中央部13に重なる側の頁にはステレオ画像のガイド12が配置されている。また、中央部13は、長辺方向の幅Y1がステレオ画像11a、11bを立体視するための視認距離である。また、双眼ルーペ部15は、ステレオ画像を視認させる右目用凸レンズ15aと左目用凸レンズ15bとが所定の間隔を持って配置されている。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):