(54)【考案の名称】ハンガーのフック取付構造

(73)【実用新案権者】サカエ株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図5

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、ハンガー本体のフック取付構造に係り、特に、構造が簡単でありながら、所望の回動位置にフックを回動可能としたハンガーのフック取付構造に関する技術である。

【従来の技術】

【0002】
従来、図6に示すハンガーのフック取付構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6において、ハンガー本体41には、中央部に筒体43が一体に設けられ、この筒体43は、上端部43aが大径となった段付きの円筒状に形成され、その下面における周方向複数個所(図例では45°置きに八個所)に半円形の凹部44が設けられている。
【0003】
一方、フック42の取付軸体45には、上部に弾性座部46、下部に係止鍔部47がそれぞれ外周側に突出する状態で一体に設けられ、弾性座部46は、円形の基部46aと、この基部46aの下側に連なる断面が略四角形の頚部46bと、この頚部46bの前半周及び後半周を取り巻く形で基部46aの下面から下向きに螺旋状に延設された一対の突片46cとによって構成され、この両突片46cが上下方向の弾発力を発揮するようになっている。
また、係止鍔部47は下すぼまりに形成され、その上面の対称二個所に、筒体43の凹部44に対して係脱しうる凸部48が設けられている。
【0004】
さらに、取付軸体45は、下半部が割り溝49によって二つに縦割りされ、これによって径方向に弾性的に拡縮変形しうるように構成され、取付軸体45を筒体43に差し込むと、係止鍔部47が、取付軸体45の弾性拡縮作用により筒体43を通過して筒体下面に係止する。
一方、弾性座部46は、筒体43の上端部43aに嵌まり込み、その突片46cが上端部43aの内側段面43bに押し付けられて上下方向の弾発力を発揮し、取付軸体45が筒体43に対しその軸心まわりに回転可能で、かつ、上下方向には移動不能に取付けられる。
【0005】
また、このフック取付状態で、筒体43の凹部44と取付軸体45の凸部48とが弾性座部46の弾発力によって弾性的に係脱するクリック機構が構成され、このクリック機構によってフック42が複数(図例では45°置きの八個所)の回転位置に保持されるようにしている。
【0006】

【効果】

【0013】
請求項1に係る本考案のハンガーのフック取付構造は、前記フックは、取付軸の上端部に鍔状部と、取付軸の下端部に軸径よりも0.5mm〜2.0mm大きな径の鍔状の第一係止部と、第一係止部の上面と同一水平面で奥行が前記取付軸の軸径よりも小さく、横幅が第一係止部の径よりも大きく、下端が第一係止部よりも下方に突出する第二係止部と、第二係止部の横幅の両端から一体に上方に立ち上がる一対の薄板状の案内片とを備えており、
前記第一係止部の円周における下方コーナー部は、面取りがなされており、
前記第二係止部の横幅方向における各下辺コーナー部は、面取りがなされており、
前記ハンガー本体のフック取付部は、上方の第一筒状部と、第一筒状部の下方に第一筒状部と連続して一体に形成された第二筒状部とを備えており、
前記第一筒状部は、前記フックの第一係止部、第二係止部及び案内片を挿通する挿通孔を形成しており、
前記第二筒状部は、下方が前記取付軸の外径と略同じ内径で、前記第一筒状部の外径よりも小さい外径であり、前記フックの取付時に前記第二係止部が当接する周壁に、下端の幅が前記第二係止部の奥行よりも小さい幅の一対のスリットを形成しており、
前記フックを前記ハンガー本体のフック取付部に取付ける際に、前記第二筒状部のスリット及び内径を弾性的に拡げて、前記第一係止部及び前記第二係止部を、前記第二筒状部を貫通させることにより、前記フックを前記ハンガー本体に回動可能に取付けるようにしたから、簡単な構造でありながら、フックの回動時に適切な摩擦力及び回動力を付与することができ、所望の回動位置にフックを回動することができるのである。
【0014】
請求項2に係る本考案のハンガーのフック取付構造は、請求項1に係る本考案の効果に加え、前記フックの案内片は、フックの取付時に外側が前記第一筒状部の挿通孔に対するガイドとなり、取付後のフックの回動時に内側が前記第二筒状部の外周に対するガイドとなるように形成したから、フックをハンガー本体に取付ける際に、フックを滑らかに挿通孔に挿入することができ、フックの回動時に摩擦力及び回動力を一層適切に付与できるのである。
【0015】
請求項3に係る本考案のハンガーのフック取付構造は、請求項1又は2に係る本考案の効果に加え、前記ハンガー本体のフック取付部には前記フックの鍔状部を嵌合する凹部を形成したから、ハンガー本体とフックとがシンプルな外観となり、また、鍔状部と凹部とで、一層適切な摩擦力で滑らかにフックを回動することができるのである。
【0016】
請求項4に係る本考案のハンガーのフック取付構造は、請求項1〜3のいずれかに係る本考案の効果に加え、前記フックの第二係止部は、フックの上方の吊下部と第二係止部の長手方向とが平面視で同じ方向に形成したから、ハンガーの使用態様の多い、衣服の展示販売する店舗などにおけるフック吊下杆にフックを引っ掛け、衣服掛部をフック吊下杆に直交させて使用する際に、第一係止部及び第二係止部で、ハンガー本体とフックとが係合しているので、フックとハンガー本体とが離脱するおそれがないのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本考案の実施の形態に係るハンガー本体を示す図面で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図2】本考案の実施の形態に係るフックを示す図面で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は図2(a)のA−A線断面図である。
【図3】図1(a)のB−B線部分拡大断面図である。
【図4】図1(b)のC−C線部分拡大断面図である。
【図5】本考案の実施の形態に係るハンガー本体にフックを取付けた状態を示す部分拡大正面断面図である。
【図6】従来のハンガーのフック取付構造を示す部分拡大正面断面図である。

【0018】
以下、本考案の実施の形態を添付した図1〜図5に基づき詳細に説明する。
図1はハンガー本体を示す図面で、(a)は平面図、(b)は正面図であり、1は材質をポリプロピレンとし、射出成形により製造したハンガー本体であり、ハンガー本体1の中央部にはフック取付部2が形成され、衣服掛部1aが左右対称で下方に傾斜し外方向に湾曲して形成されている。
【0019】
図2はフックを示す図面で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は図2(a)のA−A線断面図で、3は材質をABS樹脂とし、射出成形により製造したフックであり、上方の吊下部3aと下方の取付軸31とを備えている。
フック3は、取付軸31の上端部に鍔状部32と、取付軸31の下端部に鍔状の第一係止部33と、第一係止部33の上面と同一水平面で奥行が取付軸の軸径よりも小さく、横幅が第一係止部33の径よりも大きく、下端が第一係止部33よりも下方に突出する第二係止部34と、第二係止部34の横幅の両端から一体に上方に立ち上がる一対の薄板状の案内片35とを備えている。
【0020】
前記フック3の吊下部3aは外径が7.2mmであり、取付軸31は外径が4.25mmであり、前記鍔状部32は上端外径が11.5mmで厚みが2mmで周壁が下方に先細状にテーパー(垂直線に対して5度)となっており、周壁の上下コーナー部が半径0.3mmで面取りがなされている。
前記第一係止部33は径が5.45mmで、第一係止部33の円周における下方コーナー部33aは半径1.0mmで面取りがなされている。
【0021】
前記第二係止部34は、奥行が2.6mmで取付軸31の軸径4.3mmよりも小さく、横幅が9.7mmで第一係止部33の径5.5mmよりも大きく、下端が第一係止部33よりも下方に1.3mm突出して形成されており、第二係止部34の横幅方向における各下辺コーナー部34aは半径1.2mmで面取りがなされている。
前記案内片35は、厚さが1.0mmで、奥行が3.4mmで、前記第二係止部34の横幅の両端から一体に上方に2.6mm立ち上がるように形成されている。
【0022】
図3及び図4はハンガー本体1のフック取付部2の詳細を示す図面で、図3は図1(a)のB−B線部分拡大断面図、図4は図1(b)のC−C線部分拡大断面図である。
図3及び図4において、ハンガー本体1のフック取付部2は、上部に前記フック3の鍔状部32を嵌合する形状の凹部21を形成し、この凹部21の下方に連続して上方の第一筒状部22と、第一筒状部22の下方に第一筒状部22に連続して一体に形成された第二筒状部23を備えている。
【0023】
前記第一筒状部22は、外径が11.8mmで、内径が5.7mmで、前記凹部21の底面からの深さが6.8mmで、前記フック3の第一係止部33、第二係止部34及び案内片35を挿通する挿通孔24を形成している(図1(a)、図3及び図4参照)。
また、前記第二筒状部23は、下方が前記取付軸31の外径と略同じ内径の4.2mmで、前記第一筒状部22の外径よりも小さい7.3mmの外径で、前記フック3の取付時に前記第二係止部34が当接する周壁に、下方に先細状で下端において幅が前記第二係止部34の奥行きよりも小さい1.0mmのスリット25を形成している(図3参照)。
【0024】
そして、前記フック3を前記ハンガー本体1のフック取付部2に取付ける際に、前記第二筒状部23のスリット25及び内径を拡げて、前記第一係止部33及び第二係止部34を、前記第二筒状部23を貫通させることにより、前記フック3を前記ハンガー本体1に回動可能に取付けるのである。
また、前記フック3の案内片35は、フック3のハンガー本体1への取付時に、外側35aが前記第一筒状部22の挿通孔24に対するガイドとなり、フック3のハンガー本体1への取付後のフック3の回動時に、内側35bが前記第二筒状部23の外周に対するガイドとなるように形成している。
【0025】
前記ハンガー本体1のフック取付部2の挿通孔24は、挿通孔24における前記フック3の一対の案内片35を挿通する孔部24aが前記ハンガー本体1の衣服掛部1aの長手方向に直交する線上に位置する方向に形成している(図1(a)参照)。
前記フック3の第二係止部34は、フック3の上方の吊下部3aと第二係止部34の長手方向(横幅)とが平面視で同じ方向となるように形成している。
【0026】
このように、前記フック3の第二係止部34を、フック3の上方の吊下部3aと第二係止部34の長手方向とが平面視で同じ方向となるように形成しているので、フック3をハンガー本体1に取付けてフック3を略90度回動したときに、衣服掛部1aと吊下部3aとが平面視で略同方向となるようにして、ハンガーの使用態様の多い、衣服の展示販売する店舗などにおけるフック吊下杆にフック3を引っ掛け、衣服掛部3aをフック吊下杆に直交させて使用する際に、第一係止部33及び第二係止部34で、ハンガー本体1とフック3とが係合するようにしているので、フック3とハンガー本体1とが離脱するおそれがないのである。
【0027】
以上の実施の形態では、フック3の案内片35は、フック3のハンガー本体1への取付時に、外側35aが前記第一筒状部22の挿通孔24に対するガイドとなり、フック3のハンガー本体1への取付後のフック3の回動時に、内側35bが前記第二筒状部23の外周に対するガイドとなるように形成したが、案内片35の外側35aと内側35bの一方がガイドとなるように形成してもよい。
また、以上の実施の形態では、ハンガー本体1のフック取付部2は、上部に前記フック3の鍔状部32を嵌合する形状の凹部21を形成したが、この凹部21を形成せずに、フック3の鍔状部32がハンガー本体1の取付部2の上面に当接するようにしてもよい。
【0028】
さらに、以上の実施の形態では、前記フック3の第二係止部34は、フック3の上方の吊下部3aと第二係止部34の長手方向(横幅)とが平面視で同じ方向となるように形成したが、吊下部3aと第二係止部34の長手方向(横幅)とが平面視で例えば角度30度、45度で交差するように形成してもよい。
以上の実施の形態では、鍔状の第一係止部33の径を、取付軸31の軸径よりも1.2mm大きくしたが、0.5mm〜2.0mmの範囲で大きくしてもよい。
【0029】
また、以上の実施の形態では、一例として寸法を示しているが、これらの寸法を適宜変更することができる。
以上の実施の形態では、前記第一係止部33の下方コーナー部33a及び第二係止部34の下辺コーナー部34aをそれぞれ所定の半径で面取りを形成しているが、下方に先細状のテーパーによる面取りを形成してもよい。
【0030】
また、以上の実施の形態では、ハンガー本体1の材質をポリプロピレンとし、フック3の材質をABS樹脂としたが、ハンガー本体1及びフック3の材質として各種の合成樹脂としてもよい。
【0031】
1 ハンガー本体
2 フック取付部
21 凹部
22 第一筒状部
23 第二筒状部
24 挿通孔
25 スリット
3 フック
3a 吊下部
31 取付軸
32 鍔状部
33 第一係止部
33a 下方コーナー部
34 第二係止部
34a 下辺コーナー部
35 案内片
35a 外側
35b 内側

(57)【要約】

【課題】ハンガー本体のフック取付部及びフックの取付軸の構造が簡単でありながら、所望の回動位置にフックを回動可能としたハンガーのフック取付構造である。【解決手段】フック3は鍔状部32と第一係止部33と第二係止部34と一対の案内片35とを備え、ハンガー本体1のフック取付部は第一筒状部22と下端の幅が第二係止部34の奥行よりも小さい幅の一対のスリットを形成した第二筒状部23とを備え、フック3をハンガー本体1のフック取付部に取付ける際に、第二筒状部23のスリット及び内径を弾性的に拡げて、第一係止部33及び第二係止部34を、第二筒状部23を貫通させることにより、フック3をハンガー本体1に回動可能に取付けて、フック3を所望の回動位置に回動できるようにした。


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