(54)【考案の名称】バタフライ型ループアンテナ

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
UHF帯テレビ受信用アンテナに関する。

【従来の技術】

【0002】
現在UHF帯テレビアンテナの利得は最大であっても36素子、スタックシステムで15〜18db、3.5〜4.0Kgを有し大型化高重量である。更に素子数が増加すればアンテナ全体の風圧面積も増加し、風圧モーメントによるモーメント応力が増大することになる。このため強風の場合、支柱のせん断応力、支線の引張応力などが増大するため最悪の場合倒壊することもありうる。アンテナ利得もこれが限界であり高利得は望めない。
【0003】
次に問題となるのはアンテナ高であって、出来るだけアンテナ高を高く維持するため、風圧モーメントを考慮しない傾向がある。このため風圧モーメントは支線で分散しているが、強風の場合は静風時の数10倍の風圧が加わるので、倒壊の事故が懸念される。
【0004】
更に送信所の設置位置の不適応などのためフレネルゾーン減衰が都市部で発生している。三重ナイフエッジ、山岳回折が更に加わり、多重路伝播となる。このための減衰は最大で1/150〜1/100程度に達する。更に電波伝播上の地理的条件や見通し図の断面図を参照して受信アンテナの設置場所の選定を行う。重要項目はブースター(増幅器)を介在させず、アンテナの性能のみに依存させて開かれた自由空間において、入力電界レベルを50dbμ以上で確保する必要がある。地上波電界レベルは30dbμであるならば、アンテナ利得は20〜25db程度は必要である。
【0005】
弱電波地域は強風対策・対応などの他、フェージング、フレネルゾーンの減衰、多重路伝播、アンテナの倒壊の懸念など、数々の悪条件が重なる。したがってアンテナは常に設置条件として小型、軽量、高利得、経年変化や耐久性、風圧モーメントの減少に対応する必要がある。現状においては受信アンテナの背後にブースター(増幅器)を取り付け、利得をサポートして受信状態を維持する。
フレネルゾーンにおける減衰や多重路伝播などのため、フェージングの幅は−10〜−15dbの深いフェージングが生じる。この電界レベル変動はレーリー分布に支配され、300〜600秒の周期において、ややゆっくりと推移し、入力電界レベル40dbμ以下になると、ブロックノイズが目立ち始め、約38dbμにおいて受信不能となる。
【0006】

【効果】

【0018】
バタフライアンテナの構造は、2つのループアンテナを一対として、円を変形し楕円として、垂直偏波成分を強調、水平偏波成分を抑圧する。このためループ面は垂直楕円体を形成し、周囲長は波長λに等しい。p=EHの捕捉、蓄積方法はエレメント相互間及び放射ビームに存在する。放射ビーム幅はλ/8の領域であって、ドーナツ状に分布するλ/2単一ダイポールを補助的手段として応用可能であるが、実効面積はπ/2であって、高利得の目的には不適である。
【0019】
このアンテナをフレネルゾーン領域ナイフエッジ3段である減衰量の多い受信地点で動作させると、次の様な事が知られる。伝播形態は多重路伝播であり深いフェージングを生じている。又減衰が多いため、ブロックノイズを伴いやすい。
この様な条件下において動作させると(5素子バタフライアンテナ)
【0020】
1)フェージング変動幅が八木系列アンテナより約10db減少する。
2)出力電界レベルが向上する。50〜60dbμを出力する。
3)ただし、地上波電界レベルは30〜38dbμである。
同軸ケーブル損失は20mにおいて、5〜6db程度である。
4)よって弱電界地域において実用的である。
5)フェージングによるブロックノイズの受信障害はない。
6)ブースター(増幅器)をアンテナ出力部に接続しなくても受信可能な受信電界レベルを確保する。
7)周辺地域はブースターを接続することが通例は一般的である。
このブースターの増幅レベルは入力電界30〜40dbμ、利得は25〜30dbμである。
【0021】
比較した八木系列アンテナ
30素子スタック利得15〜18db
尚、このアンテナはフェージングが発生した場合、ブロックノイズに支配され受信不能である。
【0022】
特殊ステンレス鋼は弾力性に富み、雨、風、雪、水、強風など、アンテナに必要な耐自然条件に適応する。又融雪氷などの性質を有し、アンテナ・エレメント素子に対して付着しない材質がある。よって経年変化が少なく耐水性を有する。
この材質をアンテナに適用したことは、次の特有効果を有している。
【0023】
すなわち
1)経年変化少なく耐久性に富む。
2)質量が軽く、小型、軽量を実現する。
3)表皮効果が少なく、高周波損失が少ない。
4)風圧面積が少なく、風圧モーメントが少ない。
5)アンテナエレメントの実効面積がλ/2ダイポールの4倍あり、利得を高めることが出来、且つ放射ビームの拡散や分散などの現象が見られず、アンテナの伝送効率がすぐれている。
6)エレメントの弾力性のため強風に対して耐風圧性を有する。
7)フレネルゾーン領域の電波の回折現象は偏波面の回転現象(反転現象とも言う)を起こし、水平偏波成分は垂直偏波成分を強調する。このためエレメントを垂直偏波を強調すると、ポインティングベクトルを捕捉しやすい条件を形成することになり、アンテナの蓄積、伝送といわれる網の観点からきわめて好条件と思われる。
これが第2の特有効果である。p=EHはλ/8のビームを楕円体のループ面に対してドーナツ状に分布して拘束する。このためビームの分散、拡散を防止する。更にビーム幅の損失はきわめて少なく、最小限に抑圧される要因となる。
更に考案の特有効果として、取付工事や設置が容易で、頑強な支柱、支線、著しく高い地上高を有しないところから、風圧モーメントが少ない事が上げられる。
“開かれた自由空間を確保する条件”から4〜5m程度と考慮してよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本考案の構成を示す平面図
【図2】取付台
【図3】ループアンテナ部

【0025】
アンテナの設置条件として、フレネルゾーン領域の電波伝播状況を知り、観察する必要がある。次に直接波の地上電界レベルを計算し、更にフレネルゾーンに障害物があれば減衰量を算定する。この様にすれば如何なる特性や利得のアンテナを設置すればよいのかが判定が可能である。現今は如何なる状態であっても、一番性能が高く、高価なアンテナを使用する物理的根拠のない使用法が利益を追求するための手段として実施されている。出力電界レベルはブースターなしであっても50dbμ〜60dbμがあれば充分で、600秒〜900秒間隔のフェージング特性を観察するだけで充分である。
【0025】
フェージングは12月期〜1月期、2月下旬〜3月下旬の2期に分けて、多重路伝播の干渉により起こる。この要因は落葉とか、積雪、融雪など四季の変化に起因するもので、降雪があれば、山岳地域の反射が増加し、逆に融雪になると減少することで、深いフェージング(0〜−10db、−15db)や地上波電界レベルの減衰が現象として現れることになる。
特にUHF帯においては、この現象は600秒〜900秒間隔で明確に表われ、ゆっくりと推移し、最悪の場合ブロックノイズ(40dbμ前後)に支配されるが、次第に回復し現状に復帰する。
【0026】
この様な問題からフレネルゾーン領域(2重・3重のナイフエッジ)を伴う都市部においては、この現象を見込み出力電界レベル55〜60dbμを確保しておく事が必要である。
このため、バタフライアンテナは5素子エレメントを必要とし、20〜25dbを確保する様心得て準備する。この様にしてフェージング対応を実施する。
【0027】
この5素子バタフライアンテナの採用はアンテナ高を著しく高くしなくても“開かれた自由空間”(4〜5m程度地上より高さ)があれば動作し、地上波電界35〜40dbμにおいて電界出力レベル60〜65dbμを出力し、同軸ケーブル20mにおいて5dbなので60dbμが受信電界レベルとなる。
【0028】
次に、地上波電界レベルについての計算をする。
参考例として
▲1▼福島市渡地区をA
▲2▼福島県郡山市富田地区をBとして、減衰量の計算をする。
A:福島市
▲1▼送信所からの距離25Km
▲2▼見とおし内であって障害物は存在しない。よってフレネルゾーン領域の損失はない。
B:郡山市
▲1▼送信所からの距離30Km
▲2▼見とおし図からフレネルゾーン領域を計測すると三重ナイフエッジである。
送信所笹森山標高:650m送信電力3KW
条件:いずれもデジタルUHFテレビの受信チャンネル13〜30CHである。
詳細な部分は省略し、概説として、実測値よりまとめたものである。よって、実測値ときわめて一致しており問題はない。
【0029】
三素子バタフライアンテナの動作例について概説する。図1参照1
条件
1)アンテナの高さ4.5m
2)開かれた自由空間において、障害物(電波伝播)がないこと。
3)アンテナの利得G=15.5G′=20〜24db
4)フレネルゾーン領域において、ナイフエッジ1段について対応。
5)ハイトパターン、フレゾン領域及び減衰において、理想的なアンテナ設定の選定位置を決定すること。
6)出力電界レベルは50〜55dbμを確保する。
アンテナ利得、地上波電界レベル、同軸ケーブル損失(20mにおいて4〜5db)を含めて、最低限において55dbμは確保される。
【0030】
1)送信所からの距離 d=15Km
2)送信電力 20W λ=0.6m
3)ナイフエッジ1段 フレネルゾーン 100mを越える
4)フレネルゾーン半径 h=47m
[fig000003]
損失は、ナイフエッジ1段として 地上波電界レベル=66dbμ
[fig000004]
よって総合電界レベルは:G′
[fig000005]
アンテナ利得 G=21dbとして 同軸ケーブル損失5dbとして
=48dbμ+21−5=64
出力受信電界レベルは G=64dbμとして求められる。
付記:ナイフエッジは丘嶺地である。ナイフエッジ2段においては36dbμであるが、
=21−5+36=52dbμで、一応受信は可能である。しかし、ナイフエッジ1段が理想的である。
付記:フレネルゾーンは回転楕円体を形成する。このため、この高さhは、フレネルゾーン半径と称される。
【0031】
A:福島市渡利地区周辺の地上波電界レベル:e
[fig000006]
見とおし内であるのでフレネルゾーン損失はない。
B:これに対して郡山市富田地区は見とおし内であるものとして地上波電界レベルは
地上波電界レベルは
[fig000007]
直接波としての電界レベル
で、両者はほぼ同一である。しかし郡山市は3重ナイフエッジが存在するから概算すると、
【0032】
そのフレネルゾーン領域の計算をすると、損失をLとして
ナイフエッジの損失係数は
[fig000008]
となり、直接波の約1/128に減衰する。したがって、
[fig000009]
地上波電界レベルは、e2G=39.6dbμとなる。よって、ナイフエッジ3段の減衰は大幅に減少している事がわかる。したがって、アンテナ利得はこの場合“20〜25db”必要と考えられる。地上波電界レベル約40dbμは実測して観測され、現状を示すデータである。
【0033】
上記のデータよりバタフライアンテナにおいて、
ナイフエッジ3段において 5素子 20〜25dbを使用する。
[fig000010]
よってバタフライアンテナ3素子(18〜22db程度)で充分である。尚この計算法は実験上の近似式であって詳細の理論的根拠に基づくものではない。しかし実測値と一致する。尚ナイフエッジ2段においても開かれた自由空間であれば、充分なる地上波電界レベル約52dbμを確保するので、バタフライ3素子アンテナで必要な電界出力レベルが得られ動作する。
【0034】
郡山市富田町地区“開かれた自由空間である”
郡山市の測定データ実測値 (山岳回折3段)
1)アンテナ地上高 4.5m 5)フレネルゾーン領域 3重ナイフエッジ
2)送信所からの距離 30Km 6)損失係数 1/128
3)送信電力 3KW 7)地上波電界レベル 95μV
4)直接波の電界レベル 12mV デシベル換算 (40dbμ)
デシベル換算 (82dbμ)
8)使用されたアンテナ 5素子バタフライアンテナ(利得20〜25db)
9)フレネルゾーン領域は134mである。半径は67mである。
▲注▼尚フレネルゾーンの幅はその半径で表わされ、回転楕円体の半径と言われる。
[fig000011]
フレネルゾーン領域は半径の2倍で、全領域であり約140mである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
考案の趣旨はフレネルゾーン領域の3重ナイフエッジ、山岳回折、多重路伝播の形態や減衰システム、これによる弱電界領域のアンテナシステムに対応する、アンテナ利得や特性について、その性能の向上について概説するものである。p=EHの捕捉性、蓄積効果、アンテナの実効面積の向上は、アンテナ網システムの伝送を改善し、電力密度を出力電界レベルに交換する重要な要素である。よってこのアンテナの利用分野は主としてUHF帯の弱電界レベル(約30dbμ〜40dbμまで)に限定され、この領域において効果的特性を発揮する。
【0036】
したがってその利用範囲はUHF帯の弱電界地域であって、応用分野は次の通りである。
1)TV受信アンテナ 6)気象テレメータ
2)ケイタイ電話用アンテナ 7)業務用通信
3)衛星間の通信 8)公害監視用テレメーター
4)アマチュア無線 9)鉄道車両、駅間通信
5)無線LAN
などが考えられる。
〔量産に対する適応性〕
【0037】
このアンテナ系システムは、小型、軽量、高利得、安価、耐久性、風圧モーメントに強固である。又、工作面から見ると、工作しやすい。部分品としてまとめやすい。組立しやすいなど、量産に適している。
特殊ステンレス鋼はプレス加工において生成され、量産しないと入手しにくい。
又λ/2単一ダイポールも補助的手段として応用可能であるが、実効面積がπ/2であり、放射ビームはドーナツ状に分布して分散しやすい傾向性を有するから、その特性を配慮して適応する場所に効果的に配置する。
【0038】
▲1▼導波器 L〜L
▲2▼放射器 λ/2
▲3▼反射器 L〜L
▲4▼取付台
【0039】
[fig000012]
[fig000013]
測定データ付記
1.アンテナ利得計算表
G=4π+π/2=4.5π=14 G′=23db
[fig000014]
3.図1において、導波器は容量性を含むので L=L=0.95×60=57cm
とするのが一般的である。(5%短くする)
反射器は誘導性となるので L=L=1.05×60=63〜65cm
とするのが一般的である。(5%〜10%長くする)

(57)【要約】

【課題】小型・軽量にして高利得のバタフライ型ループアンテナを提供する。【解決手段】ステンレス板(厚さ1.2mm×巾3mm)をループ状とし、円を両側から圧力を加え変形させ楕円とする。周囲の長さはλ(波長)に等しい。このループを2個を対として動作させるとp=EHであるポインティングベクトルを有効に捕捉して集積、等価的実効面積を高める。更に水平偏波成分を圧縮、成分を強調するから水平偏波を強調、垂直にするホールデッドダイポールλ/2を通して集波すると、効果的に受信重力を高める事が出来、アンテナ利得が向上する。したがってエレメント素子の拡散性を抑圧して能率を高めることが出来る。これはλ/2単一ダイポールから、ループ状に変更することで対処している。又、重量を少なくするためには単一ダイポールの場合エレメント数を少なくする必要がある。ループは実効面積が広いので、エレメント数に依存しないので軽量化が図れる。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):