(54)【考案の名称】メール用一枚冊子

(73)【実用新案権者】コーホク印刷株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、日本郵便による郵送を始めとする各種の送付が可能なメール用一枚冊子に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
日本郵便による郵送や各宅配業者による送付(以下、これを総合して送付という)は情報伝達手段として有効なものである。例えば、商品やサービスの広告をDMで送付したり、注文や買い物をしたときの品名、数量、金額を注文書、納品書、請求書で知らせたりすることがそうである。しかし、これも単葉のハガキであれば、掲載する情報量が少ない。そこで、最近では、複数の紙葉を剥離可能に疑似接着して冊子状や巻紙状にしているものがある。冊子でも送付ができるが、それには当該冊子が一枚物になっていることが条件である。理由は、パラパラと捲れるような状態では送付中の取扱いで各紙葉が破損して散逸したり、また、掲載されている秘匿情報が漏洩したりするからである。
【0003】
このように、最近のメール用一枚冊子は多くの情報量が掲載できるようにサイズも大形化し、紙葉の枚数も増えて来ている。しかし、疑似接着はハガキサイズで少ない紙葉数では容易であっても、大形の定型、A4及び角2となると、技術的になかなか難しい。加えて、紙葉が大形化し、枚数も増えて情報量が多くなって来ると、冊子を捲らなくても各葉に掲載された情報が簡単にわかる必要がある。特に、不特定宛名人に送付される商品紹介のDM等では、受取人にこのことを素早くわかって貰う必要があり、そうでなければ、開封されないこともあり、効率的ではない。
【0004】
一方、送付する側においても、紙葉の枚数が増えて掲載する情報量も多く、かつ、多様化して来ると、各紙葉の掲載内容と受取人の照合が必要になって来る。これは膨大な作業になり、一々人手では行えない。そこで、A4サイズのものでも、ある程度の接着力を有し、しかも、一度剥離した後は再接着しない疑似接着が確実にでき、しかも、各紙葉の掲載内容が一目でわかり、加えて、機械的に照合ができるものが求められるようになって来た。
【0005】
これに応えるものとして下記特許文献1のものが提案されているが、この先行技術の発明は、A4サイズのものではあるが、疑似接着を一次接着と二次接着とに分け、一次接着した後に剥離したとしても、強力な加圧力を付すことで二次接着ができるようにしたものである。なお、これにおける複紙葉からなる冊子は、左綴じの中綴じであるが、右端は上に重ねる紙葉ほど左側にずらせ、左端はほぼ同じに揃えている。そして、折り返したときにその紙厚で上に重ねる部分も左側にずらせるようにしているが、紙厚によっては、全紙葉を同じずらせ幅にはできないし(紙葉数が増すほどこの傾向は強い)、紙幅も各紙葉によって変えなければならず、紙サイズの設定に注意を払わなければならない。また、左端を揃えている関係でずらせ幅を大きくとれず、この幅を当該紙葉のインデックスにするような場合は、十分な情報量を書き込むことができない。
【0006】

【効果】

【0010】
請求項1の考案によると、ずらせた部分が各々の紙葉のインデックスを構成することになり、受取人にとって興味と注意が喚起され、開封してみようかという気になる。となれば、これを商品紹介のDM等に利用しようとする者の導入意欲が高まる。また、インデックスを設けることは疑似接着の部分を剥がすための掴みにもなり、わざわざ掴み部を形成する必要はない。請求項2の手段によると、各紙葉は同じサイズのものでよく、印刷や製本が容易である。請求項3の手段によると、各葉の情報量が多くても宛先や各紙葉の照合が自動的になされているから、送付先を間違えて個人情報が流出するという事態はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案に係る一枚物冊子の平面図である。
【図2】本考案に係る一枚物冊子の後面図である。
【図3】本考案に係る一枚物冊子の斜視図である。
【図4】本考案に係る一枚物冊子の製本過程を側面から見た説明図である。
【図5】本考案に係る一枚物冊子の製本過程を背面から見た説明図である。
【図6】本考案に係る一枚物冊子の製法過程を平面から見た説明図である。

【0012】
以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明するが、本例では、A4サイズのDM用の冊子を一枚物とした例を示している。図1は本例に係る一枚冊子の平面図、図2は後面図、図3は斜視図であるが、でき上がった状態の一枚冊子は、下から表裏にそれぞれの情報が印刷してある下位紙1、中位紙2及び上位紙3の3枚を重ね、中央を接着糊4で永久接着するとともに、この部分で谷折りに折り返した中綴じ冊子である。したがって、この冊子は6枚で12頁のものとなるが、背側は一枚で覆われて体裁もよいものになる。なお、永久接着に代えて針等による綴じであってもよい。
【0013】
そして、3枚の紙1〜3を重ねる際に上位の紙葉を下位の紙葉に対して本例でいえば右端を左側に一定幅ずつずらせたものである。したがって、中央を谷折りして折り返すと、上位の紙が下位の紙に対してそれぞれ小口端を背側に一定幅ずらせた冊子となる。すなわち、一番上にあって一番幅の狭い表紙5と、一番下にあって一番幅の広い裏表紙6とを有し、間に4枚の本文7を有するものとなる。
【0014】
本考案では、この6枚の紙葉を剥離糊8で疑似接着したもので、手で引っ張れば剥がれるようにしたものである。なお、剥離糊8は各紙葉の両面に塗布してもよいし、一面のみに塗布してもよい。さらに、塗布域も全面でもよいし、天地及び小口の縁部分の所定幅だけ塗布したものでもよい。この場合の疑似接着は小口側は絶対であるが、天地側は非接着でもよい。しかし、漏洩や破損或いは他紙葉の誤入等を考えると、天地側も疑似接着した方がよい(日本郵便ではこれが求められる)。
【0015】
ところで、以上の形態の冊子でA4サイズとは、当然ながら裏表紙6のサイズということになる。したがって、ずらせる部分の幅、紙葉の枚数等を計算して紙のサイズと折り返し位置とを決定することになる。ところで、本冊子は中綴じであるから、ずらせる幅を同じにする限り、各紙葉は同じ幅のものでよい。ただ、重ねる紙葉の枚数や紙厚によっては多少変わって来るが、少なくとも、前記した3枚の紙葉1〜3のものでは同じ幅のものでよい。この目的に下に接着糊4や剥離糊8を選択するが、前者では萬盛スズキ株式会社製の「OSC931」、後者では、プラナトール社製の「71/20/3」或いは萬盛スズキ株式会社製の「OSC61」等が適する。
【0016】
本考案では、ずらせた部分を各紙葉の印刷事項を示すインデックス9〜14とする(一番上のインデックス14は表紙5の一部)のである。そして、本例では、各インデックス9〜14に各紙葉の印刷事項に対応する識別マーク(文字、記号、図形)9a〜14aを印刷している。識別マーク9a〜14aとしては、OCRで読み取れる文字等、バーコード、QRコード(登録商標)等がある。さらに、本例では、表紙5の表面には宛名人15も印刷している。同時に、この宛名人特有の識別マーク15aも印刷している。
【0017】
DMでは、送付される各人ごとに各紙葉の印刷事項が異なり、しかも、それが秘匿事項のこともあるから、この識別マーク9a〜14a、15aで照合するのである。すなわち、請求書や明細書では、宛名人15ごとに各紙葉の印刷事項が異なっているためである(共通する事項もある)。この照合は、各識別マーク9a〜14a、15aと、これに対応できる読取機(図示省略)との組合せである照合手段ですることになる。そして、照合が正しければ合格ということになるし、正しくないときは不合格ということになる。
【0018】
以上の冊子の製本は手作業、機械作業を問わないが、大量のDM品では実際問題として手作業では無理であり、機械作業で行うことになる。最近では、紙をコンベアで送りつつ、製本作業で必要とされる丁合、折り、糊付け、切断、加圧、加熱といったすべての作業がステーションごとにできるロールコレーターと称される製本機械があり、本例の冊子もこの製本機械で製本できる。
【0019】
図4はこの製本機械を側面から見た説明図、図5は背面から見た説明図、図6は平面から見た説明図であるが、下位紙1、中位紙2、上位紙3ともに所定の情報を連続した態様で印刷し、これをロールに巻いて貯蔵しておき、逐次コンベアに載せて行く。この場合、各紙葉1〜3に印刷された情報は同じものがA4サイズの長さで連続したものでもよいし、サイズごとに異なる情報が印刷されたものでもよい。また、ロールでなくても、カットされた各紙葉1〜3でもよい。
【0020】
これによると、最初に載せた紙が下位紙1になり、次に載せた紙が中位紙2、最後に載せた紙が上位紙3になる。この間、各紙1〜3にはそれぞれ剥離糊8と接着糊4を塗布して行くが、少なくとも接着糊4が付いた部分は、その都度適宜ロールで締めて永久接着を行っておくのが適する。また、各紙1〜3は移送方向の位相を合わせる丁合がとられているのはもちろんである。
【0021】
ところで、コンベアによる移送の形態は、各紙1〜3とも両側にマージン16、16を有し、ここに形成されたマージナルホロー(ホロー)17、17にコンベアチェンに取り付けられたマージナルピン(ピン)18、18を挿入して移送する。ただし、すべてのホロー17、17にピン18、18を挿入する必要はなく、適当な間隔で挿入しておけばよい。また、コンベアチェンの間には適宜ベース19が敷かれており、各紙1〜3はこの上を滑って行く。
【0022】
製本工程を図4及び図5で説明するが、これにおいて、理解を容易にするために、各紙1〜3と接着糊4及び剥離糊8は実際よりも厚く誇張している。冊子の製本には、まず、最初に下位紙1をコンベアに載せるのであるが、このとき、右側のホロー17にのみピン18が挿入され、この状態で移送される(a)。次いで、中位紙2が載せられるのであるが、下位紙1と中位紙2とをずらせる関係で中位紙2は左側のホロー17にピン18が挿入される。
【0023】
このとき、剥離糊8と接着糊4が各々所定の個所に塗布されており、接着糊4が付いた個所では永久接着されることは上記したとおりである(b)。次に、中位紙2の左端を所定の位置でカット(▽)する(c)。これは中位紙2の上に載せられる上位紙3をピン18で移送するためであり、このときもそれぞれ剥離糊8と接着糊4が塗布されている(d)。次いで、上位紙3の左端のマージン16を除いた部分と下位紙1の右端のマージン16を除いた部分をカット(▽)するのであるが、このとき、上位紙3の上面の所定の右側部分に剥離糊8が塗布されている。なお、カットされた後はピン18が挿入できないから、ロール等で銜えて移送することになる。
【0024】
以上により、下位紙1、中位紙2、上位紙3が順番に所定ずつずらされて重なっているから(e)、これを永久接着した位置を中心に上方に折り返す。この折り返しも、上位紙3の折り目となる部分に先端が設定されたバー20等を擦らせておき、他方を適当なガイド(図示省略)等で逐次上方に持ち上げることで自動的に折り返せる(図2)。そして、折り返したもの全体をロール等で適当に加圧することで疑似接着が行われる(f)。
【0025】
さらに、移送方向にもA4の天地のサイズでカットすれば、メール用一枚冊子のサイズで分割される。最後にオフラインによる照合手段によって照合する。すなわち、宛名人15と宛名人15に対応する識別マーク15aが一致しているかどうか。当該宛名人15に対する各インデックス9〜14に記された識別マーク9a〜14aのそれぞれの組合せすべてが一致しているかどうかをチェックするのである。
【0026】
以上、本考案の剥離可能なメール用一枚冊子は、各紙葉がそれぞれにずらされてインデックスを構成している点、インデックスや表紙に識別マークが印刷されてこれを照合手段によって自動的に照合している点を特徴とするものである。そして、その形態は上記したものであるが、この他に、各紙1〜3のずらせる部分の幅を変えたものでもよいし、それに伴って各紙1〜3のサイズを違えたものであってもよい。また、各紙1〜3の厚みや材質は変えたものでもよいし、重ねる枚数も3枚を超えたものでもよい。
【0027】
また、本例の製本は中綴じによったものであるが、平綴じによったものでもよい。すなわち、図示は省略するが、各紙葉となる一枚一枚をそれぞれにずらせて重ね、ずらせた部分の反対側を永久接着するとともに、余部を疑似接着すればよい。これによると、永久接着した背側の体裁があまりよくないのと、各紙葉のサイズを変える必要はあるが、重ねる紙葉の枚数をいくらでも増やせる利点がある。
【0028】
1 下位紙
2 中位紙
3 上位紙
4 接着糊
5 表紙
6 裏表紙
7 本文
8 剥離糊
9 インデックス
10 インデックス
11 インデックス
12 インデックス
13 インデックス
14 インデックス
9a インデックスに付された識別マーク
10a インデックスに付された識別マーク
11a インデックスに付された識別マーク
12a インデックスに付された識別マーク
13a インデックスに付された識別マーク
14a インデックスに付された識別マーク
15 宛名
15a 宛名に付される識別マーク
16 マージン
17 マージナルホロー
18 マージナルピン
19 ベース
20 バー

(57)【要約】

【課題】郵送等ができる疑似接着された大形の一枚物冊子であり、冊子の中味が一瞥できるインデックスが形成され、しかも、各紙葉の幅が同じものでよく、印刷、製本が容易にできる一枚冊子を提供する。【解決手段】複数の紙葉を重ねて中央を接着糊で永久接着して谷折りに折り返した中綴じ冊子であり、この冊子が、上方の紙葉ほど小口側端部が背側にずらせてあるとともに、各紙葉が剥離糊で剥離可能に疑似接着されており、一番上の紙葉の表面に宛名人と当該宛名人に対応する識別マークが付されており、かつ、ずらせた部分が当該紙葉の掲載事項を表すインデックス9〜14を構成しており、しかも、各インデックスに各紙葉の掲載事項を表す識別マークが付されている。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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