(54)【考案の名称】フレキシブル太陽電池と屋根材又はサイディングの新規な接着構造

(73)【実用新案権者】コアテック株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、屋根材又はサイディングと一体化したフレキシブル太陽電池の構造に関するものであり、施工性と耐久性に優れた太陽電池と屋根材や壁面の接着構造に関する。

【従来の技術】

【0002】
検索項目として公開特許公報と公開実用新案公報の要約及び請求の範囲を選択して、屋根材一体化太陽電池モジュール又は太陽電池一体型屋根材を検索キーワードとして検索すると7件が検索できた。一方、屋根材一体型太陽電池モジュール又は太陽電池一体型屋根材を検索キーワードにすると、37件が検索できた。後者の場合には、施工方法や製造方法が含まれており、前者では、検索できていない屋根材一体型太陽電池モジュールが含まれていた。従って、37件の公開特許を調査した。
【0003】
公開特許37件の中には、1既設の屋根に、太陽電池モジュールを後つけする方法の特許、すなわち太陽電池モジュールの架台についての技術が含まれている(特許文献1)。つぎに、太陽電池モジュールを屋根に取付けるフレームに関する特許がある(特許文献2及び3)。凹凸のある屋根材の窪みに、太陽電池モジュールを設置してビス止めにより固定し、端子を凸部内の空間にまとめる技術も公開されている(特許文献4)。
【0004】
つぎに公開されている技術は、減圧空間の中に、屋根基材と太陽電池モジュールを、重ね合わせて設置するものである。ここで注目される技術として、屋根基材と太陽電池モジュールを液体接着剤によって接合する方法である。溶剤型、エマルジョン型等が提案され、とくにシリコン系接着剤が耐候性の点から好ましいとされている(特許文献5)。
【0005】
特許文献1から5までの背景技術は、比較的新しい技術であり、最近、家屋や工場の屋根の太陽光発電設備の施工に採用されている。本考案者は、特許検索の中で、太陽電池一体型屋根材の公開技術の中では、やや古い技術ではあるが、折板タイプの金属製屋根材に、両面テープにより太陽電池モジュールを固定する技術が公開されていることを認めた。その両面テープの材質についての記載は見当たらない(特許文献6及び7)。
【0006】
同様の検索を、太陽電池一体型サイディング及びサイディング一体化太陽電池で検索したがヒットしなかった。つぎに、移動車両、太陽電池、屋根をキーワードとして検索したが、これもヒットしなかった。さらに、公報全文を検索項目としてサイディング及び太陽電池をキーワードとして検索すると146件が、検索できた。発明の名称から関係のないものが多数含まれていたが、5件の関連技術があった。以下にそれを記載する。
【0007】
基材と太陽電池モジュールを接着層で積層する考え方が公開されていた。しかし、接着剤組成については明細書の中での説明はない(特許文献8)。つぎに、壁パネルに折り返し面を持たせた構造のものが公開されている。この特許では、接着層としてエチレンと酢酸ビニルの共重合体、シリコン樹脂等の固形のものが、公開されている(特許文献9)。
【0008】
また、耐防火性に優れた太陽電池モジュールやその屋根材の技術が公開されている。その中に、太陽電池モジュールが鋼板と一体化されている記載がある。発明の詳細な説明の中で、封止する樹脂としてエチレンと酢酸ビニルの共重合体が、記載されている(特許文献10)。
【0009】
つぎに、建築物の外壁に、太陽電池を配置する技術が公開されている。その場合の目的は、サイディングとの間に、通気空間を有するように、固定には金具、フック等を使用する技術である(特許文献11)。さらに、トイレの屋根にソーラーパネルを設置する構造が公開されている。微生物で分解する便槽の動力に使用するねらいであり、風力発電との複合についても公開されている(特許文献12)。

【効果】

【0018】
固形の接着剤によって接着した場合と比較して、シート状のアクリルフォームのアクリル系粘着剤による接着は、屋根材及びサイディングとしての使用において、線膨張率の異なる異種の被着体の伸縮に対して変形しながらの追従性があり、テープの剥離応力を受ける面積が広がり破壊までの仕事量が多く、安定した接着性を発揮する効果がある。
【0019】
この高性能のユニットについて、長さが2分の1及び4分の1のユニットを揃えると、その組合せで、屋根面積の全体に施工でき、また、1ストリング当りの電流と電圧を揃えてパワーコンディショナーに接続できるため、より大きい発電量が得られる効果がある。
【0020】
さらに、工場で太陽電池一体型のユニットを組立てて出荷することにより現地での作業が大幅に省略される効果があった。太陽電池一体型の屋根材或いはサイディングを連結させて組立ながら接続コードを収納しつつ屋根面や壁面が形成できることは、工期の短縮につながった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】フレキシブル太陽電池と基材の接着断面模式図
【図2】線膨張率の異なるフレキシブル太陽電池と基材の変形模式図 粘着剤層は省略した。
【図3】剥離時のフォームと粘着剤の変形模式図 粘着剤層は省略した。

【0022】
スチールよりなる屋根基材に対して、厚み0.3から1.5mmアクリルフォームシートの両面に、ブチルアクリレートを主体とする粘着剤を、1〜50g/m塗布したテープを使用して、フレキシブル太陽電池を接着する。接着後に50N/cmの圧力をかけて密着させる。その際、屋根基材と太陽電池の接着面に、水滴や汚れのないことを確認し、ほこりが付着している場合には、スパンボンドのような長繊維不織布で、一方向に拭く。
【0023】
太陽電池一体型屋根材ユニット製造の品質管理として、100ユニットに1回の割合で90度引き剥がし接着力が、15N/10mm以上であることを確認して管理する。合格しなかった場合、目視検査で見えない汚れや湿気の付着があると想定されるので、トルエンやエタノールで拭く。
【0024】
このような品質管理で、家屋の設計図に従い、長尺の太陽電池一体型屋根材ユニットとその2分の1、4分の1の長さの太陽電池一体型屋根材ユニットの所定量を製造して出荷する。いずれも図1に示すように、1のフレキシブル太陽電池と3で示すアクリルフォームシートの両面に2で示すアクリル系の粘着剤がコーティングされたもので、4の基材が接着されて、ユニット化されている。
【0025】
厚み1.2mmのアクリルフォームシートに、ナイフコーティング法によりブチルアクリレートに、10%のアクリル酸を重合した溶液を、ナイフコーティング法により塗布して、30g/mの粘着剤層を両面に形成させた。この両面テープを所定サイズに切り、幅46cmで長さ340cmの屋根基材に対して、幅43cmで長さ310cmのフレキシブル太陽電池を貼り付けた。太陽電池一体型屋根材ユニットの断面は、図1に模式図で示した。抜取り検査による品質管理の中で、90度引き剥がし接着力を測定したところ15.6N/10mmあり、JIS品質規格で1種1号に合格した。
【0026】
アクリルフォームシートにアクリル系の粘着剤をコーティングした両面テープによる接着は、図2のように線膨張係数の違いによって、熱膨張のために太陽電池シート1と基材5にずれが発生しても、図2の6のように、せん断変形によってアクリルフォームが追従して破壊しない。また、図3のように、剥離力が加わってもアクリル系接着剤とアクリルフォームの変形により広い面積で、応力を吸収することができ、万一の時にも安定的に品質を維持できることを認めた。
【産業上の利用可能性】
【0027】
石油資源が有限であることから自然エネルギーの活用の時代に入った。風力発電、水力発電、海の波浪発電等のみならず太陽の光と熱の活用も益々重要になってきた。住宅や工場にも太陽光発電の設置が進んでいる。太陽電池一体型屋根材は、新築住宅や新規建設工場には、広く普及する製品と考えている。ユニットの品質管理を徹底すると共に、暴風雨の時にも十分対応した水仕舞い処理を徹底させた構造の太陽電池一体型屋根材を供給することが、今後の普及に大切な要件であると考えている。
【0028】
1太陽電池(表面にエチレン・テトラフロオロエチレン膜)の模式図
2アクリル粘着剤の模式図
3アクリルフォームの模式図
4屋根基材の模式図
5太い矢印方向に変形した屋根基材の模式図
6変形に追従したアクリルフォームの模式図
7剥離力のかかった太陽電池の模式図
8ボイドを形成しながら変形に追従したアクリルフォームの模式図

(57)【要約】

【課題】屋根材又はサイディングと一体化したフレキシブル太陽電池の構造に関し、施工性と耐久性に優れた太陽電池と屋根材や壁面の接着構造を提供する。【解決手段】耐候性、耐熱性、接着性に優れたアクリルフォームを使用して、JIS1種1号に合格した高品質のユニットを提供し、太陽電池一体型の屋根材とした。しかも幅が一定で長さの異なる3種類の太陽電池一体型の屋根材を用意すれば、屋根面積を広く活用して、最大の発電量を得るように施工できる。さらに、水仕舞処理の確実なユニットの組立方式の屋根として、品質と施工性を同時に解決した。壁面についても施工後のデザインを考慮して、太陽電池一体型のサイディングを施工する。


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