(54)【考案の名称】クリアラベル

(73)【実用新案権者】株式会社ラクテル

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、レーザにより加工され、偽造又は剥がすと破断され再利用できないラベルに関するものである。特に、本考案は、被貼着物又は被貼着物上の表示が透視可能で、容器又は包装体からなる被貼着物の開口部を封緘するのに適したクリアラベルに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
近年、急速に増加の一途をたどっている商品や産地の偽装行為には、次の三つの態様が考えられる。
(1)ラベル自体を偽造し、偽の商品に貼着する。
(2)真のラベルを剥がして再利用し、偽の商品に貼る。
(3)壜や包装体をラベルとともに再利用し、その壜や包装体の中身のみを偽の商品に入れかえる。
【0003】
これらに対処するために、ラベルに機械的スリットを入れ、ラベルを剥がそうとするとスリット部分から破断されてラベルの再利用を防止する技術が、例えば特許文献1により知られている。特許文献1には、またスリットがミシン目のような破線に加えて、十字型であることも記載されている。特許文献2及び3は、この機械的に切り抜かれたスリットに代え、レーザにより切り抜かれた弱化ライン又はスリットを有する再利用防止ラベルを開示している。とりわけ、特許文献3には、レーザ加工スリットを設けた封緘用のストラップも記載されている。
【0004】

【効果】

【0009】
本考案のクリアラベルによれば、以下の効果及び利点がある。
(1)基材シートが一定の透明度を有し、かつレーザ加工された脆弱部あるいは描像が該基材シートの周縁に配置され、残された透明な空白部を通して、被貼着物の材質、色彩又は被貼着物上の表示等をそのまま読み取ることができる。
(2)基材に配置されたレーザ加工された脆弱部のノッチと破線ラインの組み合わせにより、貼着後ラベルを剥がそうとすると脆弱部に物理的変位が起こり、ラベルの再利用を確実に阻止することができる。また、これを封緘に用いれば、壜や包装体を開封して、中身を入れ替えるような再利用も阻止できる。
(3)レーザによるノッチの断面Z軸方向の特殊形状加工、あるいは文字列を含む描像のインライン、アウトライン加工、島部体描像の架橋部の高度な脆弱加工により、ラベルの真贋判定が容易で、偽造を確実に防止できる。
(4)脆弱表示ホイル又はデカール付きクリアラベルにより、偽造、再利用防止を一層確実に阻止するとともに、被貼着物に特段の表示がなくても、簡便に所望の表示を付加、読み取りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本考案のクリアラベルを模式的に示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)のY方向の側面図である。
【図2】図2は、本考案のストリップタイプのクリアラベルを模式的に示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)のY方向の側面図である。
【図3】図3は、脆弱な表示ホイル又はデカールを有するクリアラベルを模式的に示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)のY方向の側面図である。
【図4】図4は、本考案の脆弱部のひとつであるノッチの構造を一部切り欠いて示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)のZ軸方向の側面図である。
【図5】図5は、本考案の脆弱部のひとつである十字型の破線を模式的に示す平面図である。
【図6】図6は、本考案の描像のひとつである脆弱部を有する文字列を模式的に示す平面図で、(A)は脆弱スリットを有する文字列、(B)は脆弱架橋部を有する文字列である。
【図7】図7は、本考案の描像の脆弱加工を模式的に示すもので、(A)はインライン加工、(B)はアウトライン加工である。

【0011】
以下、図面に従って、本考案のクリアラベルの好適な実施の形態について詳述する。図1は、実質的に円形のクリアラベルの一例を模式的に示す。同図において、クリアラベルは、透明な基材シート1と、基材シート1の下面に設けられた接着剤2と、接着剤2の下面に貼着された台紙3から構成されている。以下本発明において、「透明」とは、無色又は有色であってもよく、クリアラベルを透して、所望の表示を読み取りできる程度の透明度を有することを意味する。実用上は、透明度50%以上、好適には70%以上である。基材シート1には、その周縁に少なくともひとつのノッチ1aがレーザにより切り抜かれている。ノッチ1aの数は、特に制限はないが、相対向する位置に一組み以上設けるのが実用的で、45度対角線上に8個設けるのが、どこから剥離しようとしても破断される易くさらに望ましい。またノッチ1aの内側には、レーザにより切り抜かれた環状破線1bを設ける。この環状破線1aは、図1に示すように、全円ではなくても、少なくともノッチ1aの対向面に一定の周長だけ設けてもよい。必要に応じて、コード、文字、記号、模様、図、画像、又はそれらの組み合わせからなる視認可能な描像1cを設けることもできる。描像1cは、インク印刷でもよいしレーザ加工でもよいが、レーザ加工が望ましい。好適には、ノッチ1aと破線1bの中間に配置する。本考案のクリアラベルの特徴は、ノッチ1a、破線1b、あるいは描像1cの配置である。基本的には、これらを中央に透明な空白部1zを残すように、周縁に配置する。この円形ラベルを、例えばブランド飲料壜の王冠に貼着すると、王冠に表示されている元のデザインは、この空白部1zを透して読み取ることができる。加えて、クリアラベルを剥がして再利用しようとすると、ノッチ1a、破線1bからクリアラベルが破断される。むろん、クリアラベルのない王冠は偽装王冠とされる。
【0012】
図2は、短冊状のクリアラベルからなるストリップを例示している。同図においては、長手方向の両側辺に少なくとも1個のノッチ1aを設けるとともに、そのノッチ1aの内側に破線1bを設ける。描像1cは、例えば中央部を避けて、短手方向の両側辺に沿って配置するのが望ましい。図1の円形クリアラベル同様に、ストリップのノッチ1a、破線1b、あるいは描像1cは、中央部に透明な空白部1zを残して配置する。このストリップは、例えばブランド壜の王冠嵌合部に巻いたり、包装体の開口部をシールしたりして封緘するのに適している。
【0013】
図1及び図2では、円形ラベルと短冊状ラベルを例示したが、基材シート1の平面形状は、透視したい表示の形に合わせ、多角形でも楕円形でも任意に選択できる。また、本考案に用いる基材シート1には、被貼着物の性状、色彩、表示等を透視可能な程度に透明な素材からなる合成樹脂シートを用いる。透明度は、使用目的に応じて異なるので特定は難しいが、一般的には50%(半透明)から100%(透明)、好ましくは70%〜100%の範囲内である。厚さは16〜200μm程度である。色は、無色が望ましいが、透視性を損なわない範囲において着色されていてもよい。素材に用いる合成樹脂シートとしては、薄いフィルム状の柔軟可撓性素材が望ましい。実際には、加工性、耐薬品性、耐久性、取扱性、汎用性等ラベルの使用目的により異なるが、塩素含有素材を除くほとんどの素材に対し、レーザ加工可能である。例えば、ユポ(株式会社ユポ・コーポレーションの商標名)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、テフロン、ポリエーテルイミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン、ポリイミド、ポリアミド等のシートを挙げることができる。
【0014】
接着剤層に用いる接着剤には、透視性を妨げない範囲であれば特に制限はなく、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤を好適に使用できる。
【0015】
台紙3は剥離紙である。剥離紙は、一般的には剥離紙基材シートと、接着剤2に接触する剥離層と、剥離剤が剥離紙基材シートに浸透するのを防止する目止め層(図示せず)からなる。剥離紙基材シートには、用途により半晒紙、上質紙、グラシン紙などを用いる。目止め層にはポリエチレン系が多く用いられ、厚みは数〜数十μmである。浸透性の低いグラシン紙などの基材シートについては、目止め層がなくてもよい。また浸透性の高い剥離紙基材シートでは、目止め層をクレーコートやポリビニルアルコールなどで被覆する。剥離層には離形剤として知られるシリコン樹脂の使用が一般的である。
【0016】
図3は、本考案の異なった態様である脆弱表示ホイル付きクリアラベルを例示する。図3において、この表示ホイル4は、所望の表示4a、例えば図3(a)に示すようなQRコードや会社情報などが印刷されており、図3(b)に示すように、基材シート1の接着剤2と台紙3の間の全面又は部分的に介装されている。5は糊剤である。すなわち、基材シート1と表示ホイル4は接着剤2により接着され、表示ホイル4と台紙3は糊剤5により接着されている。表示ホイル4には、好適にはデカール(転写フィルム)を用いこともできる。使用に際しては、クリアラベルを糊剤5の部分で台紙3から剥がし、被貼着物の表面に貼るだけで、被貼着物に表示がなくても被貼着物に所望の情報を与え、基材シートの透明空白部1zを介して読み取ることができる。この表示ホイル4には、基材シート1を剥がそうとすると破壊され易い脆弱な素材、例えばインスタントレタリング、ウォータースライドデカール等を用いる。したがって、一旦貼着後クリアラベルを剥がそうとすると、表示シート4の一部が表示とともに被貼着物に残り、再利用は困難である。特にデカールの場合は、デカールに印刷された表示が被貼着物表面に転写されて残り、基材シート1側から喪失するので、仮に表示ホイルが破壊を免れても、クリアラベルの再使用は不可能である。加えて、被貼着物表面に残った表示により、被貼着物の真贋も容易に判定できる。糊剤5には、台紙3から剥がし易いように、基材シート1の接着剤2よりも弱い接着力の水溶性糊材たとえば澱粉糊、ラテックス等を好適に用いることができる。
【0017】
本考案のノッチ1aの構造は、図1(B)に示すように、Z軸方向において垂直線でもよいが、例えば図4の1aaに示すような平面Vカットでも、Z軸方向においては凸状に隆起したり、逆に凹状に窪んだり、ぎざぎざの段階状に加工された変形部分1abとすることもできる。これらの独特のレーザによる微細加工処理は、本考案のクリアラベルの真贋識別性の機能をも果たす。
【0018】
本考案の破線1bは、基材シート1から切り落とされることがないような不連続のドットや鎖線であればよいが、好適には図5の2aに示すような十字型、あるいはT型がよい。破線は、ノッチ1aの近傍にあれば、十字型又はT型の場合ならノッチ1aからの破断の伝播は容易であるが、単なる破線でも、図2に示すように、ノッチ1aと破線1bを交差配置しておけば、破断は速やかに伝播し、クリアラベル全体が破壊される。
【0019】
本考案において、描像1cに破断を容易にする脆弱部を設ける場合は、図6(A)に示すように、例えば印刷文字列などの一部にレーザによるスリット1caを設ければよい。しかし、描像1c自体をレーザ加工するのが、破断による再利用防止のみならず、クリアラベルの偽造防止、真贋判定の点から望ましい。例えば、描像1cをレーザ加工する場合には、図7に示すように描像1cを構成する線分袋地のインライン1cdを切り抜くこともできるし、アウトライン1ceを切り抜くこともできる。しかし、いずれの場合も、例えば図6(B)に示すような島部1cbを有する文字あるいは図形では、レーザにより島部全体を切り抜くと、文字又は図形が崩落する。崩落防止には、島部1cbと基材シート1をつなぐ架橋部1ccが不可欠である。本考案では、描像1cのインラインカット又はアウトラインカットの切り抜き幅を400μm以下、好適には20〜200μmに微細加工することもできるが、視認性の面から例えば文字フォントを6ポイント以上に大きくしても、このアンカット架橋部の幅を400μm以下にして破断し易くすることもできる。
【0020】
このようなレーザによる微細加工は、通常の炭酸ガスレーザを用いても可能である。この場合、照射条件、例えば出力パワー、画素濃度、集光サイズ、焦点距離、焦点深度などを適宜選択して行う。注意すべきは、レーザ加工は一種の熱処理である。熱に弱い薄い合成樹脂フィルムにレーザビームを当てると膨出、損傷等の熱劣化は避けられない。このため、これまでは薄い合成樹脂フィルムのレーザによる微細加工はできない、とされてきた。本考案では、前記の微細加工条件に加え、不活性ガスを任意の風圧で付与しながら、レーザ照射する出願人の固有技術(PCT/JP2010/052613)により、かかる熱障害を防止している。
【0021】
本考案のクリアラベルは、以下のように使用するのが好適である。例えば、円形クリアラベルの場合、透視したい部分を破線1bに囲まれた部分に当てる。対象描像がQRコードであっても、本考案のクリアラベルを介して読み取り可能である。またブランド壜の王冠に当てがい、破線1b近傍で垂直に折り曲げてスカートを形成し、王冠の嵌合部まで貼着すると、王冠を開ければクリアラベルがノッチ1a、破線1bから破壊され、再利用を阻止できる。また、短冊形のストリップの場合も、壜の栓の上から中央にして、両側を壜本体に折り曲げて封緘したり、王冠の嵌合部に巻き付けたり、あるいはパッケージのごとき包装体の開口部をシールしたりして、開封後の偽商品の詰め替えを偽装できる。さらに本考案では、ノッチ、破線、好適には描像を基材シートの周縁に配置して、基材シートの中央クリア部から、元の被貼着物の意匠、ラベル表示、コードを透視できる。これにより、偽装防止工作が気付かれにくい利点もある。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本考案のクリアラベルは、被貼着物に表示があり、ラベルから表示を透視したいような容器、包装体のラベルとして、ラベルの偽造あるいは再利用を防止するのに産業上広く利用できる。とりわけ、本考案のクリアラベルは、著名ブランド品の壜容器王冠、あるいは商品包装体の開口部などを封緘するラベルやシールとして、好適に利用できる。
【0023】
1:基材シート
1a:ノッチ
1aa:ノッチの平面構造
1ab:ノッチのZ軸側面構造
1b:破線
1c:文字列
1ca:文字列の脆弱スリット
1cb:文字列の島部
1cc:文字列の架橋部
1cd:文字列のインラインカット
1ce:文字列のアウトラインカット
1z:透明空白部
2:接着剤
2a:十字型の破線
3:台紙
4:脆弱表示ホイル又はデカール
4a:表示
5:糊剤

(57)【要約】

【課題】偽造及び再使用の防止が可能で、被貼着物上の表示等を透視できるクリアラベルを提供する。【解決手段】クリアラベルの透明な基材シート1には、その周縁においてレーザにより切り抜かれた少なくともひとつのノッチ1a、及びノッチの内側の一部においてレーザにより切り抜かれた少なくとも一本の破線1bからなる脆弱部が、その内側に透明な空白部1zを残して配置されている。ラベルの剥離再利用や偽造は、レーザによるこのノッチ及び破線の構造により確実に防止できる。また基材シートに特段の表示がなくても、基材シートに表示ホイルを貼着しておくことで、クリアラベルの空白部を透して、被貼着物上の表示や表示ホイル又はデカールの表示が読み取り可能となる。本クリアラベルは、特に壜の封緘用のラベルや、包装体の封緘用ストリップとして好適である。


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