(54)【考案の名称】木造耐震シェルター、および木造耐震シェルターを内部に設置した建物

(73)【実用新案権者】株式会社さつき

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、木造耐震シェルター、および木造耐震シェルターを内部に設置した建物に関する。詳しくは、屋外や屋内で使用される高強度の木造耐震シェルター、およびこの木造耐震シェルターを内部に設置した建物に関する。

【従来の技術】

【0002】
近年、木材の持つ暖かみや調湿機能等が注目され、木造建築が見直されている。最近では、住宅としての用途の他、趣味やレジャーの為の部屋といった用途にも木造建築は使用されている。このような木造建築に用いられる木材には、軽い割に高強度であるという特徴があるものの、木造建築自体を更に強度アップして欲しいという要求は根強いものがある。
【0003】
一方、世界有数の地震国である我が国日本では、いつ何処で震災に見舞われてもおかしくない。広い範囲に大きな被害を及ぼした阪神大震災では、死者の80%相当、約5,000人が、建物の倒壊により下敷きになって死亡したとの報告がある。逃げ遅れた年配の方の被害が大きかったことは想像に難くない。
【0004】
このような課題を解決するため、筋交いや金属部材を多用した軸組構造などにより建物全体を補強することが行われていた。
【0005】
例えば特許文献1には、「上下に離れた水平な上、下梁と、これら上、下梁に直交した状態で連結された上下方向に延びる複数本の柱と、を備えた家屋骨組みにおいて、上、下梁の中間位置にこれら上、下梁に平行に延び両端が隣接する2本の柱にそれぞれ連結された受け梁を設け、かつ、下端が受け梁の一端部に上端が受け梁の他端部の直上に位置する上梁に連結された傾斜している上筋交いを設けるとともに、上端が受け梁の一端部に下端が受け梁の他端部の直下に位置する下梁に連結された傾斜している下筋交いを設け、これにより、家屋骨組みを補強するようにしたことを特徴とする家屋骨組みの補強構造。」が記載されており、これによって「家屋の骨組みを構成する筋交いの補強効果を確実に発揮させることができる。」とある。
【0006】

【効果】

【0023】
本考案により、比較的簡単な構造で強度の高い木造耐震シェルターを提供することができる。また、この高強度の木造耐震シェルターを内部に備えることで地震の被害から人を守ることができる建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第一実施形態の木造耐震シェルターの斜視図である。
【図2】立方体骨格の斜視図である。
【図3】第一実施形態の木造耐震シェルターの正面図である。
【図4】第一実施形態の木造耐震シェルターを内部に設置した建物を示す図である。
【図5】第二実施形態の木造耐震シェルターの一部分解斜視図である。
【図6】第三実施形態の木造耐震シェルターの一部分解斜視図である。

【0025】
以下、図を用いて本考案の木造耐震シェルター、および木造耐震シェルターを内部に設置した建物を例示説明する。
【0026】
本考案の木造耐震シェルターの基本構成は、立方体骨格2、天井部3、床部4、四面の壁面部(5F,5B,5R,5L)を備えており、前記天井部3、前記床部4、及び少なくとも一面の前記壁面部は、複数枚の長尺な木製厚板を短手方向に隙間無く並べた状態で各枠に取り付けたものである。
【0027】
まず、図1〜図4を用いて、第一実施形態の木造耐震シェルターなどを説明する。なお、以下の実施形態はあくまで本考案を例示説明するものであって、本考案は、以下の具体的な実施形態に限定されるものではない。なお、図1等において、床部および右側壁面部は一部しか確認できず、また背面側壁面部は全体が隠れているが、床部は天井部と同様、右側壁面部および背面側壁面部は左側壁面部と同様の構成となっている。
【0028】
[第一実施形態の木造耐震シェルター]
本実施形態の木造耐震シェルター1は、上記基本構成をベースに、(構成1)天井部3、床部4、および四面の壁面部のうち三面の壁面部(右側壁面部5R、左側壁面部5L、および背面側壁面部(5B図示されず))が、複数枚の長尺な木製厚板31,41,51を短手方向に隙間無く並べた状態で立方体骨格2の各枠に取り付けた構成であり、また、(構成2)下面側に載置面G方向を向いたキャスターを備えている。以下、各構成要素について説明する。
【0029】
1.立方体骨格
立方体骨格2は木造耐震シェルター1のベースとなり、複数本の木製柱21を組み上げて構成されている。具体的には、図2に示す様に、上下辺が各四本、側辺が四本の、合計十二本の木製柱21を用い、種々の連結手段を用いて立方体に組み上げたものである。立方体骨格2には、いわゆる中柱などを用いることなく、後述するような天井部3、床部4、及び壁面部(5R,5B,5L)の構成により、強度向上を図っている。本実施形態では、木製柱21として木製角柱を用いてある。
【0030】
2.天井部、床部、及び四面の壁面部
上記立方体骨格2の天井枠には天井部3が、同じく立方体骨格2の床枠には床部4が、同じく立方体骨格2の四箇所の壁面枠(正面側壁面枠、背面側壁面枠、右側壁面枠、左側壁面枠)にはそれぞれ四面の壁面部(正面側壁面部5F、背面側壁面部5B、右側壁面部5R、左側壁面部5L)が、それぞれ形成されている。
【0031】
そのうち、天井部3、床部4、背面側壁面部5B、右側壁面部5R、および左側壁面部5Lは、複数枚(本実施形態では各5枚)の略同一形状の長尺な木製厚板(31,41,51)を短手方向に隙間無く並べた状態で、天井枠、床枠、背面側壁面枠、右側壁面枠、および左側壁面枠にそれぞれ取り付けられている。また、長尺な木製厚板(31,41,51)は、各枠(天井枠、床枠、背面側壁面枠、右側壁面枠、および左側壁面枠)の対向辺に架設されるように取り付けられている。ここで、正面側壁面部5Fには、出入り口が設けられているため、これら(天井部3、床部4、背面側壁面部5B、右側壁面部5R、および左側壁面部5L)の構造とは異なっており、「複数枚の長尺な木製厚板を短手方向に隙間無く並べた状態で各枠に取り付けたもの」にはなっていない。なお、背面側壁面部5B、右側壁面部5R、又は左側壁面部5Lに窓枠を形成してもよいが、窓枠が形成された壁面部については、「複数枚の長尺な木製厚板を短手方向に隙間無く並べた状態で各枠に取り付けたもの」にはならない。
【0032】
長尺な木製厚板(31,41,51)の取り付け方法としては、各枠に強固に取り付けられるのであれば特に制限されない。例えば、各枠の内側に相当する木製柱21の部分に、長尺な木製厚板(31,41,51)の縁部を嵌め込むための嵌合溝をそれぞれ設けて、立方体骨格2の組み付けと並行して、長尺な木製厚板(31,41,51)を嵌合溝に嵌め込めばよい。
【0033】
また、長尺な木製厚板(31,41,51)の厚みは3cm以上であることが強度の面から好ましく、5cm以上であることがより好ましい。厚みの上限については特に制限されないが、材料コストや重量を考慮すると、通常は30cm以下である。また、長尺な木製厚板(31,41,51)は無垢材を用いることが強度の面から好ましい。
【0034】
3.キャスター
免震装置としてのキャスター8は、図3及び図4に示す様に、載置面Gの方向を向いた状態になるように木造耐震シェルター1の下面側(床下)に取り付けられている。本実施形態では、木造耐震シェルター1の下面側の四隅にキャスター8をそれぞれ取り付けてある。(図3及び図4では、四隅に取り付けられたキャスター8のうち、手前側の二個のみ確認できる。)
【0035】
上記木造耐震シェルター1を内部に設置した建物Hについて、図4に例示する。本例では、木造耐震シェルター1が入る程度の大きさより若干大きめに建物の床Fをくり抜き、そこから現れる地面にコンクリートを打設(土間打ち)して載置面Gとし、その上にキャスター8付きの木造耐震シェルター1を載置してある。そして、木造耐震シェルター1の上面と建物Hの天井面との距離Lが概ね1m以下になるように、木造耐震シェルター1の高さなどを設計してある。
【0036】
また、この木造耐震シェルター1は、庭などの屋外に設置することもできる。この場合には、通常時は、趣味やレジャーの為の部屋といった用途に用いることができる。
【0037】
[第二実施形態の木造耐震シェルター]
次に、図5を用いて第二実施形態の木造耐震シェルター1を例示説明する。先述した第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、原則としてその説明を省略する。
【0038】
本第二実施形態の木造耐震シェルター1は、先述した第一実施形態の各構成要素に加えて、天井補強枠6と天井補強部7を備えている。以下、各構成要素について説明する。
【0039】
1.天井補強枠
天井補強枠6は、立方体骨格2の天井枠の上側に重ねて取り付けられる。具体的には、天井補強枠6は四本の木製補強柱61を矩形状に組み上げて構成されており、立方体骨格2の矩形状上辺を構成する四本の木製柱21の上(立方体骨格2の上)に重ねて取り付けられる。このとき、天井補強枠6が外れにくいように立方体骨格2の上に取り付けることが好ましい。天井補強枠6を立方体骨格2の上に固着してもよい。また、天井補強枠6の形状および大きさは、立方体骨格2の矩形状上辺の形状および大きさと概ね等しいことが好ましい。
【0040】
2.天井補強部
天井補強部7は、前記天井補強枠6に取り付けられた複数枚の長尺な木製補強厚板71によって構成されている。具体的には、複数枚(本実施形態では十枚)の長尺な木製補強厚板71を短手方向に並べた状態で天井補強枠6に取り付けてある。また、長尺な木製補強厚板71の短手方向の長さは、天井部3を構成する長尺な木製厚板31の短手方向の長さよりも短くなっている。さらに、長尺な木製補強厚板71は、天井部3を構成する長尺な木製厚板31の方向と直交するように並べてある。これによって、天井部3の強度をより一層補強することができ、より一層壊れにくい木造耐震シェルター1となる。天井補強部7を構成する長尺な木製補強厚板71は、天井部3を構成する長尺な木製厚板31と接触又は近接することになるが、耐衝撃性の面からは両者を接着等で固着しないことが好ましい。
【0041】
上記第二実施形態の木造耐震シェルター1は、第一実施形態のものと同様、建物Hの内部に設置することができる。また、庭などの屋外に設置することもできる。
【0042】
[第三実施形態の木造耐震シェルター]
次に、図6を用いて第三実施形態の木造耐震シェルター1を例示説明する。先述した第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、原則としてその説明を省略する。
【0043】
本第三実施形態の木造耐震シェルター1は、先述した第一実施形態の各構成要素に加えて、着脱自在の屋根部9を備えている。
【0044】
本第三実施形態では、木造耐震シェルター1本体と屋根部9を着脱自在に連結するための連結部91を本体側に設け、この連結部91に屋根部9の下縁を係合させてある。また、切妻型の屋根部9としてある。通常、庭などの屋外に設置する場合には屋根部9を取り付けることとなる。なお、第一実施形態のものと同様、木造耐震シェルター1を建物Hの内部に設置してよいが、この場合には、屋根部9を取り外すことが好ましい。
【0045】
以上、特定の実施形態を参照して本考案を説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された実用新案登録請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0046】
例えば、木造耐震シェルターの内部には、ポータブルトイレ、緊急避難セット、鋸、バールなどの備品が設置されたものとしてもよい。シェルターであるものの、通常時から内部で生活してもよい。ベッドを持ち込んで、睡眠場所として利用することもできる。
【0047】
また、第一実施形態の説明において、キャスター付きの木造耐震シェルターを建物内部に設置したが、これに限定されず、キャスター無しのものを設置してもよい。しかし、免震性を考慮するとキャスター付きの木造耐震シェルターを建物内部に設置することが好ましい。
【0048】
また、木造耐震シェルターの材料としては強度のある木材であれば特に限定されないが、間伐材を使用することで安価に提供できるとともに、地球環境に優しい木造耐震シェルターとなる。
【0049】
また、第一実施形態の木造耐震シェルターにおいて、長尺な木製補強厚板を、長尺な木製厚板(天井部を構成する)の方向と直行するように並べたが、これに限定されない。長尺な木製補強厚板を、長尺な木製厚板(天井部を構成する)の方向と並行になるように並べてもよい。
【0050】
1 木造耐震シェルター

2 立方体骨格
21 木製柱

3 天井部
31 長尺な木製厚板

4 床部
41 長尺な木製厚板

5 (壁面部)
5F 正面側壁面部
5B 背面側壁面部
5R 右側壁面部
5L 左側壁面部
51 長尺な木製厚板

6 天井補強枠
61 木製補強柱
7 天井補強部
71 長尺な木製補強厚板

8 キャスター

9 屋根部
91 連結部

H 建物
F 建物の床
G 載置面

(57)【要約】

【課題】比較的簡単な構造で強度の高い木造耐震シェルターを提供する。また、この高強度の木造耐震シェルターを内部に備えることで地震の被害から人を守ることができる建物を提供する。【解決手段】複数本の木製柱21で構成した立方体骨格2と、この立方体骨格2の天井枠に取り付けた天井部3と、立方体骨格2の床枠に取り付けた床部4と、立方体骨格2の四箇所の壁面枠にそれぞれ取り付けた四面の壁面部5F,5R,5Lとを備え、天井部3、床部4、及び少なくとも一面の前記壁面部は、複数枚の長尺な木製厚板31,41,51を短手方向に隙間無く並べた状態で各枠に取り付けたものである木造耐震シェルター1とした。


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