(54)【考案の名称】冊子用台紙

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、複数枚の紙葉を、金具や合成樹脂系接着剤を用いずに、台紙の上辺付近に形成した紙製綴じ片により綴じることができ、廃棄時に公害問題の発生を抑制できるようにした冊子用の台紙に関する。

【従来の技術】

【0002】
複数枚の紙葉を綴じてなる冊子には、カレンダーやノート等をはじめとして様々な種類のものがあり、また、紙葉を綴じるための構造についても、様々な種類のものがある。例えば、複数枚のカレンダー紙葉を綴じてなるカレンダーには、壁掛け式のものや、水平面上において自立させることができる卓上カレンダーなどが存在し、また、紙葉を綴じるための構造としては、台紙の上辺に、金属製、合成樹脂製、又は、紙製のリング(或いは綴じ具)を取り付け、複数枚の紙葉を、当該リング等によって綴じ込んだ構造のものが知られている。
【0003】
これらのうち、金属製リング、或いは、合成樹脂製リングを用いた冊子は、廃棄に際して焼却処理できないという問題や、焼却すると有害ガスが発生して環境衛生上好ましくないという問題がある。一方、紙製のリング或いは綴じ具を用いたものは、焼却処理を行っても有害ガスは発生せず、また、紙製品のリサイクルのために回収する場合にも、分別が不要であるため好適である。
【0004】

【効果】

【0010】
本考案に係る冊子用台紙は、綴じ片を係止スリット内へ差し込んで係止させた状態を安定的に維持することができ、側方への外力の作用等に起因する綴じ片の脱落を好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本考案に係る冊子用台紙1の展開図である。
【図2】図2は、図1に示した冊子用台紙1に形成されている切り込み11の拡大図である。
【図3】図3は、図1に示した冊子用台紙1に形成されている係止スリット12の拡大図である。
【図4】図4は、図1に示した冊子用台紙1を、所定の位置で折り曲げて組み立てた状態を示す図である。
【図5】図5は、図1に示した冊子用台紙1の組立方法の説明図であって、裏側部3、係止スリット12、及び、綴じ片23の拡大図である。
【図6】図6は、図1に示した冊子用台紙1の組立方法の説明図であって、裏側部3、係止スリット12、及び、綴じ片23の拡大図である。
【図7】図7は、従来の冊子用台紙における係止スリット62に対する綴じ片53の係合状態等を示す図である。

【0012】
以下、添付図面に沿って、本考案に係る冊子用台紙の実施形態(卓上カレンダー用台紙への適用例)について説明する。図1は、本考案に係る冊子用台紙1の展開図である。この台紙1は、厚さ0.7mmの厚紙を所定の形状に裁断し、型押しすることにより、所定の位置に折り線を形成してなるものであり、表側部2、裏側部3、第1の底面部4、第2の底面部5とによって構成されている。尚、図1において、6は中央折り線、7は第1の底部側折り線、8は第2の底部側折り線である。
【0013】
表側部2には、綴じ片を形成するための切り込み11が形成されており、裏側部3には、円弧状の係止スリット12が形成されている。また、第1の底面部4の中央には、中央折り線6及び第1の底部側折り線7と平行な方向に延在する底面スリット9が形成されている。一方、第2の底面部5には、底面スリット9に差し込むことができる大きさ及び形状の舌片10が形成されている。
【0014】
これらのうち、表側部2に形成されている切り込み11は、厚紙の厚さ方向へ貫通しており、図2に示すように、始端部13、終端部14、二本の直線状部15,16、及び、先端部17とによって構成されている。これらのうち、始端部13及び終端部14は、中央折り線6(図1参照)の近傍位置において形成され、直線状部15,16は、始端部13及び終端部14のそれぞれから、所定の間隔を置いて平行に延在している。先端部17は、円弧状に形成され、直線状部15,16の間隔寸法Cよりも大きな横幅寸法Dに設定されている。
【0015】
また、裏側部3に形成されている係止スリット12も、厚紙の厚さ方向へ貫通しており、図3に示すように、始端部18、終端部19、円弧状部20、及び、延長部21とによって構成されている。円弧状部20は、始端部18及び終端部19を基点として中央折り線6(図1参照)側に形成されており、延長部21は、円弧状部20の中間位置において、所定の幅寸法の範囲が、中央折り線6側へ矩形状に張り出したような形状となっている。尚、この延長部21の横幅寸法Eは、図2に示す直線状部15,16の間隔寸法Cよりも僅かに大きい値に設定されている。
【0016】
ここで、図1に示した冊子用台紙1を折り曲げて、卓上カレンダーを組み立てる方法について簡単に説明すると、まず、図1に示す中央折り線6、第1の底部側折り線7、及び、第2の底部側折り線8をいずれも山折りし、図4に示すように第1の底面部4の下側に第2の底面部5を重ね合わせる。このとき、図1に示す底面スリット9に舌片10を差し込み、これにより、第1の底面部4と第2の底面部5とが重なった状態を維持させ、冊子用台紙1が自立可能な状態とする。
【0017】
次に、表側部2に形成されている切り込み11の内側の部分を、綴じ片用折り線22(図2に示す始端部13と終端部14とを結ぶ線)を基端として外側(表側部2の前面側)へ突出させて綴じ片23を形成し、その先端側を、複数枚のカレンダー紙葉24の綴じ穴25内へ挿通させる。
【0018】
次に、中央折り線6の上方において綴じ片23をリング状に湾曲させ、図5に示すように、綴じ片23の円弧状先端部23aを、裏側部3の係止スリット12から台紙1の裏側へ差し込む。そして、円弧状先端部23aの全体が台紙1の裏側へ差し込まれたら、綴じ片23を、差し込み方向とは反対の方向へ僅かに引き戻す。ここで、綴じ片23の直線状中間部23b(綴じ片23の中間部分であって、図2に示す直線状部15,16の間の部分)の横幅寸法は、直線状部15,16の間隔寸法Cと等しい大きさであるところ、係止スリット12の延長部21の横幅寸法Eは、直線状部15,16の間隔寸法Cよりも大きいため、円弧状先端部23aの全体が台紙1の裏側へ差し込まれた状態から綴じ片23を僅かに引き戻すと、綴じ片23の直線状中間部23bは、延長部21の下側の溝内に嵌り込むことになり、この状態で、係止スリット12の内側の部分(フラップ26)によって上方から押さえつけられることになる。
【0019】
このため綴じ片23は、直線状中間部23bが延長部21の溝内に嵌り込んだ状態で安定的に保持されることになり、側方への移動が規制されて、脱落が好適に防止されることになる。
【0020】
尚、ここでは、本考案の実施形態として、冊子用台紙を卓上カレンダー用台紙に適用した例について説明したが、本考案の冊子用台紙は、卓上カレンダー用台紙に限定されるものではなく、他の冊子(例えば、ノートなど)に用いられる台紙に適用することもできる。また、本考案の冊子用台紙1の表側部2は、裏側部3と入れ替えることもできる。即ち、裏側部3に、綴じ片23を形成するための切り込み11を形成し、表側部2に係止スリット12を形成してもよい。
【0021】
1:冊子用台紙、
2:表側部、
3:裏側部、
4:第1の底面部、
5:第2の底面部、
6:中央折り線、
7:第1の底部側折り線、
8:第2の底部側折り線
9:底面スリット、
10:舌片、
11:切り込み、
12:係止スリット、
13:始端部、
14:終端部、
15,16:直線状部、
17:先端部、
18:始端部、
19:終端部、
20:円弧状部、
21:延長部、
22:綴じ片用折り線、
23:綴じ片、
23a:円弧状先端部、
23b:直線状中間部、
24:カレンダー紙葉、
25:綴じ穴、
26:フラップ、
53:綴じ片、
62:係止スリット、
68:始端部、
69a,69b:側方張出部分

(57)【要約】

【課題】係止スリットに対する綴じ片先端部の係合状態を、より確実に維持することができる冊子用台紙を提供する。【解決手段】この冊子用台紙1は、表側部2と、裏側部3との間に中央折り線6を形成してなるものであって、表側部2には、切り込み11が形成され、切り込み11の内側部分を前面側へ突出させることにより、直線状中間部と、それよりも横幅寸法が大きい円弧状先端部とからなる綴じ片が形成され、裏側部3には、円弧状部と延長部とを有する係止スリット12が形成され、延長部は、円弧状部の中間位置において、中央折り線6側へ張り出したような形状となっており、その横幅寸法が、直線状中間部よりも僅かに大きく設定されていることを特徴とする。


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