(54)【考案の名称】松前漬けセット

(73)【実用新案権者】株式会社丸昌

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、分包されたそれぞれの素材を収納して販売される松前漬けセットに係り、需要者が前記素材を用いて松前漬けを調理可能にする松前漬けセットに関する。

【従来の技術】

【0002】
従来から、昆布およびスルメ等を基材素材とし、これを漬け汁に漬け込んで調理された松前漬け(例えば、非特許文献1参照)が、広く一般に食用されている。この松前漬けは、北海道の松前藩の人々が保存食として利用していたものが、国内および外国に広められたものである。一方、今日の食文化の多様化によって、種々の松前漬けが開発され、例えば数の子松前漬け、白造り松前漬け、切干し松前漬け、山くらげ松前漬けなどが作られて、ご飯のおかずや酒の肴として一般家庭の食卓に上るようになった。
【0003】
前述のいずれの松前漬けも、スルメおよび昆布を基本素材として、これらを所定の手順で漬け汁に漬け込むように調理して、熟成することにより、独特の粘りと味覚が得られる食品として、工場で大量に製造される。そして、工場ではこの製造された大量の松前漬けを所定分量に分けてパック詰めされ、松前漬け商品として市販される。一般需要者はこの松前漬け商品を購入して、食卓に載せている。
【0004】
【非特許文献1】広辞苑(第4版1991年11月15日発行 発行所 株式会社岩波書店)第2417頁

【考案が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この松前漬けは、スルメおよび昆布を細切りし、さらに所定の味および濃度に調整された漬け汁を用意し、この漬け汁にそのスルメおよび昆布を漬け込むように調理しかつ熟成する作業には一定の手順と時間が要求され、かつ味の調整、確認などが難しく煩雑でもある課題がある。また、一般消費者には、例えば商品として販売されているような食味、食感が良好な松前漬けとすることも容易にできるものでもない。
【0006】
本考案はかかる従来の問題点に着目してなされたものであり、一般消費者が商品として販売されているような食味、食感が良好な松前漬けを、家庭で簡単に作ることができる松前漬けセットを提供することを目的とする。

【効果】

【0015】
本考案によれば、スルメ、昆布および漬け汁を容器内に投入した上で、攪拌および混合するという簡単な作業のみで、最適の食感および味覚の、例えば商品として市販されているような食味、食感の松前漬けを、家庭で簡単に作ることができる。また、この松前漬けは、スルメ、昆布および漬け汁を容器内に投入した上で、攪拌および混合するという簡単な作業のみで容易に得られる。
【0016】
以上、本考案について簡潔に説明した。更に、以下に説明される考案を実施するための最良の形態を、添付の図面を参照して更に明確化する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本考案の一実施の形態による松前漬けセットを示す斜視図である。
【図2】図1に示す松前漬けセットの容器の分解斜視図である。
【図3】図1に示す松前漬けセットの分解斜視図である。
【図4】図1に示す松前漬けセットを一部破断して示す正面図である。
【図5】本発明の松前漬けセットに使用する分包ケースの形態を例示(a)(b)する斜視図である。

【0018】
以下、本発明の一実施の形態にかかる松前漬けセットを、図1乃至図5を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す松前漬けセットの斜視図、図2は、図1に示す松前漬けセットの容器の分解斜視図、図3は、図1に示す松前漬けセットの分解斜視図である。
【0019】
この松前漬けセットは上方に開口する有底の透明の容器1と、この容器1の開口部1aに嵌合自在に装着される蓋部材2とから構成されている。本例では容器1として樽型容器で示している。容器1は樽型に制限されるものではないが、樽型容器とすることで意匠的に特徴が出るために購買意欲が向上するので好ましい。この樽型容器1は透明樹脂の成形品からなり、上部から下部にかけて内外径がテーパ状に縮小化されている。そして、この樽型容器1の外周面には上下部に太竹のたがを模したたが凸状部3が突設されている。さらに、この樽型容器1の上端部外周には、補強用のリング突条4が設けられている。
【0020】
蓋部材2は透明樹脂の成形品などからなり、周縁部には下方に向かって矩形溝を作る嵌合縁5が一体形成されている。この嵌合縁5は樽型容器1の上部開口縁に嵌合自在なサイズ、形状となっており、その一部には外側に水平に延びる舌片6が連設されている。この舌片6は、これを指で摘んで上方へ持ち上げることにより、蓋部材2を樽型容器1の開口縁から容易に分離可能にしている。
【0021】
樽型容器1には、これの内周面に沿って商品名や品質表示など商品に関する各種の情報を印刷したラベルシート7が当接されている。従って、このラベルシート7はその樽型容器1の内周に糊等で貼着されていない。この樽型容器1は、食品である松前漬けの素材をその中で混合、攪拌し、かつ熟成させる場合に、ラベルシート7は不要で、除去する必要があるからである。なお、このラベルシート7は商品の商品名や各種情報を表す文字や絵柄の印刷面が、樽型容器1の内周面に当接されて、その文字や絵柄7aを樽型容器1の外側から明瞭に看取可能になっている。
【0022】
蓋部材2の天部2aの表面または内面には、円板状のラベルシート8が当接されているが、前記と同様の理由により、糊等で貼り付けられていない。このラベルシート8にも商品に関する各種情報が文字や絵柄で表されており、これらの文字や絵柄の印刷面側が蓋部材2の天部2aの表面または内面に当接されている。このため、蓋部材2の外上方からは、これらの各種情報の文字や絵柄が看取可能になっている。
【0023】
また、松前漬けセットは、前述の樽型容器1および蓋部材2を用いて構成される。まず、樽型容器1の内周面に文字や絵柄が印刷されたラベルシート7を配置する。次に、樽型容器1の底部上面に漬け汁9を封入した、所定厚みで透明の分包袋10を設置する。この分包袋10は、樽型容器1の底部下面に印加される衝撃を緩和し、この底部の変形、破損を防止するように機能する。
【0024】
続いて、略直方形で透明の分包ケース11を樽型容器1内に収容する。この分包ケース11は前記分包袋10上に載置する。この分包ケース11内には、予め細切された所定量の昆布12が密封状態にて収納されている。この分包ケース11は容器部11aの開口部に蓋部11bを開閉自在に装着したものからなる。更に、この昆布12を収納した分包ケース11上に、スルメ13を封入した所定厚みで透明の分包袋14を載置する。
【0025】
続いて、天部2aにラベルシート8が前述のように当接または嵌合された蓋部材2を樽型容器1の開口部1aに図1に示すように嵌合する。この蓋部材2の樽型容器1に対する密閉は、樽型容器1の開口部1aの周縁部に蓋部材2の周縁部に形成された矩形断面形状の嵌合縁5に、図4に示すように嵌合することで行われる。この樽型容器1に対する蓋部材2の嵌合によってこの樽型容器1内は密閉状態に保たれ、前記分包状態の漬け汁9、昆布12およびスルメ13は外部からの衝撃等に対して2重に保護され、これらの品質劣化が回避される。
【0026】
このような分包状態の漬け汁9、昆布12およびスルメ13は、樽型容器1内では分包ケース11が二つの文包袋10、14間に介在されるため、樽型容器1の底部1aや蓋部材2の天部2aの外部から運送時等に印加される衝撃に対して、分包ケース11の変形や破損が防止される。また、漬け汁9を封入した分包袋10およびスルメ13を収納した分包袋14の形状は、一定ではなく任意かつ簡単に整えることができる。このため、これらの分包袋10、14を樽型容器1内の周壁内面に沿うようにそれぞれ立ち上げおよび立ち下げることによって、その分包ケース11の周側壁も保護することができる。
【0027】
また、この状態においては、前記ラベルシート7は分包袋10、14の各周辺部によって樽型容器1の周側壁に当接されるように押し付けられる。ラベルシート8はスルメ13を収納した分包袋14によって蓋部材2の天部2a下面に当接されるように押し付けられる。天部2aの表面にラベルシート8を設ける場合は、天部2aの嵌合縁5内に嵌入したり、取り外し可能な接着方法で設けられる。
【0028】
次にかかる構成の松前漬けセットを用いて松前漬けを作る手順を説明する。まず、分包状態の前記漬け汁9、細切りされた昆布12、スルメ13が収納された樽型容器1内から蓋部材2を取り外し、これらの分包袋10、14および分包ケース11を外へ取り出す。そして、分包ケース11内の昆布12と分包袋14内のスルメ13取り出し、これを空になった樽型容器1内に入れる。次に、この昆布12とスルメ13を入れた樽型容器1内に適量(例えば、200cc)に水を投入した後、分包袋10の角部分を鋏で切断し、内部の漬け汁9を容入する。さらに、漬け汁9がかけられた昆布12およびスルメ13を樽型容器1内で漬け汁9に絡めるように攪拌、混合し、この樽型容器1に蓋部材2を被せる。なお、昆布12およびスルメ13に対して、塩抜きしたくず数の子、日干ししたニシン、細切りした人参などを、必要に応じて混入させることもでき、これにより新たな風味を出すことができる。
【0029】
こうして蓋部材2により密閉された樽型容器1を随時振ることや蓋部材2を解放しかき交ぜることで、前記漬け汁9を昆布12やスルメ13に十分に馴染ませ、その後3時間程度で昆布12が糸を引くようになる。そこで、食用に最適な味の松前漬けが完成し、これを器に盛って食卓に供したり、酒の肴にしたりすることができるが、その後、数日放置して熟成してもよい。ここでの水の投入は、漬け汁9の味を調整したり、昆布12やスルメ13を柔らかくするためであるので、漬け汁9だけで満足する場合は、水の投入は必ずしも必要ではない。
【0030】
また、松前漬けを作る手順は、前記に限定されるものではない。例えば、分包状態の前記漬け汁9、細切りされた昆布12、スルメ13が収納された樽型容器1内から蓋部材2を取り外し、これらの分包袋10、14および分包ケース11を外へ取り出す。そして、分包ケース11内の昆布12と分包袋14内のスルメ13をそれぞれ水に潜らせた後、所定時間気中に放置する。この気中放置によって、昆布12およびスルメ13は適度に柔らかくなり、これを空になった樽型容器1内に入れる。次に、分包袋10の角部分を鋏で切断し、内部の漬け汁9を柔らかくなった昆布12およびスルメ13の上にかける。さらに、漬け汁9がかけられた昆布12およびスルメ13を樽型容器1内で漬け汁9に絡めるように攪拌、混合し、この樽型容器1に蓋部材2を被せるようにしてもよい。これにより3時間程度で食べられるようになり、その後熟成することで旨味がさらに向上する。
【0031】
なお、分包ケース11は、前記実施の形態で示した直方形状に限定されるものではなく、種々の形態が採用可能である。図5(a)、(b)は、分包ケース11の形状を例示したものであり、図5(a)は直方形状(平面視で矩形)を示し、(b)は円筒形状(平面視で円形)を示している。これらの分包ケース11は、容器部11a、11cと、これらの開口部を塞ぐようにこの開口部に熱溶着されたシート状の蓋部11b、11dとからなり、これらのシート状の蓋11b、11dは容器部11a、11cの開口部に対し容易に剥離、除去可能となる。また、容器部11a、11cの外側面に計量メモリ15が刻設されており、昆布12を取り出した後の分包ケース11は、例えば調理用の計量カップとして利用することができる。
【0032】
このように、本実施形態の松前漬けセットは、上方に開口する透明の樽型容器1と、樽型容器1内にそれぞれが分包状態にて収納された細切のスルメ13、細切の昆布12および漬け汁9と、樽型容器1の開口部1aに装着されて、分包状態のスルメ13、昆布12および漬け汁9のそれぞれを樽型容器1内に封止する蓋部材2と、を備えることにより、スルメ13、昆布12および漬け汁9を分包袋10、14や分包ケース11から取り出して樽型容器1内に収納し、これらを攪拌混合した後所定の期間、例えば1〜7日程度密閉状態にて放置、熟成させるという簡単な作業により、良好な食感および食味の、例えば市販のものと同様の食感および食味の松前漬けが得られることとなる。
【0033】
なお、細切りの昆布12を収納した分包ケース11、細切りのスルメ13を収納した分包袋14、漬け汁9を収納した分包袋10および蓋部材2付きの容器1等は、各々別売りすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本考案の松前漬けセットは、一般需要者、消費者が商品として販売されているような食味、食感が良好な松前漬けを、家庭で簡単に作ることができるという効果を有し、分包された複数の素材を収納して販売される松前漬けセット等に有用である。
【0035】
1 樽型容器
1a 開口部
2 蓋部材
2a 天部
3 たが凸状部
4 リング突条
5 嵌合縁
6 舌片
7、8 ラベルシート
9 漬け汁
10、14 分包袋
11 分包ケース
12 昆布
13 スルメ
15 計量目盛

(57)【要約】

【課題】一般消費者が商品として販売されているような食味、食感が良好な松前漬けを、家庭で簡単に作ることができる松前漬けセットを提供する。【解決手段】上方に開口する有底の透明の樽型容器1に、分包状態にて細切のスルメ13、細切の昆布12および漬け汁9が包装され、樽型容器1の開口部1aに前記分包状態のスルメ13、昆布12および漬け汁9のそれぞれを樽型容器1内に封止する蓋部材2が装着されている。


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