(54)【考案の名称】台紙付きカード

(73)【実用新案権者】エニカ株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、台紙付きカードに関しており、さらに詳しくは、カード保持者の特別な意思を記載した記載面を改ざん不可とすると共に、当該記載面を目視不可としたカードを作成するための台紙付きカードに関するものである。

【従来の技術】

【0002】
臓器提供の意思表示カードは知られており、臓器提供者(カード保持者)が、カードを常時携帯していることにより、臓器提供者が死亡した時に、直ちに提供者の意思に基づいて臓器を他人に移植することが行われている。ただし、臓器の提供は、提供される臓器の種類が提供者の意思によって選択的になされているので、提供する臓器がカード上で明確に表示されている必要があるが、一方で、臓器提供者は提供する臓器を他人に知られたくないという実情もある。
【0003】
なお、臓器の提供は、臓器提供者の特別な意思であるから、提供者の意思と異なる臓器の提供は許されないものである。
【0004】
本願考案者は、臓器提供意思表示カードを開発し、提供する臓器を記載した記載面にラミネート加工を施すことによって、臓器提供者が、自己が提供する臓器の記載面を改ざん不可とした台紙付きラミネートカードを特許文献1により提案した。
【0005】
特許文献1に記載された台紙付きラミネートカードは、健康保険証に臓器提供意思表示カードが連接されたものであって、カード台紙(1)に、カード3枚分の大きさを有するカード用紙(2)を剥離可能で再剥離不可に接着し、該カード用紙(2)が、カード表紙(10)、カード裏紙(20)、付加カード(30)の三つに区画形成されており、このうち、カード表紙(10)及びカード裏紙(20)が「健康保険証」となり、付加カード(30)が「臓器提供意思表示カード」となるものである。
【0006】
上記付加カード(30)には、特別情報記載欄(31)を設けるとともに、カード用紙(2)の全面にプラスチックフィルム(6)を接着するのであるが、その際、上記特別情報記載欄(31)となる面に、当該特別情報記載欄(31)に相当する大きさの中間剥離紙(33)を介在させた状態で当該プラスチックフィルム(6)を接着する。なお、特別情報記載欄(31)は、臓器提供者が提供する臓器の種類を明確にするものであって、提供する臓器の種類を記載するとともに、本人自筆の署名欄、署名年月日などが設けられている。
【0007】
臓器提供意思表示カードを作成するには、カード台紙(1)からカード用紙(2)を剥離し、次いでカード用紙(2)とプラスチックフィルム(6)との間に介在させた中間剥離紙(33)を剥離して特別情報記載欄(31)を露出し、当該特別情報記載欄(31)に提供する臓器の種類を記載するとともに、提供者本人が自筆の署名をなし、さらに、署名年月日を記載してプラスチックフィルム(6)を元の位置に接着する。
【0008】
臓器提供者は、カード上において、臓器提供の意思があること並びに提供する臓器の種類を明確にすることができるのであるが、特許文献1に記載された臓器提供意思表示カードは、提供する臓器の種類を記載した特別情報記載欄(31)の記載面がラミネート加工されているので、改ざん不可になっているとは言え、当該情報記載欄の記載事項が第三者であっても読み取れる構造であるから、臓器提供の意思及び提供する臓器の種類などが他人に知られてしまうものであり、臓器提供者にとって必ずしも好ましいカードであるとは言えないものであった。
【0009】

【効果】

【0016】
請求項1は、カード用紙材がカード2枚分の大きさを有しており、中央折込み線により区画された一方の部材に秘密情報記載欄を設け、他方の部材に接合部材積載層を設けるとともに、当該接合部材積載層が2枚の透明なプラスチックフィルムを剥離可能で再剥離不可に形成した擬似接着面を備えており、カード用紙材を中央折込み線から谷折りしてカードを作成したとき、秘密情報記載欄に記載したカード保持者の情報が改ざん不可であるとともに目視不可となるので、秘密情報記載欄に記載した情報を他人に知られるおそれがないものとなる他、接合部材積載層に設けた擬似接着面を剥離することにより当該秘密情報記載欄に記載された情報を読み取ることができることの効果を奏するものである。
【0017】
請求項2は、カードが、健康保険証と臓器提供意思表示カードが併設されたものであるから、常時携帯している健康保険証に臓器提供の意思表示がなされているので、カード保持者が死亡したとき、直ちに臓器提供の意思ならびに提供される臓器を確認することができるので、カード保持者が臓器提供の意思を表示していれば、臓器移植を迅速に行うことができることの効果を奏するものである。
【0018】
請求項3は、カード台紙からカード用紙材を分離する輪郭切込み線がマイクロカットによる細かなミシン目により接続されているので、カード用紙材は、カード台紙から分離するまでは当該カード台紙に一体的に形成されているので、カード用紙材に対する印字作業等がし易いことの効果を奏することの他、輪郭切込み線がマイクロカットのミシン目であるから、カード用紙材を二つ折りしてカードを作成したとき、カードの周縁部分はフルカットされた場合と変わらず滑らかなものとなる効果を奏する。
【0019】
請求項4は、カード用紙材の表面に補助フィルムを貼着したものであるから、カードの表面がラミネート加工されたものとなり、カード使用中に生ずるカードの損傷を防止し得る効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本考案に係る台紙付きカードを示す正面図。
【図2】図1の裏面図。
【図3】図2におけるA−A線の断面図。
【図4】カード用紙材をカード台紙から分離し接合部材積載層の剥離紙を除去した状態を示す断面図。
【図5】カード用紙材を二つ折りしてカードを形成した状態を示す断面図。
【図6】カードの擬似接着面を剥離した状態を示す断面図。
【図7】一部を破断した状態を示すカードの斜視図。

【0021】
図1から図3において、1はカード台紙であって、カード2枚分の大きさを有するカード用紙材2を切り取るための輪郭切込み線3が設けられており、該カード用紙材2は、上記輪郭切込み線3に沿ってカード台紙1から分離し、中央折込み線4に沿って二つ折りしてカード10を形成するものである。
【0022】
上記カード用紙材2は、二つ折りしてカードを形成したとき、四隅部にアール状が出現するように、見開き状態において四隅部及び中央折込み線4の両端部にアール状面取り部3aを形成している(図1,図2)。なお、上記輪郭切込み線3は、アール状面取り部3aがフルカットによる切込みであって、他の部分は、マイクロカットと称する細かなミシン目による切込みである。因みに、実施形態におけるマイクロカットは、スリット(切離された部分)の長さが0.35mm、タイ(繋がっている部分)の長さが0.15mm程度のものである。
【0023】
図1に示す面が、カード用紙材2の表面であって、当該カード用紙材2を二つ折りしたときカード10の表面となるものである。カード用紙材2の表面は、中央折込み線4により区画された一方の部材をカード名称記載面11とし、他方の部材をカードに関する注意事項記載面12としている。
【0024】
また、図2において、カード用紙材2の裏面は、中央折込み線4により区画された一方の部材に秘密情報記載欄13を設け、他方の部材に接合部材積載層14を設けたものであって、これら秘密情報記載欄13及び接合部材積載層14は、中央折込み線から二つ折りしてカード10を形成したときカードの内側面となるものである。図3を参照して、上記接合部材積載層14は、2枚のプラスチックフィルム141,142を剥離可能で再剥離不可に接着した擬似接着面143を有している。
【0025】
カード10の作成は、まず、図4に示すように、カード用紙材2をカード台紙1から分離し、秘密情報記載欄13にカード保持者の特定秘密情報15を記載する。接合部材積載層14の表面に設けられている剥離紙146を除去し、次いで、図5に示すように、当該カード用紙材2を中央折込み線4から谷折りして二つ折りし、接合部材積載層14の第2の粘着剤145を秘密情報記載欄13の記載面に接着する。なお、秘密情報記載欄13に記載された特定秘密情報15は、カード10が中央折込み線4に沿って二つ折りされているので、改ざん不可で目視不可であるが、図6に示すように、接合部材積載層14の擬似接着面143を剥離することにより読み取り可能となるものである。
【0026】
本明細書において「剥離可能で再剥離不可の擬似接着面」とは、2枚のプラスチックフィルムを密着状態で接着したものであって、密着しているプラスチックフィルムによる擬似接着面は剥離可能であるが、いったん剥離すると再度接着させることができない構造をいう。したがって、擬似接着面が密着状態を維持している限り秘密情報記載欄13に記載された特定秘密情報15は、改ざん不可であることは勿論のこと目視不可であって、当該秘密情報記載欄13に記載された記載内容を読み取ることができないものである。
【0027】
ここで、図3を参照して、接合部材積載層14の詳細な構造を説明する。接合部材積載層14は、透明な第1のプラスチックフィルム141に透明な第2のプラスチックフィルム142を剥離可能で再剥離不可に接着して擬似接着面143を形成し、上記第1のプラスチックフィルム141を第1の粘着剤144によってカード用紙材2に接着し、また、上記第2のプラスチックフィルム142に第2の粘着剤145を塗布するとともに、当該第2の粘着剤145の塗布面に剥離紙146を接着したものである。
【0028】
なお、上記擬似接着面143は、第1及び第2のプラスチックフィルム141,142の種類を異にするものであって、接着した時は、接着時の密着状態を保持しているが、接着面をいったん剥離した後は再度密着させることはできないものとなる。
【0029】
第1の実施形態におけるカードは、健康保険証と臓器提供意思表示カードを兼用したものである。カード名称記載欄11には「健康保険被保険者証」の表題とともに、被保険者の氏名、生年月日、住所、保険証の有効期限、保険証の番号等を記載し、また、注意事項記載欄12には、健康保険被保険者証についての注意事項等を記載する。
【0030】
また、上記注意事項記載欄12には、このカードが「臓器提供意思表示カード」であることを表示するとともに、剥離位置を示したうえで、例えば「カードを剥離すれば臓器提供の意思並びに提供される臓器が記載されている」といった文言等を記載する。ただし、カードが「臓器提供意思表示カード」であることを示す表示箇所は、注意事項記載欄12に特定されないことは勿論である。
【0031】
上記秘密情報記載欄13には、提供したい臓器の種類を明確にするとともに、提供者本人の自筆署名欄、家族の自筆署名欄、署名年月日等を設ける。
【0032】
カード台紙1は、図1,2に示すようにカード用紙材2が分離されていない状態で、カード名称記載欄11に氏名、住所、生年月日等をプリンタにより印字した後、カード台紙1ごと受取人へ送付される。ここで、カード台紙1を受け取った受取人は、カード用紙材2をカード台紙1から分離し、次いでカード用紙材2の秘密情報記載欄13に、臓器提供の意思、提供したい臓器の種類などの特定秘密情報15を記載し、本人及び家族が自筆署名をするとともに署名した年月日を記載する。
【0033】
なお、提供したい臓器の意思表示は、例えば、臓器の種類を予め記載しておき、提供者が提供したい臓器に○印を付すようにしてもよい。
【0034】
秘密情報記載欄13に、臓器提供の意思並びに提供したい臓器が明確に表示されたら、接合部材積載層14の表面に設けた剥離紙146を剥がし、カード用紙材2を中央折込み線4から谷折りして第2のプラスチックフィルム142に塗布した第2の粘着剤145の塗布面を上記秘密情報記載欄13に貼着する。これにより、図7に示すように、「健康保険被保険者証」としてのカード10が形成される。ここで、カード用紙材2を切り離すための輪郭切込み線4がマイクロカットによるミシン目であるから、カード台紙1から分離されたカード用紙材2の周縁部、すなわち、カード10の周縁部はフルカットと同様に滑らかなものとなっている。
【0035】
また、カード10は、カード用紙材2を二つ折りにして接着しているので、秘密情報記載欄13に記載した特定秘密情報15は、カードに形成された時点で改ざん不可となるだけでなく目視不可となり、接合部材積載層14の擬似接着面143を剥離しない限り当該秘密情報記載欄13に記載した情報を読み取ることはできない。
【0036】
カード保持者が死亡した時は、接合部材積載層14の擬似接着面143を剥離すれば秘密情報記載欄13に記載された特定秘密情報15を確認することができる。擬似接着面143を構成する第1及び第2のプラスチックフィルム141,142は、いずれも透明フィルムであるから、当該擬似接着面143を剥離すれば、第2のプラスチックフィルム142を介して秘密情報記載欄13に記載された特定秘密情報15を読み取ることができる(図5)。秘密情報記載欄13に、臓器提供の意思が表示されていれば、提供される臓器を移植用に利用することができるものとなる。
【0037】
第2の実施形態におけるカードは、図3を参照して、カード用紙材2を中央折込み線4に沿って二つ折りしてカード10を形成したときに、カード10の表面がラミネート加工されたものと同様の効果を奏する補強フィルム16を第3の粘着剤17によって貼着したものである。
【0038】
カード素材が上質紙などの場合は、使用頻度にもよるが、早い時期に損傷するおそれが生ずるので、カード素材の表面にラミネート加工を施すことで長期の使用に耐えるカードが得られることになる。
【0039】
1 カード台紙
2 カード用紙材
3 輪郭切込み線
4 中央折込み線
10 カード
11 カード名称記載面
12 注意事項記載面
13 秘密情報記載欄
14 接合部材積載層
141 第1のプラスチックフィルム
142 第2のプラスチックフィルム
143 擬似接着面
144 第1の粘着剤
145 第2の粘着剤
146 剥離紙
15 特定秘密情報
16 補強フィルム
17 第3の粘着剤

(57)【要約】

【課題】健康保険証と臓器提供意思表示カードを併設し、臓器提供の意思並びに提供する臓器の種類を記載した秘密情報記載欄を改ざん不可とするとともに目視不可としたカードを提供する。【解決手段】カード台紙1にカード2枚分の大きさを有するカード用紙材2を分離可能に設ける。カード用紙材2は二つ折りしてカードを形成するものであって、二つ折りされたカードの裏面側に中央折込み線4により区画された一方に秘密情報記載欄13を設け、他方に接合部材積載層14を設ける。接合部材積載層14は、透明な2枚のプラスチックフィルム141,142を剥離可能で再剥離不可に接着した擬似接着面143を備えており、秘密情報記載欄13にカード保持者の特別情報を記載したのち当該秘密情報記載欄13に接合部材積載層14を接着してカードを形成する。


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